全国「精神病」者集団ニュース 2007年12月号

2007年12月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。なお、一部、省略している箇所や伏せ字にしている箇所があります。)

全国「精神病」者集団

ニュース


= = = ごあいさつ = = =

風が冷たくなり冬の気配が一層近づいてまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

読みやすさを考え始めてからすぐ、なんともこれから面白くなりそうな連載エッセイを一目山逃走寺さんが投稿してくれました。連載小説や連載エッセイは次のニュースを期待させます。先月は数々の投稿をいただきましたので、少し遅れて来月号に掲載します。

皆様の中には生活保護受給者の方も沢山いらっしゃると思います。生活保護が減らされるとか聞いて不安な方もいると思います。生活保護についての記事がありますのでお力になれればと思います。

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一目山逃走寺さんの連載エッセイがスタート!!

一目山逃走寺

今年、X月XX日のことである。再婚をきっかけに就職した。借金もあったし。俺、47才である。なんとか某ビルの管理人に潜り込めた。夫婦で住み込みである。家賃、光熱費は無料、しかし夫婦二人では若干狭い。1DKなり。引っ越した当夜から仕事を教わった。47才にして未知の仕事。なかなか覚えられない。1月くらいで、少し慣れた。上司もなんとなく、

「仕事の覚えは酷く遅いけれど、仕方ない。まあOK」

と言ってくれた。

人手不足らしい、このギョーカイ。一人管理事務所の椅子に座り、いろいろ横断的な作業。蛍光灯を取り換えたり、何やらこちらの知らない工事の業者さんと雑談したり。端からみれば様になっているように感じるかも。だけどちょっとこの仕事を知る方なら、バカ丸出しだろう。

さて、ニュースに載るかどうか、分からないが、このエッセイ、多分頑張った話にはならないだろう。社会復帰を望む方には裏切り必至の連載である。続編を待たれよ!

ある暑い夏の午後のことである。妻が言う。

「ねぇ、いつ再就職するのよ。雇用保険もうすぐ切れちゃうわよ」

なんとなく保護の暮らしに憧れかけていた俺も少しは動き始めねばならない。 「読売新聞にしましょうよ。就職情報が沢山載ってるわよ」

そんな話、あまり聞いたことないが怠け者の俺は東京新聞も飽きてきた頃だったので「ああいいよ」と答えた。妻は、サッサと新聞屋に電話をかけて明日から俺の嫌いな読売ということになった。毎朝、新聞を広げ求人欄を事細かに見るのが、俺、ではなく妻の日課になった。

「この仕事なんていいんじゃない?」

聞くとテナント・ビルの管理人である。「住み込み?」と、俺。家賃を溜め込み気味の俺にはそれが唯一の条件だった。「そうよ。そうよ」

8月のある日面接に行った。なんと、一発で内定。怠け者の俺でもかなり嬉しかった。しかしコレが喜劇の始まりである。

就職のとき病気を隠したか否か、これは皆さん、気になるところでしょう。結論からいえば隠した。どうしようか迷ったけれど、病気休職がいろいろ取り沙汰されている中危険に想い言えなかった。「病」者だって立派な労働者になることはよくあることで、俺だってその気になれば病をおして働けるんだと言いたかったけれど、仕事に慣れてきてからにしようと、今は逃げている。むづかしい問題なので、別の機会があればまた考えよう。

さて引っ越し当夜から仕事を教わったがホントに俺は物覚えが悪い。同じことを上司に何回も尋ね閉口させたこと、頻回である。また覚えたと思ったことも実際やってみると、これまた最低2回は間違えた。俺は間違えなければ覚えられない質らしい。4つ位年下の上司から何度も何度も「お前はバカか」と怒鳴られた。「病」者が仕事を覚えようとすれば、こうした鈍感さがあった方がいいのではないかと想わされた。なに最初から図々しいくらいで丁度いいのだ。健常者はみなそうしてる。

(2008年2月号へつづく)


第2回 当事者インタビュー

Sさん 31歳 (イラストもSさん)

K 前回は近畿地方の60代男性でした。少ない知り合いを駆使してジェンダーバランスを考えております。近畿、東北、関東、北海道、四国、九州、中国、中部とやっていきますよ。

第二回目は、東北地方からSさんです。女性の方です。よろしくお願いします。

Sさんは、病気になる前はどんな生活をしていましたか?

