全国「精神病」者集団ニュース 2005年11月号

2005年11月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団
ニュース


= ごあいさつ =

10月28日衆議院厚生労働委員会で、障害者自立支援法案が採択されました。審議の中では、基本的な統計の誤り、あるいは意図的な情報操作などが暴露されましたが、与党の圧倒的多数の力で可決されました。私たちのことを私たち抜きに決めるな、という障害者の声は踏みにじられました。しかしこれからも私たちが生き延びるために、法の中身の政省令、そして市町村での闘いが続きます。精神病院・施設から地域への流れを作り出すどころか、精神病院病床の施設化を図ろうとする動きを許してはなりません。

今後は、医療観察法と自立支援法が私たちを監視し、さらに施設に追いやる武器となるおそれすらあります。医療保障すら危うくなるかもしれません。さらに政府は生活保護について国庫負担分の削減の方針すら出しています。

いまいちど、私たちはまず人間だ、という障害者権利条約の思想、どんなに他の人と違っていようと、他の人たちと同じ人間であり、同じ人権があるということを確認しながら、各地域で、自らの権利主張を行っていかなければなりません。そして仲間同士権利主張を支えあう活動を行っていかなければなりません。

多くの仲間の声を求めています。全国「精神病」者集団総会へのご参加を訴えます。

(略)

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〒210-8799 川崎中央郵便局私書箱65号
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鈴木敬治さんの支援費裁判に注目を

大田区の鈴木敬治さんは大田区に対して行政訴訟を8月20日に提訴しました。鈴木さんの支援費の原状回復はもちろんのこと、一方的な月90時間以上にも及ぶ移動介護削減の根拠となっている「大田区異同介護要綱」の差別性を徹底的に明らかにし、障害者の交通権・移動の自由「社会参加」の必要かつ重要性を突き出し、要綱の撤廃を求めています。現在の「グランドデザイン」の理念・攻撃の流れに正面から対抗していく闘いを展開していきたいと思います。初公判は11月10日東京地裁で開かれました。

鈴木敬治さんとともに移動の自由をとりもどす会

〒143-0015 大田区大森西2-7-3 – 202号鈴木敬治さん方

電話・ファックス 03-3763-7653


少数者のためのブックガイド 第2回

星野 弘 『分裂病を耕す』(星和書店) 2940円

三枝 弘

あなたは主治医に不満はないであろうか? 私の見てもらいたい医師ナンバーワンは、H氏(※略)である。

「入院の説得には半日かける。説得とは『医師を信用してもらう行為』で、『患者に病気を認めされる行為』であってはならない」。

処遇困難者といわれる人は「自分が納得できないことに対して『NO!』と言える強さがあった。しかし、一旦納得したら、実に潔い人でもあった」。

病院の夜回診について、体重や月経について、他医の及ばない温かい観察がこの本には記されている。しかし、その底には今の精神医療に対する激しい怒りが秘められている。

病者だけではなく、本誌をお読みの医師・ソーシャルワーカーにも読んでいただきたい本である。再読、三読の価値があると思う。


全国「精神病」者集団総会のご案内

総会日程

11月XX日、XX日、XX日

場所 (略)

参加費その他

参加費は無料 全国「精神病」者集団に会員以外は参加できません。介助者の必要な方は介助者も同席できますが、参加はできません。 宿泊については16名分を無料で提供できるよう用意しました。

申し込み

参加についてはお申し込み不要です。

プログラム

11月XX日(金) 午後1時から5時 精神障害者刑事事件救援について

提起 大野萌子さん 赤堀政夫さん

XX日(土) 午前9時から午後9時まで

内容

午前中 新しい参加者のために全国「精神病」者集団の紹介および状況説明、希望者はビデオ鑑賞(死刑問題)

午後および夜

いま困っていること、そしてその解決をみんなで考えよう

カードに一つ一つ具体的な困っていること、苦しいことなど書いて集めるその後そのカードを整理して、解決方法などを参加者全員で考えていく

XX日(日) 午前9時から午後9時まで

内容 午前中 新しい参加者のために全国「精神病」者集団の紹介と状況説明

午後と夜 全国「精神病」者集団の今後の運営について

なお参加なさる方は日常的に服用している薬および保険証をご持参なさるようお願いします。



北から 南から 東から 西から


精神病者は不幸ではない

東京 O

精神障害(者)に関してひとつの誤解があるのではなかろうか。それは、「精神障害が最悪の不幸である」との認識である。特に統合失調症についてそう考えられることが多いだろう。その認識に障害者も病院の看護者もとらわれ、障害者は「不幸」のままそれに停滞し、看護者も障害者をそのように扱い、差別してきたのではないだろうか……。

精神障害(者)であることは必ずしも不幸ではない。もっとむごい不幸が世の中にはたくさんある。重い病気があるだろうし(それこそ命とりであろう)、むごい生活状況、災害などがある。

精神障害者に関する解明(特に統合失調症のそれ)も大分進んできたことだし、病者は自分を自分の人生を最悪のものと考える必要はまったくない。

むしろ精神障害は人生のひとつのチャンスである。それによってまともな人間になるための良い機会なのである。少なくとも私は精神病(非定形精神病であるが)に陥ったことによって人生の危機を抜け出、真に人間になる道が開けた。いまの私の幸福も精神病になったおかげであり、大いに「運命」に感謝している。私の「運命」であるところの精神病は私を深め、立ち直らせ、発展させた。それは私の場合はキリスト教(カトリック)の信仰にいたったことが大きいが、そうした信仰にいたらなくても、精神障害は人生のひとつのチャンスであることに変りはないといえると思う。

精神障害者は無能であるといわれてきた。しかし本当にそうであるか? 私などが見るところでは、精神障害者より無能と思われる人が世の中にはいっぱいいる。一種の精神的奇形がたくさんいる。何を考え、何のために生きているのだろうかと不思議になるような人でいっぱいであるそうした中にあって、精神障害者は自己反省する習慣を持っており、内省に富み、それだけ人間としても豊かである。私の知っている病者にはそうした人がたくさんいる。男でも女でも同様である。性差はない。

精神障害者は無能ではないが、そのことが直ちに有能であることにもつながらない。精神障害者も、考え、実践し、反省し、本を読み、感性を磨いていかなければならない。それが自己の飛躍につながる。中でも、小説や詩を読むこと、クラシック音楽を聴くことが役立つようである。私の人間形成にも、それらは欠かせないものであった。精神障害者であることがそのまま何らかの特別の権利につながるものではない。精神障害者でもだめな人はだめで、そうした人はもともと人間としての可能性のない人だったのであるかもしれない。精神医療における患者の区別とはまた別の問題として……。

しかし精神障害者になった私にはそのことによってできた仲間がおり、私はその人たちに大きな可能性を見出すことがしばしばであり、その仲間の人たちを弁護したい。可能性のある、知識のある人たちがその中には大勢いる。

まして神経症の人は、病気といっても普通の人とほとんど同じであり、なんら不幸ではなく、可能性を持っているといえるだろう。この人たちについて特に言うことはない。

統合失調症であろうと(私は長いことそういわれてきた)気分障害であろうと非定形精神病であろうと、自分を卑下することはない。精神病は人生の不幸ではないのである。病気の本人がそう考えていいのであり、病院の職員の方々も病人をそのような人間として接していただきたいと思う。「世の中の人たちも、単に薬を飲んでいると聞いただけで、病者を差別したりするのはまったく当を得ていないということに気づいていただきたい。まして精神病的人間が増加している今の世にあって……」


(略)


医療観察法適用状況

10月20日現在89件の適用申し立てがあり、決定は、

「治療せず」と「却下」各1件のほか、入院13件、通院2件。

検察による申し立て数 89件

申し立てが却下されたもの 1件

関東地方(殺人未遂ではなく暴行罪にとどまるということで却下)

審判結果の出たもの 16件

内訳 施設収容決定 13件 地域処遇決定 2件

対象者でないとされたもの 1件 近畿地方(1人に対する強制わいせつ致傷罪

および2人に対する強制わいせつ 捜査段階で心神喪失とみなされ不起訴となり

措置入院中 地裁は「症状は一過性」として対象者としなかった)

(読売新聞05年10月29日による)


医療観察法運用の実態

東京 長野英子

医療観察法特別施設は独立病棟でなくとも認める?!

医療観察法の適用状況は上記にまとめてみたが、現在収容施設ができているのは国立武蔵病院と、花巻病院のみであり、このままでは病床が不足することは明らかとなっている。通院指定病院も埼玉県はひとつもない、と言うのが現状である。そうした中で、政府は施設基準を切り下げ、さらに病床単位での指定さえ認めると言う形で施設不足をまかない、自治体立病院に押し付けようとしている。岡山県立病院院長中島豊璽医師は「触法行為を行った精神障害者の治療環境に関する研究――医療観察法・指定入院医療機関のバリエーションについての考え方――」(中間報告)において、社会復帰期入院病床群、併設小規模病床群などという類型を掲げ、独立した病棟ではなく、病室単位の指定入院施設を提案している。これは国会での答弁でも明らかにされ、しかもそれは法律によらず、政令告示で定められる、と答弁された。この方針に基づき政府はご意見募集を行った。

「この法による医療」という特別な医療などない中、いったいどうやって「この法による医療が必要なもの」を審判で決定すると言うのか。

地域処遇の主役は?

すでに各都道府県・政令指定都市では医療観察法の地域処遇運営連絡協議会が、作られ、保護観察所の下ですべての関係団体が組織されている。

東京都では運営連絡協議会のメンバーは以下が上げられている。

保護観察所/都立精神保健福祉センター(中部、多摩、下谷)/保健所所長会/特別区および市町村代表/指定入院通院機関(入院・通院)/都精神保健福祉民間団体協議会(作業所、地域生活支援センターなどの社会資源、家族会、患者会などが組織されている)/都社会福祉協議会/警視庁生活安全部生活安全総務課/東京都精神病院協会/その他精神障害者の社会復帰を促進するための活動を行っている適当な個人または団体

これらの団体が今後法のもとでの地域処遇を実質的に担わされていくことになる。自立支援法案が成立すれば、介護派遣業者も当然ここに組み込まれる。

医療観察法は医療費だけで以下の金額

収容施設医療費一人当たり年間医療費2117万円

通院医療費一人当たり年間342万円


差別と拘禁の医療観察法の廃止を!

11/20全国集会

政府は7月15日、心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)が破綻状況にあるにもかかわらず施行を強行しました。法の適用者は既に89名を上回る数になっています。

政府はこの法による保安処分・予防拘禁施設を全国で「3年間で24カ所程度」建設する としながら、施行日までに着工したのは3カ所、竣工したのは東京都小平市にある国立精神・神経センター武蔵病院だけです。10月1日に岩手・花巻病院で開棟しましたが、全体に施設づくりは難航しています。これは粘り強い反対運動の広がりによるものです。しかし政府は今、適用を拡大しながら国公立病院を「代用病院」とする法改悪まで目論んでいます。

最初に狙われた人は、「傷害の程度は一週間で重大とはいえないが、無関係の人を殴打し ている」として適用されました。「犯罪」が権力の判断で恣意的にでっちあげられることは 幾度となく経験してきたことです。この法が「精神障害者」差別・治安弾圧法であることが ますます明らかになっています。この法は廃止しかありません。多くの皆さんのご参加を心から訴えます。

■日時:11月20日(日)13:00~16:30

■場所:戸山サンライズ 東京都新宿区戸山1-22-1

■交通:地下鉄早稲田駅・若松駅 徒歩10分

■資料代:300円

■集会内容

・基調報告

・提起「医療観察法と私たちの課題」

池原毅和さん(弁護士)中島直さん(精神科医)

佐藤妙さん(PSW)など

・全国各地の仲間からの発言

□全国交流会 11月19日(土)18:00~21:00文京シビックセンター

□心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク第2回総会

11月20日(日)10:00~12:00 戸山サンライズ

*宿泊は戸山サンライズ。全国から参加される当事者の仲間の宿泊代はネットワークで負担します。

主催 心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク

連絡先 目黒郵便局留め TEL 090-8432-1091 e-mail:kyodou-owner@egroups.co.jp

郵便振替口座 00120-6-561043 加入者名 予防拘禁法を廃案へ!

