障害者基本法 および障害者施策のありかたについて

障害者基本法 および障害者施策のありかたについて

2008年9月11日

全国「精神病」者集団

権利主体としての障害者

障害者である前に、まず人間であることを認めること。障害者基本法の施行後5年を目途とした「障害者に関する施策の在り方についての検討」にあたっては、まず、障害者を、恩恵や医療、社会的保護の客体から権利の主体へというパラダイムシフトを踏まえて、障害者基本法および障害者施策の抜本的見直しを行うこと

強制医療・強制入院の廃絶

私たち精神障害者は日本国内のみならず世界中あらゆるところで、人としての基本的人権を否定され、社会から排除され隔離拘禁され続けてきた。障害者は人として認められず、他の人と同様の自由と人権を認められてこなかったが、さらに精神障害者は人としての自由と尊厳を国権、法制度により、差別的に奪われ続けてきた。

しかし、障害者権利条約は強制の廃絶を明確に位置づけた。今後の批准を踏まえて、精神保健福祉法・医療観察法をはじめとする、強制を合法化している法制度の廃絶が求められている。

時限立法としての地域移行の時限立法

精神科病棟の社会的入院患者をはじめとする隔離収容状態にある障害者が数十万人といる。他の者との平等を基礎とした地域生活の、移行措置のため、介護保障や住居提供及び斡旋、または生活保障・保護等の所得保障制度の充実を図り、隔離状態からの開放が、同時に放置となることを避けなければならない。

障害者総合福祉法制定

障害者総合福祉法を制定し、権利としての地域生活の確立を保障し、本人の意志に基づく自立生活を実現できるようにする。

障害者団体の参加

障害者参加ではなく障害者団体の参加とし、より多くの声を集約した『障害者としての意見』こそが、必要とされている。

中央障害者施策推進協議会及び地方障害者施策推進協議会の構成員として、障害者団体の明確な位置づけが必要である。また、障害者基本計画には、障害者団体の参加を必須とする必要がある。

成年後見制度の削除(第20条)

障害者基本法第20条では、成年後見制度も利益権利保護に必要な制度とされている。しかし、障害者権利条約では全ての者に法的能力を認めることとなっている。今後、障害者権利条約が批准されることを踏まえて、成年後見制度の部分を削除する方針で進めていく必要がある。後見人による決定から、支援された自己決定へのパラダイムシフトを踏まえ、本人の権利主張を支える法制度(パーソナルアシスタンスやパーソナルオンブズマン等)を求める。

障害者週間

障害者基本法第七条三項には、障害者週間が位置づけられており、「国及び地方公共団体は、障害者週間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない」と規定されているが、これに対しては障害者団体によるものや、障害者団体の参加が必要とされている。

以上