S 生活…。

病気になったのが、いつからかというのも怪しいのですが・・・・

K 病気になる前というよりは、病気と診断される前ですね。この場合は、精神保健福祉を消費する前の生活なんですがね。

S 外に出るより、家にいる方が好きでした。

あのときは、漫画家になろうとしていたのと、家にいる、そうせざるをえなかったので、用事がたまるまで極力家から出ない生活を送っていました。

宙に浮いていたし、世の中と、自分に関連性を見い出せなかったです。

だから自分の生活は家族と家の中でした。

学生のころもずっと、人と上手く関われず、最後はいつも苛められて終わっていたから何をどうしたらいいか、変われるか分からず、ただ人の目を、怖いと思って生活していました。

K 私も漫画家にあこがれる感情をもっていました。それから、多いような気がします。漫画家を目指した仲間が。それから、自衛隊をやっていた人も多いような気がします。

話がずれましたが、外に出ないで家の中で漫画の勉強をしていたのですね。そういった状況から精神病と診断されますが、そのときはどうでしたか?

S 周りからの幻聴のせいで生きた心地がせず、これが世界の本当なら、私は狂っている。と思いました。

診断を受けた時、治らないんだあと、そうか、私がおかしかったんだなって、安心しました。

でも、一瞬です。

普通の女性の人生は、あきらめるんだなあ…と悲しい半面、人の幸せで喜ぶことで、悲しい気持ちをまぎらわしていました。

K ところで、Sさんが言う普通の女性とはいったいどういったものですか?

S 恋愛。結婚。ウエディングドレス。子供を産む。幸せな家族。キャリアウーマン。

私だけ?

K Sさんだけとは思いませんが、私にはそういった概念がないので質問しました。と言うことは、普通になりたかったのですね。子供のころから学生にかけて夢はありましたか?

S 子供のころは、最初が「お嫁さん」、次が「探偵」、そして「巫女さん」それから「漫画家」と変化しました。 宙に浮きすぎていました。怒られそう…。

K だとすれば、そういった普通の女性(?)のイメージが病気で実現できない気分になったのは致命的でしたね。

致命的覚悟をしてからの闘病生活(?)はどういった生活でしたか?

S 病気になってから、最初は薬に苦戦し、立ちくらみと具合の悪さで寝ていました。

そのうち元気になってくると、本が読めるようになってきました。

と、いっても家に郵送されてくる洋服のカタログや家にあった花の本ですが…。

花を育てたい!

しかし、働いてないのに外に出れない。

働かないと何も始まらない。

と、おもしろくもなんともない話ですがその後24歳でしたが病気を隠して働きましたが薬を飲んで朝3時起きは長くは続きませんでした。

薬の副作用でむずむずして足がカタカタをごまかすのも辛かったし、人ともうまく付き合えず、また、倒れました。

そしたら主治医にデイケアを勧められましたが、同じ障害の人との交流は楽しかったですが、SST他プログラムに参加はしていたもののあるシリーズもののイラスト以外は無駄なことはない。と勉強と思い、仲間といるための理由でしかなかった。

今また同じ危機を迎えているので、自他共に、障害者の恋愛についていろんなむずかしさを感じたことが、財産だったのではないでしょうか。

また、K君に逢って人生が変わりました。

その後、(略)で希望だった花や宅配、当事者活動、忙しくも充実した生活が…。(周りにとっては非常に迷惑だったろうと思います。)

元気にやっていた時もありました。(略)インターンシップでは、念願のホワイトカラーを実際手伝い、社会貢献と地方シンクタンクのやっていることとはイコールなんだなと嬉しくなりましたが、このころからまた体調があやしくなりました。

インターンシップでは浮き沈みの激しい自分の気持ちを文字盤治験だと自分の日記を公にしました…。

幸せと病気の影。

OD。

大事な人を大事にできず、そのことから始まった出来事と韓国行きについての仲間との隙間…。

説明が求められる現状。

今、かなり厳しい浮き沈みが激しい生活を送っています

K そうか。俺に出会ってから人生が変わって、その俺ともめて、また具合がわるくなったわけですね。

これからどうしていきたいですか?

