2002年6月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(病者である会員の購読は送料も含めて無料となっております。)
全国「精神病」者集団
ニュース
ごあいさつ
しのぎやすい季節になったと思っていたらもう夏がやってきました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
池田小事件以来この1年間、私たち「精神病」者に対する保安処分攻撃のあらしの中、反保安処分の戦いの中で消耗し尽くしておられる方、地域での「精神病」者差別の強まりの中でいきづまる思いで生活しておられる方、今年の春以来異常気象の中で体調を崩しておられる方など、さまざまな形で苦しい状況が続いております。
4月1日から精神保健福祉が都道府県から市町村に管轄が変わり、地域での福祉サービスなるものが始まったということになっております。窓口にはホームヘルパー派遣にかかわり非常に差別的な評価表が使われ、本人抜きの評価会議の中で、「精神病」者差別はますます厳しくなっているという告発も届いております。
合同検討会の主意書がすでに地域では実体化しているのかもしれません。
巻末にあるように、「私たちに関することを私たち抜きで決めてはならない」という原則は残念ながらまだまだ遠い現状があります。
ぜひ各地の皆様のご体験をこのニュースにお寄せいただきたいと存じます。
体験の共有、情報の共有こそこのニュースの目的のひとつです。そこから私たち自身の将来を導き出していきたいと考えております。
会員の皆様よろしくお願いいたします。
(略)
★お手紙、各地のニュース、住所変更、ニュース申し込みはすべて
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(略)
全国「精神病」者集団から国会議員を送り出そう!
東京 佐藤健二
全国「精神病」者集団の私設ホームページを管理しています佐藤健二と申します。
ホームページとはインターネットという世界中に広がった通信網上のコンピュータに設置する広告用掲示板のようなものです。
パソコンや携帯電話の「インターネット」機能を使えるのであれば、全国「精神病」者集団の私設ホームページは、ssko.tripod.comというように指定すれば見ることができます。
今まで我々精神病者は他の障害者などと比べてその病状や社会的立場ゆえか大きな政治活動ができませんでした。そのため、国家権力、一般大衆、マスコミは我々精神病者に対して不利となるような法律を制定したり報道をして我々精神病者に対する偏見を助長してきたといえます。
そこで、精神病者の政治的主張を一層世の中に反映させるため、また、我々精神病者の自己防衛のために、全国「精神病」者集団から国会議員を送り出すのがいいのではないかという結論に達しました。以下は具体的な提案項目です。
①衆議院解散後の衆議院選挙にて、比例代表制方式の全国区に、全国「精神病」者集団として立候補する。
②比例代表制の候補として、会員から数名出馬する。
③NHKの政見放送に出て、我々の主張を訴える。
④『全国「精神病」者集団』という党名は長いし投票用紙に記載しにくいので、『キティ集団』、『キティ解放党』、『キティ党』、『解放党』、『精神病者解放党』のような、短い党名で出馬することも検討する。(キティとは精神病者を意味する俗語であり、英語では猫を意味します。)
⑤出馬には数百万円の保証金が必要ですが、佐藤健二が立て替える用意があります。
みなさん、よろしく検討のほどよろしくお願いします。
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詩集『奇跡ではなくて~躁鬱(そううつ)病とのたたかい~』 1,000円好評発売中。送料240円で送本いたします。
連絡先
(HP管理人のkenjisatoaddress@hotmail.comまで)
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窓口から
★世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク(WNUSP)総会決議
昨年7月世界ユーザー・サバイバーネットワークの初の総会がカナダバンクーバーで開かれました。1991年に発足以来全国「精神病」者集団は組織参加しておりますが、この組織は資金不足により活発な動きをとれず、昨年ようやく総会を開くことができました。
以下が総会で決議された決議文です。
ユーザーというのは精神医療の利用者を指し、サバイバーというのは精神医療および「精神病」といわれる体験から自らの力で生還し生き延びている者とをさします。
「完全な情報公開に向けて」
WNUSPの2001年バンクーバー総会にて承認
(WFMHの2001年総会と合同)
○世界精神医療のユーザー・サバイバーのネットワークは、十分なインフォームドコンセント(十分に説明を受けた上での本人の同意)のない、強制的な精神医療での薬物使用が、国際的に増加していることに、異議がある。そして、
