福祉医療 早期実現を求める 緊急集会

  • 8・27(水)13時
  • 場所:奈良県文化会館(小ホール)
  • 主催:精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議
  • 問い合わせ先:精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議事務局
  • TEL:0742-55-2301(担当:刀根 治久)

精神障害者の福祉医療の実現に向けて 賛同署名のお願い 奈良より

いつもお世話になっております。
私どもは栃本一弥及び奥田和男を共同代表として
『精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議』を結成し
平成24年9月より運動を続けてきました。

その結果、奈良県は『精神障害者保健福祉手帳2級まで適用』『平成26年10月実
施』という制度設計を決定しました。
これまで精神障害者の医療費助成は精神科の通院医療に限られていましたが、
新たな制度により精神科入院や、他の診療科通院、入院すべてに助成されること
となり、
当事者、家族、関係者は10月実施を心から待ち望んでおりました。

しかし、県内12の市が適用等級を1級のみとする等、
県の方針を後退させる動きをしております。
私どもは実りある制度実施に向けて緊急集会を開催します。
集会では声明文を読み上げる予定にしており、
声明文への賛同団体を募集しております。
皆様のご助力を頂ければ幸いです。

賛同団体は障害者関係団体でなくてもかまいません。
多くの団体に賛同して頂くには、
当事者、家族、関係者皆様の力が必要です。
本メールを多くの方々に届けて頂ければ幸いです。

精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議
事務局 刀根治久
〒631-0078 奈良市富雄元町2-7-25SSKビル306あとりあ内
TEL&FAX 0742-55-2301
Mail shienkyo2012@yahoo.co.jp
atria@kcn.jp

精神障害者の福祉医療制度に関する緊急声明
2014年8月27日
精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議
共同代表 栃本一弥 奥田和男

私ども『精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議』は2012年9月より、精神 障害者にのみ適用されていない、障害者の福祉医療制度について、奈良県及び県 内39市町村で実施していただきたく、運動を開始しました。
運動の中で、3度にわたり精神障害当事者とその家族、関係者で39市町村及び県 に対し要望活動を続けてきました。その過程で、
①    市町村の皆様に厳しい生活実態をご理解いただき、市長会、町村会を通じて要 望を挙げていただいたこと
②    県による精神障害者の実態調査がなされ、精神障害者の置かれている困窮した 生活状況が改めて明らかになったこと
③    県議会において無所属議員も含め全会派一致で請願が採択されたこと
これらを受けて、平成26年3月25日県議会で平成26年度予算が決定されたことに より『精神障害者保健福祉手帳2級まで』『平成26年10月実施』という制度設計 がなされました。当事者、家族、関係者は、精神障害者が安心して医療にかかる ことができると、10月の制度実施を待ち望んでおりました。
しかしながら、平成26年5月21日、市長会は『身体・知的障害者とのバランスを 考え、まずは精神障害者保健福祉手帳1級所持者を対象とする』『平成26年10月 実施は難しい』という意見を県に伝えました。私たちは12市のこの意見を受け入 れることはできません。
39の市町村は、『市町村事業とはいえ、県の事業内容と補助が基礎となっている ため、県が実施すれば行う、県に要望をする』と答えてきました。私どもはその 言葉を信じ、県に対する働きかけを行ってきました。
12市による思いがけない展開に驚き、6月、7月に各市長と面会して、精神障害 者の生活実態にもとづいた制度設計を求めましたが、状況は変っていません。
福祉医療実現の運動は、これまで置き去りにされてきた精神障害者福祉を促進す る第一歩です。約2年間の運動の中で39の市町村へのキャラバンに、県議会への 請願、傍聴に、シンポジウムや報告集会に当事者と家族は先頭に立って参加して きました。12市は「まずは1級から」といわれていますが、精神障害者福祉促進 のためには「まずは福祉医療制度の完全実現から」です。
町村では県が示したものと同じ内容の制度実施に向けて準備を進めていただいて おります。ある市長は「今回の問題で精神障害者のことを勉強させてもらった」 と答えてくれました。市長会会長の東川御所市長は「困っている人を置き去りに はしない」といってくれました。少しずつではありますが理解はされてきていま す。実りある福祉医療制度の実現まで粘り強く取り組んでいくことをここに声明 します。

