2010年7月に改訂臓器移植法が全面施行されてからまもなく一年。この間、家族承諾のみの脳死下臓器提供は48例(2011年6月16日現在:他に本人同意は5例)にのぼります。そして、2011年4月12日、日本臓器移植ネットワークが、「交通事故による頭部外傷の治療を受けていた少年が家族の承諾により脳死と判定された」と発表しました。
国内初の子どもの法的脳死判定・臓器摘出は、十分に慎重でなければなりません。しかし、これまでに、事故の詳細や少年への救命治療、臓器を提供するに至った経緯などの重要な情報は、全く明らかにされていません。そのような中、4月21日の『週刊文春』に、脳死判定された“少年”が「事故死ではなく自殺だった!?」という記事が掲載されました。少年が自ら命を絶ったのであれば、その原因や背景などを含めた綿密な調査がなされるべきでしょう。けれど、少年が脳死ドナーとなった途端に全ての情報が閉ざされ、真実が闇に葬られる危険性があるのです。
本集会では、改訂後1年間に浮上してきた問題として、自殺した少年からの臓器摘出にまつわる倫理的問題と、脳死・臓器移植に関する情報公開のあり方に焦点をあて、講師を招いて議論したいと考えています。皆さまのご来場をお待ちしています。
日時:2011年7月18日(月・休日)13:30~16:45(13時開場)
会場:コア・いけぶくろ(豊島区民センター)5階音楽室
交通:JR池袋駅東口から徒歩5分
講演:最首 悟さん(和光大学名誉教授・生物学)、著書に『星子が居る』(世織書房)共著書『生命ー人体リサイクル時代を迎えて』(緑風出版)
講演タイトル:「いのちへの作法-自殺者からの臓器摘出は許されるのか?」
討論:改訂臓器移植法施行1年を振り返って
資料代:1000円
主催:臓器移植法を問い直す市民ネットワーク
地図記載の講演会案内チラシ(pdf形式・310キロバイト)はhttp://fps01.plala.or.jp/~brainx/abd20110718.pdf