文京シビックセンター 地図

住所 文京区春日1-16-21

電話 03(3812)7111

東京メトロ丸の内線・南北線 後楽園駅徒歩1分 都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅 徒歩1分 JR総武線 水道橋駅徒歩8分


守山・東尾張病院 「触法精神障害者」12月受け入れ=愛知

◆厚労省説明会に地元反発

凶悪犯罪を起こしながら刑事責任が問われない精神障害者(触法精神障害者)の社会復帰を促す治療を行うため、厚生労働省が守山区の国立病院機構東尾張病院の敷地内に建設を計画している入院施設の説明会が29日あり、同省は具体的なスケジュールを初めて示し、12月1日から対象者の受け入れを始める考えを明らかにした。

この日示されたのは、新病棟の建設と並行して既存の病棟を改修し、12月1日から受け入れを始め、来年10月1日から新病棟で対象者を受け入れるという方針。

12月から受け入れを始めるのは、今年7月から入院対象者が出てきているためという。

これに対し、出席した約100人の住民からは「説明が足りない」「早急すぎる。準備ができるのか」といった反対意見が相次ぎ、厚労省は早急に住民との連絡協議会をつくり、協議会の場で説明していくと答えた。

この施設は、今年7月に施行された「心神喪失者医療観察法」に基づいて設置される。殺人などの重大な加害行為を起こしながら、責任能力が認められず、無罪や不起訴となった精神障害者(触法精神障害者)を、国が指定した期間内に専門的に治療し、社会復帰させることを目指す。

住民は「地域への影響が懸念される」などとして、反対している。

(読売新聞) 中部朝刊 名古屋市内 2005. 10. 30


集会案内あれこれ

「脳死」は人の死か?「脳死」論議何度でも!

『臓器移植法』“改正”3案提案者を招いての

市民シンポジウム

『臓器移植法』の「改正」案が来年の通常国会に上程されるといわれています。

ご存知のようにこれまでに①河野・福島案、②斎藤案、③金田案の3つの「改正」案が提案されました。しかし「改正」案や骨子を読んだだけでは何を意味するのか不明な点がたくさんあります。そこで、3案の提案者あるいは影響を与えた研究者や医師・弁護士を招いてのシンポジウムを企画しました。97年の『臓器移植法』施行より8年、『脳死・臓器移植問題』

をめぐる現状はさらに混沌としています。どんな方向を目指すべきか、この市民シンポジウムがその論議を深める一助となることを願います。

とき:2005年11月26日(土)12時~15時

ところ:国民生活センター 1階大会議室(品川駅より7分)

主催:シンポジウム実行委員会(実行委員会参加賛同団体:脳死・臓器移植に反対する市民会議、日本消費者連盟、全国交通事故遺族の会、全国遷延性意識障害者家族の会、医療を考える会、DNA問題研究会、「脳死」・臓器移植を許さない市民の会、「脳死」臓器移植に反対する関西市民の会、優生思想を問うネットワーク、薬害医療被害を無くすための厚労省交渉実行委員会、現代医療を考える会 10/29時点)

パネリスト

*河野・福島案 (福島豊議員に交渉中・未定、渡辺孝男議員にも依頼)

*斎藤案 斎藤鉄夫衆議院議員(決定)

*金田案 光石忠敬弁護士(決定)

*反対市民推薦 小松美彦東京海洋大学教授(決定)

連絡先

脳死・臓器移植に反対する市民会議

tel/fax 03(5624)6064 (夜間)

日本消費者連盟 tel 03(5155)4765(昼間)

e-mail アドレス [ no-gmo@jca.apc.org ]

第13回日本精神障害者リハビリテーション学会

「なにわともあれ語り合おう~やったら、ええやん!! リハビリテーション」

日程 12月3日,4日

会場 大阪府立大学 中百舌鳥キャンパス

シンポジウムI

11月3日 13:50~15:50 Uホール白鷺


「グランドデザインとこれから

~その人らしい暮らしのために、リハビリテーションの果たす役割とは~」

「グランドデザイン」に含まれた内容を吸収しつつ、これを超えた実践と制度の確立へ向けた展開をどのようにしていけるのか。これから、私たちが取り組んでいかなければならない課題を共有し、当事者主権を支える精神障害者リハビリテーションのあり方を論議していきたい。

座長:澤 温(北斗会 さわ病院)

岡田 清(大阪府こころの健康総合センター)

シンポジスト

グランドデザインをどう進めていくか

村木 厚子(厚生労働省障害福祉部企画課長)

支援費制度の改善に取り組んでいる立場から

中西 正司(全国自立生活支援センター協議会代表)

精神障害のある当事者から

山本 真理(精神障害サバイバー)

精神医療保健福祉に取り組む立場から

長尾 卓夫(高岡病院院長)

地域活動を展開する立場から

矢田 朱美(地域生活支援センター ふぁっと)

第13回大阪大会事務局

〒599-8531 大阪府堺市学園町1-1

大阪府立大学人間社会学部社会福祉学科 三野研究室(担当:山口、三浦)

精神障害者リハビリテーション学会大阪大会

専用メール rehabilitation_in_opu@hotmail.co.jp

(略)


全国「精神病」者集団ニュース 2005年8月号

2005年8月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団
ニュース


ごあいさつ

残暑お見舞い申し上げます。皆様いかがお過ごしでしょうか。

酷暑で体調を崩している仲間が多いようです。夏休みも私たちには無縁ですが、それでも体力の消耗を避ける工夫をしてまいりましょう。

戦後60年目の8月15日がめぐってまいりました。精神病院での餓死者も含め数千万人の犠牲のもとに作られた日本国憲法が、いま危うくなっています。平和主義、基本的人権、そして国民主権のために国家を縛る憲法が、逆に国家が国民を縛るものに変質されようとしています。医療観察法も自立支援法案も、社会のあり方国家のあり方そのものを根底から変えるこうした流れの中にあるといっていいでしょう。

すべての人が、尊厳を持って自分らしく街で暮らせる社会をめざすのか、それとも一部の力あるものだけが「人」とされ、それ以外のものが「人」であることを否定され排除される社会を求めるのか、それが医療観察法の問題であり自立支援法案の問題です。

国連では8月1日から2週間にわたり障害者権利条約の特別委員会が開催されました。この権利条約こそ、障害者が「人」であり、権利の主体であることを宣言する条約です。いま私たちは「私たちのことを私たち抜きに決めるな」という声をあらゆる現場から上げることそして私たちはまず人間だ「ピープル・ファースト」を叫び続けたいと考えます。

同封の医療観察法廃止署名を再度呼びかけます。なにとぞよろしく。

(略)

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北から 南から 東から 西から


声明 心神喪失者等医療観察法の廃止を求める!

(詳細はこちらのPDFファイルを)

来る7月15日をもって施行の最終期限を迎える心神喪失者等医療観察法は、精神障害者に対する差別法である。精神障害者は危険という偏見に裏書を与えるばかりか、施行されれば、もはや精神障害者には普通の人権はなく、精神障害者は人間ではないと宣言することに等しい効果を発揮する。私たちはこの法の即時廃止を求める。主たる理由のいくつかを挙げると以下のとおりである。

1 事実認定は、通常の裁判手続で行われるべきである。事実認定に争いがあるとき、弁護士が弁護士としての業務を十分に果たせない制度や審判構造は精神障害者差別である。

1 刑事事犯に当たる行為を行ったというのが、前提にあり、つまるところ応報と将来の社会に対する危険性除去が目的であることは否定できない。応報についていえば、罪刑法定主義を無視するものであり、将来の危険性は強制医療を正当化できないばかりか、擬陽性(危険性がないのにありと判断されること)の問題を生む。そもそも、誰にも正確に判断できるはずもない将来の危険性で人を拘禁することは許されない。

1 拘禁施設がいかに厳重に警備されるか等を地元説明会で行っているようであるが、これは逆に言えば中に閉じ込められた人たちがいかに危険かということのキャンペーンになっており看過できない。法は手厚い医療と社会復帰を目的としているというが、そもそも法自体が精神障害者差別法であり、その施行のための説明会も差別をあおるものでしかないとき、対象とされ拘禁された人たちが地域に戻れるとは到底信じがたい。

1 現に一般精神医療と司法精神医療との考え方の違いを反映して、今に至るも法が指定する拘禁施設の建設はすすまず、法対象者の鑑定の基準あるいは鑑定のための入院中の処遇基準等々、ソフトの面でも到底このまま施行できる段階にはなっていないではないか。高度な手厚い医療とうたったからには、それなりの中身と納得できるソフトとハードを提示するべきであり、それが今にいたるも、なされていないということ自体すでに心神喪失者等医療観察法は破綻しているのであるから、即刻廃止するべきである。

2005年5月14日

心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワーク

連絡先 目黒郵便局止め FAX 03-3738-8815

電話 090-8432-1091 e-mail: kyodou-owner@egroups.co.jp

法廃止まで集め続けます。

団体名

あるいは個人のお名前ご住所 メールアドレス

(もしあれば) 公表の

可否

○ ×


医療観察法初適用を弾劾する

全治1週間の障害で予防拘禁!!

報道によると、6月28日東北新幹線乗客の男性に消火器で殴りかかり、傷害の疑いで逮捕された東京都の男性について、福島地検は19日に初の心神喪失者等医療観察法の申し立てを行った。福島地裁は鑑定入院命令を出したとのことである。福島地検は「傷害の程度は1週間で重大とは言えないが、無関係の人を殴打している」などと適用理由を説明している。通常であれば、微罪につきそもそも逮捕もないか、もしくは起訴猶予ということで直ちに釈放される事例である。

今回はこの男性が「統合失調症であり、責任能力が低い」ということで起訴猶予となり、心神喪失者等医療観察法の申し立てが行われた。この男性は鑑定入院命令により、強制的に精神病院に監禁された。鑑定入院ということは、本来必要な医療が優先され保障されず、あくまで鑑定が優先されるということだ。さらに鑑定という行為自体が、本人にとっては病状に悪影響をおよぼす行為である。

仮にこの事件が病状悪化によるものであるとするなら、本来速やかな医療保障がなされるべきであるし、その上で慎重な司法手続きが行われるべきものである。心神喪失者等医療観察法の適用により、この男性は医療保障どころか、病状を悪化させる鑑定入院を強いられている。心神喪失者等医療観察法の国会審議の際に、この法の致命的欠点として指摘された、医療保障の遅れがいま現実化した。

通常であれば即釈放されるほどの微罪にもかかわらず、医療観察法の申し立てがされ、2ヶ月から3ヶ月の鑑定入院による身柄拘束がなされる。仮に医療観察法対象者となれば、強制的に不定期に予防拘禁される。施設から出られたとしても地域で強制通院監視の下に置かれることになる。地検自身が事件は「重大とは言えない」としており、これでは犯罪を犯したものすべてが心神喪失者等医療観察法のルートに乗せられることになる。

精神障害者というだけでこれほどの差別的な拘禁と監視を押し付けられる、今回の初適用こそが、心神喪失者等医療観察法の矛盾と差別性を明らかにしていると断じざるを得ない。

医療観察法のもとでの拘禁施設数も、そこで働く精神科医はじめスタッフも不足したままで強引に施行した上に、今回の微罪での初適用を私たちは弾劾する。

私たちは福島地検に対し直ちに申し立てを撤回することを求める。さらに福島地裁が本人の利益と医療保障のために直ちに鑑定命令を撤回し本人を釈放するよう要請する。

2005年7月22日

心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワーク

連絡先:目黒郵便局留 Email:kyodou-owner@egroups.co.jp


杉並区での活動報告

東京 Y

■障害者区議会での発言

私は日本DMDクラブという当事者活動団体のYと申します。

(略)


連載コラムNo.1 少数者のためのブックガイド

『天皇の逝く国で』 ノーマ・フィールド著 みすず書房 2940円

昭和天皇の病が公表された1988年9月から、国葬のあった89年2月まで、日本にはジャーナリズムに発表されなかったいくつもの事実があった。この本に登場するのは沖縄で日の丸を焼き捨てた知花昌一、山口で靖国神社合祀違憲訴訟をした中谷康子、天皇の戦争責任発言をポツリとした本島等長崎市長(当時)。彼らは、あの日々をどう生きたか。

著者はアメリカ人の父と日本人の母を持ったシカゴ大学日本文学教授・祖母と母のいる日本を、二つの国に「宙吊り」にされた彼女はどう見たか。

この本を読めば、知花さんたちが「普通の人」として、理解可能になる。毎日を「病者」=少数者として生きるあなたに、この夏、おすすめの1冊である。


障害を通して視えてくるもの

東京 O

私(私達)は精神障害に陥っために常人のような生活を送れずにいる訳だが、そこから人生と社会について視えてくるものもまた多々あるように思う。

(略)


T病院の姿勢と誠意を問う

精神医療監視委員会 H

(略)(一部省略)


医療観察法廃止署名を再度訴えます

選挙の結果もわかりませんし、次の国会がいつになるかまだわかりませんが、再び自立支援法案が出される可能性もあり、また施設の不足から、公立病院に施設を受け入れさせるために、心神喪失者医療観察法「改正案」も上程される見込みです。

再度法廃止に向けた署名を同封いたしました。

多くの方に署名にご協力を訴えます。また周囲の方から集めていただく、参加なさっておられる団体の署名を取っていただく、ありはそのニュースに同封していただくなど広く署名を訴えていただけますようお願いいたします。

またさらに各地での学習会などの開催を訴えます。講師などの派遣もいたしますのでなにとぞよろしくお願いいたします。各地ですべての社会資源、家族会患者会までが医療観察法地域処遇運営に動員されつつあります。専門職に協力拒否を訴えていくためにも周囲の方に署名要請を。

いま予定の入っている医療観察法関連の集会は以下です。

9月10日(土曜)午後1時15分-2時50分

どうなる?心神喪失者等医療観察法

◆ 場所 大和郡山市・やまと郡山城ホールの小ホール

近鉄郡山駅から線路沿いに北へ7分。

◆ 主催 精神障害者の社会参加をすすめる会

「ハートフルこおりやま」

◆ 問い合わせ 地域生活支援センターふらっと

0743-54-8112

10月6日(木) 午後1時~

会場その他詳細未定 参加ご希望の方は窓口までお問い合わせください

10月7日(金)午前10時半から12時 理事会企画

「医療観察法施行と精神保健・福祉」

第48回日本病院地域精神医学会総会

お問い合わせ 福岡大会運営事務局 八幡厚生病院内 電話 093-603-7213


医療観察法施行の現状

東京 山本真理

医療観察法は、成立後も収容施設を受け入れる病院のめどが立たず、年間300人の対象者という政府の予測に対して、現在開設しているのは国立武蔵病院のみ、開設を予定している花巻病院を入れても年内には2病院66床しか確保できていない。しかも花巻病院では職員が集まらず、このままでは運営不可能という悲鳴が現場から上がっている。

政府は地元住民の反対運動のために施設建設が進まないと弁解しているが、いままで日本政府は、高速道路だろうが原発だろうがいかなる反対運動があろうと建設を強行してきたことを見ると、施設建設が進まない真の理由はこの法律が精神障害者差別立法であるがゆえに、協力する施設や専門職が不足しているということだ。

そうした中で政府は強引に法廷の期限ぎりぎり7月15日に施行を強行した。

☆全治1週間の傷害が「重大な犯罪に当たる行為」?