上記声明に賛同いたします。
賛同団体名

賛同団体名を記入いただき、shienkyo2012@yahoo.co.jp にメールで送って頂く か、郵送の場合は、8月22日までに『〒631-0078奈良市富雄元町2-7-25 SSK ビル306あとりあ内刀根宛』 に投函いただければ幸いです。

福祉医療 早期実現を求める 緊急集会

  • 8・27(水)13時
  • 場所:奈良県文化会館(小ホール)
  • 主催:精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議
  • 問い合わせ先:精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議事務局
  • TEL:0742-55-2301(担当:刀根 治久)

「精神科病棟転換型居住系施設」問題を「精神科病棟転換型居住系施設」問題を

「精神科病棟転換型居住系施設」問題を考える集いパートⅡ

  • 平成26 年9 月13 日(土)
  • 午後1 時半より受付
  • 午後2 時から4 時
  • 会場 福岡県教育会館3F 第1 会議室

             住所:福岡市東区馬出4 丁目12-22
             電話:092-631-4600
                地図は以下
             http://f-k-k.jp/access.html

  • 参加費: 300 円 当事者無料
  • 主 催: 精神科病棟転換問題を考える会
  • 共 催: 福岡市精神保健福祉協議会
  •     こころの病の患者会うさぎの会


7月1日、厚生労働省の検討会では、精神科病棟転換型居住系施設の試行を決めました。多くの関係者や全国各地の新聞社説などの反対の世論を押し切っての決定でした。我が国が1月に批准した国連の障害者権利条約の第19条では、障害のあるすべての人に対し「他の者との平等の選択の自由をもって地域社会で生活する平等の権利」を認めており、これに真っ向から反する内容です。
福岡でもこの一連の動きに対応して6月30日につどいを開催しました。
緊急の呼びかけにもかかわらず、熊本、東京からも含め94名の参加があり、反対の声明が確認されました。さらに地域移行は、様々な支援を受けながら地域生活の場での生活を始める中でしか進まないことを実際の取り組みの報告を受けながら確認しました。
今後、国は施行のための予算化や自治体レベルでの試行のための準備など進められます。試行も導入を前提としての取り組みです。やはり試行自体を具体化させない取り組みを地方で起こすことがこれから大切になってきます。
こうした状況の中、この問題の内容や経過、今後についてなどをさらに多くの人たちと学習する企画を計画しました。講師は、厚生労働省でこの問題を検討していました「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」の構成委員である伊澤雄一氏に来ていただきます。この検討会は、半数以上が医師という偏った構成の中、伊澤氏は一貫して反対の姿勢でした。
伊澤氏の最新情勢の情報も交えながら、各方面の関係者の意見交換を踏まえながら、今後の取り組みを考えていきたいと思います。
お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。

問い合わせ先092-577-5281木もれ日 野澤
申し込み先FAX092-865-8685さざなみAloha

国連・人権勧告の実現を!-すべての人に尊厳と人権を-

昨年、国連の拷問禁止条約、社会権規約両委員会の審査で、日本政府は厳しい勧告を受けました。人権上の様々な問題に対して、改善を求める厳しい勧告でした。しかし安倍政権は「守る義務なし」として、無視を決め込んでいます。

今年の夏、さらに自由権規約、人種差別撤廃条約両委員会からも、勧告が出されます。再び、安倍政権に「勧告無視」を許すわけにはいきません。国際社会から、日本は「人権後進国」とみられているのです。みんなの力で日本の恥ずべき現状を変えましょう。「勧告遵守」を実現させましょう。

日時 2014年9月28日(日)
 集会:13時30分~15時(集会終了後、デモ出発)

