全国「精神病」者集団ニュース09年12月号 抜粋

ごあいさつ

今年もいよいよ僅かとなりました。だからと言ってなんなのか、今一解らない冒頭のご挨拶の風習に合わせるべきか、自由を叫ぶべきか、悩むところでございますが、いかがお過ごしでしょうか。

私は寒くてダウンしそうです。もともと、鬱病を発症してから平均体温が低下し、35.3°とかが普通に出ます。これに加え、日中の平均気温が、10℃を下回り、いよいよピンチです。夜は、0℃にまで下がるので、寝る前は重装備です。

雪が降ってしまえば、いよいよ、移動も制限され、引きこもりというか冬眠というか、動きにくくなります。

実は、来年、忙しくなります。精神保健福祉法、医療観察法の二大病人強制収容法の見直し時期となっており、その時期を狙い目に廃止に持ち込みたいわけです。政府は自立支援法は廃止する方針を固めたようで、小泉政権時に強行採決された法の原則廃止という路線が見えつつあるように思います。この流れに、医療観察法を乗せていくことが、鍵となります。

それには、人員が必要で、新たに運営委員を大募集することにしました。また、冬季カンパの方もよろしくお願いします。

妻のお見舞いに行って

一目山逃走寺

こんにちは。

実は昨年暮れに妻が、東京多摩地区の某精神科に休息入院しました。

主治医の交代もなく、ひとまず安堵したのですが、何日かして、見舞いに行った時のことです。

受付に「あの、妻のお見舞いに来たのですが」と言うと、「あ、面会ですか」と言う。

僕は再び、「いえ、お見舞いです」と言った。まあ面会も広い意味で、「顔を合わせる」という意味なら、「お見舞い」も「面会」かもしれぬ。

だが「病人」には、やはり「お見舞い」であろう。

些細なことかもしれないが、「言葉」は大切にしたい。

「面会謝絶」という言葉もあるな、と思いつつ、病棟まで行く。

妻が「コーヒーを飲みたい」と言う。

病院内に喫茶があるとのことで、そこに行こうとしたところ、彼女に既に仲間が出来ていた。

「一緒にコーヒー」というので、もちろん歓迎してお供することに。

コーヒー一杯105円、という安さにも驚いたがその仲間担当看護師の一言に、もっと驚いた。

「じゃ105円あげる」

僕は怒って、「何だ、その、あげる、という言い方は」「ひょっとしてその方福祉で暮らしているにしても直接アンタの金ではないだろっ!」

妻は逆に驚いて「私も平和に入院していたいから」

それもそうだと思った。看護師も女性だし。

帰り道、考えた。

「言葉は大切にしなきゃ」

翻って「面会」という言葉、よく犯罪者に使う。

刑務所に「面会」に行く、と。

でも犯罪者も犯罪を犯したくてたまらなくなり、やってしまったという人ばかりではなかろう。

思うに、犯罪というもの、人は自分の意思ばかりではなく世の中の気分に乗って、手取り足取り犯罪に向けられただけ、ではなかろうか?動機も手口も手段も犯人個人のオリジナルとは考えづらい。

例えば、奈良のKさん。最近、再審請求中と聞くが、事件後すぐの法廷では「俺を死刑にしてくれ」と叫んだらしい。

ご自分のロリコン趣味に絶望なさったのだろう。

こちらも男である。ネット・サーフなどすれば、時折、ロリコン画像にお目にかかる。びっくりするが、Kさんだってお初にご覧の時はさぞ驚いたと思う。

とすれば、刑務所も「お見舞い」ではあるまいか?

なにせ犯罪である。こちらは経験ないが、多分、重労働だったこと想像に難くない。罪を償ってらっしゃる方に「お見舞い」は当然ではあるまいか?

島田事件の冤罪を着せられた赤堀さんなどまして無罪である。

「お見舞い」を「面会」と中性的な言葉に置き換えられ、無念の想いを何度なさったことだろう。

言葉にはくれぐれも気を遣い、想いを致して使っていこう。

因みに、妻は無事退院して今、現在は横ですやすや眠っている。

2007.11.12

平成21年度「杉並区政を話し合う会」に参加して

―自殺対策推進に関して提言―

東京:日本DMDクラブ・ピアサポート隊

自殺未遂サバイバー・吉田銀一郎

『自殺対策推進の経緯から』12年前より2006年までの9年間連続毎年自殺者が、3万余名の悲報です。

この事態を踏まえて、自殺対策の有志(NPO、参議員有志 他)が集い、立法の為、全国的に署名運動を実施した。

後に「厚労省」大臣へ提出し、国会審議の末に!!

