死刑判決抗議声明

 

2010年11月16日、横浜地方裁判所で池田容之被告(横浜港男性2人殺害遺体遺棄事件)の裁判員裁判の判決公判が開かれ、朝山芳史裁判長は「残虐、非人間的行為で酌量の余地はない」として、検察の求刑通り死刑を言い渡しました。死刑判決は、2009年8月から始まった裁判員裁判で初めてのことです。

朝山裁判長は、死刑の主文を言い渡した後「判決は重大な結論となった。裁判所としては被告に控訴することを勧めたい」と、池田被告に呼びかけをしています。これは、裁判員が、控訴があることをよりどころに、死刑の判断を言いやすくするためのパフォーマンスであったように思えます。また、今回の判決は、裁判員制度に則り、二審以降も一審を尊重して判決を出さなければならないため、たとえ控訴をしたとしても、実質的な確定審のように取り扱われることになります。

死刑は、国家による殺人です。ましてや、一般人に対して国家による殺人に関与させることは、いわば国家による殺人への加担強制であり、現代の徴兵制、国家による殺人命令にほかなりません。

我々は、今回の死刑判決に対し、つよく抗議します。

2010年11月18日

全国「精神病」者集団

〒164-0011

東京都中野区中央2―39―3絆社気付

tel 03-5330-4170/fax 03-3577-1680

(留守電の場合は以下携帯へ)

電話 080-1036-3685

(土日を除く14時から17時まで)

緊急抗議声明 (医療観察法施行5年後国会報告関連)

11月26日、政府は、法務省・厚生労働省より提出された心神喪失等医療観察法の5年間の施行状況に関する国会報告を了承する閣議決定を行いました。この5年間、医療観察法は、指定医療機関の設置が計画通り進まない、対象者17人を自殺に追い込むなど、さまざまな問題を明らかにしてきました。

少なくとも、国会報告は、このような実態を解消するための原因究明を行うべきです。しかし、今回の国会報告と称する閣議決定には、こうしたことの検証はおろか、基本的実数と、条文だけで構成されたものです。これでは、事態を放任し、自殺者を次々と出す結果を招くことに他なりません。

我々は、菅民主党政権の医療観察法に向き合わない姿勢を批判するとともに、国会報告と称する閣議決定に対して、強く抗議します。

2010年11月30日

全国「精神病」者集団

国会報告は政府から衆参両院議長に出され、衆参両院議長が各国会議員に配布するという手続きでした。

以下に国会報告掲載中です。

厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000wvym.html

法務省

http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji10_00003.html

参議院議員の先生への再度のお願い (障害者自立支援法改正案関連)

2010年11月18日に衆議院本会で可決した障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの問において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案(いわゆる自立支援法改正案)ですが、

一 障害者自立支援法を廃止する年月日の規定がないこと、当初、厚生労働

省が提案した改正案と酷似していることをはじめ、法の構造が自立支援法

の延命に直接、繋がりうること

二 精神保健福祉法の一部改正(精神科救急の導入)が、精神障害者を隔離

収容する施策を補強しうること、

三 あえて、延命に繋がりかねない法案を通すよりも、本法案の内容であれ

ば、政省令の改正および通達だけでも政策を実現できること、

から、廃案にしていただきたく、お願い申し上げます

2010年11月30日

全国「精神病」者集団

「障害者自立支援法一部改正案*」および精神保健福祉法改正案」「精神保健福祉士法改正案」に反対します。

全国「精神病」者集団は「障害者自立支援法一部改正案*」および精神保健福祉法改正案」「精神保健福祉士法改正案」に反対します。

*正式名称「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案」)

私たちは参議院において審議されようとしている「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案」、いわゆる「障害者自立支援法・一部改正案」および精神保健福祉法「改正」に反対します。

私たちは各党が実施された障害者団体に対するヒアリングに参加し、大いなる期待をもちました。

しかし、そのヒアリング結果がまったく反映されず、6月に廃案になった上記の法案がそのまま再提出されたことに大変な失望感と怒りを禁じ得ません。

新法が出来るまでの間の対策としては、「障がい者制度改革推進会議」が提出した「4つの当面の課題」をベースにすべきです。

私たち全国「精神病」者集団は、障害当事者の声をきちんと聞くことなく作成された同法案のおよび精神保健福祉法「改正案」・精神保健福祉士法「改正案」に反対します。

精神保健福祉法に精神科救急を法定化することさらに精神保健福祉士の業務拡大をすることは、私たち精神障害者の強制入院の拡大や、専門職の地域での権限強化、私たちの自己決定自律と尊厳を否定するものです。

以下強く要請いたします

一、 障害者自立支援法「改正」法案、および精神保健福祉法「改正」法案、精神保健福祉士法「改正」法案は、参議院厚生労働委員会における徹底した審議を行い、廃案にしてください。

二、 新法施行までに自立支援法のもとでも解決すべき問題点は、障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会の「4つの当面の課題(注)」であり、これを政省令や予算措置等によって実現してください

(注) 1)利用者負担の見直し、2)法の対象となる障害範囲の見直し、3)地域での自立した暮らしのための支援の充実、4)新法作成の準備のための予算措置

参議院議員の先生へのお願い (障害者自立支援法改正案関連)

2010年11月18日に衆議院本会で可決した障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの問において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案(いわゆる自立支援法改正案)ですが、

一 障害者自立支援法を廃止する年月日の規定がないこと、特定の施設事業

に対してのみの補助があることをはじめ、法の構造が自立支援法の延命に

直接、繋がりうること

二 精神保健福祉法の一部改正(精神科救急の導入)が、精神障害者を隔離

収容する施策を補強しうること、

三 あえて、延命に繋がりかねない法案を通すよりも、本法案の内容であれ

ば、政省令の改正および通達だけでも政策を実現できること、

から、廃案にしていただきたく、お願い申し上げます

2010年11月25日

全国「精神病」者集団

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