場所 都立芝公園集会広場(23号地)
(東京都港区芝公園3-4)
http://loco.yahoo.co.jp/place/g-ce43Yr31Ce6/

<集会内容>
・国連自由権規約委員会勧告の内容報告
・国連人種差別撤廃委員会勧告の内容報告
・安倍政権の「守る義務なし」は憲法違反!
・賛同団体からの発言

<主催>
「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会

●日本政府に対する主な国連人権勧告
個人通報制度の批准・独立した国内人権機関の設置
取り調べの可視化、代用監獄の廃止など
婚外子差別などに関する民法改正
マイノリティの子どもの教育
女性労働者の権利・難民や移住労働者の権利
アイヌ、沖縄の先住民族の権利
部落差別問題
精神障害者の人権
「特定秘密保護法」「ヘイトスピーチ」(勧告予定)
死刑制度廃止に向けた取り組み
日本軍「慰安婦」に対する公的謝罪と人権救済
朝鮮学校への適切な財政措置
性的マイノリティ差別
人身取引や外国人技能実習生制度
「君が代、日の丸」不起立者への処分問題など
拷問等禁止条約
福島原発事故後の健康に関する権利(国連人権理事会特別報告者の勧告)

<集会成功に向けての賛同カンパにご協力を!>

この集会・デモを成功させ、世論を喚起して安倍政権に「勧告遵守」を迫るために、みなさまの集会への参加と共に、賛同カンパを呼びかけています。ぜひともご協力くださいますようお願いいたします!

(集会賛同)団体、個人いずれも1口1,000円 (可能であれば複数口お願いいたします)
(振込先)振替口座 00100-6-264088 口座名「国連人権勧告実現」
(連絡先)090-9804-4196(長谷川) jinkenkankokujitsugen@gmail.com

*チラシのダウンロードはこちらから!

ブログ https://jinkenkankokujitsugen.blogspot.jp/
ツイッター https://twitter.com/unjinken
フェイスブック https://ja-jp.facebook.com/jinkenkankokujitsugen

国連人権委員会の総括所見邦訳完成

総括所見邦訳が完成しました
NGOネットワークの皆様のご努力に感謝
 wrod 版 CCPR 最終訳  自由権ネット

 PDF 版 CCPR 最終訳  自由権ネット

先行未編集版

人権委員会

第6回日本定期報告に関する総括所見

1. 委員会は日本が提出した第6回定期報告(CCPR/C/JPN/6)を2014年7月15日及び16日に開催された第3080回(CCPR/C/SR.3080)及び第3081回会合(CCPR/C/SR.3081)において審査し、2014年7月23日に開催された第3091回及び第3092回会合(CCPR/C/SR.3091、CCPR/C/SR.3092)において以下の総括所見を採択した。

A.序論
2. 委員会は日本の第6回定期報告の提出及びその中にあげられた情報を歓迎する。締約国が報告期間中に規約の規定を実施するためにとった措置について締約国の代表団との建設的対話の機会を再びもったことに対して評価を表明する。委員会は質問事項に対する、締約国の書面回答(CCPR/C.JPN/ Q/6/Add.1)及び補足情報、さらにはそれらを補足する代表団の口頭による回答及び書面による補足の情報に感謝する。

B.積極的な側面
3. 委員会は締約国がとった以下の立法および制度的措置を歓迎する。
(a) 2009年12月の日本の人身取引対策行動計画の策定
(b) 2010年12月の第三次男女共同参画基本計画の決定
(c) 公営住宅制度から同性カップルが排除されなくなるという効果をもたらした2012年の公営住宅法の改正
(d) 婚外子に対する差別規定を廃止した2008年の国籍法及び2013年の民法改正

4. 委員会は締約国による以下の国際文書の批准を歓迎する。
(a) 2009年の強制失踪条約→ 強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約
(b) 2014年の障害者権利条約→ 障害者の権利に関する条約

C.主要な懸念事項と勧告

前回の総括所見
5. 委員会は、締約国の第4回・第5回定期報告の審査の後に出された勧告の多くが実施されていないことを懸念する。
締約国は、この総括所見及びこの前の総括所見において委員会が採択した勧告を実施すべきである。

規約の権利の国内裁判所での適用可能性
6. 委員会は、締約国が批准した条約が国内法としての効力を有していることに留意する一方、規約のもとで保護されている権利が裁判所によって適用される事例の数が限られていることを懸念する。(2条)
委員会は、前回の勧告(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ7)を繰り返し、締約国に規約の適用および解釈が下級審を含むあらゆるレベルにおける弁護士、裁判官および検察官の専門職としての研修の一部とされるよう確保するよう求める。締約国はまた、規約のもとで保護される権利の侵害に対する効果的な救済を確保すべきである。締約国は個人通報手続を規定する選択議定書の加入を検討すべきである。

