本日、参議院本会議において精神保健福祉法改正法案が可決されました。
本法案は、審議の過程で相模原事件の再発防止の検証を契機に精神保健医療福祉の充実によって結果的に犯罪を防止させるという治安・社会防衛のための法改正であること、退院後支援計画の策定に本人が入らないで作成できること、精神障害者支援地域協議会の構成員に警察関係者が入ること、仮にも精神障害者の社会復帰を目的とした本法の中にグレーゾーン対応として都道府県による警察関係者への情報提供が想定されているという法的矛盾があることなど、看過できない重大な欠陥がいくつもあることが明らかにされました。
また、本法案の審議過程では、審議の途中で法案概要資料が変更され、大臣が謝罪するといった異例の事態をむかえました。結果として審議のやり直しと等しい時間の確保で与野党が合意し、厚生労働の法案の中でもっとも長い審議時間を得るまでに至りました。
これだけの審議時間を得たのにもかかわらず厚生労働省は、毎回の審議で答弁できない質問に直面し、与野党の委員ともに首をかしげるような曖昧な答弁を繰り返してきました。そのため、とてもではないが参議院先議の法案として国会の審査に耐えられるようなものではないように思います。
精神保健福祉法改正法案は、私たち精神障害者の生活に関わる法律です。この法律によって私たちの生活が大きく変わろうとしています。この法律は、精神障害者に対する監視をつよめるものであり、精神障害者を危険視する社会の偏見を助長する非常に問題のある法案です。
このような法案が参議院を可決したことに対して、改めて抗議します。
2017年5月17日
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