7月19日に早くも初適用がなされた。傷害事件であるが、被害は全治1週間、申し立てを行った検察ですら「重大な事件ではない」と発言している軽微な事件である。法律上は傷害事件に関してはその程度により検察は医療観察法の申し立てをしないこともできるにもかかわらず、あえて検察は初適用を選択した。

8月4日時点ですでに12名の適用が確認されており、さらに8月10日には千葉では傷害全治5日の事件について、実刑判決ではあるが、未決算入により刑の執行がないとのことで法の申し立てが行われている。この事件は獄中での事件であり被害者は看守。

本来この程度の事件であれば逮捕さえないのが普通でありが、このケースでは精神障害者であるがゆえに、あるいは精神障害者とみなされたがゆえに、2ヶ月から3ヶ月の鑑定入院を強制され、さらには審判次第で無期限の予防拘禁や地域での強制医療が科せられることになる。仮にこの事件が精神疾患によるものであるなら、迅速な医療保障こそ求められているにもかかわらず、法適用によりいたずらに治療のチャンスを逃してしまうことになる。

この微罪での適用こそこの法律が保安処分であることを明らかにしている。すなわち「やったこと」を問題にするのではなく、「やった人」の人格を問題にし、その矯正のために不定期に予防拘禁し強制医療を施し「再犯を防止する」、ということがこの法律の目的なのだ。

☆地域のすべてのサービスが医療観察法に動員される

すでに各都道府県・政令指定都市では医療観察法の地域処遇運営連絡協議会が、作られ、保護観察所の下ですべての関係団体が組織されている。

東京都では運営連絡協議会のメンバーは以下が上げられている。

保護観察所/都立精神保健福祉センター(中部、多摩、下谷)/保健所所長会/特別区および市町村代表/指定入院通院機関(入院・通院)/都精神保健福祉民間団体協議会(作業所、地域生活支援センターなどの社会資源、家族会、患者会などが組織されている)/都社会福祉協議会/警視庁生活安全部生活安全総務課/東京都精神病院協会/その他精神障害者の社会復帰を促進するための活動を行っている適当な個人または団体

これらの団体が今後法のもとでの地域処遇を実質的に担わされていくことになる。自立支援法案が成立すれば、介護派遣業者も当然ここに組み込まれる。

こうした精神保健福祉医療サービスをいったい誰が信じられるだろうか。

各地でこれらサービス事業者への協力拒否の訴えが求められている。


ちょっと待て!心神喪失者等医療観察法6・12の集い

6月12日、「ちょっと待て、心神喪失者等医療観察法6・12の集い」が、国分寺労政会館にて開かれました。

集会当日は、まず石毛えい子衆議院議員より、「障害者差別の現在を考える」と題する講演を行なって頂きました。石毛議員は、障害者差別禁止条約制定への動きに連動する形で、日本の障害者基本法に昨年、「何人も障害を理由に差別をされない」との法文が入れられたものの、その法文をふまえた上での心神喪失者等医療観察法にまつわる議論が国会でなされてこなかったことを残念に思うと、まずは弁明された後、その法文の入ったことが障害者差別禁止法の制定を加速させることになるのか、あるいは収束させることになるのか、というのが現在の立脚点であり、それから、障害者の労働・教育の場においての合理的配慮(リーズナブル・アコモデーション)の理念をいかに浸透させていくかが現在滞っている問題点、であろう旨を報告され、最後に、障害者雇用促進法や自立支援法の問題点について言及され、そこから生ずる問題認識から、昨年の障害者基本法の改正では障害者の差別禁止を謳ったものの、個別に障害者の法分野を見てみれば、まるで差別の禁止には至っていないと結論されました。

議員としてのみならず、石毛さん個人としての立場から現状の問題点を直視する、まさに障害者差別の現在が浮き彫りとなった講演でした。

弁護士の池原穀和さんは、現状の4つの問題点として、第1に、鑑定入院期間中の不服申立規定のないこと、第2に、「医療の必要性」という要件の変更の意図が未だはっきりと捉えられていないこと、第3に、自立支援法にて処遇され社会復帰することになること、第4に、情報コントロール権の保障のないことをあげられ、3つの方向性として、第1に、入院決定が出てしまった場合、ともかくも裁判所に「乱入」していく必要があろうこと、第2に、施行させない、させてしまったとしても廃止させる運動を続けていく必要があろうこと、第3に、福祉領域だけで議論していると行き詰まるので、もっとグローバルな視点で、もっと裾の広い市民運動にしていく必要があろうことをあげられ、われわれの今後の活動のビジョンとなるものを提示して頂きました。

龍眼さんは、心神喪失者等医療観察法の法的問題点をおさらいする基調報告。Oの会の大野萌子さんは、地元名古屋での活動などを報告。赤堀政夫さんからは、「皆さんどうか今後ともよろしく協力して下さいますようお願い致します」との貴重なお言葉を頂きました。北海道の仲間は、新法の対象者は心神喪失者「等」である、次に対象となるのはあなたかもしれないよと巧みに警告。

考える会からは、迷惑施設論としての予防拘禁施設反対運動に危惧を表明。精神科医の岡田靖雄さんは、狭められた通院医療費公費負担制度は入院医療を補完するものに他ならない、ものであり、また心神喪失者等医療観察法の施行と精神医療全般の向上の実情は前者のみを重要視した一輪車であると分析。

全国「精神病」者集団(の山本真理さん)は、ずっと「ごみ」として扱われ続けてきた精神障害者に対して、従来の「ごみ箱」としての役割を期待された精神病院よりも更に今回治安管理の役割を期待された「危険ごみ処理施設」が造られようとしていると批評。

茨城自立支援センターの仲間は、心神喪失者等医療観察法はまさに精神障害者が自殺を選ばなければならない法律となっていると批判。PSWの仲間からは、道路交通法にも「予測」を根拠とする規定が入ろうとしている現状に危惧を表明。その他時間が巻きに入る中、たなし工房、チェルシー、部落解放同盟国立の方からも、おのおのの問題意識を語っていただきました。

最後に決議文を採択して、集会は終わりました。参加者は三多摩地区を中心に97名。遠方からはるばるおこしになられた方も多数。カンパアピールでは33,253円が集まりました。

集会の余韻覚めやらぬ、さる6月21日、われわれは、小平市役所そして全国に先駆けて予防拘禁施設を建設した国立武蔵病院に決議文を提出して参りました。(考える会・K H)

「心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワーク」ニュースNo.5より


県内で委嘱辞退の動き医療観察法の強行施行で

医療観察法が7月15日に全面施行されました。医師、精神保健福祉士がこの法律で定める精神保健判定医、同参与員に委嘱されていますが、個人情報の取扱いや鑑定入院機関での処遇などに疑問・問題が多いとして、来年の継続委嘱を辞退する動きが県内で出ています。

奈良県では医師、精神保健福祉士各5人が、本年1月から1年間判定医、参与員として地裁から委嘱を受けています。法施行に伴い近畿厚生局はいま平成18年の継続委嘱について電話で意思確認をしていますが、1人は継続の意思がないことを表明しました。現在検討中の人もあり、同意書提出の段階でさらに辞退が増える可能性もあります。

委嘱を受けている10人はいずれも県内の医療機関や行政機関に所属しています。

辞退の理由は、法律に不備があり、指摘や質問に対して明確な対応や回答が示されておらず、このままでは関係機関との信頼関係が保てない。強行施行で矛盾点が噴き出し、本来業務に支障を及ぼしかねないというものです。

同法の対象者は年間300人と国は推定。入口比から県内では年間3人ほどと見られます。該当事案がでたとき、判定医は精神保健審判員として地裁裁判官と法廷を構成、また鑑定業務を行い、参与員は福祉的立場から意見を述べます。

同法については関係団体のほとんどが廃止・凍結を求めており、日本弁護士連合会が6月17日に施行延期を求める意見書を、日本精神神経学会が同24日に施行凍結を求める声明を発表しました。(マインドなら 2005年8月号より)


障害者自立支援法案廃案!!

8月8日、参議院本会議において郵政法案が否決されたことを受け、衆議院が解散、そのため国会は閉会となり、自動的に障害者自立支援法案は廃案となりました。以下廃案を受けてのアピールです。尾辻厚生労働大臣は秋の国会にもう一度同じ法案を提出すると宣言しており、予断を許さない状態です。これからがいわば私たち障害者の闘いの本番ともいえましょう。

「障害者自立支援法案」廃案を受け、障害者の地域生活確立を求めるアピール

本日、参議院本会議での郵政民営化法案の否決を受けて、衆議院が解散されることとなった。そして、衆議院解散に伴って、参議院で審議中だった障害者自立支援法案は廃案となった。

直接的には郵政法案による情勢を受けてのものではあるが、ここに至るまで障害者自立支援法案の審議が延びてきたこと自体、「私たち抜きに私たちのことを決めないで」と言った、障害当事者による粘り強い取り組みによるものである。

2月に当事者抜きで法案上程がなされたことに対する抗議行動に続き、5月には9000人の障害者・関係者が日比谷公園周辺に集まり、2000名の国会請願が行われた。さらに、7月には歴史に残る1万1000人の障害者・関係者による国会請願デモが取り組まれ、「このままの障害者自立支援法案では自立はできません!」との痛切な声が国会周辺に響き渡った。

また、国会審議が行われる度に連日国会周辺でのアピール行動が取り組まれるとともに、全国各地で地域集会が取り組まれてきた。

だが、7月13日に衆議院・厚生労働委員会、15日に本会議で採決が行われ、与党多数で可決され、参議院に送られた。その後、参議院では1回委員会が開催されただけにも関わらず、強行採決の動きすら噂されるような状況にあった。

私たちは当事者抜きで拙速につくられた法案が、国会で十分な審議や見直しが行われずに、このまま通過していくことは到底認められないと訴え続けてきた。

「障害者自立支援法案」廃案という事態を前に、当事者からの不安の声や問題指摘に耳を傾けずに一方的に法案を作成-上程したことへの、政府・厚生労働省の真摯な反省を求めるものである。国会でも指摘された通り、厚生労働省が出したデータに対する信頼性が揺らぎ、社会保障審議会障害者部会での議論の在り方が問われている。また、その反省に立って、小手先の修正による再提案ではなく、障害当事者との丁寧な議論をじっくりと行い、一からやり直すことを強く求めるものである。

この間、福祉・医療の応益負担の導入、重度障害者に対する長時間介護サービスの確保、審査会による支給決定の問題、移動介護の個別給付化、障害程度別のグループホームの再編とミニ施設化等の課題が指摘されてきた。そして、このままの自立支援法案では、ノーマライゼーション理念、施設から地域へという流れにブレーキがかかり、障害者の地域生活を根底から揺るがすことになるとの提起がなされてきた。こうした意見を真摯に受け止めることが必要である。

障害者自立支援法案の国会審議の最中に「もし、法案が今国会で成立しなければ、来年1、2月の2カ月分の予算が確保できなくなる」との説明が繰り返されてきた。だが、今回、国会で廃案が選択された以上、障害者サービスが後退することのないよう、予算確保に向けて政治の意志が示されることを、与野党に対して要請する。