 

国内人権機関
7. 委員会は、2012年11月に人権委員会設置法案が廃案とされて以降、締約国が統合された国内人権機関を設置するためにまったく前進していないことを遺憾とともに留意する。(2条)
委員会は前回の勧告(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ9)を繰り返し、締約国に、パリ原則(総会決議48/134付属)に沿った、幅広く人権に関する権限を持つ、独立した国内人権機関を設置することを再度検討し、十分な財政的及び人的資源を割り当てることを勧告する。

 

ジェンダー平等
8. 委員会は、女性に離婚後6か月間の再婚を禁止し、男性と女性とで異なる婚姻最低年齢を設けている民法の差別的条項の改正を、「婚姻制度や家族の基本的考え方に影響を及ぼしかねない」ことを理由に、締約国が拒絶し続けていることを懸念する。(2条、3条、23条、及び26条)
締約国は、家庭内及び社会における女性と男性の役割に関するステレオタイプが法のもとの平等への女性の権利を侵害していることを正当化するために利用されないよう確保すべきである。それゆえ、締約国は、これに従って民法の改正のための緊急の行動をとるべきである。

9. 委員会は、第三次男女共同参画基本計画の採択を歓迎する一方、政治的役割を担う女性の数が少ないという点を考慮して、上記計画の効果が限定的であることを懸念する。委員会は、部落の女性を含むマイノリティ女性の、政治的意思決定の地位への参画についての情報が不足していることを遺憾に思う。女性がパートタイム労働力の70%を占め、同等の仕事をする男性が受け取る給与の58%しか得ていないとの報告を懸念する。委員会は、また、セクシュアル・ハラスメント及び妊娠・出産による女性の解雇に対する罰則措置が欠如していることに懸念を表明する(2条、3条、及び26条)。
締約国は、第三次男女共同参画基本計画の進捗を効果的に監視及び評価をし、たとえば政党における法定のクォータ制等、暫定的特別措置を採ることを含めて、公的分野での女性の参画を増加させるための迅速な行動をとるべきである。締約国は、部落の女性を含む、マイノリティの女性の政治的参加を評価し支援するための具体的な措置をとり、女性をフルタイムの労働者として採用することを促進し、男女の賃金格差を縮める努力を倍加させるべきである。また、締約国は、セクシュアル・ハラスメントを犯罪とし、妊娠・出産による不公正な取扱いを禁止し、適切な罰則を伴う制裁をするよう、必要な立法的措置を講ずるべきである。

ジェンダーに基づく暴力及びドメスティック・バイオレンス
10. 委員会は、前回の総括所見にも関わらず、締約国が、刑法における強姦の定義の範囲の拡大、性交同意年齢を13歳を超える年齢に設定すること、及び強姦罪や他の性犯罪を非親告罪とすることをまったく進展させていないことについて遺憾に思う。また、委員会は、ドメスティック・バイオレンスが依然として蔓延しており、保護命令発令までの手続きに時間がかかりすぎ、及び、処罰された加害者の人数が非常に少ないということに懸念をもって留意する。さらに、委員会は、同性カップル及び移住女性に不十分にしか保護が提供されていない報告を懸念する。(3条、6条、7条、及び26条)

前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ 14 、15)に従って、締約国は、第三次男女共同参画基本計画に記載されている通り、強姦やその他の性犯罪を告訴なしで起訴できるようにし、遅滞なく性交同意年齢を引き上げ、性犯罪の構成要件を見直すための具体的な行動をとるべきである。締約国は、同性カップル間のものも含めて、すべてのドメスティック・バイオレンスについての報告について、徹底的に捜査がなされ、加害者が訴追され、有罪になった場合には適正な制裁で処罰されること、そして、緊急保護命令を与えられること及び性暴力の被害者である移住女性の在留資格を喪失させないことを含めて、被害者が適切な保護を利用できることを保証できるよう努力を強化すべきである。

 

