2006年8月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)
全国「精神病」者集団
ニュース
= ごあいさつ =
暑い毎日が続きます。皆様いかがお過ごしでしょうか。三障害統一という掛け声がありながら、精神病院敷地内施設への隔離収容がもくろまれ、さらにサービスの格差も固定したままです。ヘルパー申請についても窓口での申請もさせずに追い返す、水際作戦が各地で横行しています。支給を受けてもそもそも業者がないというところもあるようです。生活保護と同様ともかく申請することがサービスを作り出す力にもなるでしょう。
大阪では皇太子の高校総体出席のための警備により職質逮捕もありました。いよいよ保安処分に関する諮問も行われました。脳死臓器移植法の改悪案、共謀罪と秋の国会には恐るべき法案が再び出されようとしています。
国連では私たちの人権条約作成が最終段階に入ります。8月の特別委員会でほぼ草案が固まり来年にも総会で採択という段階です。世界の障害者団体の声がひとつとなり、障害者の権利主張が行われているのです。私たちも国内でともに絆を固め、世界の仲間とともに、人権主張を行っていきましょう。
私たちのことを私たち抜きに決めるな!
全国「精神病」者集団連絡先の変更です。発送名簿の変更をお願いいたします。 ★お手紙、各地のニュース、住所変更、ニュース申し込みはすべて 〒164-0011 東京都中野区中央2-39-3 絆社 E-mail 電話 03-5330-4170 (火曜日から金曜日午後2時から6時 留守電のときは下記携帯電話へ) 080-1036-3685(土日以外午後2時から午後5時まで) ファックス03-3738-8815
人間社会ピラミッド最底辺のある闘争
熊本 O
精神障害者という、レッテルを貼られた
我々は、なぜ「隔離」されなければならないのか?医師は、入院させるという、おどしをかけ、本当の私たちの心の自由を、「 奪(はくだつ) 」している
我々にもっと自由を!
我々にも、憲法25条の明確なる保障を!
我々は、レジスタンスを止めない!
私たちには、一生、真の自由は、訪れることはないのか?曙が、射すのを信じ、我々は、闘い続ける
資料 新聞記事より
医療扶助:生活保護者に「1割」自己負担 厚労省が検討
(略)
◇医療扶助 生活保護申請者で、自治体の医療助成制度などを活用しても生活が苦しい人が対象。社会福祉事務所などで発券する診療依頼書を持参して受診する。99年度の月平均受給者は80万3855人だったが、04年度は115万4521人と急増している。
全国「精神病」者集団事務所と権利主張センター中野のおひろめ
私ども全国「精神病」者集団はこのたび中野の地にささやかな事務所を持つことになりました。同時に草の根から人権主張を行うべく権利主張センター中野プロジェクトも発足させました。障害種別を超え、障害のあるなしを超えすべての人が人権主張できる社会を私たちはめざしていきたいと考えます。
多くの方と語り合い、知恵をいただき、第一歩を踏み出したいと考えております。ぜひご参加を
(略)
「退院促進施設」構想に反対する
政府は破綻した心神喪失者等医療観察法を廃止し、長期入院患者の退院促進に責任を持った予算をつけろ
1.現在厚生労働省が推進しようとしている病棟敷地内、「地域移行型ホーム」、「退院促進施設」構想に関して以下の観点から強く反対する。
①従来の「入院中心主義」がもたらした、長期入院「患者」、社会的入院「患者」の問題は厚生労働省でもみとめているにもかかわらず、それを、「病敷地内施設」で「解消」しようというのは、脱施設化、入院中心主義から「地域への移行」にあからさまに逆行するようにしか考えられない。
②いわゆる「社会的入院患者7万2000人問題」関していわば「同じ過ち」を、形を変えて、またもや繰り返そうとしているわけで、我々としては、到底容認できない。
2.そもそも1960年代以降の国の誤った「入院中心主義」の政策誘導がもたらした社会的入院「患者」の問題は原則的に、国が予算面も含めて、責任を持って、解消すべき問題である。
3.国は即刻、病院敷地内「地域移行型ホーム」「退院促進施設」といった「新施設主義政策」を中止すること。すでに破綻した予防拘禁を目的とする心神喪失者医療観察法を廃止し、障害者自立支援法を抜本的に見直し、すべての障害者が隔離収容されることなく、地域で暮らせる法制度を確立すること。
以上、3点を我々はここに強く要求する。
2006年8月4日
全国「精神病」者集団
資料
厚生労働省のホームページを基に精神障害者退院支援施設の費用について
計算を試みました。(1単位10円で計算)
(略)
7月26日
政府法務省保安処分新設を法制審議会に諮問
東京新聞7月27日報道によると、7月26日政府法務省は再犯リスクの高い性犯罪者らに満期出獄後も強制的に施設入所を命令する、保安処分制度を法制審議会に諮問した。
7月11日の閣議後の杉浦法務大臣の記者会見において法務大臣は以下述べている(一部引用)
例えば,性犯罪者ですとか,麻薬・覚せい剤関係の,そういう人たちに,例えば,麻薬・覚せい剤について治療を行うとか,あるいは,性犯罪者で,累犯の可能性のある人については,出所後に教育を行うとか,そういう一種の保安処分的な,これは,裁判所の判決と同時にやらなければいけないので,法改正がいりますが,そういうものをやっている国はございますので,再犯防止,社会復帰支援という観点で何らかの形で制度・設計できないか。
そういう人の関係で,刑執行終了後の累犯の可能性の強い人たちに対する,何らかの保安処分が検討できないかといった,ほかにも幾つかありますけれども,課題について,諮問をするわけです。
保安処分的なものを科すというのは変化があると思います。今やっている一般の更生保護法人は,出所した人が希望した場合,いらっしゃいと,一定期間,宿泊させて,就職の面倒を見たり,それから教育支援などをやっています。あくまでも本人の希望に基づいてやっているわけです。先程申し上げた公的な保護法人を立ち上げるというのは,それを更に強化しようと。罪の種類によっては希望しても入れない人もいる。それで公的なものを作って,補強といいますか強化していこうという趣旨で,保安処分的な性犯罪に対する教育ですとか,麻薬・覚せい剤に対する治療,あるいは血液検査を何年間は受けなさいとか,そういう刑終了後の処分については,これは新しい考えになると思います。社会をそういう者から防衛するのだと。
(略)