2014年10月 全国「精神病」者集団ニュース抜粋

 

ごあいさつ

しのぎやすい季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか

夏の疲れや、秋口にはいってのうつで、体調を崩しておられる仲間もおおいようです。ご 自愛くださいませ 生活保護基準の切り下げが行われ、さらに現在住宅費の基準の引き下げ冬季加算の引 き下げあるいは廃止などが議論されています。一方で消費税増税、灯油代ほか物価の値 上がりは生活を直撃しています。 差別解消法の成立はありましたが、そのためのガイドラインを議論する障害者政策委員 会には精神障害者と知的障害者の委員はいません。全国「精神病」者集団としては申し入 れ文書準備中です。また道路交通法の改悪により運転免許取得・更新における差別、危 険運転罪という差別的な刑罰、さらに秘密保護法における適正調査における差別など、障 害者権利条約批准と同時にむしろ精神障害者に対してむき出しの差別条項が新設されて います。 厳しい時代です。しかし私たちは国内外の仲間とともに、生き延びる闘いを継続してまいります。

ともに、という言葉を今こそ

薬をのむ人はダメな人、薬をやめた人は偉い人??

山本眞理

向精神薬に関して様々な批判が出ています、極端なのは向精神薬は農薬と同じ、一滴 でも猛毒などと宣伝するドクターまで出てきています

日本の精神医療が今まであまりに投薬だけに終始し、そして一旦発病したら一生服薬 を厳守、そうでないと必ず再発します、という脅しが日常的にされています

最近の研究ではあたりまえといえばあたりまえですが、長期のそれも大量の服薬の弊害 は精神疾患そのものより大きいとされていますし、当然適切な量をできるだけ短期間という のが何の薬でも同じでしょう

しかし、薬は絶対ダメという主張とりわけ、薬をやめた人が偉い、飲む人はダメ、という主 張は、今まで服薬しないと罰せられてきた私たちにとっては新鮮に聞こえるかもしれません が、実はこれ精神医療がやってきたことの裏返し、人に順位をつける考え方。精神障害者 を品定めする思想は共通しています。

精神医療の権威否定でありながら、新たな権威に服従することを求める思想でもありま す

服薬するのは医者ではなくて私たち自身、ですから自ら主導権を握って自ら判断しなが ら服薬したりあるいはやめたりすることが重要です。服薬するか否かは白か黒かではなく善 悪でもないということがまず重要。

そして適切な自分の納得できる服薬や断薬が重要ですし、それは決して精神主義的に 頑張ることで達成できることではありません。何ごとにも手順技術というのが重要です、環境 整備とりわけ生活の基盤整備は最優先の条件でしょう。睡眠食事、運動という、聞きあきた と言われるかもしれませんが、常識的な生活のリズムや条件こそ重要でそれ抜きに根性で 頑張るというのは決していい結果を招かないでしょう

適切な量をできるだけ短期間というためには私達自身の主体的な努力が必要ですし、 それへの協力を医師に求めていくにしても医師を説得する技術も必要です

以下アメリカとカナダの仲間の作ったマニュアルです。これは非常に役に立つマニュア ルで、具体的である点実践の道標になりましょう

以下パンフご紹介

『精神科医との面接で自分の力を発揮するために』パトリシアディーガン著 長野英子訳
A5判 25ページ 500円
『精神薬から離脱するためのハームリダクション・ガイド』はイカルス・プロジェクトとフリーダムセンター
A4変形 54ページ 500円
ハームリダクションガイドは以下インターネットからも無料でダウンロードできます
http://www.theicarusproject.net/alternative-treatments/coming-off-medications-guide-japanese
いずれも書店では扱っておりません。ご希望の方は代金500円に1冊送料82円をプラスして、郵便振替でお振り込みください。どちらがご希望かパンフ名を明記してください
振込先 郵便振替口座00170-3-36736
口座名義 山本眞理
参考文献
心の病の「流行」と精神科治療薬の真実ロバート・ウィタカー (著), 小野 善郎 (監修, 翻訳), 門脇 陽子 (翻訳), 森田 由美 (翻訳)
福村出版 (2012/9/19)

なおこの2つのパンフレットは2015年4月1日以降は送料が上がります
お申し込みはお早めに

ディーガンパンフ 送料120円
ハームリダクションガイド 送料205円となります

カナダの仲間というのは間違いでした、2つともアメリカの仲間のもの

 

 

運営委員会報告

奈良県では、精神障害者団体家族会などが、身体知的には出されている福祉医療証(健康保険の自己負担分がカバーされる)について精神に拡大する運動をしています。県レベルでは方針がでたのですが、市町村によっては1級の障害者だけなどという方針もでていて、それに対して集会を開き、自治体への要請など行いました。全国「精神病」者集団も賛同しました。各地でこの制度広げていく必要があります。長年の服薬で合併症に苦しむ仲間もおおいことですし、精神病院入院費がなくて経済措置(措置要件はないけれど経済的理由で自己負担のない措置入院にあえてする)がまたぞろ出てきたことも一昨年の厚生労働省検討会で報告されています。