S 余りあるエネルギーをストップしたいです…。

なるべく自分を抑えながら、ヘルパーとりたいです。

企画できたらDPIで持ち帰った情報で職域を開拓したいです

K あああ・・・そうですか。

まぁ・・・ええ・・・あのぅ・・・・わかりました。

そろそろ、終わるんだけども、最後になにか終わったような雰囲気の終わり方にしたいのですが、どうすればいいのでしょうか。

終わります、と素直に書けば終わった雰囲気になるのでしょうか?「ありがとうございました」のほうがいいですね。

Sさん、インタビューありがとうございました。

S あり?ありがとうございました。


ある精神障害者の独り言の本の紹介

祝!「文芸社出版文化賞2006」社長賞受賞

書名 : ある精神障害者の独り言

副書名: みんなかけがいのない命

出版社: 文芸社ビジュアルアート

著者 : 津田誠大

価格 : 735円(本体700円+税)

発行 : 2007年9月

この度、「文芸社出版文化賞2006」にて社長賞を受賞させていただき、書籍化の運びとなりました。この間苦しい病との戦いの中、吐血をしながらも出版の準備を進めてまいりました。いまは大丈夫ですので、ご心配なく・・・

さて、本のことですが、9月1日に全国一斉発売となりました。全国50店舗の提携書店に置いていただいております。また、全国どちらの書店からでも取り寄せにてご購入は可能です。ネット販売もいたしておりますので、文芸社ビジュアルアートのホームページをぜひ一度ご覧ください。どうか、2冊、3冊と続けて本が出せますように、皆様の「お力」をお貸しいただけたらと思います。

本の内容ですが、俳句の章、短歌の章、詩の章との3部構成となっております。俗に言われている健常者、病者を問わず、何かを感じさせる一冊となれば幸いに思います。

これからもどうか、よろしくお願いいたします。

ぼちぼちクラブ 津田誠大


障害者権利条約でいったい何が変わるの?

そもそも条約とはなあに?

そんなあなたの疑問に答える1冊です。

全国「精神病」者集団の窓口係山本もQ9 精神障害者にとって、この条約はどのような意味がありますか?の一章を書いています。

ぜひお買い求めあるいは図書館にご注文の上後一読を

障害者権利条約この一冊でよくわかる

障害者の権利条約でこう変わる Q&A

DPI日本会議 (編集), 東 俊裕 (監修)

解放出版社 (2007/12/5)

価格:  ¥ 1,470 (税込)


韓国障害者差別禁止法制定推進連帯と日本障害フォーラムの障害者差別禁止法セッション報告

全国「精神病」者集団 山本眞理

9 月5日より8日まで第7回DPI世界会議が韓国で開催されました。70あまりの国から計2700名が参加をし、分科会や付帯行事を行いました。障害者人権条約国連採択後、初めてのIDA(国際障害同盟)参加団体のDPIの総会ということで、大きな意義があったと考えます。

5年近くの間、IDAを中心にして、国際障害コーカス(IDC)が結成され、特別委員会の会期の間も熱心な討論が続けられました。世界70団体あまりが参加したIDCは地域・国をこえ、障害種別をこえ、団結して条約へのロビーイング活動を行いその力で私たちの障害者人権条約を獲得したことは、歴史的な障害者団体の勝利でした。

DPI総会という貴重な機会に、メーリングリストでしか話したことのない、世界からの仲間に出会い、直接議論できたことに大変感謝しています。

とりわけこの世界会議開催中に同じ会場で、日韓差別禁止法セッションを開催できたことは大きな収穫でした。

このセッションはJDFと韓国の障害者差別禁止法制定推進連帯(障推連)の共催でひらかれ、日韓両国から100名あまりの方のご参加を得ました。日本からはJDFメンバー以外にもこの間条約関係に助成をいただいている助成財団として、キリン福祉財団の国松様にもご出席いただきました。また、韓国の国会議員で障害当事者でもあるチャン・ヒャンスク議員もお忙しいにもかかわらず、 祝辞を述べてくださり、報告も聞いてくださいました。

