2016年7月 中島直医師の講演録パンフ販売中

こちら昨年夏の医療観察法廃止集会における中島直さんのパンフ通信販売
「医療観察法は廃止されるしかない ーー批判的関与の現状と課題ーー」
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医療観察法国賠訴訟第2回口頭弁論期日のご報告

医療観察法国賠訴訟第2回口頭弁論期日のご報告

1 第2回口頭弁論期日について
精神遅滞及び広汎性発達障害という診断を受けており、医療観察法に基づく入院の必要性がないのに、鑑定入院(精神鑑定のための入院)として58日間にわたり精神科病院に収容された方(原告)が、国を被告として、慰謝料等の損害賠償を求めた事案について、2017年7月19日(水)10時、東京地方裁判所615号法廷において、第2回口頭弁論期日が開かれました。多数の方の傍聴ありがとうございました。

2 前回期日までの流れ
  第1回期日において、被告国は答弁書を提出しましたが、具体的な反論は第2回期日までに行うとしていました。

3 提出書面
原告:なし
被告:被告準備書面(1)、乙第1号証~乙第2号証

4 本件訴訟における争点
  被告(国)より被告準備書面(1)が提出されました。被告は、原告の主張に対し、以下のとおり争っています。
争点1 検察官は治療可能性がないのに審判申立をしたのではないか
 (被告の反論)
  検察官による本件申立が違法となるためには、本件申立てが行われた時点における事情を総合勘案して、それが職務行為の性質に照らして、医療観察法の許容するところであるか否か、によって決せられるべきである(被告準備書面(1)10頁)。
  精神障害の「改善」(医療観察法33条1項)には病状の憎悪の抑制も含まれ(同11頁)、かつ医療観察法における治療は薬物療法以外の治療法も含まれる(同12頁)。精神衛生診断において、薬物療法以外の治療手段によって病状の憎悪の抑制につながることが指摘されており(同12頁ないし13頁)、「この法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認められる場合」(医療観察法33条1項)に該当しない。
  また、検察官が警察から事件送致を受けて本件申立に至るまでの期間は約11か月であるところ、この間、検察官が、例えば原告に何らかの重大な不利益が生じることを知りながら、殊更に捜査を遅らせたなどの事情はなく、医療観察法も審判申立時期について何ら規定していないから、検察官の職務上の法的義務に違背していない。
争点2 裁判官は治療可能性がないのに鑑定入院を命じたのではないか
 (被告の反論)
   裁判官の職務行為が違法となるためには、当該裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれらを行使したものと認めるような特別の事情が必要である(被告準備書面(1)14頁)。
   医療観察法34条1項の「この法律による医療を受けさせる必要が明らかにない場合」とは、例えば、対象者が、一時的に極めて多量のアルコールを摂取したため、一時的に複雑酩酊の状態に陥って、心神耗弱の状態で傷害事件を起こしたものの、現時点では、医師の診断によっても、その精神障害が完全に消失していると認められる場合のように、その者が精神障害を有していないことが明らかである場合をいう(同14頁)。
争点3 裁判官が鑑定入院命令を取り消さなかった不作為の違法性
 (原告の主張)
   鑑定が完了した時点で、鑑定入院を維持する必要性は失われていた。また、鑑定人より医療観察法による医療を受けさせる必要がない旨の鑑定書が提出された時点において、鑑定入院を維持する必要性は失われていた。
 (被告の反論)
   医療観察法には、「この法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認める場合」に鑑定入院命令を取り消さなければならない旨の規定はない。
鑑定人は投薬以外の方法による治療可能性を否定しておらず、「この法律による医療を受けさせる必要が明らかにないと認められる場合」に該当しない。
争点4 不処遇決定に対する補償の有無と差別の
 (原告の主張)
医療観察法の場合には不処遇決定になっても補償がなく、刑事事件における無罪や少年事件における不処分よりも不利な取扱いがなされており、差別にあたる。少なくとも同等の補償がなされるべきである。
 (被告の主張)
   争う。

【次回期日のお知らせ】
第3回口頭弁論期日
2017年9月13日(水)10:00
東京地方裁判所615号法廷

【本件に関するお問合せ】
〒160-0004
東京都新宿区四谷3-2-2 TRビル7階 マザーシップ法律事務所
   医療扶助・人権ネットワーク 事務局長 弁護士 内 田   明
TEL 03-5367-5142 FAX 03-5367-3742