特に、過去2年の支援費の予算不足とは異なり、国庫負担金として170億円の予算は確保されている。予算の費目を超えて利用できるようにするための国会決議を行うとともに、それでも不足する場合には補正予算も含めた予算措置がなされなければならない。

さらに、障害者自立支援法案での議論では、日本の障害者関連予算は国際的に圧倒的に低水準にあることが明らかになった。とりわけ、障害者の地域生活に関わる予算確保とサービス基盤整備について、飛躍的な充実が求められている。

こうした点をふまえて、「障害者の地域生活基盤整備・特別措置法」のような措置を行い、当面の基盤整備を行うことが必要である。

以上、今度こそ、私たち当事者の声に基づいた政策決定がなされることを、心より求めるものである。

2005年8月8日

「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」実行委員会 代表 横山晃久

(略)


全国「精神病」者集団ニュース 2005年6月号

2005年6月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団
ニュース


= ごあいさつ =

うっとうしい梅雨の季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。厳しい状況の中で闘いに倒れ、体調を崩している仲間も多いようです。明日がどうなるのかその不安も確実に仲間の病状に影響しています。どうか皆様おからだをお大事に。

障害者自立支援法案は民主党が反対を表明したものの、与党と修正協議に入るという形で先行きは見えませんが、都議選後の7月半ばには採決もありうるという状況です。

32条廃止後の自立支援医療の対象者の基準をめぐる検討会も発足し、市町村では法案が審議中にもかかわらず、32条廃止後の手続き準備作業が始められています。また障害区別区分の審査基準のために全国の市町村61箇所で、身体・知的・精神障害者10名ずつを選び審査の施行事業も始められています。

私たちのことを私たち抜きで決められていくこうした動きに対して、各地でさまざまな闘いが継続しています。各地の動きについては窓口までお問い合わせいただくか、インターネットをお使いの方は「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」のホームページ以下をご覧ください。
http://www.j-il.jp/jil.files/daikoudou/daikoudou_top.htm

今回ページ数と時間制限のため掲載できなかったご投稿もあります。次号までお待ちください。総会へのご意見、その他ご投稿をお待ちしております。

(略)

★お手紙、各地のニュース、住所変更、ニュース申し込みはすべて
〒210-8799 川崎中央郵便局私書箱65号
絆社ニュース発行所
E-mail:
電話 080-1036-3685
(土日以外午後1時から午後4時まで)
FAX 03-3738-8815
★会員の運営している私設ホームページ
http://www.geocities.jp/bshudan/
携帯電話でも見られます。

北から 南から 東から 西から


(略)


名古屋市の老人介護保険の実態

名古屋市 南区の老人介護申請者 大野萌子

都大田区の精神障害者ホームヘルプサービスの実態を長野英子さんの訴えで知った。

ホームヘルプサービスといわれるのは、相手の要求や、要望を聞き入れていれ、それらを原則として検討するものとは到底思えない「サービス内容」である。

これではサービスではなく、虐めに等しい。

■ 名古屋市 南区 老人福祉課

だが、名古屋市南区の老人介護保険のサービスも同様であることを多くの仲間に伝えたい。

現在私は69歳である。53歳に左足関節複雑骨折で障害となった。骨折は左足で、手術の際入れた「二本のボルト」が、身体を痛めつけ、日々苦痛で、老人介護サービスの申請請求の出来る65歳を待っていたといってよい。

申請を受けた区役所は女性調査官を自宅訪問させた。私はそれを当然のこととして受け入れた。女性調査官には、いろいろ事実に基づいて説明し、介護要求を出した。ところが信じられない不当な言葉が私に浴びせられた。

それは「嘘でしょう」である。

一瞬、「これはなんだ」と思い、半ば現実の出来事とは思えなかった。話した事実は信じて貰えないのである。

いまは、そのとき殴っても拒否すべきであったと思っている。これだけの屈辱は、私は65歳まで受けたことが無い。

■ 「嘘でしょう」呼ばわりは赤堀さんの体験とオーバーラップした。

また、「うそつき呼ばわり」は、赤堀さんがうけた「精神鑑定」で加えられた「デッチ上げ人物像」である。「やってない」といい続けた赤堀さんに、「検察官調書」と、「警察官」が捏造した「強制自白調書」に依拠すれば、精神鑑定は「赤堀さん=うそつき」の結論に導かれる。改めて、赤堀さんの受けた屈辱がどれだけ大きかったか、また、言葉の無効化がどれほどのトラウマになっているか、底知れない痛みを私も共有した。

■ 被保護者の立場と調査官の職業意識

それにしても、保護を受けたい身体は、殴る事も出来ず、「帰れ」ともいえず私は比較的沈着冷静であった。

女性調査官に私は静かにこう質問を返していた。

「貴女は玄関においてある『セニアカー』は私が道楽でのっていると思っていますか」。また、「玄関においてあるショッピングカートは、買い物で荷物が身体にこたえるためにおいてありますが・・・」と説明を重ねていた。

それでも彼女は、「ごめんなさい」「そうですね」ではなく、私の言葉は空中に舞っただけである。言葉は真実を伝える道具ではなかった。

私は思い切ってスラックスを巻き上げて、悪いほうの左足を見せていた。それでも解って欲しかったのは、サービスへの期待と、要求感が深刻だったからに違いない。そして、朝方から午後にかけてほっそりした小枝のような左足を見せていた。言葉よりもそれは現実的であるが、彼女から返ってきたのは、次のよう言葉である。

「アッ ホント」。

私はそれを聞き、安堵感よりも彼女は職業意識がなく、自身がおかれている立場性も、老人の抱える深刻さも無頓着であると感じた。それでも以降、申請の介護度を待ち続けていた。介護度は「要支援」であった。それでも、私の受けたトラウマは、私に「ヅキヅキとした痛み」を与え、どうにも役所を信じられなくなった。

■ 介護の実態を知って

そして、この事実を妹に愚痴った。それに応えた妹は「姉さん、そんなこと誰でもだがね」と言い放っていた。老人の誰でもこんなにひどい扱いを受けているとは信じがたかった。その不正行為に対して、私の中の正義感が燃えた。老人はこんなひどい仕打ちを受けているのかと・・・。それでも、特養老人施設の一人の仲間に聞いてみた。「私も嫌な事をいわれたわ」と打ち明けてくれた。証言である。

■ 南区役所への抗議行動

程なく、私は心的外傷を抱えて、南区役所に殴り込みを掛けていた。私は、そうなれば大野萌子である。我慢の限界点後は、自分でも信じがたいスピードで自己決定した自身に忠実になる。「やるぞ」と私は自らに命じていた。自身を駆り立てて区役所に飛び込んだ。何故こうした「嫌がらせが横行するのか」絶対に勝つまで戦うことを自らに誓っていた。自身の心の救済である。このまま放置など出来るはずはなかった。区役所に飛び込んで、全館を震撼とさせる大声で叫んでいた。

「ここは福祉課ではない。老人虐め課だ。こたえて見なさい。」

すでに私の狂気には歯止めが聞かなくなっていた。彼女が私を虐めの対象にした全暴露に入った。調査員の女性は、「知らぬ、存ぜぬ」で、私の追及に対し自己保身に入っていた。それはいままで、私本人さえも信じられない攻撃力をもって糾弾に入った瞬間である。それは、捨て身の攻撃力である。

■ 老人介護の実態悲惨は「法を担う者」の「サービス精神」の欠如である。

当然、老人介護保険は年金から差し引かれ、私は義務を果たしている。その上、65歳まで待った。もしも、私と同様体験した老人が自殺でもしたら悲惨な最後であるし、それらの人々のことを思いやっての捨て身の抗議を行なった。 私は埒のいかない「自己保身」の女性調査員引き下がった。帰宅すると、区役所の次長といわれる男性から電話がかかり、訪問したいといってきた。「彼女が認めない限り、来てもらちはあかない。来るな」と返答した。

空しさだけで私を襲った。電電公社に勤務して、一度だって通話者に抵抗もせず34年8ケ月勤務した私は、税金で食っている輩が心からにくかった。

私は烈しい怒りの中で埋没した。人生こんなものだ、いや、老人への虐めが可愛そうで決意したのではなかったか。それを私は反芻し続けた。

そして、暫くして、名古屋市上部に訴えることに方針転換した。それは、私の経験を基にした方針転換である。それは、「介護申請者も二人の同席・申請を受けた役所側も二人」の提案である。それは同時に愛知県にも申し立てた。誰も精神病の私の言葉は信じてくれなかった。そして解決への手伝いもなかった。「録音しとくべきだった」と何度悔やんだか。

こんなことは「好訴妄想」といわれるのが落ち、いっそ死ぬほうが楽になれると思い悩んだ。私は赤堀さんの介護者、死ぬ訳にも行かない。そして、空しく記録に残ったのは「嘘でしょう」のタイトルだけの、ワード記録だけである。

■ 公共と棄民政策

公共性とサービスは全てのサービス業務が抱える命題である。現在、そのサービス業務の削減や、切捨てが深刻に進行しつつある。私達は「棄民政策の犠牲者」として甘んじるのか。闘うのか選択が迫られている。

2005年3月28日


赤堀政夫さん実社会の苦悩・・・そして介護者の告白

愛知 大野萌子

■ 無実の死刑囚

わが国には「殺人者」の汚名を着せられ、フレームアップされた元無実の死刑囚が4名いる。免田事件の免田さん、財田川事件の谷口さん、松山事件の斉藤さん、島田事件の赤堀さんである。 この人々は高校社会科授業に登上するほど問題視されているが、解放後の苦難は意外と知られていない。

この4件はそれぞれ複雑なフレームアップの実態があり、固有の問題をかかえるが、確定死刑囚になってから唯一同じなのは、4人とも収監先では「ただ処刑を待つ人」であった。

いつ処刑されても不思議ではなかった。

ただし、やってもいない罪を認めず、無実を叫び、死闘ともいえる再審(刑事訴訟法5章)の道に挑み続けた。それは、信じられない長いみちのりであった。

■ 島田事件 赤堀政夫さん

赤堀政夫さんを巻き込んだ事件は、「島田市」で起きた6歳の幼女強姦殺人事件である。いわゆる「島田事件」である。

事件当時、横浜の保土ヶ谷にいた赤堀さんは、島田で起きた事件に関与できる訳はないが、仕事探しの放浪者ゆえに「不在証明」がとれず、島田署に全国指名手配されていた。逮捕時事件と赤堀さんを結びつけるものは皆無であつた。不当な逮捕は1954年(昭和29年)5月24日、岐阜県鵜沼である。以降、34年8ケ月を監獄に収監され、解放は1989年1月31日であった。25歳の若者だった赤堀さんは、解放時59歳の初老を向かえていた。

■ 時代の変遷

その間、彼は現代社会とは隔絶され、時代から完全に取り残された。

したがって現代社会の機械化にも無縁であり、逮捕時の運送手段は「大八車」か「リヤカー」で、車社会など想像もしえなかった。物価指数の一つを上げれば、「男物桐下駄」が逮捕時300円だったものが、解放時10.300円である。

それをにわかに理解しろとは誰もいえない。

一般人は時代の変化に自然な適応を行い生活に連続性があるが、赤堀さんには35年の獄中時代の空白期があり、生活は非連続であるがゆえに社会適応能力を失っている。

■ 適応能力

監獄は保健制度・医療・食文化・機械化された家庭の機器・家庭内の家具も全く無縁であった。解放後もそれらの知識はないし活用できない。 また、刑務所内の「人間の付き合い」は刑務官だけで、死刑囚舎房の他死刑囚たちとも厳密には対話できない。いわゆる獄中者同士の対話は「声通」といわれ懲罰対象となる。その監獄組織は秩序と規律のみで、それにしたがって、管理と指導がなされ自己主張は出来ない。上からの命令だけで、抵抗はできなく絶対服従の世界である。

従って、現代社会においても、「一般的知識」はなく判断基準もない。本人は「天皇」と同様、現在も全ては管理と指導の「お世話の世界」に甘んじなければならない。

出来ることは、獄中生活から継続されてきた、「洗濯」「食器洗い」「塵捨て」「掃除機以外での掃除はできる」などである。

季節ごとの洋服選びや下着などは、当局に「領置」されてきたので、自分で選択する基準は奪われたままである。つまり、お仕着せの世界である。今もそれは不得手な部類で、季節ごとに自分で「衣類」の選択もできない。

■ 医療について

医療にしろ、健康面にしろ、元無実の死刑囚は自己決定できない。死刑囚とは「国有財産化」された存在で、前に述べたように「死刑のみを待つ存在」であつた。かろうじて「再審請求中だけは処刑されない」のが法的保障である。それでも、例外的に「ハンセン氏病だった」藤本さんは、無実を主張しつつも棄却翌日に抹殺された。

