2015年8月全国「精神病」者集団ニュース

あいさつ

酷暑が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

また8月15日がめぐってまいりました。あの戦争で多くの入院患者が精神病院で餓死したこと、そしてなお戦争ゆえに発病した未復員の兵士が精神病院にいること、私たちは忘れてはなりません。(12ページ参照)

生活保護、障害年金などについて厳しい政策が続いていますが、私たちはそれでもなお生きていかなければなりません。生き延びるための闘いはやめるわけにはいきません。

そして21世紀最初の人権条約、そして私達自身が作った障害者権利条約を日本は批准したにもかかわらず、精神障害者や知的障害者に対しては条約に真っ向から敵対する政策が次々に出されています。後見人制度利用促進法案もその一つです。全国「精神病」者集団は反対声明を出しました(15ページ参照)。

骨格提言の完全実施を求めて今年も日比谷野音で私たちは集います。多くの団体個人のご賛同を訴えます。(7ページ参照)。

刑務所で受刑者が刑務官に殺されたら大問題になるのに、精神病院で精神障害者が殺されても国会で問題になることもない。精神病院は障害者虐待防止法の通報義務の対象外。なんとしても障害者虐待防止法改正を、ぜひ9月交流会にご参加を(20ページ)

ご投稿が少なく、ニュースは新聞切り抜き帳とかしてしまいましたが、次号に向けてぜひ多くのご投稿をと呼びかけます。7月の2つの集会の報告等および会計報告は次号に

まだまだ残暑は続きますが、皆様どうかご自愛の程を。

 

 

 

生活保護の住宅扶助費引き下げ

引っ越さないといけないの、そんな家賃ではアパート見つからない

報告が遅れていて申し訳ないのですが、7月1日より地域により世帯により生活保護の住宅扶助の基準が引き下げられました。

所によってはかなりの引き下げとなって転居を指導される例もないわけではないようですが、決してあきらめないでください。以下の厚生労働省の通知がでています。

「精神病」者の場合はほとんどの方が当てはまるのではないでしょうか、協力者がいないと困難かもしれませんが、交渉してみる必要あると思います。住宅は「精神病」者にとっていわば命にかかわる基本です。実際に交渉によって今までの住まいを確保した方もいらっしゃいます。

以下は通知(平成27 年4 月14 日社援発0414 第9 号厚生労働省社会・援護局長通知「生活保護法による保護の基準に基づき厚生労働大臣が別に定める住宅扶助(家賃・間代等)の限度額の設定について」から解説(Q&A「あきらめないで!闘うすべはある!」生活保護問題対策全国会議発行 より引用

このパンフレット全体は生活保護対策全国会議のサイトからダウンロードできますが、インターネットをお使いでない方は窓口にお申し出いただければお送りいたします 申し訳ありませんが、送料コピー代100円頂きます 切手をお申し込みの手紙に同封して窓口まで)

相談窓口は各地にもありますので窓口にお申し出くださればご案内いたします。(山本)

 

 

 

 

「等級判定ガイドライン(案)」に抗議します

2015年8月12日

髙見元博(兵庫県精神障害者連絡会・怒りネット)

 

在宅医療の流れに逆行

厚生労働省の障害年金検討会でとんでもないことが検討されています。8月11日にパブリックコメントの募集として公開された「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン(案)」です。

うつ病の場合、入院していないと障害年金の等級判定で2級になれないというのです。私の主治医はめったなことでは入院させない考えの人です。私の主治医のうつ病の患者は2級になれなくなってしまいます。逆に簡単に入院させる医者の患者は2級になりやすい。在宅医療を推進する流れに完全に逆行します。

上記のパブリックコメントが8月11日から9月10日(必着)の期間、募集されています。多くの反対の声で改悪を阻止しましょう。パブリックコメントの募集は下記アドレスにあります。

http://urx2.nu/n8Ol

うつ病者は入院しないと2級にならない!

