厚生労働省が専門職団体に示した、精神保健福祉法概要

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この資料は既に3月8日の精神保健関係課長会議で国から自治体に説明として配布されていました
まだ法律も成立していないのに、行政が先走り、日本には立法府なんてもうないのかも

20170228【厚労省】精神保健福祉法改正案;概要_4

三枚目に注目

覚せい剤の使用がわかった場合および確固たる信念で犯罪を企てるものについて医療保健福祉と警察が協議することになっています

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第3回国連人権理事会普遍的定期的審査日本政府報告書へのパラレルレポート      

2017年3月29日

Japan National Group of Mentally Disabled People (JNGMDP)

全国「精神病」者集団

World Network of Users and Survivors of Psychiatry (WNUSP)

世界精神医療ユーザーサバイバーネットワーク

 

 

2UPRの審査におけるアルメニアの勧告147-86は未だ日本では履行されていない[1]

 

 

はじめに

  1. 日本は障害者権利条約を2014年に批准したが、批准後も障害者権利条約に違反した法制度や政策がたくさんある。とりわけ精神障害者、認知症のある人、知的障害者は批准に向けた新たな法制度からも取り残されている。

 

障害者権利条約批准後も、多くの法制度と政策が障害者権利条約に違反している

  1. 現在パリ原則に従った政府から独立した障害者権利条約の国内監視機関はない。政府は障害者基本法の障害者政策委員会が障害者権利条約33条の国内監視機関であると説明している。しかしこの委員会は政府から独立していない。内閣府のもとにあり、委員会が管理できる、自らの事務局スタッフもおらず、予算もない。
  2. さらに、条約批准前に障害者基本法が改正されたため、障害者基本法には障害者政策委員会に対して障害者権利条約の国内監視の任務を定める条文はない。政策委員会の主な任務は障害者基本計画の調査と審査およびそれに基づいて政府に勧告することである。そして基本計画の履行状況について監視することがその任務である。したがって委員会は障害者権利条約の国内監視機関ではない。
  3. 成年後見人制度利用促進法の目的は後見人制度の利用者を増やすことであり、政府は後見人制度こそが唯一の精神障害者、知的障害者そして認知症のある人の保護の道具であると認識している。約19万人が今現在成年後見人制度のもとにあるが、政府は、これはあまりに少なく人権擁護のためにはこの数を増やさねばならないと主張している。
  4. 障害者権利条約12条は締約国に成年後見人制度を廃止し、すべての障害者が法の前に平等に認知されることをもとめている。したがって成年後見人制度自体と成年後見人制度利用促進法は障害者権利条約12条に違反している。
  5. 日本はOECD諸国の中で精神病院の病床数および平均在院日数ともに第一位である。約30万人の入院患者が精神病院におり、1年以上の入院患者は約20万人、そして20年以上の入院患者が36000人も存在する。またこの20年間で新規の強制入院は2から3倍に増えており、入院患者の約四割が強制入院患者である。しかし政府は強制入院は医療保障と患者の健康と福利を保障するものと認識しており、精神病院の病床や強制入院そして入院全体を減らしていく有効な政策がない。
  6. 精神保健福祉法改正案が2017年2月28日に国会に上程された。逮捕された人は完全責任能力があるとして2017年2月24日に起訴されたにも関わらず。政府は改正の目的はやまゆり園事件[2]のような犯罪を防止するためであると説明した。
  7. 政府は常に、精神保健福祉法および強制入院の目的は患者自身の利益と説明してきたにも関わらず、精神保健福祉法の改正は精神保健サービスの目的を患者自身の利益から治安へと根本的に変えるものである。
  8. 法案は措置入院患者[3]にのみ「支援計画」を作るという新たな仕組みが含まれている。これは実際にあるあるいはあるとみなされた障害に基づく差別である。自傷他害のおそれのある障害のない人はたくさんいるが、彼らはこうした扱いを受けないしそもそも強制入院自体されない。これは精神障害者に対する差別である。