性的指向およびジェンダー・アイデンティティに基づく差別
11. 委員会は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル及びトランスジェンダーの人びと(LGBT)への社会的ハラスメントおよび汚名に関する報告、及び自治体が運営する住宅制度から同性カップルを実質的に排除する差別的規定に関する報告を懸念する。(2条、及び26条)
締約国は、性的指向およびジェンダー・アイデンティティを含むあらゆる理由に基づく差別を禁止し、差別の被害者に効果的で適切な救済を提供する包括的な差別禁止法を採択すべきである。締約国はLGBTの人びとに対するステレオタイプや偏見と闘うための啓発活動を強化し、LGBTの人びとに対するハラスメントの申し立てを捜査し、それらを防止する適切な措置をとるべきである。締約国はまた、自治体レベルの公営住宅事業に関して同性カップルに適用される入居要件に残されている制限も取り除くべきである。

 

ヘイトスピーチと人種差別
12. 委員会は、朝鮮・韓国人、中国人または部落民などのマイノリティ集団の構成員に対する憎悪と差別を扇動している広範囲におよぶ人種主義的言説と、これらの行為に対する刑法と民法上の保護の不十分さに懸念を表明する。委員会はまた、許可されて行われる過激論者による示威行動の多さ、外国人生徒・学生を含むマイノリティに対するハラスメントと暴力、民間施設における「ジャパニーズ・オンリー」などの看板・張り紙を公然と表示することにも懸念を表明する。(2条、19条、20条、及び27条)
締約国は、差別、敵意または暴力の扇動となる、人種的優越または憎悪を唱えるあらゆる宣伝を禁止すべきであり、またそのような宣伝を広めることを意図した示威行動を禁止すべきである。締約国はまた、人種主義に反対する意識啓発キャンペーンのために十分な資源の配分を行うとともに、裁判官、検察官、警察官が憎悪および人種的動機に基づく犯罪を発見する力をつける訓練を受けることを確保するための取り組みを強化すべきである。締約国はまた、人種主義的攻撃を防止し、容疑者が徹底的に捜査され、起訴され、有罪判決を受けた場合には適切な制裁により処罰されることを確保するためのあらゆる必要な措置をとるべきである。

 

死刑制度
13. 委員会は、死刑が相当する19の犯罪のうちいくつかの罪が、死刑を≪最も重大な犯罪≫に限るとの規約の要請を充たしていないこと、死刑確定者がいまだに死刑執行まで最長で40年の期間、昼夜間独居に置かれていること、死刑確定者もその家族も死刑執行の日以前に事前の告知を与えられていないことについて、依然として懸念を抱く。さらに委員会は、死刑確定者とその弁護人との面会の秘密性が保証されていないこと、死刑執行に直面する人が「心神喪失状態」にあるか否かに関する精神状態の検査が独立していないこと、再審請求あるいは恩赦の請求に死刑執行を停止する効果がなく、有効でないことに留意する。そのうえ、袴田巌の事件を含め、強制された自白の結果としてさまざまな機会に死刑が科されてきたという報告は、懸念される事項である(2条、 6条、7条、9条、及び14条)。
締約国は、以下の行動をとるべきである。
(a) 死刑の廃止を十分に考慮すること、あるいはその代替として、死刑を科しうる犯罪の数を、生命の喪失に至る最も重大な犯罪に削減すること。
(b) 死刑確定者とその家族に対し予定されている死刑執行の日時を合理的な余裕をもって事前告知すること、及び、死刑確定者に対して非常に例外的な事情がある場合であり、かつ、厳格に制限された期間を除き、昼夜独居処遇を科さないことにより、死刑確定者の収容体制が残虐、非人道的あるいは品位を傷つける取扱いまたは刑罰とならないように確保すること。
(c) とりわけ、弁護側にすべての検察側資料への全面的なアクセスを保証し、かつ、拷問あるいは虐待により得られた自白が証拠として用いられることがないよう確保することによって、不当な死刑判決に対する法的な安全装置を即時に強化すること。
(d) 委員会の前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ17)の観点から、再審あるいは恩赦の申請に執行停止効果を持たせたうえで死刑事件における義務的かつ効果的な再審査の制度を確立し、かつ、死刑確定者とその弁護人との間における再審請求に関するすべての面会の厳格な秘密性を保証すること。
(e) 死刑確定者の精神状態の健康に関する独立した審査の制度を確立すること。
(f) 死刑の廃止を目指し、規約の第二選択議定書への加入を考慮すること。