厚生労働省の「精神・知的障害者に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会・第6回」(2015・7・30)の資料として、「等級判定のガイドライン(案)」が出されました。8・11に公開されたものもほぼ同じ内容です。そのなかに、うつ病の人は入院していないと2級にならないという記述があるのです。「気分(感情)障害」について考慮すべき要素として、「適切な投薬治療などを行っても症状が改善せずに、入院を要する状態が長期間持続したり、頻繁に繰り返している場合は、2級以上の可能性を検討する。」とあります。但し書きとして「例示であり「〇級に該当する可能性を検討する」の記載があっても、そうした場合以外はその等級に該当しないということには必ずしもならない」とあります。わかりにくい文章ですが、『原則として2級にはならないが例外もある』としか読めません。

障害認定の「目安」と「総合評価」

ガイドライン(案)は「診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」及びに「日常生活能力の判定」の平均を組み合わせ認定する等級の目安を設ける。」としています。「程度」は(1)~(5)に分けます。「判定」を点数化して「程度」と組み合わせます。目安の確認作業は機構の担当職員が行ないます。この段階ではねられる人が出てくる可能性があります。

「日常生活能力の程度」として書いてある(4)と(3)を示しておきます。

「(4)精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも多くの援助が必要である。(たとえば、著しく適正を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など。)

(3)精神障害を認め、家庭内の単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。(たとえば、習慣化した外出はできるが、家事をこなすために助言や指導を必要とする。社会的な対人交流は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。)」とあります。

(4)だと目安上は障害2級に、(3)だと2級か3級に相当するようです。その目安に総合評価が加えられることになります。「上記等級を目安としつつ、その他様々な要素を考慮し、総合的に等級を判定する。」とあり、この「総合評価」は認定医が行ないます。

「総合評価の際に考慮すべき要素の例」に『入院していたら2級以上の可能性を検討する』という文章があります。また、「投薬を行っている場合はその目的や内容(種類・量(記載があれば血中濃度)・期間)を考慮する。」とこれらも管理の対象となります。

60%以上を非認定にしている兵庫県の精神科医

非認定率が60%以上という兵庫県の精神科医(認定医と思われる)の発言に誰も反論しないような検討会だったといいます。兵庫県のような非認定率の高い県を是正するのではなく、非認定率の低い都道府県を兵庫県並みにするのが目的なのでしょうか。

今でも兵庫県ではうつ病だと認定が通りにくい状況にあります。主治医が当然2級だと思う症状の人の審査が通らないのです。兵庫県のある良心的精神科医は「うつ病と書いたら2級は通らない」と語っています。そういうひどい兵庫県の認定医に合わせるのなら、厚労省はうつ病を基本的に2級から外すことを狙っているとしか思えません。

2級と3級では天地の開きがあります。3級では障害基礎年金がなく、厚生年金に入っていない人だと無年金になります。厚労省の思惑通りに改悪されれば、貯金などをすべて失ってから生活保護に移行するしかなくなります。その生活保護費はどんどん切り下げられており、憲法25条に定められた最低限の健康で文化的な生活を保障するものではありません。現に度重なる引き下げに対する違憲訴訟が闘われています。生活保護に移行できればまだ救われるのですが、すぐにはむつかしい条件がある人だと、はざまにおかれてしまいます。おそらくそういう人は大量に出てきます。

地域自立生活の保障機能を完全に失う改悪

今回の改悪が行なわれれば、障害年金は地域自立生活を保障するものでなくなります。所得保障のためには、働けないうつ病者を2級にすべきです。今回検討されているのは全く逆の方向です。

最近、財務省が社会保障費を数兆円も切り捨てる方針を出し、それに基づき「骨太の方針2015」が閣議決定されました。今回の改悪はその一環です。富裕者と大企業に減税の恩恵を与える一方で、低所得者からなけなしの金を奪っていくというのが「骨太の方針2015」であり、アベノミクスです。日本社会には金がないのではなく、巨億の金が富裕者と大企業に眠っているのです。それを吐き出させれば、社会保障の財源はいくらでもあるのです。