  9. 退院前に強制入院を命じた地方自治体はケースマネージメント会議をする義務がある。そして当事者をそこに参加させる義務はない。
  10. 私たちはこの過程で時間がかかり、強制入院期間が伸びるのではないかと案じている。そして本人がこの計画を拒否したら、拒否を撤回し同意するまで拘禁され続けるのではと案じている。
  11. 精神保健福祉法案によれば地方自治体は「地域精神障害者支援委員会」を作る義務がある。しかしこの委員会のメンバーは真に支援者ではなく、保健所、病院スタッフ他のサービス提供事業所のスタッフそして警察が入っている。さらに重大なのは精神科医が違法薬物依存症者と固い信念によって犯罪を企てる患者を発見した時は、この委員会のメンバー間では警察も含み患者のセンシティブな個人情報が本人の同意なしに共有されるということである。
  12. それゆえ精神保健専門職は守秘義務を破らなければならなくなる。さらにその個人情報は転居してもなお転居先の自治体に送られ、この情報共有の期間は不定期である。
  13. 法案の監視システムは地域をあたかも精神病院か刑務所に変えてしまう。全日常生活がサービス提供者、精神病院スタッフ、そして警察に監視され管理されるようになってしまう
  14. この監視と管理を嫌う精神障害者は障害年金や生活保護を含むいかなるサービスも医療も拒否せざるをえないこととなり、ホームレスとなったり、放置の中で死んだりしかないことになりかねない。
  15. いかなる支援も支援計画も本人自身の意志と好みによるものでなかればならない。そして医療は当事者の自由なインフォームドコンセントに基づいて提供されなければならない。
  16. そして特に「固い信念」を持って犯罪を企てること自体は未だ犯罪ではないそれゆえ警察は介入すべきではないしできない、だからこそ警察はやまゆり園事件の被告を精神保健体制に送ったのだ。精神保健体制もそうした介入をするなら、精神病院は不定期拘禁センターとなってしまう。精神科医は人の信念を矯正してはならないしできない。もしそうしようとするなら、精神保健体制総体が保安処分となり、私たちは反社会的人格障害とレッテルを貼られた人が精神病院に強制入院させられ不定期拘禁されるのではないかと恐れる。この被告を精神保健体制に送ったことこそが最大の過ちであり、これは精神保健体制の問題ではない。
  17. 障害者権利条約は締約国に、意志に反して障害者を、障害を根拠として拘禁することを禁止するよう求めている、そしていかなるリハビリーテーションも医療も自発的でなければならないと求めている。障害者権利条約はまた障害者に対する非差別を求め、またプライバシーの権利とありのままでいることの権利の尊重を求めている。精神保健福祉法自体が障害者権利条約に反しており、そしてこの法案もまた障害者権利条約違反である
  18. 政府は、2018年から2020年の障害福祉計画のガイドラインを今作っている。しかし政府はここで精神病院の長期入院患者脱施設化を削除し、さらに1年以上の入院患者の6割は「重度かつ慢性」であり、退院も地域生活もできないとして、地域支援の数値目標は4割の長期入院患者のためとして立てるとしている。さらに政府は1年以上の長期入院患者の数は減らしていくが、10%は退院できないとして、2025年の長期入院患者のための病床の数値目標を10万床としている。障害者権利条約19条は誰もが施設で暮らすことを強いられてはならないと宣言しており、したがってガイドラインは障害者権利条約に違反している。

勧告

20. パリ原則に従った国内人権機関あるいは障害者団体の推薦する委員を含んだ障害者権利条約の国内監視機関の創説

21. 民法の成年後見人制度の撤廃と成年後見人制度利用促進法の廃止

22. 精神保健福祉法の撤廃と精神病院に対しての総合的な脱施設計画を作ること

 

[1] 147-86  障害者権利条約の有効な履行を継続すること(アルメニア) 日本政府が受け入れている

[2] 2016年7月26日障害者施設の元職員が障害者施設やまゆり園をおそい、19人の障害者を殺し、26人を傷つけた。2016年2月彼は国会の議長に手紙を送り、そこで彼は攻撃計画を宣言し、障害者は殺されるべきと言った 2016年2月19日から3月2日まで彼は自傷他害のおそれがあると鑑定され精神保健福祉法29条により強制入院させられた。

この襲撃は障害者に対するヘイトクライムである。しかし政府は厚生労働省内に強制入院制度の検討チームを事件後即2016年8月に発足させた。

[3] 自傷他害のおそれによる強制入院

 