医療観察法国賠訴訟傍聴の呼びかけ

治療の可能性のない「精神遅滞及び広汎性発達障害」との診断を受け、刑事責任を問いえないとされた方が、2年も前の事件を理由に、医療観察法に基づく鑑定入院を命じられました。これは、治療可能性を前提とする医療観察法の規定に反するとして、国家賠償訴訟を起こしました。医療観察法が、裁判官・検察官によって、事実上の「保安処分」や「懲罰」として機能しているのではないか、という疑問が沸く事件です。もうすぐ第2回期日が開かれ、国の反論が明らかになります。ぜひ、たくさんの方々に関心を持っていただき、傍聴に来ていただきたいです。

【医療観察法国賠訴訟次回期日のお知らせ】
第2回口頭弁論期日
2017年7月19日(水)10:00
東京地方裁判所615号法廷
(担当部:東京地裁民事第41部)

◇医療観察法国賠訴訟第1回口頭弁論期日のご報告

1 第1回口頭弁論期日について
精神遅滞及び広汎性発達障害という診断を受けており、医療観察法に基づく入院の必要性がないのに、鑑定入院(精神鑑定のための入院)として58日間にわたり精神科病院に収容された方(原告)が、国を被告として、慰謝料等の損害賠償を求めた事案について、2017年5月24日(水)11時30分、東京地方裁判所において、第1回口頭弁論期日が開かれました。お忙しいなか、多数の方が傍聴に駆け付けていただき、ありがとうございました。
第1回口頭弁論期日の時点では国の反論がまだ提出されていないので、第1回口頭弁論期日は、訴状などの陳述(提出)などの手続のみが行われました。第2回口頭弁論期日までに国の反論が提出される予定で、これにより争点が明らかとなり、実質的な審理が始まることになります。

2 医療観察法国賠訴訟における争点
① 検察官による審判申立の違法性
治療可能性のない者を医療観察法の手続に乗せて良いのか(医療観察法33条1項の「この法律による医療を受けさせる必要」の問題)や傷害事件発生から2年間も審判申立をせずに放置してよいのか、など。
② 裁判官による鑑定入院命令の違法性
治療可能性がなく、不処遇決定が予想される者に対して、鑑定入院命令を発して良いのか(医療観察法34条1項違反の「この法律による医療を受けさせる必要」の問題)。
③ 裁判官が鑑定入院命令を取り消さなかった不作為の違法性
④ 不処遇決定に対する補償の有無と差別の問題
医療観察法の場合には不処遇決定になっても補償がなく、刑事事件における無罪や少年事件における不処分よりも不利な取扱いがなされており、差別にあたるのではないか。

【本件に関する問合せ】
〒160-0004
東京都新宿区四谷3-2-2 TRビル7階 マザーシップ法律事務所
医療扶助・人権ネットワーク 事務局長
弁護士 内田 明
TEL 03-5367-5142
FAX 03-5367-3742

2017年7月全国「精神病」者集団ニュース 抜粋

目次

ごあいさつ ・・・・・・・・・・・・・・・・・   2

中野交流会報告 ・・・・・・・・・・・・・・・   3

会員交流合宿の呼びかけ ・・・・・・・・・・・   5

精神保健福祉法改悪関連声明資料他 ・・・・・・   7

夏期カンパ要請 ・・・・・・・・・・・・・・・   10

声明 共謀罪成立弾劾 精神保健福祉法を廃案に・・    11

「ともに生きる社会」を考える7・26神奈川集会・・   12

医療観察法廃止全国集会ご案内 ・・・・・・・・・  13

健康への権利特別報告者報告 ・・・・・・・・・     14

第3回国連人権理事会普遍的定期的審査

日本政府普遍的定期的審査へのパラレルレポート ・   17

ごあいさつ

ニュースの発行が遅れ大変申し訳ありませんでした。三種の手続きやら、精神保健福祉法改悪阻止闘争の中で、遅れてしまいました。
酷暑の中皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。暑さの中で不眠と消耗とが続いている方もおられるでしょう。皆様くれぐれもご自愛を。
共謀罪が成立し、そして精神保健福祉法改悪案もまた継続審議となりました。
今後厳しい状況が続きます。
国際的には2002年からの私たちの障害者権利条約作成の闘いはついにWHOも動かしかれらも強制入院強制医療の廃止を求めるようになりました。そして健康の権利特別報告者は、精神保健のパラダイムシフトなしには生き残りは不可能、強制入院強制医療は単に人身の自由侵害だけではなく健康への権利侵害という革命的な報告書を出しています。
格差拡大を図りながら、一方で治安対策の強化はいわゆる「触法障害者対策」そして今回の精神保健福祉法改悪に見られるように、医療・福祉を治安の道具として総動員していく、その中には障害者団体精神障害者団体まで動員していくという流れがあります。
今こそもう一度全国「精神病」者集団は団結を固め、あらゆる保安処分攻撃、差別と排外に抗して闘いを継続していく必要があります。
9月の合宿に多くの方が参加なさり、もう一度全国「精神病」者集団の団結と方針を確認していきたいと考えています。
なお桐原さんたちのニュースを停止してほしい方は桐原さんに直接ご連絡を、私が連絡しても山本は会員でないということで彼は対応しません。一切のニュースお断りという方は山本と桐原さんと両方にご連絡を。
大変お手数をかけて申し訳ありませんが、なにとぞよろしくお願いいたします。

2017年「骨格提言」の完全実現に向けて10・27 大フォーラムに賛同を!