 

「慰安婦」に対する性奴隷慣行
14.  委員会は、締約国が、慰安所のこれらの女性たちの「募集、移送及び管理」は、軍又は軍のために行動した者たちにより、脅迫や強圧によって総じて本人たちの意に反して行われた事例が数多くあったとしているにもかかわらず、「慰安婦」は戦時中日本軍によって「強制的に連行」されたのではなかったとする締約国の矛盾する立場を懸念する。委員会は、被害者の意思に反して行われたそうした行為はいかなるものであれ、締約国の直接的な法的責任をともなう人権侵害とみなすに十分であると考える。委員会は、公人によるものおよび締約国の曖昧な態度によって助長されたものを含め、元「慰安婦」の社会的評価に対する攻撃によって、彼女たちが再度被害を受けることについても懸念する。委員会はさらに、被害者によって日本の裁判所に提起されたすべての損害賠償請求が棄却され、また、加害者に対する刑事捜査及び訴追を求めるすべての告訴告発が時効を理由に拒絶されたとの情報を考慮に入れる。委員会は、この状況は被害者の人権が今も引き続き侵害されていることを反映するとともに、過去の人権侵害の被害者としての彼女たちに入手可能な効果的な救済が欠如していることを反映していると考える(2条、7条、及び8条)。
締約国は、以下を確保するため、即時かつ効果的な立法的及び行政的な措置をとるべきである。
(i) 戦時中、「慰安婦」に対して日本軍が犯した性奴隷あるいはその他の人権侵害に対するすべての訴えは、効果的かつ独立、公正に捜査され、加害者は訴追され、そして有罪判決がでれば処罰すること。
(ii) 被害者とその家族の司法へのアクセスおよび完全な被害回復。
(iii) 入手可能なすべての証拠の開示。
(iv) 教科書への十分な記述を含む、この問題に関する生徒・学生と一般市民の教育。
(v) 公での謝罪を表明することおよび締約国の責任の公的認知。
(vi) 被害者を侮辱あるいは事件を否定するすべての試みへの非難。

 

人身取引
15. 委員会は、締約国の人身取引への取り組みを評価する一方、人身取引が根強く続くこと、また、加害者に懲役刑が科される件数が少ないこと、裁判にかけられる強制労働の事例がないこと、被害者認定が減少していること、および被害者への支援が不十分であることを引き続き懸念する。(8条)
前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ 23)に従って、締約国は以下の行動をとるべきである。
(a) 特に強制労働の被害者について、被害者認定手続きを強化し、労働基準監督官を含むすべての法執行者に対して専門訓練を提供すること。
(b) 加害者を精力的に捜査及び訴追し、有罪になった場合には、行為の深刻さに見合う刑罰を科すこと。
(c) 通訳サービス及び損害賠償請求のための法的支援を含む、現行の被害者保護の措置を強化すること。

 

技能実習制度(TITP)
16.  委員会は、外国人技能実習生に対する労働法制の保護を拡充した制度改正にもかかわらず、同制度のもとで性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となりえる状況に関する報告がいまだに多く存在することを懸念とともに留意する。(2条、及び8条)
前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ24)に従って、締約国は現在の制度を低賃金労働者の雇用よりも能力開発に焦点を置く新しい制度に代えることを真剣に検討すべきである。他方で締約国は、事業場等立ち入り調査の回数を増やし、独立した苦情申し立ての制度を設置し、労働搾取の人身売買その他労働法違反事案を効果的に調査し、起訴し、制裁を科すべきである。

 

非自発的入院
17. 委員会は、非常に多くの精神障害者が極めて広汎な要件で、そして自らの権利侵害に異議申し立てする有効な救済手段へのアクセスなしに非自発的入院を強いられていること、また代替サービスの欠如により入院が不要に長期化していると報告されていることを懸念する。(7条、及び9条)
締約国は以下の行動をとるべきである。
(a) 精神障害者に対して地域に基盤のあるまたは代替のサービスを増やすこと。
(b) 強制入院が、最後の手段としてのみ必要最小限の期間、本人の受ける害から本人を守りあるいは他害を避けることを目的として必要で均衡が取れる時にのみ行われることを確保すること。
(c) 精神科の施設に対して、虐待を有効に捜査、処罰し、被害者またはその家族に賠償を提供することを目的とする、有効で独立した監視及び報告体制を確保すること。