付録
国連人権理事会に対して送付した2017年に恣意的拘禁に関する作業部会の日本訪問を要請する手紙
https://wgadcometojapan.jimdo.com/app/download/12847227036/jinkenrijikaiate_onegai.pdf?t=1474169123

UPR original English

 

精神保健福祉法改正案に関する緊急声明

本日2017年2月28日、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正に関する法律(案)が閣議決定され、国会に上程されました。全国「精神病」者集団は、精神保健福祉法それ自体の撤廃を求めてきましたが、加えてこのたびの改正は障害者権利条約の趣旨に逆行し、私たち精神障害者の生活に大きな悪影響を及ぼすもので特に看過できない内容とであるため、緊急声明を発表し抗議の意思を示します。

  1. 法改正の趣旨に明示的に犯罪防止が採用されたことこの法案の趣旨は、相模原市の障害者支援施設の事件の再発防止であり、医療の役割を明確にすること、医療の充実を図ること、精神保健指定医の不正取得の再発防止の3点に留意して法整備を行なうこととされています。趣旨に明示的に犯罪の防止が掲げられたことは、従来の改正とは一線を画すものであり、まさしく治安のための改正であることを示しています。
  2. 措置入院の強化――地域における監視

①の措置入院強化では、措置入院者に対して都道府県が退院後支援計画を作成し、警察関係者を構成員とした精神障害者支援地域協議会がたとえ措置入院者が転居しようとも追跡して転居先の自治体が退院後支援計画を引き継ぐ制度が新設されます。退院後支援計画は、支援の名が付けられていながら本人を抜きにして作成できることとされており、本人主体の支援ではなく都道府県を主体とした保健所主導の監視というべき内容になっています。加えて、精神障害者支援地域協議会には、代表者会議の構成員に警察関係者が入っており、医療や支援ではなく明確に治安的な介入

が意図されていることがわかります。

  1. 医療保護入院における市区町村長同意の復活本改正では、市町村長同意の復活が規定されました。仮にも障害者権利条約の国内法整備の一環として保護者制度を含む医療保護入院等の見直しがおこなわれ、市区町村同意が2013年改正時に廃止されたというのに、障害者権利条約の適合性に関する検討がなされないままにして、さらなる同意権者の拡大がなされました。2013年改正時の衆参両院附帯決議では、非自発的入院の減少が志向されていたにもかかわらず、措置入院の強化や家族等の同意に加えて市町村長同意へと同意権者の範囲がさらに拡大されるなど、明らかに非自発的入院の減少を帰結しない法改正になっています。

これらの改正は、私たち精神障害者の地域生活を圧迫し、権利を損なうものであるため反対の意思を示します。

2017年2月28日

全国「精神病」者集団

こんどの精神保健福祉法[改正]案は絶対におかしい!! 3.24緊急院内集会

ニュース!! ダルクの当事者も参加していただけることになりました
お申込不要 当日参加大歓迎

これは精神障害がある人々への政府からのヘイトクライムです。

《報告者》
内田博文さん(神戸学院大学法学部教授・九州大学名誉教授)
富田三樹生さん(多摩あおば病院院長・日本精神神経学会法委員会委員長)
池原毅和さん(弁護士・東京アドボカシー法律事務所)
長谷川利夫さん(杏林大学教授・病棟転換型居住系施設について考える会代表呼びかけ人)
ダルク(薬物依存症者のセルフへルプグループ)当事者2名

精神障害当事者の方々にも現在依頼中です。
《コーディネーター》
加藤真規子さん(NPO精神障害者ピアサポートセンターこらーるたいとう)

日時 2017年3月24日(金)正午~午後3時(受付:午前11時30分より)
会場 参議院議員会館・101会議室(東京都千代田区永田町2-1-1)
★当日は、参議院議員会館1Fロビーにおいて、11時30分より正午まで、通行証をお渡しします。

〔主 催〕 病棟転換型居住系施設について考える会
〔連絡先〕 長谷川利夫(杏林大学教授)
E-mail/hasegawat@ks.kyorin-u.ac.jp
携帯電話/090-4616-5521

 

2017年2月28日に精神保健福祉法改正案は閣議決定し、上程されました。厚生労働省は「津久井やまゆり園事件」を口実に、精神保健福祉法を改悪しようとしています。この改悪案がとおったら、精神保健福祉法は治安維持法のひとつになってしまいます。精神医療に警察が介入したら、治療関係は成立しません。絶対にそんなことは許してはなりません。

