全国「精神病」者集団ニュース 2006年3月号

2006年3月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団
ニュース


= = = ごあいさつ = = =

東京では梅も満開春の訪れです。皆様いかがお過ごしでしょうか。毎年この時期の体調不調の兆しに苦しんでおられる方も多いかもしれません。皆様ご自愛ください。

4月からの自立支援法一部施行、ということで書類集めや申請に追われてお疲れの方も多いでしょう。バリアフリーといいながら、バリア(障壁私たちの暮らしの妨害物)が増えてしまう自立支援法を許せません。

全国「精神病」者集団の11月の総会では全国「精神病」者集団として以下の組織原則組織目的が確認されました。(略)

全国「精神病」者集団の原則

差別と排外を許さない 強制医療・入院に反対する

全国「精神病」者集団の組織目的

「精神病」者の生命の尊守 「精神病」者の権利主張 「精神病」者総体の利益追求 助け合い、連帯し、上記目的を達成する

おぼつかないあゆみが続くとは思いますが、会員の皆様の積極的なご意見と会員以外の方のご支援を訴えます。

★お手紙、各地のニュース、住所変更、ニュース申し込みはすべて
〒210-8799 川崎中央郵便局私書箱65号
絆社ニュース発行所
E-mail:
電話 080-1036-3685
(土日以外午後1時から午後4時まで)
FAX 03-3738-8815
★会員の運営している私設ホームページ
http://www.geocities.jp/bshudan/
携帯電話でも見られます。

転載

医療観察法の運用を見守る市民の会ニュース No.2

2006年3月3日発行

発行責任者 : 医療観察法の運用を見守る市民の会

代表 渡辺 雅 俊

「当会」発足から約半年、会員数が23名になりました。

・北海道1名、埼玉県2名、千葉県8名、東京都3名、愛知県1名、福岡県7名、熊本県1名、です。

・会員それぞれ各所で、新たな仲間(会員)を募る活動をして頂けると幸いです。お申し出頂けましたら、ご入会お誘いチラシ、入会用紙等お送り致します。是非、ご協力をお願い致します。

1. 全国の状況

(略)


精神障害者にも心身障害者医療証を

以下申し入れを東京都にしました。各都道府県でも同様の申し入れをなさってみるのも意味があると考えます。心身障害者医療証は都道府県により中味は異なりますが、すべての都道府県にあり、すべての科の外来入院費が無料あるいは1割負担などと自己負担が軽減される制度です。精神障害者は対象外というところがほとんどです。なお大分県では1級の精神障害者につき精神科入院費以外は自己負担を軽減する制度がこのたびできたそうです。


2006年2月12日

東京都知事石原慎太郎様

要望書

DPI日本会議

全国自立生活センター協議会

共同作業所全国連絡会

全国「精神病」者集団

NPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会

障害者欠格条項をなくす会

全国ピアサポートネットワーク準備会

東京都自立生活センター協議会

東京都精神障害者団体連合会

全国「精神病」者集団東京分会四次元の会

NPO法人精神障害者ピアサポートセンターこらーるたいとう

(順不同)

日頃より精神障害者福祉へのご尽力に対して深く感謝申し上げます。

私たちは、精神障害者、身体障害者、知的障害者本人、そして支援者の団体です。

精神障害者にも心身障害者医療助成制度を適用していただきますよう、要望させていただきます。

1950年の精神衛生法時代より、法文上は「精神障害者」と称されていたものの、正式に精神障害者が障害者と位置づけられたのは1993年制定の障害者基本法においてでした。しかしその後も他障害との福祉サービスについては著しい格差が続いています。全障害者を包摂した福祉法および福祉施策は私どもも求めてまいりました。

東京都においては、精神障害者には「心身障害者医療費肋成制度」が適用されていません。そのため精神障害者は精神科外来をのぞいて医療費について、障害者以外の人々、すなわち健常者と同額の自己負担を強いられています。

経済的にも困窮度が高く、精神障害者で単身自立生活を営む場含はその5割は生活保護に頼らざるをえないことは厚生労働省も明らかにしていますし、精神障害者を抱える家族の多くが世帯単位で年収300万円程度であることは、全国精神障害者家族会連合会家族実態調査で報告されているところです。つまり身体障害者、知的障害者に比べて、精神障害者が所得が高いという根拠は全くありません。

また東京都には、単身者に利用できるショートスティは中部、多摩の総合精神保健福祉センターで行われているだけであり、ヘルパー制度も不足しており、本人の希望による訪問看護、往診もほとんどありません。すなわち体調を崩すと入院という選択しかないという現実があります。また長年の間の向精神薬の服薬や闘病生活の中で合併症や歯科の治療を受けなくてはならない例が大変多く見られます。つまり、健常者、身体障害者、知的障害者に比べて、医療費負担が低いという根拠も全くありません。

つきましては、下記のことを要望いたします。

1 心身障害者医療費助成制度を、精神障害者にも適用してください。

なお精神障害者の場合3級の認定を受けているものが大変多く、精神障害者の障害認定基準については疑問が各方面からだされています。したがって、心身障害者医療質助成制度が精神障害者に適用される場舎は1、2級のみならず3級までを対象とされますよう要望いたします。同時に1級から3級までと同等の障害を持つ無年金者および手帳を取っていないものも対象とされるよう要望します。