2006年(H18年)10月、満場一致で「自殺対策基本法」が成立し、施行となった。内閣府には自殺対策推進室が設置され、高市内閣府特命大臣の下で「自殺総合対策の在り方検討会」が開催された。これにより2007年(H19年)5月に内閣府より「自殺総合対策大綱(素案)」が固まる。以降は内閣府や東京都、杉並区等々主催で、全国的にシンポジウムや種々イベントが開催された。

大きくは、毎年開催の東京ビッグサイトの国際会議場での「WHO世界自殺予防デー」、今年で第5回目等がある。

『しかし残念なかぎり』「自殺対策基本法」施行後の今日も「旧態依然」として毎年自殺者は、3万余名の高止まりである。これは早速、個人や家族だけの問題でなく、社会的問題で、国家の損失は真に甚大だ。

以上の事項を踏まえて、今日に至る内閣府、東京都、杉並区等々の主催に依る種々なる「シンポジウム&イベント」内容の考察から「改善&改革」の必要性から提言する。

概要としては、第一項に「病の予備知識としての(転ばぬ先の杖)がある」第2項に「自殺未遂サバイバー(克服者)の生の声を傾聴する(百聞は一見に如かず)の2つが必須です」この二項を具現化するには、

第一項の「転ばぬ先の杖」に関しては、

① 悶々として「うつ病疾患」に為る前のこの時期が「早期発見・早期治療」に最善の時です。

② 家族や本人が、うつ病の「疾患と診療」の内容と実態の詳細が、「一目瞭然」と理解出来る様に明記した、「ポスター」と「掲示」を、全世帯に配布の徹底です。

第二項の「百聞は一見に如かず」に関しては、

① 自殺未遂サバイバー(克服者)or(超克)の参画による、体験談や語り部を以っての、シンポジウム開催と各種イベントの開催を実行する事です。

以上の二項は実践に依り自殺者は軽減すると確信している。

注①この二項に関しては、すでに提言として内閣府と出先機関の国立精神神経センター&参議員有志に提唱している。

②(有識者と称される従来の健常者だけの「シンポジウム」やイベントの開催では、生の声を蔑ろにした単なる「机上の論」に他ならない)

昨年は12月だけでも自殺対策緊急研修会が都庁、日本財団、参議院議員会館と3回ありました。

皆様!与えられた人生です。命は大切に!!

運営委員会報告&活動報告

○10月28日 医療観察法院内集会の報告

参加者は50名以上、準備した資料が足りない盛況であった。参加者のうち国会議員は9名、秘書18名でこの問題への関心の広がりが感じられた。

8名の議員があいさつしたが、はっきり廃止という発言は少なく、見直しが必要という声が多かった。

まず弁護士の池原さんから法律的な問題点指摘。この法律では人権侵害が構造的にあること、社会的入院が発生していることなど。精神科医の岡田さんからは精神鑑定に誤診がかなりある、治療が分断されている。この法が金と人手を奪い、一般の精神科医療を蝕んでいる点など指摘。

通院指定医療機関の精神保健福祉士からは、医療機関間の引継ぎの不十分さ、自殺未遂、烙印による退院の反対などの実態が述べられ、すでに現場では破綻しているという報告。そのほか青森の桐原、大阪からぼちぼちクラブの森川さん。兵庫の高見さんなどの発言があった。

○11月22日 集会とマリオンの報告

集会では、全国の仲間も集まり、久々の顔ぶれといった感じがありました。大崎にある南部労政会館で集会と総会を行うことになっており、総会は午前中に、集会は午後となっています。集会が終わると、夕方からマリオンに一斉に移動。街頭でデモ&ビラまきをします。ネットワークの総会は11時からだったのですが、僕は9時についてしまいました。なので、隣りのコンビニで1時間に渡り雑誌を立ち読み。10時ごろに南部労政会館のロビーで仮眠をしていたら、ネットワーク事務局の長谷川さんがきました。青森の仲間が給料を受け取らないで残業している件と、労働規則にない制裁を受けたことを相談したら、いろいろと教えてくれました。その後、山中さんが来て、総会の準備をしていました。僕は手伝いませんでした。

