書評
小林 和彦 著 『ボクには世界がこう見えていた』
2011年11月 新潮文庫
近藤 凱彦
副題が、「統合失調症闘病記」である。
この本を読んでいく途中で、次のことに気づいた。著者が、初めて精神病を発病した原因は、著者のお母さんの死である、と。お母さんが死んだのが、1985年12月だった。50歳の若さである。著者は、23歳であった。お母さんの死が、とても悲しかった、と書いている。でも、その後の叙述では、お母さんのことが、少しも出て来ない。封印してしまったかのようだ。
お母さんの死以来、仕事が手につかなくなり、あるきっかけで発病する。23歳で、お母さんを失った気持ちは、どんなだろう。
著者は、それに、正面から向かうことができなかった。この本が出た時点でも、正面から受けとめられていないようだ。
著者が、もう一歩前進するためには、自分がお母さんをどう思っているのか、じっくり考えてみることである。お母さんは、その後に亡くなったお父さんやおばあさんとともに、著者の人生を見守ってくれているはずである。
著者の病状は、私に似ている。私も、社会を救うために、病気になったのだと、病気の間はいつも感じる。そのことは大事なことで、私は誇りに思っている。
精神科医の岩波明氏が、この本の解説の中で、統合失調症では、思考や言語の障害が通常みられる、と言っているのは、統合失調症への偏見ではないだろうか。
尊厳死問題について
O
お世話になっております。
毎日の活動に敬意を表します。
私は精神疾患と同時に、肝臓病と糖尿病を抱えており、自分の死について自分で責任を持つため、日本尊厳死協会に入り延命治療を私にしないよう書類を携帯しております。
協会としては現在法制化を求めているのはまぎれもない事実ですが、現時点では法制化には反対です。
何故なら、この不安定化した、いつ議会が解散してもおかしくないような情勢の中で、充分に議論を尽くしたとは言えず、そのまま法案通過を力ずくでしようとしているからです。
法制化を協会が求めているのは、尊厳死を迎えられないケースがあるからとされていますが、実際は、尊厳死を遂げようとして医者にお願いしても、その医者が捕まるのを恐れているのが本当です。
つまり医者が治療にしても延命治療を止めても責任から逃げたがっているからです。
法制化をしなかったら、患者の自殺が増える、患者が安楽死を迎えられる諸外国に旅立ってしまうなどの恐れがあるので私自身は法制化を支持していますが、話し合いに参加し、法案をまとめるのは患者または障害の当事者ではなく議員です。果たして議員がこの討論の主人公でしょうか?勿論、違います。
ともかく、こんな杜撰な会議は認められません!
厚生労働省交渉・精神保健福祉法改「正」関連
2012年7月27日、厚生労働省に対して、主に精神保健福祉法の改「正」につき、従来通り撤廃路線に立ち、阻止すべく交渉をおこなった。
まだ、法案はできていないため、実際のところ不明であるが、聞くに、改「正」の中身として、医療保護入院を保護者なしでできるようにするだとか、すべての「精神病」者に通院義務を科すだとか、もはや、むちゃくちゃとしか、いいようのないものが上がってきているらしい。
さすがに、これを通すわけにはいかないので、従来の撤廃という路線を維持しつつも、この改「正」法案が国会に通ることが省庁の圧倒的権力によって既に決められてしまっている以上、上記のふたつだけでも、阻止しようという、いささか消極的に思われるかもしれないが、そのようなスタンスで交渉等をおこなった。
7月27日厚生労働省交渉に向けて
1自立支援法について
精神障害者に支援提供する事業所そのものがなく支給決定が出ても使えない実態についてどう解決するのか?
精神障害者にとって使えるそして必要な支援介助体制についての研究を行うべきと考えるがそれについて
32条から自立支援医療になったことに対する負担増大をどう解決するのか
精神病院入院費用について
精神障害者のみ入院に自立支援医療が使えないのはなぜか?
