2017年12月全国「精神病」者集団ニュース抜粋

ごあいさつ

さて年末ぎりぎりの発行となってしまいましたが。皆様いかがお過ごしでしょうか。
クリスマスプレゼントどころか生活保護基準13%以上の引き下げというとんでもない方針が出されようとしています。同封の反対署名にご協力をお願いいたします。さらに12月19日には2名の死刑執行もなされました。東京拘置所の松井さんは刑確定前には文通していた会員もおられるし、ニュースにご投稿もいただいていました。確定後ニュースも入らなくなってしまいましたが。国連人権理事会でも多くの国から死刑廃止、少なくとも執行停止を勧告されていましたが、一切聞く耳を持たない政府はますます孤立の道を歩いていくことになります。もちろん日本の精神障害者の人権状況も障害者権利条約批准後ますます悪化しています。政府によるヘイトクライムとでも呼ぶべき精神保健福祉法改悪案が再提出されようとしています。再提出阻止の署名にご協力をお願い致します。全国「精神病」者集団の混乱状態は未だ続いており解決の目処が立っておりませんが、紛争を宝により強い仲間の絆を作り解決へと話し合いの道を探っているところです。会員の皆様もそれぞれに解決へと動いてくださっておられますが、長年の課題であり、そして運動論組織論の問題でもあり、まず会員の皆様のお力ご協力が必要です。会員交流会には運営委員も参加しておりますので、会員交流会に多くの方のご参加を呼びかけます。
新しい年が多くの仲間にとって幸多かれと祈ります

投稿
S

拝啓
いつもありがとうございます。
先日病地学会の1日目のみ出席しましたが、それはそれはひどいものでした。
あの学会には、当事者も大勢出席し、いろいろな立場の人が出席するので、あそこに出席する医療関係者はまだまともだといわれていますが、案の定、自分(たち)はちゃんとしている、と、自己満足していて、他の病院・全国・海外の実情、患者の退院後の生活・人生に無知・無関心でした。

被害者たちや支援者の証言・意見・違法性の指摘を聞いてもなんとも思わないようでした。
看護師はフロアの弁護士から、強制治療は差別であり違法であると言われても、強制治療すれば良くなる、強制治療をしなければ入院が長引く、と、自信満々に主張しました。良くなるというのは、その場だけ、見た目だけである。
患者は後々まで苦しんでいる、と、すでに被害者たちや支援者が証言しましたし、強制治療は措置入院以外では法的に認められていない、と、座長の関口さんからも、すでに指摘されていました。
仮に、本当に良くなるとしても、治療のためなら法律に違反しても構わないなどということは許されないはずです。べつに、死ぬか生きるかの瀬戸際でもないのに。
シンポジストの弁護士は、現実を知らず、ムキになって医者の肩を持ち、あまりにも非論理的なことを口走りました、あんなのが権利擁護者だなんて、頼りないどころか、裏切り者です。
終わったあと、仲間の女性からのショートメッセイジにまた呆れました。
正義の味方ぶったプレゼンターを始め、複数の男から「誘われた」というのです。彼女にはご主人もお子さんもいるというのに。彼女は私と真逆で優しいので「悪気はない」と言いましたが、悪気がないとは信じられませんし、悪気がなければ何をしてもいいということにはなりません。
“善意”の医療関係者・フクシの人間は、悪意の連中より罪が軽いなどとは思えません。
痛風で措置入院させられたという証言、いつもお元気な関口さんの別人のようにおつらそうなご様子「身体拘束を受けたら、どんな拷問にも耐えられる」とのお言葉。そしてもうひとりの座長の長谷川利夫教授の締めくくりのお言葉「人に危害を加える危険性なら、暴力団のほうがはるかに高いのに、暴力団は予防的に逮捕しないで、精神障害者は予防的に隔離・拘束するというのは、明らかに差別です」に、日本の精神医療の恐ろしさを改めてまざまざと実感させられた思いです。
他にも、ひどいことがありましたので、また投稿させていただきたく存じます。今後ともよろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

ぼくたち、わたしたちはなかまです
2017年11月10日
全国「精神病」者集団会員 T

連続投稿お許し下さい。今日、山本眞理さんのニュースを受け取り、自分の「合宿感想文」を読んで、「あ! まずい!」と声を上げ、筆を取っています。「合宿感想文」では「権利条約を社会に落とし込むためには組織化が必要である」と私はかいてしまいました。今、その考えの間違いを書いていくことで皆様にお詫びを申しあげます。 まず第一に「運営委員会」は間違いです。全国「精神病」者集団は企業や学校や軍隊ではありません。合理な「会則」に統制される集団になってはいけません。