全国各地から抗議の声を上げ、パブリックコメントに多くの声を届けていきましょう。

政策変更を余儀なくさせるような大きな民衆的抗議の声を上げていきましょう。

 

(編注)なお初診日に関するパブコメは以下

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495150114&Mode=0


障害年金「精神障害の等級判定ガイドライン案」の問題点 パブコメ集中を

鬱だと入院していないと年金取れない??
目安の点数化で水際作戦?
自己申告で初診日認めるわけではない、認定は変わらず?
今まで2級の方も同じ診断書出しても不支給?

このパブコメのあとでさらに検討会が開かれます。
とんでも案に対して意見の集中を

パブコメは以下から 「精神の障害に係る等級判定ガイドライン(案)」に関するパブリックコメント↓。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public…
9/10まで

「障害年金の初診日の確認について(案)」に関するパブリックコメント。↓
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public…
9/9まで。

社会保険労務士 安部敬太さんの解説
ハプコメ版「精神等級判定ガイドライン案」の問題点
社会保険労務士 安部敬太 www.shogai-nenkin.com www.facebook.com/abesr
障害年金の請求代理を専門にしていて、これまで裁定請求、不服申立て、あわせて代理し た件数は、1000 件を超えた私からみて、格差問題への国の対応策をどう考えていけばいい のかをお伝えしていきいと思います。
今、厚労省は、精神障害の認定のためのガイドライン案と初診日認定の扱いの変更案をパ ブリックコメントにかけて、国民の意見を募集しています。意見募集の締め切りは、精神障 害認定のガイドラインは来月 10 日で、初診日の扱いの変更は来月 9 日です。
今日は、精神障害認定ガイドラインについてお話しします。 各都道府県によって、認定していた障害基礎年金の不支給率に最大 6 倍の格差があるこ とが報道され、その原因は知的障害を含む精神障害についての不支給の割合に根拠があるこ とを厚労省が明確にしました。この精神認定の地域差を何とかなくしていこうと開催された のが、この「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」です。 そして、案として出したのが、このガイドラインです。
◆1 ガイドラインの目玉 「等級判定の目安」 このガイドラインにはどういう問題があるでしょうか。
このまま決定されると障害基礎年金 2 級を受給していた障害者が、これまでと同じ診断 書を提出しても支給停止となってしまいます。
それはなぜかというと、少しややこしいですが、資料をみながら聞いてください 全文は以下ご覧ください
安部さんの解説PDF

安部さんが代表をしている、東京都社労士会自主研究会の障害年金実践研究会が、精神認定ガイドラインと初診日扱いについて、意見を出しました。
ぜひこちらもハプコメを出すにあたり、参考としてください。拡散お願いします。

精神認定ガイドラインについて
http://shougai-jissen.net/270823guidelines_mental/
初診日の扱いの変更について
http://shougai-jissen.net/270823guidelines_shoshinbi/

 

成年後見制度利用促進法案に反対する声明

成年後見制度利用促進法案に反対する声明

2015年8月15日

 

          全国「精神病」者集団

 

2015年7月、与党は「成年後見制度利用促進法案」をまとめた。早めれば8月に国会に上程される見込みです。

このたびの「成年後見制度利用促進法案」では、①利用者を増やす基本計画の策定を国や自治体に義務付ける、②後見人による財産の不正流用を防ぐための監督強化、③被後見人の権利制限の見直し(主に欠格条項の見直し)、④手術や延命治療などの医療を受ける際の同意権及び現在含まれない後見人の事務範囲の拡大・見直し、⑤後見人が利用者宛ての郵便物を自らのもとに送り、必要な書類を閲覧できるようにする、などが盛り込まれました。

しかし、当該法案は、成年後見制度の対象のひとつとされている精神障害者に対して一切ヒアリング等を実施せずに上程されようとしているものです。また、当該法案自体が、以下の重要な問題を含んでいるため、当会としては強く反対します。