入院は本人の利益自立につながらないというのが厚生労働省の判断であるとすれば、本来100%国費にすべきであるが、そう判断しているのか?
2精神保健福祉法について
精神医療の在り方について 精神保健福祉法の見直しに向けて具体的法改正が来春とされているが、どういう手続きを行うのか?
検討会のヒアリングは聞き置くだけであり、病者集団の意見は全く反映していないが、障害者権利条約との関連(障害者権利条約3条、および4条、とりわけ4条の3)についてどう考えているのか?
拷問等禁止条約との関連ではどう考えるのか 来春の政府報告書審査について厚生労働省としてはどう取り組むのか、取り組まないのか?
障害者権利条約の批准に向けて何をするのか?
強制入院強制医療の廃止に向けどう取り組むのか?
3 生活保護法について
生活保護法の改定日程はあるのか? どういう手続きを行って改訂するのか
漏れ聞くところによると医療費の自己負担や、生活保護の基準引き下げなどという議論があるが、それについて考えているのか
障害者権利条約との関連、3条、4条及び25条26条との関連ではどう考えるのか?
そもそも公務員は憲法順守義務があるが、憲法13条及び25条との関連についてどう考えるのか、
添付声明参照
生活保護受給者に対して、DARK、AA、断酒会には交通費が支給されるが精神障害者のセルフヘルプグループには交通費が支給されないのはなぜか?
4 精神病院の偏在の対策についてどう考えるのか?
医療計画における、医療圏域についてどう改訂するのか?
5 医療観察法について
障がい者制度改革推進会議でも障害者権利条約に反するという圧倒的意見が出た、医療観察法の廃止に向け、どう取り組むのか?
●請求された資料について
M 25日にメールで送っているはず。メールで送った資料をコピーします。
4はない。個別給付になってマニュアルをどうするかはわからない。
5は障害福祉課。かなり難しい質問。またの機会に
6も障害福祉課。調査は行っていない。資料はない。
7の報告書はまとまっていない。何月にまとまると言えない。
障害福祉サービスについては我々はわからない。
8はPSWでないとできないということはない。むずかしい…
・請求資料4について
個別給付にした意味はなにかということ。
閉鎖病棟にいるから友人面会できないというのがどうやら全国的な実態
頼りにできるのは支援者のみなのに会えない。
M 入院制度については精福法改正案を通常国会に出したい。
社会保障審議会はやっていない。メンバー自体は残っていると思うが…。
調査研究をやる。検討会はもう終わり。
法律として「保護者」という語が消えるか否かはわからない。
22条など保護者に課せられた責務(8つ)は全部なくす
すでに去年の9月の段階で方向性は出ていたはず。
退院請求は残す。
医療保護入院は保護者と病院との契約関係はない。学説も決まってない。
金は本人に請求するというのが現状。
指定医が公権力の代理人という議論もあるのは知っている。
検討会で出ている代弁者、地域の支援者があいまいなのは確か
精神保健福祉士と書かれているのは地域移行に際して調整が必要なこともあるから。PSWが入ることについては期待と疑問と両方出ている。
M 移送は保健所。33条移送は保健所の事前調査が必要。
「ただちに」=緊急ではなくても入院して治療したほうが良い場合
改正の方向は保健所と地域支援関係者が一緒に事前調査。
1年に1年6000人死んでいても入院者が減らない=入院者数が少しずつ増えているのはわかっている。
●生活保護要件の扶養義務について
扶養義務の問題は入院解消とも大きく関わって来ることである。
M 他課に全然意見を言えないということはない。
判例上、保護者だから監督義務あるというふうにはなっていない。
民法学者の間では、世界の潮流では不法行為を止めなかったことが不法行為に当たるか否かという点が争われている…というふうに聞いている。
確認
・4のマニュアル作成については検討してほしい。
・資料1~の内容は持ち帰って検討したい。
・ときわ精神~について調査してほしい。
・改正案のための検討会などに病者集団のメンバーを入れるようにしてほしい。