死刑囚本人の獄中生活の緊張感は想像を絶する。それだけの「生命」であった。

解放され「さあ。出てゆけ」といわれても、交通手段もかわり、道路は手旗信号から点滅信号に変わった世界には馴染めるわけがない。医療も同様である。医療も解らず、丁寧な「インフォームドコンセント」が求められる。

今回も「喉に骨が刺さった」(実は急性 咽頭炎であったが・・・)主訴。

「小児科の幼児と同じと考えればこと足りる」と介護者は考える。接近の仕方は「何々はできますか」と、まず、「できること」と、「出来ないこと」を聞くことから介護が始まる。

今回も「病衣」から「パジャマ」へ着替えさせるため持参したが、パジャマは、「点滴」後もそのまま放置してあつた。本人は、にわかに環境適応はできない。

■ 医師と赤堀さんの関係

赤堀さんは第一次地裁段階で、精神病院入院歴を問題にした弁護士によって「松沢精神病院」て「精神鑑定」を受けた。現在と自白時の精神状態である。

ところが、精神鑑定の医師たちは、警察・検察の捏造した調書にのみに依拠し、赤堀さんの無実の訴えには耳を傾けようとしなかった。赤堀さんは「答弁書」まで書いて身の潔白を証明しようとしたが、医師は「イソミタール(自白剤)」を打って自白を迫った。それでも赤堀さんは「やってない」と殺人行為の否定をした。ところが、眠気からさめると医師たちはわざと「君は自分がやったといった」と嘘をいい、ありもしないことで赤堀さんに追い討ちをかけた。検察調書と警察調書を信じて、挙句、精神鑑定書は赤堀さんを「うそつき赤堀」と断定した。そうであるだけに裁判ではアリバイも否定され、弁明は全て無効化していった。

イソミタールインタビューは世界的に否定されているものである。これは「精神障害者」差別である。医師は信じるに足りない人として赤堀さんに大きなトラウマを残した。

これは医師が一番気をつけなければならない点として指摘しておきたい。

■ 睡眠剤

赤堀さんの毎日は「死刑の恐怖」との闘いであった。朝、処刑のある日8時半ころ「全員窓側を向いて座るように」と号令が飛ぶ。今日は自分の番ではないか? それは、極度の緊張が強いられる時間であり、「警備隊・・・(実社会では機動隊に当たる)」が大勢で「ダッダッダッ」と靴を鳴らして房内に入る時間でもある。

静まり返った房は、「シーン」として息すら聞こえないという。

足音が過ぎれば、今日一日は無事である。そして、足音が過ぎた順に「ホーッ」とため息が漏れるといわれる。日曜日と祭日に処刑はない。それゆえにその前夜だけが、死刑囚の安眠の夜である。

それは、毎日歌壇で特選に入賞され、処刑された「島 秋人氏」の次の短歌でしることが出来る。

「暖かきセーターをたたむ夜は 一日の生命もろてで愛しむ」

赤堀さんには「睡眠剤」は生命維持の妙薬である。

その上、長い間の「処刑への恐怖から睡眠が浅く、眠れぬ夜の為」に習慣性ができている。また、子供のときから「不眠」とも訴えられている。赤堀さんには、精神科受診・投薬も「効かない」と再三言われる。医師と私は、これ以上の薬乱用を避けて、「薬効」の同じものを繰り返して投薬、本人を納得させている。睡眠導入剤は当人の常用を服用とするのが原則である。

■ 介護の基本

病気とは、ナイチンゲールが言うように、「苦痛なものではない」と信じる。しかし、それが当人に不快であれば介護者本人が、まずは総点検の必要性に迫られる。

自宅でも規制された生活が必要であるが、病院のシステムはなおさら適応しにくい。また、適応できにくい。食・経済・健康・医療・季節ごとの着衣等々、の管理と指導は介護者の任務である。それらがスライドしたところに病院入院と看護の難しさがあると思われる。

しかしながら、医療も看護も「力」の入ったものは誤りで、自然体でありながら赤堀さんの「特殊性」を嗅ぎ取ることが求められる。

■ 退院

今回本人からの申し立てで退院が決定された。その理由は「具合がよくなった。入院費の負担の心配」が退院要求となった。「入院費は心配しなくてもよいですよ。食事代だけでまかなわれるから・・・」と事前に説明したが、家の食事代とは比較にならないくらい高価な代償を支払うと誤解されていた。

また、テレビはカードで見られるからと何度も本人に確認したが、「高いテレビは見られない」と思い違い、食事代が高くつけば、退院したほうがよいと本人は判断した。

グアムから帰還された、横井庄一さんも同様であろう。

「看護」も一般論で片付けることは不可能である。看護は「何ができるか」「何ができないか」の問いかけをするよう再度指摘しておきたい。

2005年4月8日


障害者支援施設の窓に300本の木製格子!!

2003年4月、長野市障害者支援施設「ハーモニー桃の郷」(3階建て、延べ約1900平方メートル)がオープンしました。この施設には知的障害者(1階)、精神障害者(2階)、地域交流施設などが入っています。

なんと窓には格子が! 施設正面と裏側2.3階の窓を覆って木製格子が300本以上取り付けられています。市内の5家族会と県家族会連合会は、格子撤去を要望

現在格子撤去に向け署名運動が行われています。詳しいことは以下にお問い合わせください。

長野家連事務局

〒380・0928長野市若里7-1-7長野県社会福祉総合センター5F

FAX 026-225-6422

以下長野英子のホームページからもビラ・署名用紙などがダウンロードできます。

https://nagano.dee.cc/topics.htm


心神喪失者等医療観察法7月15日施行を強行?

東京 長野英子

心神喪失者等医療観察法は7月15日までに施行しなければならないことに法律で決まっていますが、いまだ対象者を拘禁する「指定入院施設」もめどが立っているのは90床、年間300人と想定されている対象者を考えるとたちまち施設が不足することは明らかです。また指定を受け入れた施設でも、医師はじめスタッフが集まらないということで、現場からはこのままでは施行できない、という悲鳴が上がっています。

一方対象者を決める際の鑑定の手続きについても、鑑定入院中の強制医療や身体拘束等の法的根拠、あるいは弁護士が立会人なしで面会できる秘密交通権の問題などなどまったく法律に書かれていないままです。また地域処遇という強制通院地域監視の制度についても個人情報の管理がどうなるかについてもまったく準備できていません。

6月8日に衆議院法務委員会で民主党の泉健太議員が追及したところによると厚生労働省塩田障害福祉部長は施設が不足していることを認めたうえで、法の円滑な施行に支障が生じたときは対応策を考えると発言、すでに出されているような施設や人員配置基準の切り下げを行うつもりであるといわなければなりません。また仮に、という前提つきですが施設が不足した場合は補完的に都道府県立病院にお願いする、という朝日新聞が報じた代用施設という方向もほのめかしました。

また民主党の松野議員が、とりわけ鑑定入院中の、行動制限について、鑑定中に医療が必要となったら、鑑定医が治療もするのか、別の医師が治療するのか、行動制限についてはどうなるのか。それらに異議があるとき、その異議の申し立て、あるいは強制医療や行動制限の適正手続きについてはどうなのか。そもそも鑑定の規準となるガイドラインはあるのかなど追求。

塩田部長は鑑定の期間の取り扱いについては、法律上具体的な記述がない、どういう形にするかについては今後の課題であろうと考える、鑑定期間中の医療のあり方については、この制度に限らず、日本の精神医療が抱える大きな課題の一つと認識をしている。鑑定ガイドラインについては法的拘束力のあるものを作るつもりはない、などと答弁。法務省も淡々と施行する、などというふざけた答弁でした。

松野議員はもう一月余りでありまして、これは率直に申し上げて、とてもまともに施行できる状況ではない、この点だけは強く御指摘をしておきたいと締めくくりました。

卑しくも国権を持って人を拘禁するのに、まったく準備不足のまま施行し、後で修正していけばいい、適正手続きもない、でも淡々と施行する、などということ、やはり私たち「精神病」者は「人」ではないようです。

前号に同封した医療観察法廃止署名にご協力を、法廃止まで集め続けます。


全国「精神病」者集団総会のプログラム案その他

全国「精神病」者集団窓口係 山本真理

全国「精神病」者集団の今後のために、そして何より会員一人一人の生き延びる闘いのために、11月に全国「精神病」者集団総会を開きたいと考えています。

皆様のご意見をお寄せください。宿泊、参加費は無料ですが、交通費は出せません。周囲の専門職その他からの旅費カンパ要請文案も必要かもしれませんが。

(略)

前日の議論を踏まえて、全国「精神病」者集団は必要か、誰のためにあるのか、何をするのか、そしてどうやってその目的を達成していくのか、みなで議論していきたいと考えます。


夏季カンパ要請

日ごろのご支援に感謝いたします。

厳しい経済情勢の中でのお願いで恐縮です。全国「精神病」者集団ニュースを今後も出し続けるために、そして私たち「精神病」者の生存権主張として全国「精神病」者集団の活動を維持していくために皆様にカンパをお願いいたします。会計報告が間に合わず申し訳ありません。次号で報告させていただきます。

11月総会開催のためにも多くの方のカンパを訴えます。

なお余裕のある方はぜひニュース有料購読を周囲の方に呼びかけてください。WNUSP総会報告書を買っていただけるよう周囲の方に呼びかけてください。代金は送料とも600円です。

お申し込みは全国「精神病」者集団窓口までお願いします。できるだけメール・ファックス・手紙でお願いいたします。

同封の郵便振替でカンパをお振込みください。「精神病」者本人にはニュースは無料でお送りしておりますのでご心配なく。カンパはあくまで任意で義務ではありません。すべての方に振替用紙を同封しておりますが、これは請求書ではなく、あくまでカンパをしてくださる方の便宜のために同封しております。

なにとぞよろしくお願いいたします。なお会計報告は遅れておりますが、次号でいたしますのでお許しください。

全国「精神病」者集団窓口

〒210-8799 川崎中央郵便局私書箱65号 絆社ニュース発行所

メール

(略)


全国「精神病」者集団ニュース 2005年5月号

2005年5月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団
ニュース


= ごあいさつ =

初夏の日差しが感じられる季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょう。

先のニュースで生活保護もなくなりかねないと書きましたが、いますぐなくなるわけではないにしろ、自民党は11月にも憲法改悪を行おうとしており、そこでは25条の否定により、生存権が否定されようとしています。その意味では生活保護の全面見直しもすでに織り込み済みとして、5月11日に審議入りした「自立支援法案」があるといっていいでしょう。改憲をなんとしても阻止しなければなりません。

精神障害者だけ特別扱いできないとして32条を撤廃しようという政府はいまだ差別的な特別扱いは続けており、精神病院の医師人数すら他の科の3分の1それ以下でも病院として認めています。さらに税金を使って厚生労働省が開いた「精神障害者の社会復帰の明日を考える会」(実は全家連の借金肩代わりの理屈付けのための会議)の委員にはなんと87年精神衛生法改悪時の警察庁警備局長新田勇氏(警備局はテロ公安の担当部局で治安対策トップです)が就任しました。こうした経歴の方の学識経験が、「精神障害者の社会復帰の明日」を考えるのに必要というのが政府の考えです。「自立支援医療」が入院に使えないのも措置入院がその代わりと政府は言います。やはり私たち精神障害者は差別的に特別扱い、治安の対象ということでしょう。

なお皆様にお願いした32条存続署名は3月11日21万人あまり集まったものを厚生労働省に提出しました。集約団体の皆様、ご協力いただいた皆様ありがとうございました。大田区鈴木さんの署名は区長に提出しようとしたところ受け取り拒否、警察まで呼んで妨害したとのことです。詳しいことはまた次号で。

(略)

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北から 南から 東から 西から


(略)


特定障害者に対する特別障害給付金制度

無年金者への救済措置として不十分ながら新しい制度が発足しました。大まかに言えば学生時代と専業主婦のときに発病した方が対象です。無年金障害者12万人のうち対象者はわずか2万4千人とのことです。

申請の翌月から支給ということで、たくさん書類をそろえる必要はあるものの、書類がそろわなくとも申請だけはできるそうです。ご自分が対象かもしれないと思う方は、病院その他のワーカー等にご相談の上、ともかく申請だけは早めにどうぞ。

申請をしなければ、この給付金はもらえません。

支給の対象となる方

(1) 平成3年3月以前に国民年金任意加入対象であった学生

(2) 昭和61年3月以前に国民年金任意加入対象であった被用者(厚生年金、共済組合等の加入者)の配偶者であって、当時、任意加入していなかった期間内に初診日(※)があり、現在、障害基礎年金1級、2級相当の障害に該当する方。ただし、65歳に達する日の前日までに当該障害状態に該当された方に限られます。

なお、障害基礎年金や障害厚生年金、障害共済年金などを受給することができる方は対象になりません。(※)初診日とは障害の原因となる傷病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日