編集後記

(略)

☆ WNUSPの国連権利条約特別委員会での活動報告は次号でいたします。

インターネットを通してお願いした、ティナ・ミンコウィッツの活動のためニューヨークでの宿泊代カンパに多くの方にご協力いただきました。520ドルをカンパすることができました。ありがとうございました。詳しいご報告は次号で。

(略)


全国「精神病」者集団ニュース 2006年1月号

2006年1月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団
ニュース


= = = ごあいさつ = = =

新年を迎えましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

日本海側では北海道などでは大雪とのこと、お見舞い申し上げます。

毎日一人の対象者が出ている医療観察法ですが、12ページにあるように精神保健福祉士協会も日本作業療法士協会も、全家連、日精協とともに、この医療観察法体制に協力していく姿勢を示しています。保安処分体制への専門職団体総動員体制といっていいでしょう。

自立支援法も4月から施行されます。32条を利用している方にはすでにお手元に自立支援医療への切り替えて続き書類が届いておられる方が多いと思います。毎年手続きをしなければならず書類も増え、憂鬱なことですが、権利を守るために積極的に手続きをすることもまた必要でしょう。6ページの塚本さんの原稿をお読みください。

国連では1月16日から障害者権利条約特別委員会が開催され私たちの代表のWNUSPはじめ多くの障害者団体が私たち障害者は人間であるという主張を繰り広げています。報告はまた次号でいたします。混合はいくつかのご投稿を掲載できず次号にまわしました。あしからずご了承くださいませ。11月の全国「精神病」者集団総会報告は2月に会員の皆様にお送りいたします。厳しい冬ですが、どうか皆様ご自愛くださいませ。

★お手紙、各地のニュース、住所変更、ニュース申し込みはすべて
〒210-8799 川崎中央郵便局私書箱65号
絆社ニュース発行所
E-mail:
電話 080-1036-3685
(土日以外午後1時から午後4時まで)
FAX 03-3738-8815
★会員の運営している私設ホームページ
http://www.geocities.jp/bshudan/
携帯電話でも見られます。

自立支援医療指定機関の通報義務!?

山本真理

厚生労働省が募集していた自立支援医療機関に関するパブリックコメントの中に以下記述がありました。

(9) 指定自立支援医療機関が受診者について次の各号に該当する事実のあることを知った場合には、速やかに、意見を付して受給者証を交付した市町村に通知しなければならないこと。① 受診者が正当な理由なくして、診療に関する指導に従わないとき

自立支援医療を使うと、医療機関に通報義務が生じるということになります。一体なぜこのような条項があるのかと厚生労働省に聞くと、国民健康保険についても同様の規定があり、指導に従い速やかに直るということで一般的な医療の趣旨だというのです。

精神科医がこれを悪用し、言うことを聞かないと受給者証を取り上げると恫喝するおそれもありますし、新たな地域での強制医療体制になりかねません。医療観察法の地域処遇の一般化といってもいいかもしれません。

私は数名の有志とともに12月21日にこの条項の削除を求める申し入れを厚生労働省大臣に行ないました。

1月16日の「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」と厚生労働省との交渉においても削除を求めましたが、かたくなに拒否しました。

今後も厚生労働省に対して削除を求めていく必要があります。

スケジュール

心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク

★ 例会 偶数月の第2土曜日定例

2月11日(土)13:00~

場所 出版センター(千代田区三崎町3-10-15富士ビル405 T&F 03-3221-1521)

★ 第11回連続学習・討論会

いまいちど医療観察法がある社会を問う

2月19日(日)13時から

問題提起 山本真理(全国「精神病」者集団)

場所 中野商工会館1F第2会議室 JR中野駅北口下車

(中野区新井1-9-1 Tel 03-3389-1181)


資料

障害者の所得保障として障害基礎年金を生活保護並みに上げろということを主張してきましたが、それを逆手に取った逆方向の方針が出されようとしています。この国はどこまでいこうというのでしょう。自立支援法を皮切りに福祉の放棄が始まろうとしています。

(略)


母、生後18年間娘軟禁

障害者差別を糾弾し不当拘禁からの解放を求める声明

東京 S

朝日新聞05年12月6日(火)夕刊の記事によれば、福岡市に住んでいた女性(18歳)が生まれてからほとんど外出させてもらえず、小中学校にも通っていなかったことが報じられた。警察の調べで女性は10月25日にテレビを見てはならない、を守らなかったことを理由に親に顔や背中を殴られて飛び出し公園で水を飲むなどして過ごした。女性は両親と同居していたが、育児は母親に任せられていたという。

母親は発達の遅れがあり外に出しても恥ずかしい、迷惑をかけると思ったと供述し、女性に先天的な発育の障害があると診断されたことがあると話したとのこと。

女性は「親類の家を訪ねた以外はほとんど家から外にでたことがない、といい、文字の読み書きや計算ができなかったという。身長は120センチで体重は30キログラムもなかったとのこと。教育は、小学校、中学は一度も登校しなかったという。

