ごあいさつ
さて年末ぎりぎりの発行となってしまいましたが。皆様いかがお過ごしでしょうか。
クリスマスプレゼントどころか生活保護基準13%以上の引き下げというとんでもない方針が出されようとしています。同封の反対署名にご協力をお願いいたします。さらに12月19日には2名の死刑執行もなされました。東京拘置所の松井さんは刑確定前には文通していた会員もおられるし、ニュースにご投稿もいただいていました。確定後ニュースも入らなくなってしまいましたが。国連人権理事会でも多くの国から死刑廃止、少なくとも執行停止を勧告されていましたが、一切聞く耳を持たない政府はますます孤立の道を歩いていくことになります。もちろん日本の精神障害者の人権状況も障害者権利条約批准後ますます悪化しています。政府によるヘイトクライムとでも呼ぶべき精神保健福祉法改悪案が再提出されようとしています。再提出阻止の署名にご協力をお願い致します。全国「精神病」者集団の混乱状態は未だ続いており解決の目処が立っておりませんが、紛争を宝により強い仲間の絆を作り解決へと話し合いの道を探っているところです。会員の皆様もそれぞれに解決へと動いてくださっておられますが、長年の課題であり、そして運動論組織論の問題でもあり、まず会員の皆様のお力ご協力が必要です。会員交流会には運営委員も参加しておりますので、会員交流会に多くの方のご参加を呼びかけます。
新しい年が多くの仲間にとって幸多かれと祈ります
投稿
S
拝啓
いつもありがとうございます。
先日病地学会の1日目のみ出席しましたが、それはそれはひどいものでした。
あの学会には、当事者も大勢出席し、いろいろな立場の人が出席するので、あそこに出席する医療関係者はまだまともだといわれていますが、案の定、自分(たち)はちゃんとしている、と、自己満足していて、他の病院・全国・海外の実情、患者の退院後の生活・人生に無知・無関心でした。
被害者たちや支援者の証言・意見・違法性の指摘を聞いてもなんとも思わないようでした。
看護師はフロアの弁護士から、強制治療は差別であり違法であると言われても、強制治療すれば良くなる、強制治療をしなければ入院が長引く、と、自信満々に主張しました。良くなるというのは、その場だけ、見た目だけである。
患者は後々まで苦しんでいる、と、すでに被害者たちや支援者が証言しましたし、強制治療は措置入院以外では法的に認められていない、と、座長の関口さんからも、すでに指摘されていました。
仮に、本当に良くなるとしても、治療のためなら法律に違反しても構わないなどということは許されないはずです。べつに、死ぬか生きるかの瀬戸際でもないのに。
シンポジストの弁護士は、現実を知らず、ムキになって医者の肩を持ち、あまりにも非論理的なことを口走りました、あんなのが権利擁護者だなんて、頼りないどころか、裏切り者です。
終わったあと、仲間の女性からのショートメッセイジにまた呆れました。
正義の味方ぶったプレゼンターを始め、複数の男から「誘われた」というのです。彼女にはご主人もお子さんもいるというのに。彼女は私と真逆で優しいので「悪気はない」と言いましたが、悪気がないとは信じられませんし、悪気がなければ何をしてもいいということにはなりません。
“善意”の医療関係者・フクシの人間は、悪意の連中より罪が軽いなどとは思えません。
痛風で措置入院させられたという証言、いつもお元気な関口さんの別人のようにおつらそうなご様子「身体拘束を受けたら、どんな拷問にも耐えられる」とのお言葉。そしてもうひとりの座長の長谷川利夫教授の締めくくりのお言葉「人に危害を加える危険性なら、暴力団のほうがはるかに高いのに、暴力団は予防的に逮捕しないで、精神障害者は予防的に隔離・拘束するというのは、明らかに差別です」に、日本の精神医療の恐ろしさを改めてまざまざと実感させられた思いです。
他にも、ひどいことがありましたので、また投稿させていただきたく存じます。今後ともよろしくお願い致します。
ぼくたち、わたしたちはなかまです
2017年11月10日
全国「精神病」者集団会員 T
連続投稿お許し下さい。今日、山本眞理さんのニュースを受け取り、自分の「合宿感想文」を読んで、「あ! まずい!」と声を上げ、筆を取っています。「合宿感想文」では「権利条約を社会に落とし込むためには組織化が必要である」と私はかいてしまいました。今、その考えの間違いを書いていくことで皆様にお詫びを申しあげます。 まず第一に「運営委員会」は間違いです。全国「精神病」者集団は企業や学校や軍隊ではありません。合理な「会則」に統制される集団になってはいけません。
ぼくたち、わたしたちはなかまです。「仲間」ですから「会則に従い会員資格を失う」などという排除はいけません。例えば健常者の集団が理性原理で動いているにしても、また、その理性原理をペラペラ話し厚生労働省や国会議員たちとかかわらないといけないにせよ、私たち全国「精神病」者集団は「なかま原理」をしっかり確立してきたし、確立していかなければならいません。
「なかま原理」とは「ペラペラ話すことが苦手ななかま」や「理論に圧迫を感じるなかま」も決して「仲間はずれ」にしない原理です。健常者の世界を「近代社会」「国家権力」「市民社会」「美しい国」などなど、なんと呼ぼうと構いませんが、いずれも「仲間はずれ」の上に成り立っている差別社会ではありませんか。
「あなたの言っていることはおかしい」といわれ排除されてきた病者はこの差別社会と同じ土俵の上に乗ってはいけません。
運営委員会は、近代合理主義への対抗として「リゾーム型集団」を目指してきた全国「精神病」者集団の本質を犯して、「50人位の総会」で「規約に基づく執行部を頂点とするピラミッド型組織」を全国「精神病」者集団500人の中に持ち込み、「改革を実行する部隊」を大義としています。その部隊の隊長は理論を打ち立てて学会で発表し法律制度を変更し「病者救済」を成し遂げたいようです。
しかしそれは違います。
大切なものを失った改革は、ぼくたち、わたしたちから「なかま原理」を取り上げた時点で「ひっくり返って」います。医者と患者の上下関係がピアスタッフと利用者の上下関係に置き換わるだけだからです。そしていつでも「ルールを守らない病者」を「取りこぼして」自殺に追い込む罪を「引き続き繰り返していく」でしょう。全国「精神病」者集団だけは「みんながなかま」であり「大切にされる解放区」でした。
その期待を2017年11月に裏切ってしまってはいけません。
近代合理社会から「はみ出した者たち」が「なかまとしてのまとまり」「そこで作り上げたリゾーム型集団を社会へ投げ返す」ことこそ全国「精神病」者集団の本質だろうと思います。ピラミッド型軍隊式の企業や学校への「なかま原理」を広めていく「社会のあり方の大きな解放」ことこそ全国「精神病」者集団の役割でした。これからもそうあってほしい。やさしい女性活動家の包容力の中に病者は自分の再生を経験し、誇りを取り戻してきました。男性活動家の理屈は全国「精神病」者集団の「はじっこ」にいてほしいと思います。