支給額

障害基礎年金1級に該当する方:月額5万円(2級の1.25倍)

障害基礎年金2級に該当する方:月額4万円

・支給額は、毎年度物価の変動に応じて改定されます。

・ご本人の所得によっては、支給が半額又は全額、制限される場合があります。

・給付金は、認定を受けた後、請求月の翌月分から支給されます。

請求手続きの窓口等

(1) 窓口

請求の窓口は、市役所国民年金課か各支所担当です。


(略)


何か、精神医療を改革するような行動に参加したい

千葉 K

はじめて投稿させて頂きます。

僕が、精神科に初めて受診したのは、16歳のときでした。その頃、対人恐怖がひどく、人と関わるのが苦痛で高校は、中退しました。

その頃、初めて、精神病院に入院しました。しかし、今思えば、それは、治療というものとは無縁な「医療の名を借りた収容所」でしかありませんでした。

退院後、何年もかかり、大検を取得。通院しながら専門学校に通学しました。

現在まで、精神科を転々。やっと現在は、信頼できるドクターの診察を受けています。

これまで、通院しても、一分以内に(僕:患者)を面倒臭そうに追い返し、僕の意見は一方的に無視して過剰な薬剤投薬を行い、利益追求の病院のロボット医師が保険点数稼ぎをするためだけに病院に操られていました。

現在は、自分の意見を聞く耳がある医者に受診して、ある程度、自分の要望に合った薬剤を処方して頂いています。今の薬の量は、かつての1/10程度の量で、今までの薬をまともに飲んでいたら、廃人になってしまうと言われました。

現在は、在宅勤務と障害年金で生活しています。

今の日本の利益のみの精神医療に激しい怒りと憤りを思いつつも、一人で孤立しているだけの現状です。そこで、当会をホームページで見つけ、僕も組織の一員として何か、精神医療を改革するような行動に参加したいと思う気持ちであります。

とにかく、現在は、社会的に完全に孤立しているので、何か建設的な目的のある集団に所属してみたいと思っていました。今まで、無目的に集まるだけで障害者独特の馴れ合いの論理だけで時間を潰すだけの集団しか所属したことがなく、そのような集団には、何ら価値や生き甲斐を見出すことはできずにいました。できれば、この集団に自分自身、積極的に参加して、同胞らと共に組織のイデオロギーを介して行動していきたいと思います。


(略)


お手紙から

沖縄 U

前略、2005年2月のニュースで、全国「精神病」者集団の組織的活動が困難であるというのを読みました。

当事者の私も、ニュースに書いてあるようなつらい経験もしてきました。それを周りの人に知ってもらいたいと必死になって訴えたこともありました。でも私が苦しめた人に対する恨みの気持ちで必死で訴えれば訴えるほど世間の人は、かえって苦しめた人のほうに見方をします。

そういうことから私が学んだのは、憎しみや恨みのような気持ちを持っていてはいつまでたっても私の訴えは周りの人に受け入れてもらえないんだということでした。それは単に精神病者の訴えだから受け入れないというより、あまりの言葉の激しさに相手の人がひいてしまうようです。

私がこの手紙を出そうと思ったのは、全国「精神病」者集団ニュースの働きをもっと続けてほしいということで、そのためにいろんな人たちの手助けを必要としているということがわかったからです。

私たちは精神病ということでつらいだけでなく、不当な扱いを受けやすい立場にあります。そしてその不当な扱いに対する怒りがこみあげてきます。でもその怒りえお怒りのまま周りの人にぶつけても何の解決も生まれないのではないかと、私は思うようになりました。

もちろん不当な扱いに甘んじるほかないとも思いません。でも怒りや憎しみをぶつけていては、周りの人の手助けは借りにくいと思います。私はこのニュースがもっと周りからの協力が得られたらニュースを続けていけるのに残念だなと思います。このニュースをはじめてみたときに私が正直に思ったことは、過激だな、でした。文面をもう少し回りの方たちにも受け入れやすいようにするとかの工夫で、協力が得られるものになってこないでしょうか。

私のこの「精神病」者集団ニュースというものがあるというのは去年、知ったばかりでした。もう14年も携わっているという山本さんには頭の下がる思いです。私たち当事者の苦しみを少しでも改善していこうと活動しておられたのだと思います。これからもこのニュースが私たち当事者の声として多くの人に読まれていくものであってほしいと思います。お手紙をしたいと思った私の気持ちが伝わりますでしょうか。生意気に思えたらごめんなさい。でもこのニュースがもっと多くの人に支援されるものであってほしいと思っています。これからもがんばってください。

2005年3月17日


(略)


どこまでも諦めない

仲間の輪を拡げて

心神喪失者等医療観察法を廃止に追い込もう!

心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク 代表 龍眼明慧

私たち、「心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワーク」は、独自の学習会をすでに8回行ってきた。テーマは心神喪失者等医療観察法にとどまらず、多岐にわたっている。個人情報保護法や障害者自立支援法も当然にもとりあげてきた。さて同封の2005年5月14日の声明にあるとおり、心神喪失者等医療観察法は精神障害者を差別し人間として扱わない法律だ。許すわけにはいかない。

たとえば、障害者自立支援法案においても精神保健福祉法32条の公費負担の問題だけではなく、医療保護入院の手続き簡略化、強制入院の入り口を広げる改悪がなされようとしている。このことはあまり知られていない。

7万人以上の社会的入院は10年がかりでの解消とされてはいるが、実態は死ぬのを待つという悪質さだ。

ノーマライゼーション、施設から地域へ、といううたい文句はもう聞こえてこない。

実態は地域生活から施設へ、そこで問題を起こせば、強制入院である医療保護入院となる。そしてそんな仕打ちをした人間を殴りでもしたら、措置入院にされるか、心神喪失者等医療観察法が適用され、いつ出られるのかも分からない拘禁生活を強いられることになり、危険な「精神病」者とレッテル(スティグマ)を貼られることになる。

どちらの場合でも、精神障害者は人間ではないのだから、適当に扱えばいいという、人権無視のおせっかい(パレンスパトリエ)危険性除去(ポリスパワー)のないまぜになった具体的な行動制限である。

いくらお上におべっかを使っても落とし込まれるところは地獄だと分かれば、手をたずさえて闘うしかないという状況が生まれる。

「心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク」にとっては願ってもないチャンスだ。深く(病院でも作られようとしている医療観察法の施設でも)、広く(働いている仲間も働いていない仲間も)、網の目を拡げ、金がなくても情報のやり取りを行い、集まっているところでは団結し、仲間を見捨てず、分断を許さず闘っていこう。

2年後くらいには障害者権利条約が、その先には障害者差別禁止法の制定がある。われわれにはテコもあれば多くの人数もある。

一人で叫ばずに声を合わせて反撃すれば、必ず勝てる。

ともに闘おう。がんばろう。


心神喪失者等医療観察法を廃止のためにできること

1.同封のネットワークの署名にご協力を

2.同封のリーフおよび14ページからの長野の原稿をビラにしたものを周囲の方に配布してください。必要部数をご請求してくだされば、送料実費はいただきますがお送りいたします。

2.都道府県および都道府県立病院にこの法律の入所施設および通院施設を引き受けないよう、また都道府県は地域処遇について保護観察所に協力しないよう申し入れをしてください。文例が必要な方にはお送りいたします。

3.地元出身の国会議員にこの法律の凍結停止、廃止を訴えてください。必要な方には申し入れ先国会議員連絡先等をお送りいたします。

4.お近くの方余裕のある方はぜひ6月12日ネットワークの集会、会議、学習会などにご参加を。ネットワークに入会してください。年会費は一口500円年4回ニュースを発行します。


「障害者自立支援法案」は入院促進・自殺促進法案

東京 長野英子

障害者自立支援法案は5月11日から衆議院厚生労働委員会で実質的な審議に入りました。順番としては衆議院の委員会で採決されたら、衆議院本会議で採決、そしてそれが参議院に送られ参議院の厚生労働委員会で審議さらに参議院本会議で採決されたら成立ということになります。

衆議院では与党議員からすら自己負担増への疑問の声も出ているくらい、めちゃくちゃな法案です。民主党山井議員は重度の人ほど負担が重くなるという人類史上いまだかつてない制度、と厳しく批判しましたが、それに対してやじった声「今は障害者福祉の時代ではない、治安の時代だ」。これは木村義雄元厚生労働副大臣の野次だったそうです。彼は厚生労働副大臣時代に日精協の医療観察法推進総決起集会に参加し、日精協政治連盟からも政治資金を受け取った人物です。私は日精協と木村氏を贈収賄で刑事告発しましたが、さらに日精協の政治資金の不記載(後に訂正)でもこのたび政治資金規正法違反で刑事告発しました。金で買われた法案といわれた医療観察法の推進派の本音を現す野次だと思います。

以下はこの間の集会等でまいているビラです。

医療と福祉二重の負担増

精神障害者で医療を不要としている人はほとんどいないというのが現実です。その意味で自立支援法の原則すべてのサービスの1割負担は、精神障害者にとっては医療と福祉の二つの場面で二重に負担増となります。

医療や福祉サービスが受けられなくなり、症状悪化・再入院・自殺・一家無理心中などを引き起こし、脱施設化・自殺防止に逆行します。

精神障害者は特別扱い

精神疾患は誰でもかかる病気、だから他の病気と同じ医療費3割負担が当然、精神障害者だけ特別扱いできない、と政府は言います。しかし法案の「自立支援医療」では精神障害者だけ入院に使えない制度なっています。現在さまざまな形で入院の際の保険外の自己負担が増えており、必要なのに、経済的理由で入院をあきらめざるをえない層が確実に増えています。その上で病状悪化、強制入院ということで医療不信や人権侵害を招いています。もちろんこれでは財政上も逆効果であり、医療費は増大します。一時的に入院が必要なときに安心して入院できる経済的保障は重要です。

精神障害者は年金制度でも差別?

裏面にあるように年金制度においてとりわけ厚生年金において、精神障害者は他障害に比べ1級と認定されることが少なく、また1級の年金受給者の割合も年々低くなっています。この実態の中で自己負担増は納得できません。財政状況しだいで、障害の程度の認定が左右されているのが実態です。自立支援法における審査基準でも「精神障害者は手も足も動く、耳も目も使える」ということでほとんどのサービスが使えなくなる可能性が高いのです。ショートステイも現行国基準および自立支援法案では一人暮らしの精神障害者は使えません。

入院もできずショートステイもできず、ヘルパーも使えず、病状悪化の挙句、自殺や強制入院という最悪の事態も予想できます。長期的には財政的にもむしろ負担が増大します。

「障害者自立支援法案」廃案!医療観察法廃止!

「金がない」の一言で障害者に自己負担増・サービス減を強いる自立支援法のかたわらで、私たち精神障害者を差別的に予防拘禁する、心神喪失者医療観察法に対しては今年度予算だけでも110億円が費やされようとしています。政府の計画通り24箇所の施設が作られれば、現在の精神保健予算の半分近く400億円以上が毎年費やされることになります。誰もいらない医療観察法のための、32条を撤廃し精神障害者にその費用を支払わせる方針を私たちは決して許しません。


別紙1

精神障害者所得問題について

精神障害者の所得保障の中心は障害年金と生活保護です。障害年金は厚生年金と国民年金が中心でこれは、精神科の初診の時にどちらの保険に加入していたかで、申請する制度が違います。以前はこの二つの制度は、別々に運用されていましたが、1986年に同じ制度になり、1級と2級については、認定基準も共通のものを使うようになりました。今回、この制度について調べたところ、保険制度としては問題がある事がわかりました。

(以下、略)


ちょっと待て! 心神喪失者等医療観察法 6・12の集い

「心神喪失者等医療観察法」の施行期限は今年7月です。国は当初この法に基づく強制・隔離入院施設を全国で24箇所程度建設するとしていました。しかしこの4月段階で建設着工に至ったのは東京都小平市にある国立精神・神経センター武蔵病院(国立武蔵病院)、岩手県の花巻病院、富山県の北陸病院の3箇所だけです。しかも、国は3月中としていた政省令も出せず、鑑定入院期間中のガイドラインも日弁連の反対で策定できていません。この法が矛盾だらけの精神障害者差別の悪法であることが実証されたということに他なりません。

新法の破綻状況を作り出してきたのは、法案成立以降も施行阻止を掲げた高い続けてきた全国のさまざまな反対闘争です。それでも国は「遅れることになれば一大不祥事」と、今国会に法「改正」案を提出する、あるいは政省令「見直し」の荒業を使うなどして、何が何でも7月施行を強行しようとしています。

施行を許さない! まずは凍結・停止を!の声を上げていきたいと思います。多くの皆さんのご参加を要請いたします。

日時 6月12日(日)13時から16時半

場所 国分寺労政会館 電話 042-323-8511

交通 JR中央線国分寺駅

南口下車徒歩5分

内容

●基調報告 心神喪失者等医療観察法を廃止へ

龍眼 (心神喪失者等医療観察法を許すな!ネットワーク)