母親が18年娘を軟禁(拘禁)していた理由は外出させれば迷惑がかかる(恥ずかしい)という障害者差別である。市民社会にある無言障害者差別を理由とした事件である。呉秀三医師が「我が邦十何万の精神病者は実に病のほかに日本に生まれた不幸」として「座敷牢」を問題にしたが、18歳の娘の軟禁(拘禁)にもいえることである。

この障害者差別を糾弾し障害者は人間であり、地域で社会的人間として開かれた処遇を求める。共に障害者が解放されるまで差別を糾弾していこう


(略)


05年11月20日

差別と拘禁の医療観察法の廃止を! 11月20日全国集会 報告

東京 長野英子

心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワークの集会が東京で開催された。参加者は69名。

基調報告に始まり、弁護士の池原さん、精神科医の中島さん、精神保健福祉士の佐藤さんのお三方からの問題提起、各地の仲間からのアピールと続きました。

池原さんの発言の中で重要だと考えた点は、審判に当たって参与員の精神保健福祉士も警察・検察の調書を「真実」としてみなし頭から信じ込んでいるという問題点です。今年春の日本精神神経学会の精神鑑定のレクチャーでも中谷陽二ドクターが、調書は警察検察の書いたものであり、本人の言葉と思い込んではいけない、公判にすべての調書が出てこないこともある、ということを強調していました。赤堀さんの無罪の主張を無視し長所を信じ込んで行なわれた精神鑑定の問題点は日本精神神経学会で取り上げられたはずですが、それが若いドクターたちには一向に伝えられていないという恐るべき実態と考えます。さらに精神保健福祉士も「人権擁護」が職務のひとつのはずですが、刑事司法手続きにおける人権問題をまったく理解していないということなんでしょう。

さらに池原さん中島さんが共通して指摘していた点は、鑑定入院中に調査する参与員が、調査のみを行い、まったくソーシャルワークをしようとしないため、一銭も小遣い銭がなく苦労している対象者が出ている、という点です。鑑定入院中の医療保障がされていない問題点も指摘されていますが、精神科医も精神保健福祉士も専門職として何をすべきなのか、その原理原則が置き去りにされていること、許せません。

法の廃止とともに、一人一人の申し立てをされた人、それ以前の逮捕段階、での救援活動をどう作っていくのか、重い課題があります。

(略)


冬季カンパ要請

各地の仲間の全国「精神病」者集団の活動へのご支援、そして会員以外の方の日ごろのご支援に感謝いたします。

全国「精神病」者集団は昨年年5回しかニュース発行ができませんでしたが、総会を開催することができ述べ20名の参加者を得ました。詳しい総会報告は会員の皆様に来月にお知らせいたします。

医療観察法施行、そして4月からは障害者自立支援法施行という時代を迎え、全国「精神病」者集団は今後もニュース発行などさまざまな活動を継続していくため、組織運営の仕組みを作り足固めをしていく必要があります。現在全国「精神病」者集団の財政は主に有料購読者のニュース購読料と、カンパに頼っております。今後の活動継続のため、多くの方にカンパをお願いいたします。

全国「精神病」者集団ニュースは「精神病」者会員には無料で配布していますので、会員の「精神病」者仲間の方は購読料会費などご心配なく。カンパはあくまで任意です。同封の振替用紙はカンパしてくださる方の便宜のためで請求書ではありません。

なお余裕のある方は『絆12号 WNUSP総会報告』500円の販売、および有料ニュース購読者の獲得にご協力を。

2006年1月22日

郵便振替口座番号 00130-8-409131

振替口座名義 絆社ニュース発行所


パンフレット紹介

★「障害者差別と優生思想 優生学の歴史と現在」

講演 松原洋子(立命館大学教授)

「心神喪失者等医療観察法を許すな! ネットワーク」第5回連続学習会講演録

100円 送料別 B5判 16ページ

★「患者隔離から見えてくるもの ハンセン訴訟から学ぶ」

講演 八尋光秀弁護士

国立武蔵病院に「心神喪失者医療観察法」拘禁施設を作らせない

5・22集会講演 100円 送料別 B5判 20ページ

★「日本精神科医療の半世紀 --どこへいくのか、そしていま何をなすべきか」

岡田靖雄 講演録 B5判 28ページ

発行所 (社)大阪精神科診療所協会 定価 300円 送料 110円

★雑誌「精神医療」41号 批評社

特集:動き出した「医療観察法」を検証する

特別サービス 送料込み 1700円

★長野英子参考人意見 配布資料つき

2002年12月の衆院法務・厚生連合審査での参考人意見 100円プラス送料

★『精神科医との面接で自分の力を発揮するために』

(書き込み式シート付)

パトリシア・ディーガン著・長野英子訳 A5判 25ページ 500円

★『自分らしく街でくらす――当事者(私たち)のやり方』

著者 ローリー・アハーン ダニエル・フィッシャー

訳は齋藤明子・村上満子 A5判 40ページ 定価 500円 送料別

いずれも全国「精神病」者集団窓口までお申し込みください。

(略)


← 前のページ