2012年3月全国「精神病」者集団ニュース抜粋

自分の意思決定に専門家が必要なのか

 

桐原尚之

 

平成24年1月11日、東京都社会福祉協議会知的発達障害部会、東京都発達障害支援協会、東京知的障害児・者入所施設保護者会連絡協議会、東京都自閉症協会、日本ダウン症協会の5団体の連名によって、総合福祉法意思決定支援提言がだされた。提言は、「意思決定支援は、成年後見による契約や相談支援においてのみならず、国連障害者権利条約第12条に示されているように「何を着て何を食べるか」というような日々の生活場面においても必要であり、障害福祉サービスの支援職員や家族等によって担われています」などとして、「各障害福祉サービスにおいて意思決定支援に携わる支援職員(生活支援員等)を意思決定支援の専門職として位置付け、個別支援計画作成を担うこととすること」を要望・提言している。

ここでは幾つかの問題が確認できる。ひとつは、意思/意志決定に専門職が必要であるか、ということである。意思/意志決定とは、本人が決めることによってしかなし得ず、そのサポートになんらかの専門性が付きまとうようなものではない

もとより、専門性とはある種の権威であり、クライアント以上に専門領域を知っているという前提がある。クライアント以上にクライアントの意思/意志決定に詳しい人などいようはずもない。それをいるとするならば、クライアントの意思/意志決定は、専門性の前に無力化されることになるだろう。これでは、クライアントの意思/意志決定を支えていないため本末転倒である。

次に意思表示により効果を発動すると考えられる「法律行為」を制限する成年後見制度を意思/決定のための支援と位置づけることができるのか。行為能力とは、単独で有効に法律行為をなしうる地位または資格のことであり、これが制限された者を制限行為能力者(成年後見、保佐、補助、未成年)という。法律行為の制限は、意思決定の制限に他ならない。

訴訟能力という類似概念があるが、これは、訴訟をする能力を指して使う用語であり、訴訟能力がないとされれば訴訟の当事者として提訴することができなくなる。これも意思/意志決定の支援などとはよべない。

そもそも、障害者権利条約第12条第2項の法的能力の平等とは、権利能力、行為能力、訴訟能力等を指して他のものと平等に制限を課さないようにするという意味である。国際障害同盟も、「障害者権利条約の目的として「法的能力」は権利能力と行為能力の両方を意味します。(中略)法的能力の享受と行使の権利は障害者も含めすべての人に平等に適用されます。このことは障害の性質や影響にかかわりなく、また支援の明白な必要性ともかかわりなく適用されます。法的能力について、障害を根拠として疑問視されたり異議申し立てされたりされてはなりません。」と述べており、国際的な障害者団体間でも認識を共有できているものと考える。すなわち、成年後見制度が法的能力の平等のための措置とはなりえず、当該5団体の主張は国際的な標準から逸したものなのである。

支援された意思/意志決定とは、「何かができない人」に対する専門的な支援といった医学モデルによるものではない。そもそも、完全に自己決定をしている人なんているのか。人は皆、人との関わり合いを通じて、場面にあった決定をしていく。それは、やむを得ない場面での決定など、必ずしも本意でないことも多いだろう。そんなものである。そんな当たり前の生活が、関わりごと阻害されているのが障害者の現状である。その阻害の社会的障壁(障害者基本法第二条)を取り除くことでしか、障害者の社会への参加は難しい。

 

 

「精神病」者=(キチガイ)の想い!

青田

 

ぼくは、長い間(学生運動)をして、わりと吉本隆明、植谷雄高などの反政治的な考え方が強かった。そのわりに内ゲバをかなりして、そのことで発病した。運動体もつぶれて、孤独になって、学生運動をしたおかげで「孤独」になり、友達もいなく20年間誰一人も友達もできなかった。いちおう生きるために働いたが、学生運動をしたことで、社会を疑って、矛盾の想いを持っていた。そして「社会復帰」は「病」者を、再発、自殺、そして殺すもので、そのことをあおる「医療従事者」「家族会」は、「病」を人間外人間として、殺して、おまけに「回復者」という差別をあおっている。彼ら「医療従事者」は、国家資格化され、「病」者の「生活」から学んでこなかった。「医療従事者」の多くは、「言葉」を持っている「病」者には、対応しても、「言葉」の持っていない「病」者をぶべつしていた。このことは、僕が体験して、ぼくの「言葉」を、「ワケノワカラナイ」という差別をあびせた。そして「精神科医」の多くは、権威主義の専門性であり、それを批判する反「専門性」の「医者」も一つの専門性で、権威主義を解体できなく、医者の「内ゲバ」にあけくれた。そのこと「病」者差別や、「病」者の「生活」から学ばなく、転向すべきして転向して、大きい空文句のわりには、権威主義で、「良心派」?も含めてそうである。そして、現在、救急‐電気ショック、機能分化、移送制度、強制治療や「病」者を自殺に追い込んだりしている。そして精神病院の院長や学会のエライさんなど、無残な姿をさらけ出した。ぼくらは「医者」に何の期待もしていないし、先生とあがめない。そして「よい子」の「病」者にならなく、「医者」批判はあたりまえである。そして、急性期の「病」者を、救急‐電気ショックにかけて、「治療」の効果とまで言っている。しかし、一時副作用がとれてもまた副作用が出て、電気ショックは「医療」の敗北である!若手の「医者」は今の装置が安全で、ECTといって、研究論文として「治療」の効果といっているが、装置が安全でも電気ショックは暴力である。そのことは、電気ショックは、イタリアのムッソリーニ時代に多くの実験で死亡させて、バザリアは電気ショックは反対だった。そのことは、「医者」にとって、「病」者は、「物」であり、平気で電気ショックをかけることは、「病」者差別のなにものでもない!また電気ショックばかりでなく、「精神保健福祉法」の中に、「移送制度」が認められ、「警備会社」が搬送するのは「応急指定病院」で、「強制入院」がまかり通り、「移送制度」にも反対しよう。また「精神保健福祉法」にしたがっても、「措置入院」「医療保護入院」「仮入院」「緊急措置入院」「応急入院」「38条の行動制限」「3条の精神病質」などの強制入院がまかり通り、特に3条精神病質が生きている。そして応急入院は、ある人物をビラで攻撃すると「強制入院」できる。また民法、刑法、司法の「病」者差別があって、今だに「精神病」者断りと言う差別がまかり通っている。

