2011年10月14日
全国「精神病」者集団
東京都中野区中央2―39―3
絆社気付
fax 03-5942-7626
contact@jngmdp.org
あらゆる差別と排外を拒否して闘い続ける全国の仲間の皆様、日の丸君が代強制に抗して闘っておられる全国の教師ほか支援者保護者児童生徒の皆様。
私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成された全国の「精神病」者個人団体のネットワークであり、あらゆる差別排外をゆるさない活動を続けてまいりました。その意味で各地において君が代・日の丸の強制に抗して闘っておられる教師・保護者そして支援者児童生徒の皆様に深く敬意を表し、また9月24日の集会趣旨にも賛同し連帯の意を表明いたします。
また橋下徹氏の言動については、とりわけ死刑廃止を主張している私どもとしては光市の事件に対するメディアでの被告弁護士に対する懲戒請求の呼びかけなど許せないと考えておりますし、また大阪で精神病院改善に大きく寄与してきた精神病院オンブズマン制度廃止への策動など私ども精神障害者としてそして全国「精神病」者集団として許しがたい言動と判断しております。もちろん君が代・日の丸を強制し、不起立に対して処分をもって対応しようとする府条例案は決して許してはならないと考えております。
しかしながら、私たち全国「精神病」者集団は2011年9月24日集会における野田正彰医師の発言に関して障害者差別であるという点で抗議します。
野田医師の発言は、まず橋下知事の高校時代の教師に取材し(と発言していますが)、掃除を一切しなかった、目と目を合わせられない生徒だった、また府知事として伝達と報告を受けることはできてもコミュニケーションができない人である、したがって発達障害である(野田医師は発達障害概念を否定するとは表明していますが)さらに、彼の言動や著書を引いて最終的にICD(WHOによる国際疾病分類)の診断基準において「演技性人格障害か非社会性人格障害」と断言しています。すべて伝聞による情報だけでの断言です。
さらに何の根拠も示さず母親との関係家庭環境に問題があったとまで発言しています。
こうした発言は橋下氏の具体的言動の批判(行為に対する批判)ではなく、その人格への批判(行為者への批判)であり、橋下氏が異常な人格であるから、橋下氏は間違っているという批判です。まさに人格攻撃であり、行為主義ではなく行為者主義を採るという意味で、保安処分の根底にある思想をなぞった批判であると考えます。
何らかの精神障害であるから、橋下氏は間違っている、あるいは家庭環境に問題があったから橋下氏は間違っているという「批判」はまさに障害者差別であり、出自を問題にする母子家庭差別です。一体誰が家庭を選んで親を選んで生まれてくるのでしょうか? 発達障害とされた人はそれだけで批判されなければならないのでしょうか? コミュニケーションに障害があるとされた人はその障害を批判されなければならないのでしょうか?
当日会場周辺では在特会等がこの集会そのものについて抗議を行ったそうですが、彼ら在特会は気に入らない対象に対してこの間「きちがい きちがい」と連呼しています。しかし野田医師の発言はまさにこうした在特会の諸君の差別と同根であり、在特会の諸君の「きちがい」発言に専門用語をまぶし、精神科医・大学教授という権威でお化粧した発言にほかなりません。
私たち全国「精神病」者集団は、9月24日の集会主催者の皆様そして参加者の皆様さらに全国の皆様に、野田医師の差別発言抗議の声を上げていただけますよう訴えます
要請先
「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪 全国集会実行委員会
メール hinokimiosk@yahoo.co.jp
fax 06-6942-2444
抗議先
〒662-8501 兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155
関西学院大学
野田正彰教授
なお当日の発言について、主催者側は削除したようですが、ニコニコ動画で見ることができます 登録が必要です。右翼のコメントがうるさいので、コメント削除の設定でご覧になるとよろしいかと存じます
こちらの最初の歌のあとです