精神障害がある人々に係わる法制度は、ライシャワー事件、大阪教育大学付属池田小学校児童殺傷事件などを契機に、隔離収容主義を強化してきました。その結果、精神障害がある人々は社会からますます排除されてしまいました。

その過ちを三度繰り返さないために、国会議員の方々をはじめ、マスコミの方々、そして多くの市民の方々に連帯を呼びかけさせて頂きます。

20170324チラシ案

全国「精神病」者集団ニュース 2017年3月号抜粋

ごあいさつ

三種の手続きには時間かかりますが、次号からは三種を使って「絆社ニュース」として発行することになります。しかし実質は全国「精神病」者集団ニュースです。障定協や他障害者団体にご迷惑かけないための苦肉の策で、運営委員会との話し合いが付けばいつかは解決すると信じておりますが。なお前号はVol.44No.1 2018年1月 となっていますが、これは誤りです正しくはVol.43 No.1 2017年1月 です。お詫びの上訂正いたします。

「絆社ニュース」の1ページ朝日新聞記事にあるように、今回の精神保健福祉法改正案は恐るべきもので、一旦措置になったら、一生追い掛け回されるというものです。確固たる信念をもって犯罪を企てる患者=確信犯や政治犯に対応するとしている一方入院中に薬物使用が判明しても警察に通報義務が生じることになります。人格障害者を一生隔離あるいは管理していこうという精神医療の政治利用あるいは治安の道具としていこうということが明確になっています。公然と相模原事件再発防止のための改正だといわれているわけですから。 都道府県政令指定都市には警察も入った関係者で作られる「精神障害者支援地域協議会」が作られその下部組織として個別ケースの計画を作成する措置入院を決める都道府県や政令指定市が患者の入院中から本人や家族を交えた調整会議(個別ケース検討会議)が設置され、退院後の支援計画を造ることを義務付けられます。これは障害者総合支援法の退院支援事業が本人の申請によるものとは違い、調整会議には本人の出席は必須ではなく強制的に作られます。こうした計画は本人ぬきにされることになりますし、退院後は転居しても個人情報が転居先に送られることになります。まさに現代の治安維持法保護観察処分です。病気になって措置入院になったというだけで、罪を犯した人以上に一生監視されるという恐るべき体制です。そうなったら全ての医療福祉を拒否しなければ逃れられず、対象となった人はさらに孤立し病状悪化していくのは火を見るより明らかです。精神保健福祉法案は与野党対立法案ではないとのことで、参議院先議となり、早ければ3月末には国会で議論が始まります。ほとんど注目されていない実態があり国会議員の皆様に問題意識をもってもらうのはかなり大変です。弁護士会や精神科医の学会などもまだ動いていません。山本は2月27日に参議院議員会館で以下ビラ配布しました。

精神保健福祉法改正案は逆効果のみ_ページ_1

 

 

 

UPR(普遍的・定期的レビュー)

政府報告に関する意見交換会参加申込書兼意見書

1.            障害者権利条約の完全履行とりわけ精神障害者を取り残さない履行について

2.            勧告16および86について

 

日本は障害者権利条約を批准したが、精神障害者および知的障害者は取り残され、条約に逆行した法制度が新設あるいは継続、強化され続けている

以下の点についての説明を報告してほしい

1 障害者権利条約33条の求める国内監視機関については、政府は障害者政策委員会を国内監視機関としているが、パリ原則に基づく国内人権機関も不在のまま、政府からの独立性もなく、また知的障害者・精神障害者団体の代表あるいは個人も構成員の中に存在していない。

2 批准以降、秘密保護法の適性調査に精神疾患を名指しで明記し医師の守秘義務開示を迫っていること、知的障害者や精神障害者が対象となっている成年後見人制度について、利用制限や代替方法の開発ではなく、利用促進法が成立したこと、さらに精神保健福祉法を改悪し、より強制入院である医療保護入院をしやすくしまた措置入院退院後の監視体制と個人情報の自治体間での共有を終生強制していること。これらは明らかに障害者差別の強化であり障害者権利条約の有効な履行に逆行している

