詳しい報告はまたということで速報です 文責 山本眞理
パラレルレポート自体は以下に掲載
パラレルレポート
ジュネーブで行われた、拷問等禁止条約の日本政府報告書の審査にむけてパラレルレポート提出、ジュネーブでロビーイング活動を行いました。
拷問と精神医療は何で関係するのという疑問をお持ちの方多いと思いますが、障害者権利条約17条にある、インテグリティの保護、これは強制医療を拷問虐待として禁止する重要な条文です。障害者権利条約の視点から既存の各人権条約の読み直しが進んでいますが、拷問等禁止条約の前特別報告官のノワーク氏はいち早く障害者と拷問について中間報告を出し、加えて今年は現報告間のメンデッツ氏が医療保健分野における拷問という報告を人権理事会に行っています。
強制医療の廃絶に向けて、インテグリティ(完全性、統合性)の保護という視点により、強制医療を拷問として絶対的に禁止する拷問としてのアプローチはもっとも有効です。拷問に適正手続きも第三者機関もありえず、精神保健法により強制医療の合法化正当化は一切認められません
ノワーク氏の報告 抄訳
医療観察法廃止に向けた集会でのティナ・ミンコウィッツの講演録
現報告官のメンデス氏のレポート 英文
同じくメンデッツ氏の人権理事会でのスピーチ 英文
21世紀最初の人権条約障害者権利条約の成立を受けて、今まったく新しい取り組みが始まっています。60年代後半からの刑事法制にならった、強制入院強制医療の適正手続き、第三者機関チェックという枠組みから、強制医療そのものの犯罪化と否定という観点からの取り組みが始まったのです
日本においてもこの新たな段階を踏まえた取り組みが求められています。
ジュネーブでは国際障害同盟の事務局のヴィックが目を見張るような活躍をしてくださり、たくさんの方と直接話をすることができました。やはり文書だけでは伝わらない情報交換が可能で、大金をかけた甲斐がありました。たくさんのかたがたからご寄付をいただきほぼ自己負担なしで旅費交通費がカバーされたことで今回の活動が可能となりました。ジュネーブではその前にオランダの政府報告書審査があり、オランダの仲間ヨーランも自分のパラレルレポートの活動に引き続き私たちの活動に付き合ってくれ、また池原さんも同行してくれて、ヨーラン、ヴィック、池原、私という最強チームで取り組むことができました。 お三方にも大感謝
しかしヴィックは若いのに本当に優秀な方、日本からのほかのNGOの方がうらやましがるような個人的な会話をたくさんの方からできたことが、成果につながったと思います
最終的な結論はまだですが、この成果をどう日本国内で生かしていくか、結論を得た上でさらに国内での取り組みを強化していきたい
日誌
5月15日
9時 CAT委員会メンバー Ms.Nora Sveaass氏 面会
彼女は心理学者でノルエーの方。CAT委員会でいま医療保健分野での拷問等禁止条約の適用についてのガイドラインを作る作業部会のメンバーでもあります
背景情報を丁寧に質問してくださった。精神医療については知識があるので話が良く通じました 最後にこのパラレルレポートは精神病院に集中したものとしてははじめて、かつ精神障害者団体からはじめて、といったら、サインしてくれといわれてパラレルレポート表紙に山本真理とサインしました。びっくりしたけれどさすがつぼを押さえた対応、17日のNGOブリーフィングのあともインパクトあったと励ましてくださいました
なお彼女自身のNGOは以下 http://www.hhri.org/
11時 Ms.Peggy Brett Centre for CCPR というNGOのかた
CCPRは自由権規約、来年日本政府報告書審査があり、7月中に重要な質問事項の提案をNGOとしてできることになっています。NGOとCCPRのハンドブックをいただきました。NGOとして以下に有効にメカニズム使えるかなどいろいろ説明、聞き取れなかったところ結構あったけれど、勉強になりました 特に既にジュネーブ5回目のオランダの仲間ヨーラン がつぼを押さえた質問してくれて感謝 なお自由権規約の委員会人権委員会では自由権規約の一般意見を9条人身の自由と恣意的拘禁のところで出す準備をしていて、草案もサイトに載っています WNUSPもこの件に取り組んでいます