それに、欠格条項、労働安全衛生法、最低賃金法の除外など、法制的な差別がある。一般に「統合失調症」と言って、「精神医療」が、良くなっているなど決してなく、厚生労働省の意のままに、「精神病院」で金もうけのために、救急、電気ショック、機能分化など全国に広がっている。また「精神病院」がもうからないから、扱いやすい病者をどんどん入院させて、回転率を早くして、国公立病院では、民間病院で見られない病者をスーパーハードな救急‐電気にかけているのも、社会保安のためで、「処遇困難者」「医療断者」「ホームレス」などで、また電気ショックをかけると「精神病院」がもうかるから、どんどん広がっている。

また厚生労働省も電気ショックを認めて、強制治療看護師の暴行マニュアルなど「精神医療」を貧困劣悪にしている。

またデイケア、作業所、施設(特に中間施設)がはびこって、このことで、「病」者を管理として、一つの型にはめこんでいる。そして「社会復帰」は、「病」者差別を不問にして、「軽い病」者を社会にとけ込み、重い病者は、地域から排除している。

このような分断が行われていて、ある意味で、「社会復帰」を言っている「病」者も、再発、自殺、殺されている!

何回も「社会復帰」を家族会などあおって、絶望感を持たせ、自殺者を出して、「家族会」が「病」者差別を不問にして「社会復帰」をあおっている。ぼくは、一時期働いたが、「病状」を悪にされ、孤独だったし、「働く」ことによって「病状」悪化の中で、「キチガイ」攻撃のすさまじさの中で、「働く」ことをやめて、「障害年金」をもらって楽になった。ぼくは両親、姉も死亡して「孤独」でも3年間身のまわりの「生活」をキチンとしている。例えば、洗たく、ゴミを集めたり、そうじ、本の整理、食事など日々のことをしている。このことなくして「病」者解放とは言えなく、たとえ「孤独」で友達もいなくても自分なりの生活を3年間してきた!そして「病」者にとって、「治療」のしっかりしている「医者」を見つけることも大切で、通院をしていても「治療」がでたらめな「医者」が多い。そのことは、「治療」と通院とは別の話である。最後「病」者にとって、趣味を多く持つことは、「病状」がいいことは確かである。

*「精神障害者」は行政用語で、開き直りが見えなく、「狂気」を見えなくしている。

最後その詩として、「連帯を求めて、孤立を恐れず」(東大全共闘のスローガン)と

「みえない関係がみえ始めた時彼らは深く識別している」(吉本隆明)を送ります。

 

 

こころの健康政策議連のヒアリング

 

こころの健康推進議連から全国「精神病」者集団に、2012年2月9日に行われる議連のヒアリングへの参加依頼があった。

ヒアリングに出席した団体は、日本教職員組合、日本てんかん協会、地域精神保健福祉機構(コンボ)、全国「精神病」者集団、全国精神障害者団体連合会(全精連)、全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)、日本発達障害者ネットワーク(JDDNET)であった。

 全国「精神病」者集団意見書はこちら

ヒアリング団体の主張の論点(桐原作成)

こころの健康基本法の評価 構想会議の提言の言及 発言の内容について(ポイント)
日本教職員組合 保留 なし 早期発見・治療に反対
日本てんかん協会 保留 なし 従来からの主張のみに止めた
地域精神保健福祉機構 消極 一部あり 精神病院をなくしてほしい
全国「精神病」者集団 反対 なし 基本法を求めていない
全国精神障害者連合会 推進 構想会議に参加、法案を作った 精神障害者差別を強く訴えた
全国精神保健福祉会連合会 推進 一部あり
日本発達障害者ネットワーク 賛成(積極) 一部あり


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