ぼくたち、わたしたちはなかまです。「仲間」ですから「会則に従い会員資格を失う」などという排除はいけません。例えば健常者の集団が理性原理で動いているにしても、また、その理性原理をペラペラ話し厚生労働省や国会議員たちとかかわらないといけないにせよ、私たち全国「精神病」者集団は「なかま原理」をしっかり確立してきたし、確立していかなければならいません。
「なかま原理」とは「ペラペラ話すことが苦手ななかま」や「理論に圧迫を感じるなかま」も決して「仲間はずれ」にしない原理です。健常者の世界を「近代社会」「国家権力」「市民社会」「美しい国」などなど、なんと呼ぼうと構いませんが、いずれも「仲間はずれ」の上に成り立っている差別社会ではありませんか。
「あなたの言っていることはおかしい」といわれ排除されてきた病者はこの差別社会と同じ土俵の上に乗ってはいけません。
運営委員会は、近代合理主義への対抗として「リゾーム型集団」を目指してきた全国「精神病」者集団の本質を犯して、「50人位の総会」で「規約に基づく執行部を頂点とするピラミッド型組織」を全国「精神病」者集団500人の中に持ち込み、「改革を実行する部隊」を大義としています。その部隊の隊長は理論を打ち立てて学会で発表し法律制度を変更し「病者救済」を成し遂げたいようです。
しかしそれは違います。
大切なものを失った改革は、ぼくたち、わたしたちから「なかま原理」を取り上げた時点で「ひっくり返って」います。医者と患者の上下関係がピアスタッフと利用者の上下関係に置き換わるだけだからです。そしていつでも「ルールを守らない病者」を「取りこぼして」自殺に追い込む罪を「引き続き繰り返していく」でしょう。全国「精神病」者集団だけは「みんながなかま」であり「大切にされる解放区」でした。
その期待を2017年11月に裏切ってしまってはいけません。
近代合理社会から「はみ出した者たち」が「なかまとしてのまとまり」「そこで作り上げたリゾーム型集団を社会へ投げ返す」ことこそ全国「精神病」者集団の本質だろうと思います。ピラミッド型軍隊式の企業や学校への「なかま原理」を広めていく「社会のあり方の大きな解放」ことこそ全国「精神病」者集団の役割でした。これからもそうあってほしい。やさしい女性活動家の包容力の中に病者は自分の再生を経験し、誇りを取り戻してきました。男性活動家の理屈は全国「精神病」者集団の「はじっこ」にいてほしいと思います。

精神保健福祉法「改正」案再提出阻止緊急署名のお願い

呼びかけビラダウンロード

精神保健福祉法「改正」案再提出阻止 緊急署名のお願い
政府は、精神障害当事者をはじめとする国民の圧倒的な批判の中で精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律(案)の成立を試みました。しかし、厚生労働省は国会での質問に答えられない場面もあり、参議院先議にもかかわらず記録的な長時間の審議の後、法案成立を断念して継続審議となりました。
その後の臨時国会では解散・総選挙となりこの精神保健福祉法「改正」法案は廃案となりました。ところが、2018年の国会で政府は法案をほぼそのままの形で提出し成立させようとしています。

私たちはこの「改正」法案は以下5点の理由で二度と国会に提出されてはならないと考え、緊急署名を呼びかけます。
1 相模原事件を契機に「精神障害者による犯罪」を防ぐための精神保健福祉法の見直しに力点が置かれたこの法案は、精神障害者は犯罪をしやすい危険なものであるという差別と偏見を助長し再生産するものであること。
2 法案は精神障害者の措置入院後の支援計画を立てるとしているが、その計画作成過程に本人の意向は必須とされず、法文上では本人は「計画」を交付される客体とされ、支援計画を作ることは自治体の義務とされて本人の意向を無視した計画が作られる可能性が残りそれは支援の名に値しないだけでなく、憲法で定められた自由権の侵害になること。
3 退院後支援計画を作る精神障害者支援地域協議会には警察の参加が想定されており、退院後支援が精神障害者への監視として運用されかねないこと。
4 措置入院者の個人情報が退院後支援計画の作成過程で援助関係者の中で共有されるが、援助関係者の中には警察の参加も想定されており、警察が精神障害者の監視のために個人情報の利用をしかねないこと。
5 こうした監視が措置入院経験者という理由で行われるとすれば、それは正当な理由とは言えず、憲法で定められた平等権を侵し、措置入院経験者への差別となること。

