ごあいさつ
春爛漫とはいかず、気候不順の折皆様いかがお過ごしでしょうか
毎年のこの時期は不調とはいえ、今年はさらに深刻に苦しんでおられる仲間も多いようです。せめて気晴らしができる余裕があるといいのですが。
ニュースをお届けします。
病棟転換居住系施設については、各都道府県へと戦いの場が移りましたが、北海道、神奈川、東京、新潟市、福岡市などでは行政が今年度は作らないと明らかにしています。兵庫県では7月25日にこの件での集会が開かれます。今後も粘り強く監視活動と阻止の闘いが求められています。
精神保健指定医の資格不正取得事件、入院届けや審査の書類の滞り紛失事件という精神保健福祉法体制の根幹に係る事件が相次いでいます。
1987年以降無理に無理を重ねて新規強制入院を急増させてきたつけがいま来ているというべきでしょうか。 資格取得のために無理やり児童の強制入院をつくり上げるという話も漏れ聞きます。
国際人権法違反の強制入院制度は廃止しかありません。
今年度も強制入院制度、強制医療の廃止に向け闘い続けます。
コラム
2日間連続の集会となりますが、どちらも興味深い話がヨラーンから聞けると思います
ぜひ多くの方のご参加を
なおその前の週17日から4日間はオランダでヨラーンが取り組んでいる、ファミリー・グループカンファレンスというツールについてのワークショップが東京であります。
問題を専門職に投げるのではなく、普通の人当事者が輪になって話し合いそれぞれができることをする、そうした力を引き出していく試みで、強制医療を減らし、あるいは後見人により代理決定に代わる、本人の力を引き出す方法です。興味のある方は窓口までご連絡を
入院届けなど放置 精神保健指定医不正事件
2015年3月31日 東京新聞
2015年4月14日東京新聞夕刊
聖マリアンナ医大病院が会見「弁解の余地ない」
NHK 2,015年4月15日 23時01分
川崎市にある聖マリアンナ医科大学病院は、医師と指導医の合わせて20人について、「精神保健指定医」の指定を取り消す処分が決まったことを受け、午後9時すぎから会見を開き、「精神保健行政の根幹を揺るがす大変な不祥事で、何の弁解の余地もない」などと謝罪しました。
会見の冒頭で、聖マリアンナ医科大学病院が設けた調査委員会の青木治人委員長は、「精神保健行政の根幹を揺るがす大変な不祥事で、何の弁解の余地もない。心から深く責任を感じている」などと述べ謝罪しました。
病院によりますと、神経精神科では、「精神保健指定医」の資格を取得するために必要な患者のレポートについて、先輩のレポートをUSBのデータで譲り受けるのが常態化していて、自分で診察していないにもかかわらず、内容を少し変えるなどして安易に提出し、国の審査を受けていたということです。今回処分を受けた医師のうち9人の医師が提出したレポートでは、同じ26人の患者について、ほとんど同様の文章が記載されていたということです。
病院によりますと、今回、指定の取り消しが決まった医師が判定して、強制的に入院させた患者は、100人に上るということで、判定が妥当だったかどうか、専門家による検証を行いたいとしています。
病院は、「今後、事案の重大さと指定の取り消しという重い処分を受け止め、学内での処分も厳正に行いたい」としています。
精神保健福祉法は刑法逮捕監禁罪免責のための法律、その免責のために精神保健指定医がある。これは刑法堕胎罪免責のために母体保護法があり、母体保護法指定医がいっていの条件のもとで行う中絶手術が合法化されるのと同様の構造であり、精神保健指定医が監禁することが合法化されているということである。またこうした合法化を正当化するためにも入院届けや精神医療審査会があり、そこで強制入院を定期的に審査することが定められている。
今回の東京の書類の放置はその放置期間において審査が止まっていたということであり、由々しき問題。その期間は違法な逮捕監禁とさえ言えるのではないか。もちろん正当な精神保健指定医資格のないものが強制入院を100名余に行っていたということ、それらはまさに逮捕監禁罪を問われるべきものである。
もちろん正当な手続きのもと正当な資格のある精神保健指定医によって強制入院されようが、あるいはいい加減な手続き無資格者によって強制入院されようが、入れられる方にしてみれば何の違いもない。指定医制度の信頼を揺るがしかねない云々などという言い方は無意味であり、ちゃんちゃらおかしいと言わなければならない。 こうした既成のレポートの使い回しなどおそらくこの大学だけでないでしょうから、広く波及するのではとは考えますが。いずれにしろ日本の精神病院はもう基礎がぐずぐずになっているのかも(山本真理)