●特別報告 武蔵病院に拘禁施設は作らせない

「国立武蔵病院(精神)強制隔離入院施設問題を考える会

●講演 障害者差別の現在を考える

石毛えい子さん(衆議院議員)

発言 地域・全国の仲間、精神医療従事者、労働組合など

会場費 300円

主催 国立武蔵病院強制・隔離入院施設問題を考える会

小平市学園西町1-26-43 市民自治こだいら内

精神障害の自立を考える会気付

心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク

目黒郵便局止め

電話 kyodou-owner@egroup.co.jp


(略)


全国「精神病」者集団ニュース 2005年2月号

2005年2月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団
ニュース


ごあいさつ

春の兆しが感じられる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。この時期特有の不調に苦しんでおられる方も多いのではと案じております。

国家が福祉から撤退してすべて「保険福祉」に様変わりさせようという流れの中で、障害者自立支援法が2月10日に閣議決定国会上程されました。これを認めれば、生活保護すらなくなり、私たちの生存権そのものの否定、「自己決定による尊厳死」しか道はないとうことになります。グループホームで現在生活保護を受給している人も、今回自立支援法に伴い変わる生活保護法で、受給そのものができなくなる可能性もあります。昨年来厚生労働省前で台風もみぞれにもめげず障害者の闘いが続いています。「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」実行委員会(全国自立生活センター協議会内〒192-0046 東京都八王子市明神町4-11-11-1F)は現在賛同団体賛同人を集めています。ぜひご参加を。

(略)

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http://www.geocities.jp/bshudan/
携帯電話でも見られます。

北から 南から 東から 西から


(略)


各地の皆様へ

愛知 大野萌子

2月は「光の春」といわれるように、陽光はすでに春の予感に満ちています。

皆様方は各地でそれぞれに「心神喪失等医療観察法」反対の闘いに取り組まれておられる事と推察します。名古屋では「東海北陸ブロック」として、東尾張病院が、その指名をされています。

名古屋守山区の住民の「差別的な反対運動(キチガイ=危険と反対し、・・・代替案で三重県の榊原病院を指名している・・・厚生省への申し入れ書」と、隣接する尾張旭市は、住民の設置反対「署名17.000名」が厚生省に提出」され、現在は着工延期となっています。

私達は単に「観察法施設の反対」でなく、精神医療の開放化を逆流させる問題として強い意志で「東尾張病院設立反対闘争」を行なってきました。

住民とは「寄ってたつ場」の違いがあり、私達の反対は「人権問題」として、施設着工は断念させるべきものと考えています。

そして重要な事は、東尾張病院は「着工延期」というだけで、政府各省庁は東尾張病院の着工を断念していないことです。

厚生労働省は、今後も住民への「説明会」を持つと息まいていますが、これは絶対にひいてはならない「人権問題」で常に切迫感を持って闘いの継続性の中におります。

また、一方ではあと一ヶ月後に「愛知万博」が控え、精神障害者への弾圧は必死と思います。

すでに「ブルーシートを居宅としたホームレス諸君」を、名古屋市は何の生活保障もせず追い出す「強制代執行」を平然と行いました。

こうした無謀な事が許されてはならないと考えています。

これら居住権の侵害は、憲法25条に抵触する無謀な行為であり、それらを平然と行なったのは、ホームレス小屋が「愛知万博」の会場までの通路にあたるだけの理由です。

また、今月17日に常滑沖に設置した「セントレア」が開港され、そこから「愛知万博」への直線道路に近い赤堀さんの居宅も当然弾圧の対象になる可能性があります。

現在の名古屋市はまるで戦争状態である申し上げることができます。

そうした状況下でも、東尾張病院には設置を断念するよう、病院当局院長宛に「抗議・請願書」を提出します。「0の会事務局」と「笹島日雇い労働組合」の連名です。

状況をお知らせするとともに、「愛知万博」の期間中、皆様方には弾圧に抵抗する私達当事者にご支援をお願い申し上げます。


抗議・要請書

舟橋龍秀東尾張病院長、貴方は2003年6月17日公布された「心神喪失者等医療観察法(以下「観察法」と呼ぶ)の施設設置を受け入れ、その設立に積極的な姿勢を示しておられます。

私達0の会事務局は、この「観察法」施設設置は精神障害者の差別と予断で成立している「人権問題」と判断し、到底容認することはできません。

以下その理由を述べますので、即刻「観察法施設」の受け入れを断念し、それを政府各省庁に返上されるよう、ここに強く要請いたします。

「観察法」は罪刑法定主義を否定するもの

「観察施設」は、「重大な他害行為を行なった(放火・殺人・強姦・傷害・強制わいせつ・強盗等とその未遂を含む)」といわれる触法精神障害者を「再犯のおそれ」で予防拘禁・永久隔離をも辞さない不当なものです。

いかなる犯罪も、刑法の理念(罪刑法定主義)に基づき、予防拘禁など決してあってはならないことです。

その上、精神障害者の再犯はきわめて少なく、予防拘禁するべき根拠はどこにもありません。

とりわけ憲法34条の「抑留・拘禁に対する保障」を精査され、「観察法」の不当性を「違憲立法」と断じる私達の批判に耳を傾けてください。

医師として即刻その問題性に気づいてくださるようお願いいたします。

差別の強化と固定

それに引き換え、この「観察法施設設置」は「精神障害者=危険で違法行為を犯しやすい者」のデマゴギーを再生産し、さらに精神障害者への差別と偏見を煽り、拡大し続けるでしょう。

守山区ならびに尾張旭市の住民の反対論議は、まさにその証左ではありませんか。

この「観察法」の立法趣旨は「社会復帰の促進」を主張しながら、一方において、その差別強化された社会へと対象者を退院させるものです。

そして、「観察法」は、精神障害者全体を「危険な人間たち」と、更に差別に追い討ちをかけるものであります。私達はそれを怖れます。

医師として、早くその矛盾に気づいてください。

また、現在「裁判員制度」の導入が目前に迫っています。

一般市民感情の「精神障害者=危険」は、裁判の拙速性と相まって「触法精神障害者」に重罰化が求められると予想されます。

司法精神鑑定のデマゴギー

「観察法」では、裁判官と精神科医師の合議で、入所決定がなされますが、しばしば観られる刑事法廷での精神科医師の鑑定者証言がいかなるものかその実際に触れてみます。

そこでは、「精神分裂病(現在は統合失調症)は生来的に異常」と根拠のない証言が堂々と述べられています。それらをご存知ですか。

これらの犯罪精神医学に依拠し、永久隔離をも行なう「観察法」は言語道断と私達は強く主張します。

実際に元無実の死刑囚赤堀政夫さんの「精神鑑定結果」が、フレームアップの根底を支え、死刑確定囚に陥れた事実とその歴史を正しく理解されるよう求めます。

通算6ケ月を要した「精神鑑定書」に見られる医師の差別性と精神障害者像をそこから汲み取る事ができるでしょう。

「観察法」施設とソフト面の問題

現在、「観察法実施」に関連する精神科判定医師48名・精神保健参与員は46名(東海北陸ブロック)が推薦され、すでにその名簿は最高裁判所等に送付されていると聞いています。

そうしたソフト面での急進的な取り組みに対して、奈良県は、「本人の同意と承諾なしでは個人情報の提供はできない」と拒否したと聞いています。

これらは保健所等のサービス機関の当然の姿勢であり、見識ある立場表明と私達は支持いたします。

0の会では現在すでに「ヘルパーに生活情報を握られている」

また、「保健所の個人情報開示があれば、人権侵害で救済を申し立てる」あるいは「保健所・社会協議会・病院のPSW等には情報を漏らさない」と騒ぎ立てたり、また生活状況を隠蔽する当事者もあり混乱を極めています。

個人情報開示に敏感な反応を示す一部会員の姿を貴方は想像できますか。触法精神障害者のフレームアップはいともたやすく、それを怖れてのことです。

無論「個人情報の開示」は守秘義務違反で「刑法134条」に該当、精神科参与院は処罰規定の中にいるものと私達は認識しています。

具体的フレームアップ

1979年、愛知県で天皇参加の「植樹祭」がありました。

当時、全国「精神病」者集団の事務所は名古屋にあり、個人M・ Oの私宅兼事務所になっていました。

ところが、その事務所が同年5月28日から6月1日まで警官数十人に取り巻かれ、食事もとれず、また、出勤するM・Oは覆面パトカーに追跡、尾行される大弾圧を受けています。

無論、当事者M・Oは天皇の来県することも植樹祭も全く知らない状況下のことでした。

後日、調査で判明したのは、何者かによって「天皇・仲谷(当時の愛知県知事)爆殺するぞ・・・0」とサインした葉書が、愛知県県会議員全員に送付されていたのです。

それらを根拠に愛知県警の「過剰警備」がなされたと判断ください。

ちなみに、県議に舞い込んだ葉書のサインが「オオ」でも「ゼロ」でも私達には全く身に覚えがなく、それが仕組まれた罠であったと後日明らかになりました。

警職法では「何かが起こる怖れで過剰警備」する体質があり、フレームアップは誰にでも行なわれる可能性があり、安易に「刑事事件の未遂者になりうる」ことをご理解いただけたでしょうか。

「観察法」では「未遂者」も施設入所の対象者になりうることはご存知のとおりです。警察の体質も容易に想像できましょう。

私達は、「愛知万博」でも、弾圧の対象にされるのではないか?と、常時警戒し、戦々恐々としています。

金で買った法律に追従いまから十数年前、岩手県県立病院・北陽病院の精神障害者「Y・I君」は、散歩中脱院し、農道に停車していた車を奪って逃亡、横浜でキャリア警視を殺害した事件を起こしました。

その事件をめぐって、殺された警視の遺族から岩手県へ一億3.000万円の民事賠償請求がなされました。

その実際に「日本精神科病院協会」は賠償請求額に驚愕し、病院の存立が危ぶまれると判断、多額の政治資金をばら撒き「観察法」を強行採決させました。

しかも法制審議会の審議もないままの法律です。

このケースは逃亡予見ができず、「医師の診たて違い」であったと私達は理解しています。

医師の「診たて違い」は、何科であろうとありましょう。

そうであれば、医師としては研鑽に励むのが筋であり、この「観察法」を持って逃亡する「日本精神科病院協会」の後押しをなさるのですか。

本末転倒の医師のあり方に厳しく対処なさるべき筋合いのものではありませんか。

精神科は棄民政策の犠牲

しかも、「観察法」に要する資金は、全精神科予算の15パーセントに及び、一般精神科医療の医療費は削減され、一方では「精神保健外来公費負担も削減・一部自己負担」が叫ばれています。

それらの状況は、精神医療がまさに「棄民政策」の真っ只中におかれているものと判断します。

東尾張病院はその棄民政策の片棒を担われるのですか。

精神医療は誰のものですか。舟橋病院長、自らに問いかけてください。

したがって冒頭で申し上げましたように政府各省庁に返上し、国立の病院が反旗を翻らせその追従を拒否するのが、「コンシュウマー患者」への誠実な姿勢ではないでしょうか。

営利を目的とした精神病院経営者と、それに依拠せざるを得ない私達は、貧困な精神医療に辟易としています

舟橋東尾張病院長、勇気と英断を持って、政府各省庁に「観察法施設設立」を返上くださるよう重ねてここに抗議・要請申し上げます。

2005年2月12日

精神病者グループ0の会(ゼロの会)事務局員一同

笹島日雇い労働組合


抗議のお願い

名古屋 0の会 世話人大野萌子

各地の皆様「東尾張病院」への抗議のお願いをします。

第一

郵便番号 463-0004

名古屋市 守山区 大字吉根 字長廻間3248

独立行政法人 国立病院機構 東尾張病院

院長 舟橋 龍秀様

第二

郵便番号 100-8916

東京都 千代田区 霞ヶ関1-2-2

厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部

矢島 哲也様

モデル文

私達は「心神喪失者等医療観察法」による施設設立は「精神障害者」の差別を拡大・固定する「人権侵害問題」と認識しています。また、「再犯の恐れ」の隔離収容は刑法の罪刑法定主義にも否定する精神障害者への弾圧と認識しています。

なお、これらの設置でさらに「精神障害者」の医療の貧困を招き一般患者をも棄民政策に陥れるものと判断します。

よって、速やかにこの法案の撤廃と、観察法施設設立を断念くださるよう、ここに強く申し入れを致します。


(略)


尊厳死法案国会に

東京 長野英子

「死んだほうがましな生」に対置されるべきは「死」ではなくて「よりましな生」、「生きていてほしい」「お願いだから死なないで私たち(社会)はこれだけのものを用意するから」といえる社会を作っていかなければなりません。

すでに広島青い芝の会は抗議声明を出しています。私たちもそうした取り組みが必要でしょう。

なお4月に東京では以下の集会があります。

4月集会「尊厳死っ、てなに?」

一度つけた人工呼吸器は外せるの?