よびかけ団体
〇心神喪失者等医療観察法をなくす会
〇国立武蔵病院(精神)強制・隔離入院施設問題を考える会
〇心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク
〒 173-0004 東京都板橋区板橋2-44-10-203 北部労法センター気付
要請署名
内閣総理大臣殿
厚生労働大臣殿

要請
私たちは すでに廃案となった精神保健福祉法「改正」案の再提出をしないように要請します

署名は以下からお願いします

https://antimhabill.jimdo.com/

 

参考資料
日弁連意見書 2017年11月15日
法条文と国会答弁の食い違いを詳細に分析、法案の再上程に反対した意見書です
いかにいい加減な穴だらけの法案で、措置体験者の人権侵害を合法化しようとしているか、よくわかります

Japan Federation of Bar Associations
summarizedby Yamamoto in English

 

精神保健福祉法案Q and A by 山本眞理

緊急院内集会「もうひとつの生活保護基準部会 ~厚労省は当事者、生活保護基準部会の声を聴け!~」

緊急院内集会

「もうひとつの生活保護基準部会 ~厚労省は当事者、生活保護基準部会の声を聴け!~」

厚労省が来年度から生活保護基準を大幅に引き下げる方針を示しています。減額幅を5%に抑えるという報道も出ていますが、5%でも十分過酷な大幅引き下げです。
2013年から生活扶助基準、住宅扶助基準・冬季加算が相次いで引き下げられ、29都道府県で違憲訴訟が争われているさなか、さらなる引き下げ自体があり得ません。

下から10%の最貧困層の生活水準に合わせての引き下げは、市民生活全体の際限ない「引き下げスパイラル」を招くもので、生活保護基準部会も決して容認しているわけではありません。

当事者・支援者の現場からの声を聴いてください!

【日時】2017年12月19日(火)午後2時~

※午後1時30分から衆議院第1議員会館ロビーで通行証を配布します

【場所】衆議院第1議員会館多目的ホール

※入場無料・事前予約不要

【内容】

「生活保護基準部会報告書をどう読むか」

布川日佐史さん(法政大学教授、元生活保護制度の在り方専門委員会委
員)

「厚労省案のどこが問題か」

森川清さん(弁護士、元葛飾区ケースワーカー)

「子どものいる世帯の扶助・加算削減の影響」

桜井啓太さん(名古屋市立大学専任講師、元堺市ケースワーカー)

当事者・関係者のリレートーク

国会議員発言(適宜)

主催:「もうひとつの生活保護基準部会」実行委員会

連絡先:あかり法律事務所 弁護士 小久保哲郎

(06-6363-3310)

 

2017年 なくそう! 差別と拘禁の医療観察法! 11・26全国集会 講演パワポ

なくそう! 差別と拘禁の医療観察法! 11・26全国集会
池原毅和さんの講演パワポを以下からダウンロードできます

権利条約と逆行する日本の精神医療福祉

14条ガイドライン邦訳はこちら

12条一般的意見はこちら

元拷問等禁止条約特別報告者ノワク氏のレポート一部抄訳はこちら

2008年11月24日、東京都内で「なくそう! 差別と拘禁の医療観察法 11・24 全国集会」
ティナ・ミンコウィッツの講演録

健康の権利特別報告者のレポートはこちら

 

精神保健福祉法改悪案Q and A

精神保健福祉法改悪案は国会解散により廃案とはなりましたが、選挙結果を受けて、来年にも再上程されることになろうかと思います
ビラを作りました
ご参考までに、活用していただけたら幸いです
以下からダウンロードできます

精神保健保健福祉法案Q and A

参考資料
日弁連意見書 2017年11月15日
法条文と国会答弁の食い違いを詳細に分析、法案の再上程に反対した意見書です
いかにいい加減な穴だらけの法案で、措置体験者の人権侵害を合法化しようとしているか、よくわかります
ぜひご一読をおすすめします(山本)

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