病棟転換居住系施設阻止の申し入れ

以下申し入れ送りました

厚生労働大臣 田村憲久様
厚生労働省援護局障害保健福祉部長 蒲原基通様
長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム座長 
樋口輝彦様

私たち精神障害者は人間です。他の人と同じように暮らす権利があります。私達精神障害者は病院資本の利益のために存在するのではありません。私たちは社会の中で人として生きる権利があります。その権利を病院の経営のために奪われることはあってはなりません。
誰もが人として暮らせる社会に向けて、長期入院の方たちが一刻も早く、自分なりの生活を社会で送ることができるよう、敷地内および病棟転換施設を一切作らず、まっとうな退院促進事業を行い、とりわけ個別の長期入院患者さんに退院に向けた活動資金、退院準備金を支給することを求めます

2014年5月25日

                             全国「精神病」者集団
〒164-0011 東京都中野区中央2-39-3
                       TEL: 080-1036-3685
                       Mail contact@jngmdp.org

「病棟転換型居住系施設」構想への反対声明
2014年3月24日

                         全国「精神病」者集団

私たち全国「精神病」者集団は、精神障害者個人及び団体の全国組織として、今年で結成40周年を迎える。
2013年6月、精神保健福祉法が改正され、国は「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」を定めることになり、2013年7月に「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」を設置した。第6回検討会の席上で構成員から精神科病院の病棟をグループホーム、アパート、介護精神型老人保健施設等に転用できる病棟転換型居住系施設の導入が提案された。当該検討会で最終的にまとめられた「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針案」では、「病床を転換することの可否を含む具体的な方策の在り方について」2014年に新たに立ち上げる検討会で引き続き議論していくこととされた。
病棟転換型居住系施設の狙いは、表向きは入院医療の必要性がないのに長期入院している社会的入院患者の退院を促進するための段階論に位置づくものとされているが、要は精神科病院の経営に配慮しながらの健康保険費の抑制である。そこに患者の視点があるとは、到底言えない。
また、地域移行に向けた段階論として提案されたのならば、最終的な目標となる完全地域移行状態までのロードマップとその中で病棟転換型居住系施設がいかなる位置付けであるかが示されていなければならず、段階論の体をなしてさえいない。すると、単に新規に施設を提案するものに過ぎず、結果的に地域移行は見込めないといわなければならない。
そして、新規施設の設置は、施設を維持するための供給体制を必要とし、再び施設化社会へと逆行していくことになる。
障害者権利条約19条は、障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること、並びに特定の生活様式で生活するよう義務づけられないこと旨を規定している。ここでいう特定の生活様式とは、障害者運動の動向から考えて当然ながら施設が含まれる。
障害者がどこで誰と生活するかを選択する機会を有することは、人権の問題である。病棟転換型居住系施設構想は、精神科病院によって制限されてきた精神障害者の地域生活の権利を、再び新規施設によって制限しようとするものである、障害者の権利を抑圧する結果を招く。
そのため、私たち精神障害者は病棟転換型居住系施設に断固として反対の意志を表明する。

追記
全国「精神病」者集団は昨年5月の拷問等禁止条約委員会に日本の精神医療の問題を訴え全面的批判の勧告を引き出しましたが、7月の自由権規約の政府報告書審査に向けてもこの病棟転換居住系施設の問題を訴えます。すでに日本の精神医療が入院に偏っていることについては自由権規約委員会から日本政府は質問を受けています



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