 

代用監獄(代替収容制度)と強制自白
18. 委員会は、締約国が利用可能な資源が不足していること、及び犯罪捜査のためにこの制度が効率的であることを理由に、代用監獄の使用を正当化し続けていることを遺憾に思う。委員会は、起訴前に、保釈の権利が欠如し、あるいは国選弁護を受ける権利がないことが、代用監獄において強制による自白を引き出す危険を強めていることに引き続き懸念する。さらに、委員会は、取調べの実施に関して厳しい規則が存在しないことに懸念を表明し、2014年「改革プラン」で提案されている取調べのビデオ録画が義務づけられた範囲が限られていることを遺憾に思う。(7条、9条、10条、及び14条)
締約国は、代替収容制度を廃止するか、さもなければ、制度が規約9条と規約14条におけるすべての保証に完全に適合していることを特に以下のことを保証することにより確保すべきである:
(a)保釈などの勾留に代わる措置が、起訴前の勾留中にも十分に考慮されること。
(b)すべての被疑者が逮捕時から弁護人の援助を受ける権利を保証され、弁護人が取調中に立ち会うこと。
(c)取調べについて、継続時間の厳格な時間的制約及び方法を設定する立法措置と取調べ全体にわたるビデオ録画。
(d)都道府県公安委員会から独立しており、迅速、公平かつ効果的に取調中に行われた拷問や虐待の申し立てについて調査する権限を持つ不服審査制度。

 

庇護申請者と非正規滞在者の強制退去と拘禁
19. 委員会は、2010年には一人の死亡に至ったような、退去強制手続き中の虐待の事例が報告されていることに懸念を表明する。委員会はまた、出入国管理及び難民認定法の改定にもかかわらず、ノン・ルフールマン原則が実務上効果的に実施されていないことについても懸念する。さらに委員会は、難民不認定処分に対する停止的効果を持つ独立した不服申し立て制度が欠如していること、及び十分な理由が与えられず、また収容の是非を判断する独立した審査もないまま、長期的な行政収容が行われていることを引き続き懸念する。(2条、7条、9条、及び13条)
締約国は、以下のことを実施すべきである:
(a) 退去強制手続き中に、移住者が虐待を受けることがないよう保証するあらゆる適切な措置をとること。
(b) 国際的保護を申請しているすべての人に、保護の可否に関する決定について、及び拷問などを受ける場所への退去からの保護に関して公正な手続きへのアクセスが提供されるよう確保し、難民不認定処分に対して、退去執行を停止する効果を持つ独立した不服申し立て制度へのアクセスを確保すること。
(c) 行政収容が最小限の適切な期間となること、そして収容に代わる現存の方法が十分に考慮された上でのみなされること、そして、移住者が自身の収容に関する合法性を判定する訴訟を提起できることを確保すること。

 

ムスリムに対する監視
20. 委員会は、法執行者によるムスリムに対する広範な監視活動が報告されていることを懸念する。(2条、17条、及び26条)
締約国は以下のことを実施すべきである。
(a) 法執行者に対し、異文化の理解、及び法執行者によるムスリムへの広範な監視活動を含む人種的プロファイリングが許容されないことについて、訓練を実施すること。(b) 権力が濫用された場合には、影響を受けた人びとが効果的な救済手段へのアクセスを亨有していることを確保すること。

(b) 権力が濫用された場合には、影響を受けた人びとが効果的な救済手段へのアクセスを亨有していることを確保すること。

 

誘拐と強制改宗
21. 委員会は、新しい宗教運動への改宗者の家族による、その人たちを再改宗させるための誘拐や監禁に関する報告を懸念する。(2条、9条、18条、及び26条)
締約国はすべての人の宗教または信念を受け入れまたは有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない権利を保証する効果的な措置をとるべきである。