3 世界に類のない長期かつ大量の精神病院入院患者について、政府は1年以上の長期入院患者の6割が「重度かつ慢性」という個人の属性により長期化しており、退院困難とし、今後の障害福祉計画の国の指針においても残り4割の人を基準に地域支援の数値目標を立てるとしている。これは明らかに障害者権利条約19条および25条に反しているといわざるをえない。何故日本にだけそうした病気のある人が大量に存在するのか、さらに2025年においても10万床内外の長期の療養病床を維持する理由は

4 新規措置入院について、都道府県により極端な人口比での差があるのはなぜか、また本来措置鑑定は2人の精神保健指定医による二重チェックのはずであるが、同時に2人が診察することが向上化している都道府県があるが、これを認めている理由は

5 措置入院医療保護入院とも増え続けているがその理由は。身体拘束隔離が増え続けているがその理由は。なんと身体拘束の14%が任意入院患者になされているがそれはなぜか、とりわけ北海道では44%が任意入院になされている。

6 障害者の施設および精神病院、学校での虐待事例が多数報道されているが、未だに障害者虐待防止法の改正が行われていないのはなぜか

 

今年11月に行われる国連人権理事会の政府報告書審査に向けた3月に開かれる政府とNGOの意見交換会に向けての意見交換会に全国「精神病」者集団として山本が出席することとし、上記の意見書を出すことにしました。パラレルレポート締め切りは3月末です。短いものでもいいから出し続けることが重要ということで頑張っております。しかしこの仕事国連人権プログラムへのインプット引き継いでくれる方いないかしら、英語ができる方どなたかよろしくお願い致します。

 

 


赤堀政夫さんの近況

                                                                                           神奈川赤堀さんとともに闘う会 ニュースより

赤堀さんは昨年五月十八日、八十七歳の誕生日を迎えました。そして十月九日には故郷の島田市で、島田事件対策協議会の人たちが中心になって米寿の祝いが開かれました。当日は島田市の「帯祭り」の日で、赤堀さんはお祭りも楽しんできました。今年の年賀状は、その時の写真です。また赤堀さんの昨年一年間の生活については、お世話係の島谷直子さんの通信を読んで頂けたらと思います。

 

皆さん、赤堀さんは、お元気ですので、ご安心ください。

とはいえ、今年の10月末に肺炎になってしまいました。1年前の11月にも肺炎になって、その時はとてもたいへんでした。2年続きの肺炎です。熱が下がらないので、毎日、病院に駆け込み、とても心配しましたが、幸い、1週間の入院で済みました。

5月18日、赤堀さんは、87蟻になりました。10月9日に、故郷の島田市で、島田事件対策協議会の皆さんが中心になって、米寿のお祝いの会を開いてくださいました。仙台や東京からも、お祝いにかけつけてくださったので、赤堀さんは、懐かしい皆さんに、ずいぶん久しぶりに会うことができて、とても喜んでいらっしゃいました。

赤堀さんは、昨年の12月23日から、小規模多機能型施設を利用しています。肺炎のあと、独り暮らしは、なにかと危ないので、高齢者施設を利用しながら、ときどき、自宅での生活をしています。赤堀さんが自宅に戻るときには、介護者が宿泊しているので、赤堀さんが、独りきりになることはありません。

小規模多機能型施設では、他の高齢者の方がた(10人に満たない)と一緒に、体操をしたり、歌を歌ったり、身体を動かす機会が多いので、赤堀さんの心身の機能を維持するうえで、よい選択だったと思います。昨年、肺炎になったときには、老健で、車イスからのリハビリを経て、高齢者施設に移りました。現在の歩行状態は、入院する以前よりもいいぐらいです。

ときどき、赤堀さんは、私たちを驚かせます。今日も、風が強く、赤堀さんの帽子が風で吹き飛ばされたとき、なんと、赤堀さんは、その帽子を追いかけて、走っているのです。吹き飛ばされた帽子を追いかけて、追いついて、拾いました。長い手紙を書くこともできます。家にゴキブリが出たときには、赤堀さんにお願いして、退治してもらっています。

自宅に戻ったときには、テレビをみてのんびりしています。昨年の年末は、退院はできたものの、自宅で過ごすことができませんでした。今年の年末年始は、自宅で、おせち料理を食べて過ごせます。

来年が、赤堀さんにとって、よい年になりますように!

2016年12月 お世話係島谷直子

 

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