1.成年後見制度自体の問題

2014年に日本でも批准された障害者権利条約第12条では、法の前の平等(1項)、法的能力の平等(2項)が規定されました。一般的に法的能力の範囲には、行為能力が含まれるものと考えられています。そのため、被後見人の行為能力を制限する成年後見制度のような現行の制度は、障害者権利条約に違反すると指摘する声が強くなってきました。

また、全国「精神病」者集団は、成年後見制度を障害者権利条約の策定の段階から障害を理由とした他の者との不平等の問題と位置付けており、国連の水準を見習い廃止するべきであると考えています。仮に廃止が難しいとしても成年後見、保佐の類型が残るようなことはあってはならないし、補助の適用も最終手段であることについて挙証を求めるなど厳格な運用が必要と考えます。

2.医療同意について

成年後見制度利用促進法案では、医療同意の拡大を示しています。医療同意は、民法上の医療提供契約の締結と異なり、患者が侵襲行為に対して同意を取り付けるという医療行為の正当化要件にかかわる重要な手続きです。法律行為である医療提供契約と同様の手続において成年後見制度の対象にしてはいけません。こうした範囲拡大は、障害者の生命にかかわる諸判断を代理人に代行させるものであり、障害者の生命を危機に追いやる極めて問題のある政策といえます。被後見人等であっても医療同意に関してはあくまで本人がすること、仮に医療同意が取れないとした場合は緊急避難三要件の適用を見てもっとも医道に適った選択をすることが求められていると考えます。

 

3.代理決定枠組みから支援された意思決定枠組みへの転換

今必要なことは、成年後見制度のような行為能力の制限を伴う制度を廃止し、その先で本当に必要な支援を確保していくことです。

 

以上のことから私たちは、成年後見制度利用促進法案に反対します。

心神喪失者等医療観察法の新しいリーフができました

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連絡先 〒 173-0004 板橋区板橋2-44-10-203
ヴァンクール板橋北部労法センター気付
電話 090-9240-9716
e-mail kyodou_21アットマークyahoo.co.jpアットマークを@に変えてお送りください

新リーフ1

 

 

 

 

新リーフ2

地域移行型ホーム調査結果

以下の記事のもととなった調査報告です
地域移行支援型ホーム調査結果(2015.08.11)

地域移行支援型ホーム調査結果(2015.08.12)補足:条例改定見送りの理由

 

 

病棟転換型居住系施設<精神病床の「住居化」4割認めず:都道府県・指定市など調査:患者側反発に配慮も>

2015年8月13日 朝日新聞
精神科の病床をグループホームに転換できるよう厚生労働省が省令を改正したのに対し、主要自治体のうち4割は転換を認めていないことがわかった。患者側には「転換しても病院敷地内での『隔離』が続く」という反発が根強く、こうした意見に配慮した形だ。

 調査は「病棟転換型居住系施設について考える会」と「全国精神障害者地域生活支援協議会」の2団体が、6月に47都道府県と20政令指定市、45中核市の全112自治体を対象に実施。今月7日までに92自治体(82・1%)から回答を得た。

精神科病院の敷地内にグループホームを設けるには、主に税金から払う「障害福祉サービス等報酬」の対象となるように自治体が条例を改正する必要がある。調査結果では、41自治体が条例を改正、14自治体が国の方針に準拠するという条例の規定を適用するなどして設置を認めた。

一方、神奈川県や三重県、大阪府、さいたま市、長野市、大津市、奈良市、福岡市など37自治体(回答した自治体の40・2%)は条例改正を見送り、グループホームを設置できる環境を整えていない。このうち9自治体は「反対論がある」ことを理由に挙げた。

日本の精神科病床数は世界的にみて多く、1年以上の長期入院患者が約20万人に上る。厚労省は患者が退院して地域で暮らすことを促すため、利用期間の制限などの条件付きでグループホームに転換できるよう1月に省令を改め、4月に施行した。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11913245.html

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