暫くして、徐々に人が増え始め、ネットワーク代表の龍眼さんもきました。総会は、高速道路で150キロだすようなスピードで進めて、時間内に議論が終わりました。昼ごはんを買いに行って、ご飯を食べている途中に、眞理さんから、前回のニュースに振込用紙がはいっていたことで、請求書と間違って退会した人がいたという話を聞いて、ショックでした。

集会は無事始まり、山中さんが基調報告を読み上げました。池原弁護士の話、岡田医師の話、大阪の森川さんの話と続きます。リレートークでは、京都の坂根さんの発表の後に、僕が発表しました。時間が押していると聞いて早口で話したら、会場から「聞き取れない」と怒られました。

大阪の有我さんが、トリエステの話をして、非常に勢いがあってよかったです。しかし、僕たち、病者集団は、水を差すようで悪いけど、トリエステの問題を指摘しました。マリオン前のデモは、寒くて、なかなか通行人はビラを受け取らなくて、20枚くらいは巻きましたが、辛かったです。最後に飲み屋で交流会をして、反省点と今後の展望の議論をしつつ解散しました。(桐原)

○ 11月26日 厚生労働省のヒアリング

3日間厚生労働省障害福祉部が、障害者団体家族団体他有識者、サービス提供側の各団体の意見を聞きました。その2日目全国「精神病」者集団にも声がかかり(結成35年こちらから押しかけたことがありますが、厚生労働省から呼ばれたのははじめて)参加しました。当日は民主党議員も6,7名参加、山井厚生労働省政務官も参加しました。以下が提出した意見書と口頭原稿です。なお当日配布資料として、青森宣言、行動計画、また以下パンフおよびリーフレットを配布しました。「WNUSP条約履行マニュアル」、「精神障害者の介助支援とは(22ページ参照)」「閉じ込めないでもうこれ以上」、カラー版医療観察法QandAリーフ。

意見書および読み上げ原稿はこちらをご覧ください

○ 12月7日 内閣府泉健太政務官との面会

12月7日 内閣府の泉政務官とJDF(日本障害フォーラム)が面会した。政務官からは新たに作られる障がい者施策推進本部の説明があった(資料参照)

全国「精神病」者集団からは運営委員の関口が参加民主党の政策の13番目の

医療との連携についてよく考えてほしいこと及び、医療観察法については、その廃止を求め、根拠として立法事実がないこと、破綻した実態であること、障害権利条約に違反した差別立法であることを述べた。

資料

障がい者制度改革推進本部の設置について

平成21年12月8日

閣議決定

1 障害者の権利に関する条約(仮称)の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革を行い、関係行政機関相互間の緊密な連携を確保しつつ、障害者施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、内閣に障がい者制度改革推進本部(以下本部」という。)を設置する。

2 本部の構成員は、次のとおりとする。ただし、本部長は、必要があると認めるときは、関係者の出席を求めることができる。

本部長 内閣総理大臣

副本部長 内閣官房長官

内閣府特命担当大臣(障害者施策)

本部員 他のすべての国務大臣

3 本部は、当面5年間を障害者の制度に係る改革の集中期間と位置付け、改革の推進に関する総合調整、改革推進の基本的な方針の案の作成及び推進並びに法令等における「障害」の表記の在り方に関する検討等を行う。

4 本部長は、障害者施策の推進に関する事項について意見を求めるため、障害者、障害者の福祉に関する事業に従事する者及び学識経験者等の参集を求めることができる。

5 本部の庶務は、関係行政機関の協力を得て、内閣府において処理する。

6 前各項に定めるもののほか、本部の運営に関する事項その他必要な事項は、本部長が定める。

7 平成12年12月26日閣議決定により設置された障害者施策推進本部(以下「旧本部」という。)は廃止し、これまで旧本部が決定した事項については、本部に引き継がれるものとする。

本件照会先:内閣府政策統括官(共生社会政策担当)

障害者施策担当 関参事官/神林補佐

電話: 5253-2111(内線44131)/3581-0277(直通)



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