韓国からの報告は障推連の法制委員であり、身体障害者のぺ・ユンホさんから差別禁止法制定に向けた障害者自身の闘いの報告、弁護士で推進連帯法制委員のパク・チョンウンさんから差別禁止法の背景とその中身についての解説。日本側からは東俊裕さんが日本のいままでの障害者運動の総括と差別禁止法にむけた国内での取り組みの必要性が話されました。

韓国では07年3月6日国会議員197名中196名の賛成で「障害者差別禁止および権利救済等に関する法律」が国会で成立しました。08年4月11 日から施行されます。ここにいたる道のり激しい闘いの連続でした。90年末より一部で差別禁止法の必要性が語られ始め、02年には「開かれたネットワーク」の案と障碍権益問題研究所の案の二つが出され03年に4月には韓国障害者団体そう連名と障害者団体総連合会、第三者などの障害者団体が総結集して「障害者差別禁止法制定推進連帯(障推連)」が結成されました。

各地での公開討論会の積み重ね、立場を超えて論争しお互いを説得する作業が継続されました。障進連としての案を練り上げ、05年9月には民主労働党を通じて国会に提案された。しかしこの案は障進連の意図に反し法務委員会ではなく保健福祉委員会にまわされ、上程すらされずたなざらしとなった。障進連としては06年人権委員会占拠篭城を行い、8月に大統領諮問機構である、反貧富格差・差別是正委員会主観で障進連と政府各省庁が民主労働党案を協議することとなった。この間デモや、反対する経済界に向けた闘争が組まれた。政府と障進連との綱引きは続き、その結果手直しされた案が国会に上程され、成立した。

ペさんはとても短い時間で7年間の闘いを話すことは不可能とおっしゃっておられましたが、障害者団体間の意見の違いを出し合い議論を積み上げ、そして国会篭城や路上での闘争など激しい闘争を繰り返して勝ち取ったという韓国の障害者運動の力強さに感動いたしました。被逮捕者も出ていまだその罰金に各団体は苦しんでいる実態だそうです。

朴さんは韓国の差別禁止法の意義を以下説明してくださいました。主要な点を上げると、

1 当事者主義 韓国の差別禁止法はまさに当事者が作り上げた法案を当事者の闘いにより成立させたと言う意味でまさに障害者の勝ち取った果実であるといえる。

2 連帯主義

障害者運動の分裂の歴史はあっても、差別禁止法制定に向け、全障害者団体(247の全国。

地方団体)が一つとなって歴史上初の連帯闘争を繰り広げたこと。

3 「慈善から人権へ」のパラダイム変換 慈善の対象から権利の主体として、権利侵害に対して救済される人権的パラダイムの確立

4 障害者差別禁止法の制定が韓国社会総体に与える影響 国内の性的マイノリティ、非正規労働者、などなどマイノリティへの差別の実態に対して、禁止法制定が社会の差別文化総体への批判と多数派の認識変換への契機となった。さらに総合的な社会的差別禁止法という基本法への展望も開けた

東さんは韓国の差別禁止法制定は大陸法系の国では世界初の制定であり、この点で画期的意義があり、日本の差別禁止法制定にとっても大きな弾みがつくということを説明。日本の現状分析と今後の取り組みに向け以下を報告。

日本の障害者運動が、いわば高度成長のおこぼれを障害種別の団体が行政交渉の中でとってくるという運動であったが、パイが小さくなれば当然のようにその成果も削られてきたのが現状であり、その象徴が、介助をたくさん必要とする人ほど重い負担を負わせるという障害者自立支援法であった。この障害者自立支援法反対闘争において今までの軋轢をこえ障害種別をこえた連携が始まった。法成立後はさらに広い連携が抗議行動として取り組まれてきている。