「死ぬ権利」は、患者の権利だ!?

末期癌や治る見込みのない患者の延命治療の在り方を検討する「尊厳死とホスピスを推進する与党議員懇話会」(丹羽雄哉会長)が尊厳死の法案化も視野に入れた勉強会を開始しました。(平成17年2月) 尊厳死や治療停止について疑問や意見をもった人たちが集まって、とりあえず思っていることを言ってみるために集会を企画しています。尊厳死問題を肯定的または否定的に思っている方も意見交換の場としてお気軽にご参加ください。

*日 時 : 平成17年 4月16日(土)18:00~21:00

*参加費 : 1千円

*場 所: 大手町サンケイプラザ 会場311号室-312号室

〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-2 電話 03-3273-2257~9

地下鉄・・丸の内線 半蔵門線千代田線 東西線 都営三田線 大手町駅下車 A4・E1出口直結

JR・・東京駅 丸の内北口より徒歩7分

◆ 第一部「 問題点を少々整理するために 」(仮題) 18:00~

中島 孝さん

独立行政法人国立病院機構新潟病院副院長

伊藤道哉さん

東北大学大学院医学系研究科医療管理学分野講師

「重症ALS患者の呼吸器外し、厚労省研究班が是非検討」と報道されましたが・・・。

厚生労働省厚生科学研究費難治性疾患克服治療研究事業「特定疾患の生活の質(QOL)の向上に資するケアのあり方に関する研究」班(H14 年~H16 年)の研究者のおふたりから、これまでのQOL研究で学んだこと、海外の尊厳死事情などのお話をしていただきます。

◆ 第二部「 尊厳死っ、てなに? 」 19:20~

人工呼吸器のユーザをまじえ、会場の皆さんとディスカッションする時間です。

立岩真也さん

立命館大学大学院先端総合学術研究科教授

本日の集会をまとめていただきます。

昨年の冬に刊行された「ALS-不動の身体と息する機械」の著者

安楽死や尊厳死をめぐる自己決定論や制度についての著作多数

_______________________________________

呼びかけ人:「尊厳死ってなに?」実行委員会・・・橋本操(さくら会)/海野幸太郎(さくら会)/立岩真也/大濱真(NPO法人日本せきずい基金)/山本創(難病をもつ人の地域自立生活を確立する会)/川口有美子(さくら会)

お問い合わせはメイルで

aji-sun@nifty.com 川口まで

以下 『東京新聞』『中日新聞』2005/01/03


自公、通常国会に

自民、公明両党は、末期がんなどで治る見込みのない病気の患者が、自らの意思で過剰な延命治療を中止する「尊厳死」を認める法案を次期通常国会に議員立法で提出する方針を固めた。複数の与党幹部が明らかにした。今月中に両党で発足させる「尊厳死とホスピスを推進する与党議員懇話会」で法案化作業を進める。医療技術の高度化や高齢化社会の到来で、延命治療のあり方が問われるようになっている中、国として一定の判断基準をつくろうとする動きは、関係者の注目を集めそうだ。

法案は(1)患者が不治で末期状態となった場合、人工呼吸器などで生命を維持するかどうかを患者自身が決める権利を持つ(2)患者らの意思を受けて過度な延命措置を停止した医師は、法的な責任を問われない-を明記する方向で調整が行われている。

臓器移植法の施行に伴って導入された臓器提供意思表示カード(ドナーカード)と同じように、健康な時に尊厳死を選択する意思を明確にするカードの作成も検討。将来的には運転免許証に尊厳死と臓器移植の意思記入欄を設けることも視野に議論を深める。

与党懇話会は自民党の丹羽雄哉元厚相が会長、公明党の坂口力前厚生労働相が顧問、事務局長は同党の浜四津敏子参院議員が務める。

尊厳死については昨年六月、日本尊厳死協会の呼びかけで超党派の議連が発足、立法化を求める請願書の提出を予定している。与党懇話会は同議連と連携をとりながら、野党議員への賛同を呼びかける。

厚労省の検討会が昨年六月に作成した報告書によると、延命治療の実施や中止の明確な判断基準がなく、終末期医療に悩みや疑問を感じる医師は86%、看護師は91%に上っている。

同省では、これを受けて、具体的な延命治療の手続きや終末期医療のあり方に関するガイドライン作りに取りかかっている。

(メモ)尊厳死と安楽死

尊厳死は不治で末期の患者が自分の意思で人工呼吸器などでの延命措置をやめ、自然な形で最期を迎えること。薬物を使うなどして積極的に患者の余命を縮める安楽死とは区別されるが、法的には安楽死と尊厳死の境界があいまいになっている。このため、尊厳死を求める患者の意向に医師が従って延命治療を中止した際、安楽死として刑事責任を問われるケースも出ている。


窓口から

年金と手帳に関するアンケート結果報告

障害年金と精神保健手帳に関するアンケートにご協力いただきありがとうございました。

調査結果は次ページのとおりとなりました。現在障害者自立支援法案という、国家が障害者福祉から撤退しようとする悪法が国会に上程されています。

これに対する障害者の異議申し立ての連続行動が「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」により昨年来取り組まれていますが、1月15日16日の行動に際し自民党を除く各政党との懇談会が開かれ、そこでこの報告書を配布し、民主党との懇談会では発言の機会があったので、すでに電算化された資料であり、ぜひ政府にこの10年間の精神障害者の級別人数を県別に出させてほしい、と各議員にお願いしました。議員さんたちの反応はよかったです。


資料

精神障害者の障害年金と精神保健福祉手帳の級についてのアンケートから

全国「精神病」者集団会員 山本 真理

年金を受給している精神障害者のほとんどは定期的に級の審査を受けており、診断書提出のたびに不安から病状悪化を招くものもいる。ひとり暮らしをしているから1級のはずがないという指導がされる地域もある。1級の人に医療費無料の施策がとられたら、どういうわけか1級から2級に級を下げられる人が多くなったなどという地域もある。級を切り下げられたための自殺者すら出ている。わたしたちは非常に不安定な年金収入に頼らざるを得ない。

生活保護受給者の場合でも3級となってしまうと、障害加算が0となってしまう。障害者ではなくなるのだ。

級別の人数統計すらないので精神障害者の所得保障を論ずる基礎資料すらない。仮に「応益負担」を論ずるなら、基本的な所得保障の実態把握は最低限の条件である。

アンケートの自由記載の内訳

所得に関する内容が約40%であった。次に制度利用のしづらさが33%であった。それ以外は、一桁であった。

具体的な内容

(略)


精神障害者の障害年金と精神保健福祉手帳の級に関するアンケート 資料

2005年2月1日

調査主体 全国「精神病」者集団会員 山本真理

集計協力 精神保健福祉士 生島直人

調査期間 2004年8月22日から12月31日

調査対象 全国「精神病」者集団ニュース購読者 各地患者会 各地精神障害者家族会

精神保健関連団体・施設 他障害も含んだ障害者団体

回収アンケート数 727(無効5)

回収率不明

回収方法 郵送およびファックス

(略)


WNUSP総会決議へのご賛同ありがとうございました。

1月の国連障害者権利条約特別委員会前に、日本政府に提出いたしました。

WNUSP障害者権利条約総会決議 賛同団体

(2004年1月18日 49団体・個人4名 五十音順)

地域患者会・精神保健関係団体 30団体

旭川市精神障害回復者クラブ/あおぞら友の会/あけぼのクラブ/足立精神医療を考える葦の会オアシス/医療法人社団ウエノ診療所地域生活支援センターらしく/うき同志会/うさぎの会/えぶりわん/大阪精神障害者連絡会(ぼちぼちクラブ)/熊本県精神障害者団体連合会/特定非営利活動法人こらーるたいとう/さざなみ会(てんかん本人の会)/精神障害者セルフ・ヘルプグループ仲間会りんどう/精神障害回復者クラブ「虹の会」/全国ピアサポートネットワーク準備会/特定非営利活動法人障害者権利擁護センターくれよんらいふ/特定非営利活動法人さまさま/東京都精神障害者団体連合会/長崎県精神障害者団体連合会/仲間会りんどう/福岡県精神障害者連絡会/福岡県立太宰府病院の処遇困難者病棟を問う会(クイナの会)/精神障害者回復者クラブプラタナス/精神障害者ソーシャルクラブサロンひまわり/宮崎ひまわりの会/めばるの会 /YOUYOU館/ユートピア・サガンズ/陽和病院患者協会/ルーテル作業センターMUGEN

障害者団体 11団体

社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会(Inclusion Japan) /JIL全国自立生活センター協議会/DPI日本会議/特定非営利活動法人いいづか障害児者団体協議会特/定非営利活動法人CIL豊中/特定非営利活動法人障害者自立応援センターYAH!DOみやざき/社会福祉法人日本身体障害者団体連合会(JFDD) /社会福祉法人直方市社会福祉協議会直方市・鞍手郡障害者生活支援センター/日本盲人会連合/ヒューマンケア協会/横浜市オストミー協会

その他 8団体

関西単一労働組合在/日アジア労働者とともに闘う会/山谷労働者福祉会館・活動委員会/死刑廃止・タンポポの会/全国日雇労働者組合協議会・山谷争議団反失業闘争実行委員会/特定非営利活動法人人権オンブズ福岡/とめよう戦争への道100万人署名運動・三多摩連絡会/労働者共闘


全国「精神病」者集団総会開催を

昨年11月に出したニュース号外にあるように現在全国「精神病」者集団事務局員は活動不可能な状態が続いており、全国「精神病」者集団としての組織的活動が困難です。山本は窓口係としてすでに14年にあまり勤めてきましたが、ここ数年は事務局のバックアップもなく孤立した状態が続き苦悩しております。

そこで今年11月に会員が寄り集まって、今後全国「精神病」者集団をどう運営していくのか、そもそも全国「精神病」者集団は何をすべきか、どういう組織であるべきかを討論したらどうかと考えております。

以下を提案いたします。

①11月に東京で2泊3日程度の合宿で討論する。20名程度までは宿泊費を保障することは財政上可能です。

②内容は

1 全国「精神病」者集団とは何か、なにをすべきか、そしてどう運営していくのか

2 全国「精神病」者集団の根源的主張である反保安処分を、今心神喪失者等医療観察法施行を前に問い直し、共有していくことを目的として、全国「精神病」者集団の創立メンバーの1人である大野萌子さんの「反保安処分と精神障害者刑事事件救援(仮題)」というテーマで話してもらい車座になって討論する(ご本人には内諾を得ております)。

以上の提案について皆様のご意見を募集いたします。


心神喪失者等医療観察法 障害者自立支援法案 あれこれ

@新聞報道によると、心神喪失者等医療観察法予防拘禁施設が作られようとしている北陸病院(富山県南栃市)では、この施設での職員確保のため、本来の病棟の病床数を50床減らすとのこと。まるで地上げ屋にでもあったように追い出される患者さんが出てきます。本人の「同意の下」と言うことで賠償金すら出ないでしょう。この施設を受け入れることで本来の精神医療が破壊されるだろうという私たちの予測は残念ながら当たっているようです。

@尾張旭市の反対住民は差別的な意図に基づきなんと東尾張病院総体を移転せよとまで提案しています。下総精神神経センター(千葉市)においても反対派住民がこの施設を「火葬場を引き受けたのにまたこの施設まで引き受けよというのか」という請願を議会に出しています。心神喪失者等医療観察法そのものが「精神病」者差別をあおっている事態は明らかです。

@心神喪失者等医療観察法の施行準備は遅々として進まず。今現在着工できているのは国立武蔵精神神経センターと花巻病院の2つのみであり、7月施行自体が危ぶまれています。

(略)

@心神喪失者等医療観察法および障害者自立支援法関連資料、および情報は以下長野のサイトに随時掲載中です。

http://popup.tok2.com/home2/nagano2/

インターネットをお使いの方はぜひご覧ください。


文通希望

実は自分は、以前の号で、文通希望を依頼したものです。当時は、高齢者(大阪方面)中年お方(東京方面)よりそれぞれ1通ずつ届きました。そのころの自分は非常に落ち込んでいまして、何をするにも億劫で三度の食事をすることすらできませんでした。

そんな生活が1週間ほど続きお返事を出そうと思いましたけれど遅れてしまって大変失礼だと思い出さずじまいでした。

お二人のお名前はもう忘れてしまいましたが、現在は大変悔やんでいます。どうもすいませんでした。紙上をお借りしてお詫びします。

あれ以来の自分はたいしたおちこみもなく、精神状態は安定しております。これからもあのときほどの落ち込みはないと自分自身を確信しています。だから再度文通希望を依頼します。昨今は、携帯や、PHS,パソコンばやりですが、書く楽しみをともに知りましょう。

仲間の皆さん、よろしくお願いします。老若男女、性別、遠近は不問です。

(略)


(略)