☆同様に交通費割引でも他障害との差別があり、これを精神障害者にも適用するよう求めていく運動も継続しています。全国「精神病」者集団も取り組むべきという話になっています

☆7 月国連人権委員会ロビ-イング報告

全国「精神病」者集団はパラレルレポートを出し、その附属文書には池原弁護士が代理人をしている精神病院保護室で暴行、そのご死亡した方の件を報告しました。
国際障害同盟(全国「精神病」者集団の入っている世界精神医療ユーザーサバイバーネットワークも構成団体)ジュネーブ事務所のご尽力で、委員の三名と個別に話すことができました。
人権委員会は自由権規約条約の委員会ですが、一番古い委員会でかなり保守的、障害者権利条約の水準を否定し、強制入院については最後の手段そして適正手続をという立場です。これは非常に問題であり、その結果出てきた勧告も障害者権利条約に矛盾するものとなっていますが、以下です
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人権委員会 日本政府への総括所見
精神障害者の人権に関わる部分のみ邦訳
非自発的入院
17 非常に多くの精神障害者が極めて広汎な要件で、そして自らの権利侵害に異議申し立てする有効な法的な救済手段なしに非自発的入院を強いられていること、また代替サービスの欠如により入院が不要に長期化していると報告されていることに、委員会は懸念を表明する。(7 条および 9 条)
締約国は以下を行わねばならない
(a) 精神障害者に対して地域に基盤のある代替のサービスを増やすこと
(b) 強制入院は、最後の手段としてのみ必要最小限の期間、本人の受ける害から本人を守りあるいは他害を避けることを目的として必要で均衡が取れる時にのみ行われることを確保すること
(c) 精神科の施設に対して、虐待を有効に調査し罰し、被害者またはその家族に賠償を提供することを目的として、有効で独立した監視と報告体制を確保すること
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障害者権利条約の基準から言うと、(b)は到底容認できるものではないが、それですら日本の強制入院制度は満たしていない基準であるということは事実
今回人権委員会が議論した自由権規約9条における一般意見草案においても(b)と同じ表現が取られ、一切の精神病院への強制入院を否定した障害者権利条約の水準から著しく後退している この点は見逃し難い
シャドーレポートの要約
1 OECD 諸国で人口比最大の病床数、平均在院日数も飛び出ている日本の精神病院
2 強制入院もなんと入院患者の4割、諸外国の数倍の強制入院 さらに強制入院は増加し続けている
強制入院や入院を減らす政策は取られていない
3 精神病院での虐待の数々、ほぼ毎年報じられている
これに対しては虐待を防止するための有効な監視機関がなく、警察も迅速有効に捜査しない例すらある
レポートから引用
11 万人が 5 年以上入院、3 万 6 千人以上が 20 年以上入院している。世界の精神病院病床の 19%が日本にある。29 条による強制新規強制入院の一年あたりの数は 87 年の2000 件以下から 2012 年の 6685 件と3倍以上に増え続け、33 条による強制入院も96 年の 84227 件から 12 年の 209547 件へと2.5倍以上増え続けている
改正精神保健法が国会で審議された時、田村厚生労働大臣は改正法で強制入院は減らないそして強制入院は必要な医療を受けるいい機会を提供すると宣言した。2013 年に障害者権利条約を批准したのが、政府には改正法により強制入院を減らそうという政策はない
レポートから引用
保護室隔離の数は 2004 年の 7673 件から 2011 年の 9283 件にと増加、身体拘束は2004 年の 5242 件から 9254 件へと増加している(630患者調査)
隔離と身体拘束の期間に関しての公式統計はないが、1 年以上身体拘束されている入院患者がいるとか 10 年以上保護室隔離されている患者がいると告白する精神科医もいる
隔離の 11%と身体拘束の 15%以上がなんと任意入院患者にされている(630患者調査2011 年)
池原さんは大阪人権センターのサイト以下に掲載されている、虐待事件の年表も個別に話した委員にわたしました。
来年は障害者虐待防止法の見直しの年です。この法律では病院学校は通報義務の対象から外されています。おびただしい虐待が精神病院で行われ、学校もまた例外ではありません。学校と病院を対象とするとともに、拷問等禁止条約委員会でも指摘され今回も指摘されているような、独立した抜き打ち視察のできる監視機関が必要です。
実効ある虐待防止法に向け全国「精神病」者集団は取り組んでまいります
全国「精神病」者集団のサイトにパラレルレポート及び勧告の全文が掲載されていますが、インターネット使わない方には郵送しますので、窓口にお申し出ください
なお今回は夏のため航空運賃が高くなり、20 万円以上かかりましたが、カンパは 17 万円ちょっとで赤字となっております。
おこころざしのある方は今からでもカンパいただけたら幸いです、なおすでに頂いた方も含め、詳しい会計報告はお送りいたします
カンパ先 郵便振替口座 00170-3-36736 口座名義 山本眞理
よろしくお願い致します



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