今後は障害種別の行政交渉というやり方から、団結して国会での立法をターゲットにした闘いが必要であり、JDFの参加各団体が地方レベルで連携して差別禁止法あるいは差別禁止条例制定に向けて取り組めるかどうかが問われている。そうした地域からの取り組みを背景に条約批准と絡めて差別禁止法に向けた国会ロビー活動が今こそ必要である。

3時間という条件でかつ言葉の壁もあり、なかなか踏み込んだ討論が行えなかったのが残念といえば残念でしたが、障害年金制度も介助制度も保障されていないという韓国の実態の中で、街頭闘争その他の大衆的な闘争、地域での集会の積み重ねを背景とした国会ロビー活動という、いわば私たちの今後学ぶべきお手本を韓国の仲間から提示していただいたセミナーであったと思います。

さらにパクさんが触れられた、韓国の差別文化総体へ影響とりわけ障害者以外の被差別者の闘いへの影響という点は非常に重要な指摘と考えます。韓国の人権闘争民主化闘争は私たちが常に注目してきたものですが、日本は韓国と違って国内人権機関もない、刑事司法手続きで言えば起訴まで23日間も代用監獄に勾留される(韓国は48時間)という中で、人権の最低基準としての障害者人権条約の国内履行に向けては、日本の人権水準総体の向上が必須ともいえます。障害者人権条約の基本は「他のものとの平等」したがって、「他のものの人権水準」の向上なくして障害者のみの人権水準向上はありえません。

とりわけ障害者人権条約は33条において国内履行監視機関を明記しています。これは今までの人権条約にはなかった条文であり、国内人権機関創設にむけた大きな武器となるものです。

今後障害者団体の連携はもとより、人権団体、他の被差別者団体との連携を深め、人権後進国日本の状況総体を変えるために、障害者人権条約を活用し、私たち障害者こそが先頭となって闘っていく必要があることを痛感しました。

ぜひもう一度じっくり時間を取ったセッションを韓国の仲間と日本で開きたいというのが私の願いです。


冬季カンパのお願い

枯葉の季節となりました。毎年のうつ病期に入っておられる仲間も多いことでしょう。このアピールと書いているさなか11月に、政府社会・援護局は局長の私的勉強会として生活保護の最低生活費基準を引き下げる検討会を開始し、11月30日たった5回で打ち切り、12月の予算編成に反映させようとしています。生活保護の最低生活費は、住民税非課税、国民年金の減免、公立高校の授業料減免などの水準すべてに影響するものであり、生活保護受給者のみならず、すべての人の生活に多大な影響を与えるものです。こうした中で物価上昇もあり、皆様ご多用のおりに恐縮な申し入れですが、カンパ要請をさせていただきます。

この5年間障害者権利条約への取り組みを継続してまいりましたが、いよいよ国内履行に向けた条約を生かす闘いが求められています。強制の廃絶に向けてそして何より心神喪失者等医療観察法の廃止に向け、全国「精神病」者集団の闘いも正念場を迎えております。活動は多岐にわたり、支出も増大し、今年は大幅な赤字を抱えそうです。

また政府は終末期とみなされた人への治療打ち切りや人工呼吸器取り外しを可能とするため、なんと事前の意思表示書作成に保険点数をつけるという抜け道で尊厳死の実質制度化を図ろうとしています。

かつて交通事故死者1万人突破のときは交通大戦争といわれました。自殺者毎年3万人というこの社会はいまや持てるものと持たざるものの、内戦状態といえましょう。障害者がそして病人が、まさに殺され続けてきましたし、いま生活保護の最低生活費基準の引き下げや尊厳死攻撃の中で、さらに障害者差別抹殺攻撃が強まってきているといっていいでしょう。

こうした中で全国「精神病」者集団ニュースは今年も号外も含め6回目を出すことができました。今後も全国の仲間にニュースを送り、情報を共有しそして交流を深めていくために、さらにそうした活動を踏まえ、「精神病」者の利益代表として活動を継続していくために、多くの方にカンパを訴えます。なにとぞよろしくお願いいたします。