http://www.ccprcentre.org/wp-content/uploads/2013/03/English.doc
13時 Ms.Shantha Rau Barriga Human Rights Watch というNGO の障害担当の方
日本でも児童の問題で組織があるとのこと、日本の方からも連絡行くと思うといわれました
ヨーランと彼女オールタナティブの存在と有効性、救急の精神医療の介入を否定できるかという議論とっても重要な議論が交わされましたが、私の英語力では付いていけないし時差で眠くて子守唄になってしまいました。
ヨーランの報告は以下
15時 オランダ政府報告書に関しての委員会の質問に対するオランダ政府の回答というセッション
傍聴していたけれど眠くなって途中で失礼
18時半 OMCT (World Organization Against Torture)というNGOが拷問等禁止条約25周年を記念したレセプション、拷問等禁止条約の委員も参加して、立ち話もできました。
5月16日
9時 Ms. Shin 社会権規約委員会委員 韓国
韓国の国家人権委員会の話など オランダの国内人権基幹との違いなどJolinと彼女は性差別撤廃条約にもかかわっておられる
社会権規約委員会へのパラレルレポート忙しくて出せなかったと申し上げたら、1枚でもいいから出すこと重要とおっしゃっていた。オランダにも性奴隷=慰安婦いたので、その話など。恥ずかしい
11時 Mr.Malcolm Evans 拷問等禁止条約の拷問防止の小委員会議長
時間がなくて早口の説明で私は把握できなかったのですが、ヨーランのブログから要約 ヨーランの質問への答え
特別報告官のレポートについて 小委員会で内部討論している、精神保健の拘禁については今までの基準の見直しをしている、いずれ公にされる。障害者権利条約の国内監視との関連もある。日本は選択議定書批准していないが、必ずしも批准していなくても、監視組織がある国が存在し、条約により法的な拘束力がなくともソフトアプローチによってできることはある
12時 拷問等条約委員会と拷問防止小委員会の公開の討論
聞き取れず、詳細はヨーランのブログ参照
http://punkertje.waarbenjij.nu/reisverslag/4530634/another-day-full-of-human-rights-meetings
14時 Ms.Arbena Kuriu OHCHRのオランダ担当
15時 Mr.Facundo Chavez OHCHRの障害フォーカルポイント
日本の精神病院の状況、パラレルレポートに沿って説明
17日
9時 Mr Marino CAT委員会委員 日本担当 IDAのヴィックがスペイン語の通訳も準備してくださって、日本の現状を訴えました。
私たちは政府の報告書審査の会議21日、22日には出られないので、委員会に対して政府にこれを聞いてほしいそして最終的にこうした勧告を、という文書作成。ヴィックとヨーランが下書きをてきぱきと作ってくれた。本当に優秀な方だ。私たちと付き合って、問題点正確に把握してくれている
11時20分 Ms.Thanda Thanda OHCHRの日本担当のデスク
日本の現状説明。OHCHRの日本担当の機能など説明していただく
12時 日本についてNGOとCAT委員会とのミーティング、なんと10団体参加、2分しかしゃべれないのですが、配布資料としてレポートの要約を準備 前もってお話した委員もいるのですが、精神医療に特化したレポートははじめて、それに精神障害者自身からのレポートも初めてということで委員の質問が集中、池原さんが同行してくれて何よりでした。制度の説明はとっさに英悟で出てこないのですが、池原さんに頼ってしまった。でも終わったあと、Nora がインパクトあったといってくださった。
ミーティングのあと担当の委員であるMr.Togushi(グルジアの方)と、話ができました。かなり詳しい質問も出て、彼の感覚では信じられない状況という印象だったようです。