 

公共の福祉を理由とする基本的人権の制限
22. 委員会は、「公共の福祉」の概念はあいまいであり、無制限であるということ、そして、規約のもとで許容されるものを大きく超える制約を許容するかもしれないということへの懸念を改めて表明する。(2条、18条、及び19条)
委員会は、前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ10)を想起し、第18・19条の第3段落における厳しい条件を満たさない限り、思想、良心、宗教の自由や表現の自由の権利に対するいかなる制約をも押し付けることを差し控えるように締約国に要求する。

 

特定秘密保護法
23. 委員会は、最近採択された特定秘密保護法が、秘密に特定できる事項に関する定義が広くて曖昧であること、秘密指定に関して一般的な条件を含んでいること、そしてジャーナリストや人権擁護者の活動に深刻な萎縮効果を及ぼしうる重い刑罰を課していることを懸念する。(19条)
締約国は特定秘密保護法とその適用が、第19条の厳格な要求を満たすことを確保するように、必要なすべての措置をとるべきであり、特に以下の点を保証すべきである。
(a) 秘密に指定される情報のカテゴリーが狭く定義され、情報を求め、受け、伝える権利へのいかなる制約も、適法性、均衡性の原則、及び国家の安全保障に対する具体的で明白な脅威を防ぐために必要であるという原則を満たすものであること。
(b) 国家の安全保障を害しない正当な公益に資する情報を流布したことで、いかなる個人も刑罰を受けないこと。

 

福島原子力災害
24. 委員会は、締約国が福島に許容する公衆の被ばく限度が高いこと、数か所の避難区域の解除が決定され、人びとが放射能で高度に汚染された地域に帰還するしか選択肢がない状況に置かれていることを懸念する。(6条、12条、及び19条)
締約国は福島原発事故の影響を受けた人びとの生命を保護するために必要なあらゆる措置を講ずるべきであり、放射線のレベルが住民にリスクをもたらさないといえる場合でない限り、汚染地域の避難区域の指定を解除すべきでない。締約国は放射線量のレベルをモニタリングし、こうした情報を時機にかなった方法で、原発事故の影響を受けている人びとに提供すべきである。

 

体罰
25. 委員会は、体罰が学校においてのみ明示に禁止されていることを認め、その蔓延と社会的容認に懸念を表明する。(7条、及び24条)
締約国は、あらゆる状況での体罰を撤廃するために、適切な場合は立法措置も含む実践的な措置をとるべきである。体罰の代替として、懲戒の非暴力的な形態を促進し、体罰の有害な影響に関する意識を高めるための公共情報キャンペーンを行うべきである。

 

先住民族の権利
26.アイヌ民族を先住民族として認めたことを歓迎する一方で、委員会は、琉球・沖縄の人びとが認められていないこと、並びにこれら集団の伝統的土地と資源の権利あるいはその子どもたちが独自の言語で教育を受ける権利が認められていないことへの懸念を繰り返す。(27条)
締約国は、法律を改正して、アイヌおよび琉球・沖縄のコミュニティの伝統的土地と自然資源への権利を全面的に保証するようさらなる措置をとり、これら人びとに影響を及ぼす政策について自由に事前にそして情報を得た上で参加する権利の尊重を確保し、可能な範囲で、その子どもたちが独自の言語で教育をうけることを促進すべきである。

 

27. 締約国は規約、第6回定期報告の文書、委員会にそって作成された質問事項に対する書面回答および本総括所見を司法、立法及び行政当局、市民社会及び国内で活動する非政府組織ならびに一般に幅広く広めるべきである。

28. 委員会の手続規則第71条5項に従い、締約国は1年以内に上記第13、14、16および18パラグラフにおいてなされた委員会の勧告の実施に関連する情報を提供すべきである。

29. 委員会は締約国に2018年7月31日を期限とする次回定期報告に、すべての勧告の実施及び規約全体に関する具体的で最新の情報を提供するよう要請する。委員会はまた、締約国に次回定期報告を作成する際、市民社会及び国内で活動する非政府組織と広く協議するよう要請する。

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**この文書は自由権規約日本審査に関わられた多くのNGOにより翻訳されました。

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