障害者基本法が2011 年に改正され、障害者自立支援法が障害者総合支援法に変わり障害者虐待防止法、障害者差別解消法と改正障害者雇用促進法が出来ました。これらは2008 年に発効した障害者権利条約を批准するために行なわれ、日本は選択議定書を除き2014 年に障害者権利条約を批准しました。「骨格提言」とは、権利条約批准のために政府に造られた障害者制度改革推進会議の総合福祉部会がまとめた文書です。本来この骨格提言を受けて
自立支援法は廃止されて新しい法律が出来るはずでした。

しかし骨格提言の多くは無視されて名前が総合支援法と変わったのです。これは障害者自立支援法によって、「応益負担」、すなわち必要とする支援の量に応じた負担を強いられることになった障害者たちが、食事や排泄、移動といった当たり前の行為の援助に過大な負担を課すことは、それ自体障害者に対する差別であり、憲法に保障された基本的人権を侵すものだとして争われた裁判の和解として政府と交わされた「基本合意」に反することでした。

私達は、昨年7 月、相模原津久井やまゆり園で起きた差別的憎悪犯罪(ヘイトクライム)を忘れません。この犯罪は生産を重視する適者生存と勝者総取りの野蛮な思想、役に立たない命の否定に行き着く優生思想に基づいて行なわれたのです。それにも関わらず政府は、問題を措置入院のあり方に矮小化し、精神障害者の管理を強化することで対応しようとしています。また「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」で社会保障の削減と公的福祉の後退を進めようとしています。私たち医療や福祉を治安のために使うことに反対します。弱者の生は否定して良いとする優生思想に反対します。再分配を認めない社会保障の切り下げに反対します。

障害者基本法が改正されたときには批准していなかった障害者権利条約が国内的に効力を持ち法律の上に位置するようになった今、障害者基本法の中に条約をきちんと位置づけその完全履行を計らなければなりません。それは条約を受けて作られた「骨格提言」を完全実現することも意味します。私たちは棚上げされた骨格提言の実現を求めて毎年日比谷野外音楽堂で集会を開催してきました。今年は10 月27 日です。権利条約、基本合意、骨格提言の完全実現を求めます。

障害者権利条約の作成審議の最初から、私たち抜きに私たちのことを決めるな! ということで障害者は積極的に関与し、参加し、運動し、闘ってきました。

多くの先人の闘いにより獲得されてきたものを引き継ぎ、さらなる前進を目指して今年も10 月27 日に集会を持ちます。多くの賛同を求めています。

2017 年5 月
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会

【告知】 優生思想に断固反対! 医療・福祉を治安維持に使うな!
「骨格提言」の完全実現を求める 10.27 大フォーラム 私たち抜きに 私たちのことを決めるな!
日 時:2017 年 10 月 27 日(金)12:00~15:00(11 時開場) 場 所 :日比谷野外大音楽堂(東京・霞ヶ関)

事務局連絡先
〒154-0021 東京都世田谷区豪徳寺 1-32-21 スマイルホーム豪徳寺 1F
自立生活センターHANDS 世田谷 気付 TEL 03-5450-2861 FAX 03-5450-2862 E メール
hands@sh.rim.or.jp 最新情報はウェブサイトをご覧ください! https://daiforamu1027.jimdo.com/

【賛同・ご協力をお願いします!】
個人 1 口¥500 団体 1 口¥3,000
郵便振替口座 00110-0-292158 加入者名「大フォーラム実行委員会」
※ 賛同金の振込みと同時に、下記申込書に記入し FAX または同内容を E メールでお送りください。
FAX 03-5450-2862 / E メール hands@sh.rim.or.jp

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「骨格提言」の完全実現を求める 10.27 大フォーラム 賛同申込書

・個人賛同(肩書き・地域等) ( )
・団体賛同 □
実行委員会への参加はチェ ックしてください。
・ご住所 (〒 - )
・お電話 FAX
・E メール
・賛同費 口 円
・お名前の公表(どちらかに○を) 可 ・ 不可

 

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