尊厳死立法に反対します 今こそ尊厳ある生を

2012年1月 27日

全国「精神病」者集団

164-0011
東京都中野区中央2―39―3
絆社気付

私たち全国「精神病」者集団は1974年に創立された、全国の「精神病」者団体個人の連合体です。私たちは精神障害者として、今作られようとしている尊厳死立法に反対します。
伝えられるところによると法案では、尊厳死という形で殺される人は明記されておらず、複数の医師による判断により「終末期」と判断されると、水分や栄養補給も含め一切の医療行為が差し控えられたり、あるいは中止されたりする、そしてそうした医療差し控えや中止をしても医療機関も医師も刑事民事とも責任を問われず免責されるという中身です。
また家族の同意も必要という説もありますが、家族のいない場合は医師の判断だけで治療が停止され殺されることになります。
しかし「終末期」とはなんでしょうか? なんら定義されていません。
こうしたスカスカの法律がいったん作られれば、脳死・臓器移植法改悪のように、本人の意思表示がなくとも家族の意志だけで、さらには家族がいない孤立した人は医師の判断だけで殺されていくことになることは明確です。
そしてその対象も「終末期」というあいまいな要件はどんどん拡大されて、遷延性意識障害者、重度障害者、精神障害者や知的障害者など「人格がない」とされてきたものへと広がっていくことは避け得ないと考えます。
医療はまず命に向けられた営みであり、死へ向けた営みであってはなりません。
私たちは尊厳死ではなく、まず尊厳ある生が障害のあるなし、年齢性別にかかわらず保障される社会を求めます。法律による殺人をこれ以上認めるわけにはいきません。
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