障害者権利条約14条に関しての声明 

障害者権利条約14条に関しての声明 

障害者権利条約委員会

2014年9月

人身の自由と安全誰にでもあるもっとも大切な権利の一つである。特に条約14条に従い、すべての障害者とりわけ精神障害者には自由の権利がある

障害者権利条約委員会は、2011年4月の第5回会議において締約国の報告書を審査し始めて以来、体系的にこの条約の権利を正しく履行する必要について締約国に注意喚起してきた。14条に関する委員会の法的な判断は、以下のようにそのいくつかの要素に分解するとより理解されやすい

  1. 障害を基礎とした拘禁の絶対的禁止 実際にある、あるいはあると認識された障害を基礎としての自由の剥奪を容認している締約国の中では未だ実践されている。これに関して、委員会は、14条はどのような場合であれ実際にあるあるいはあると見なされた障害を基礎として人が拘禁されうることをいかなる例外もなくゆるさないということを立証した。しかし、人が自傷他害の危険があるということも含め他の理由があるときには、いくつかの締約国の法制度では精神保健福祉法も含め、いまだ実際にあるあるいはあると認識された障害を基礎として人が拘禁されうるとしている。障害者権利条約委員会の法的判断による解釈として、こうした手続と実践は14条と矛盾する。
  2. 自傷他害の危険の主張を基礎として障害者を拘禁することを正当化している精神保健法 締約国のすべての報告審査を通して、委員会は人にあるとみなされた自傷他害の危険を根拠に障害者の拘禁を容認することは14条に反すると立証してきた。障害というレッテルに結びつけられた危険性あるいはリスクという推測に基づいて、障害者を非自発的に拘禁することは自由への権利に反する。例えば人がパラノイド統合失調症であると診断されたことだけを理由として、その人を拘禁することは誤っている。
  3. 刑事司法制度において訴訟能力のない人の拘禁 委員会は訴訟能力がないという宣言とそうした宣言を根拠に人を拘禁することは条約14条に反すると立証した。なぜなら彼あるいは彼女の、全ての被告人に適用されている適正手続とセーフガードの権利を奪うものだからである。
  4. 合理的配慮と監獄 犯罪のために懲役刑を宣告された障害者は、障害ゆえに拘禁条件が悪化することのないように、合理的配慮を受ける資格がなければならないと、委員会は考える。

原文は以下
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=15183&LangID=E
訳 山本眞理



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