○WNUSPは、精神医療の製薬資本が、精神医療業界に対しての影響力を及ぼし支配しようとする傾向が、またもや、増長しつつあることを問題とする。
○したがって:WNUSPは、精神保健に関する世界会議を含む、精神医療の問題に関わる全ての組織および協議会などに対して、精神医療の製薬資本より受け取っている資金の総額を、全て情報公開するよう、要求する。このことを、ここに決議する。
「強制的電気ショック療法反対」
WNUSPの2001年バンクーバー総会にて承認
(WFMHの2001年総会と合同)
○世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワークは、電気ショック療法の使用による人権侵害を憂慮する。そして、
○各国政府は、概して、この処置が国際的に増加しているように見えるにも関わらず、電気ショック療法に関する報告および規制を、十分に公表していない。そして、
○電気ショック療法は未だに、本人のはっきりした意思表示に反して、多くの人々に対して、強制されている。
○したがってWNUSPは、誰に対してであれ、本人の表明した意志に反して行われる電気ショック療法を、犯罪であるとする。このことを、ここに決議する。
「狂人としての誇り(マッドプライド)」
WNUSPの2001年バンクーバー総会にて承認
○2001年7月、5カ国においてマッドプライドのイベント(行事)が行われ、精神医療サバイバーの社会変革活動が顕彰された。そして、
○これらの「狂人としての誇り」を示すイベント(行事)は、精神医療制度における人権侵害が世界的に広がっていることに対すて大きな関心を集めた。
○したがってWNUSPは2001年において「狂人として誇り」をそしてマッドプライドのイベントの意義を確認する。このことを、ここに決議する。
(訳注 「マッドプライド」というのはロンドンの「精神病」者グループが始めた活動で、「ゲイプライド」のパレードにならい、自分たちの「狂気の文化、自らの誇りの回復」をめざし、毎年7月に世界各地で行われるイベント。コンサートパフォーマンスその他いろいろな活動が行われている。)
「私達に関係することは、何事も、私達抜きであってはならない」
WNUSPの2001年バンクーバー総会にて承認
(WFMHの総会を通して、WFMHの委員会においてさらに検討)
○精神医療制度により影響を受ける人々は、彼らの生活に影響する政策決定の、作成また再考に対して、完全に参加しなければならない。そして、
○WNUSPは、「私達に関係することは、何事も、私達抜きであってはならない」という原則を、主張する。しかしながら、
○精神保健の政策とサービスに関する国際協会(the International Consortium for Mental health Policy and Services)は、世界銀行を含めて、国際的に参考になるものとして、「精神保健政策の原則(Mental Health Policy Template)」を定めたのだが、
○この原則を作った人々も、精神医療からのサバイバーおよび精神医療制度のユーザーより十分な助言を得ておらず、またそれらの人々が十分に参加しないで作られた原則であることを、認めている。
○したがって:WNUSPは、精神医療のサバイバーおよび精神医療制度のユーザーが助言し、関与することで、彼らの見方がこの原則に反映される時まで、この精神保健の政策の原則を参考として示すことを、保留することを要求する。このことを、ここに決議する。
(訳注;この「精神保健政策の原則(Mental Health Policy Template)」というものがどういう内容でどれだけ影響力のあるものかは調査中です。発展途上国への影響が大きいもののようですが、ご存じの方がおられたらご教授くださいませ)
「強制治療反対」
WNUSPの2001年バンクーバー総会にて承認
(WFMHの総会を通して、WFMHの委員会においてさらに検討)
○精神医療関係者は、「精神病」が、ガンや糖尿病、結核、肺炎のような、解剖学上あるいは生理学上の欠陥を、明白に論証できる特性を持つ、医学上の病気であることを、証明できていない。そして、
○精神医療において、生理学的「治療」として行われる、向精神薬の投与、電気ショック療法、脳外科手術(訳注:ロボトミーの類)が、脳や、体の他の器官に対して、深刻な、取り返しのつかない損害を、与え得るし、与えていることは、多くのところで明白に証明されている。
○したがって:WNUSPは、誰に対してであれ、本人の意志に反して行われるか、もしくは、本人の紛れもない完全な同意を得ないで行われる、精神医療における生理学上の治療行為に反対することを断言する。
(翻訳は全国「精神病」者集団の会員によりますが、文責は長野英子にあります)
★ 特別立法関係情報
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