なお同封の振替用紙はすべての事務上の都合ですでにカンパをいただいた方も含めすべてのかたに同封しておりますが、今までどおり「精神病」者会員には無料でニュースをお送りいたしますのでご心配なく。また領収書は経費節減のため次号ニュースに同封させていただきますのであしからずご了承ください


運営委員会報告

@夏の疲れが出て皆ばてばてですが、何とか月2回の電話会議を継続しております。

@全国「精神病」者集団窓口係およびWNUSP理事の山本眞理が、9月にソウルで開かれた、DPI世界大会のソウルで、強制収容の分科会で発表しました。同時に開かれた日本障害フォーラムと韓国の障害者差別禁止法制定推進連帯との共済の障害者差別禁止法日韓セッションにおいて司会を務めました。報告は日本障害者リハビリテーション協会機関紙(本誌掲載原稿)およびDPI日本会議機関紙に掲載しました。

@9月27日28日に開かれた日本病院地域精神医学会で、運営委員のMとSが参加しました。Mは理事会企画の医療観察法シンポでシンポジストを勤めました。

@日本政府は9月28日に障害者権利条約に署名し、批准への意思を国際的に明らかにしました。それと同時に政府訳も公表しましたが、その訳はさまざまな問題点があります。全国「精神病」者集団として許せないのは17条のインテグリティを「健全」と訳している点です。今後全国「精神病」者集団としても日本障害フォーラムとしても問題にしていきます。

@10月13日に開かれた、「世界死刑廃止デー企画 響かせあおう死刑廃止の声2 0 0 7」に全国「精神病」者集団として賛同団体に参加しました。また鳩山法務大臣の死刑執行「自動化(?!)」発言弾劾声明にも賛同しました。

@10月16日に障害者権利条約推進議員連盟総会が開かれ、日本障害フォーラムも参加して外務省はじめ関係省庁も参加してヒヤリングが行われました。日本語訳の件も含め今後も障害者団体との協議を行うこと要請しました。

@10月27日福岡で開かれた学習会「心神喪失者等医療観察法を考える」第4回 司法から見た医療観察法を運営委員の和田が参加している団体で開かれました。山本眞理も講師として参加しました。

@11.4「持たざる者」の国際連帯行動に賛同しました。

@運営員Wも参加している、福岡県県営住宅に知的、精神障害者の単身入居が可能となったが、入居に際して、知的と精神1,2級の全員と、精神3級のうち常時介護を必要とする人は24時間サポートを受けることを必須とした件に関して、福祉サポートを一方的に一律に押し付ける条件付入居は間違っているという申し入れに、賛同しました。

@12月1日、2日に開かれた、第13回障害者政策研究集会に、全国「精神病」者集団として参加し、権利擁護分科会でMおよび山本が発言しました。


編集後記

♪♪ ニュース担当者が多忙につき、途中からニュース編集を久々にひきうけました。多くのご投稿を掲載できなかったことをまずお詫びいたします。

♪♪ 次号は来年2月発行予定です。時期が外れるご投稿が多くなってしまうかもしれませんが、今回掲載できなかったご投稿は次号に掲載させていただきます。

♪♪ 障害者政策研究集会では石毛元衆議院議員が、もはや霞ヶ関の官僚はともかくややこしい制度を作って自らの権益を守ることしか考えていない。国会に働きかける必要がある。今度の衆議院選挙に向け、障害者差別禁止法を作るという公約を各党にさせること、さらに、条約の政府訳についても官僚を相手にせず、国会で集中審議の場をつくるべしとお話くださいました。韓国のような地域からの大衆運動の盛り上がりをどう創っていくのかが重要でもありますが、政府訳についてはともかく国会での審議の場を作らせることは重要でしょう。

♪♪ 暮れ正月は私たちにとっては魔の季節です。一人ぼっちの時期になりがちですが、仲間との交流の場を一人でも多くの方が持てることお祈りいたします。せめてスカイプ年越しパーティーでもしようかなあ。でも圧倒的多数の会員は、インターネットはお使いではないし。全国「精神病」者集団窓口は暮れ正月もあけています。携帯電話も通じます。




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