全国「精神病」者集団ニュース 2006年10月号

2006年10月発行の「ニュース」抜粋です。 一般定期購読は有料(年6回程発行1年分5000円)です。(会員の購読は送料も含めて無料となっております。)

全国「精神病」者集団
ニュース


= ごあいさつ =

朝晩は肌寒い毎日となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

精神科病院敷地内に施設を作りそこに「社会的入院患者」を移動させる、という構想については厚生労働省に対して3回の交渉が重ねられ、なんとか10月1日の施行は延期させましたが、厚生労働省はかたくなに来年4月1日の施行しようとしています。

医療観察法はすでに破綻が見えているにもかかわらず、さらに法務省は出獄後の保安処分制度までも諮問しました。11月19日には東京で心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワークの集会もあります。生活保護の切り下げ、さらに尊厳死立法や脳死臓器移植法の改悪も準備されており、障害者は街で暮らすな、さっさと死ねといわんばかりの、さまざまな攻撃が始まっています。

めまいのするような状況ですが、一つ一つに反撃の闘いは始まっています。

生命の尊守、を掲げ「精神病」者総体の利益のために、私たちも私たちの声を上げていきたいと考えています。各地での取り組みも必要です。多くの仲間の声をお寄せいただけますようお願いいたします。

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大田区鈴木敬治さん 支援費訴訟判決

11月29日1時10分から

大田区は04年の4月から、突然鈴木さんの移動介護保障を124時間から32時間/月へと大幅削減してきました。行政が一方的に障害者個々人の社会参加(=外に出る自由)の上限時間を1日1時間とする。これは障害者から自由と権利を奪う著しい人権侵害です。障害者にとって「外に出るな!」「社会参加するな!」という『外出禁止令』に等しいものです。大田区の社会参加への移動介護は上限32時間という要綱は自立支援法にも引き継がれており、この動きは全国的にも波及しています。

全国の障害者の利益のために鈴木さんが提訴したこの裁判にご注目を

当日は判決主文のみ法廷で読み上げられますが、参加してくださった皆様にはマスコミ向け判決要旨を配布いたします。多くの仲間が東京地裁前に集まってくださるようお願いいたします。

鈴木さんと共に移動の自由をとりもどす会


本当にこれで自立できるの?

――動き出した「自立支援法」の現状――

●日時 10月29日(日)午後1時半から4時半

●場所 国分寺商工会館3階

国分寺市本多2-3-3 電話042-323-1011

交通アクセス 国分寺駅北口より徒歩8分

●資料代 300円

●講師

岡部耕典さん(東京学芸大学講師)

社会福祉学。著書に『障害者自立支援法とケアの自律――パーソナル・アシスタントとダイレクト・ペイメント』(明石書店)

●主催 国立武蔵病院(精神)強制・隔離入院施設問題を考える会

市民自治こだいら内 精神障害者の自立を考える会気付

保安処分との新たな対決へ――法制審諮問77号の読み方

●日時 10月27日(金)18時30分から21時

●場所 豊島勤労福祉会館

東京都豊島区西池袋2-37-4

池袋駅西口下車徒歩約10分 池袋駅南口下車徒歩約7分

●講師 山下幸夫さん(弁護士)ほか

●資料代 500円

●主催 刑法改悪阻止!保安処分粉砕!全都労働者実行委員会


9月9日 全国「精神病」者集団事務所おひろめの集い報告

全国「精神病」者集団事務局 窓口係山本真理

(略)

以下当日配布した資料の一部です。


障害者権利条約と私たち精神障害者の主張、

そして今後に向けて

障害者全体としてなぜ権利条約が必要か

ピープルファースト、

私たちはまず人間だ、ほかの人と平等な人権がある

拘束力のある国と国の約束としての条約が必要

障害者以外の人ほかの人に保障された人権が実質的に保障されること

実質的に保障されるということは 個々人にとって必要な合理的配慮がなされること。

たとえば、すべての成人に参政権が法によって保障されている、しかし外出できない障害者、選挙公報が読めない、候補者の放送も聞けない人は実質的には参政権を行使できない。これに対してそれぞれ個々人が必要な合理的配慮を保障することが実質的人権保障

そしてこうした合理的配慮がないことは差別であること

精神障害者としてこの条約に何を求めたか、

そして何を勝ち取ったか

WNUSPの方針

1 強制入院強制医療の廃絶

(略)

2 精神障害者が障害者の一員として認められること

(略)

3 条約の文言以上にわれわれが勝ち取ったのは障害種別地域を越えた障害者団体の団結と連帯

(略)


差別と拘禁の医療観察法の廃止を!

11/19全国集会

当初24カ所建設するとしていた予防拘禁施設は現在8ヵ所。しかも多くは当初の基準を変えて既存病棟を改造したもの。精神科医:中島直さんの言うように心神喪失者等医療観察法は「法を存続させる最低限の根拠すら失われている」現状にあります。微罪での適用、遠方施設への入院、入院決定への抗告が認められ退院してもその補償が全くない等々、法の目的として掲げられた「患者の社会復帰」は建前、狙いは保安処分体制構築にあることを実態が物語っています。その狙いを隠すことなく示したのが7月26日の法制審諮問第77号です。その諮問は「性犯罪者や薬物犯罪の再犯の恐れがある満期出所者を対象に、刑終了後も専門病棟へ入所させる制度などの導入」(東京新聞)であり、杉浦法相は「社会防衛のため」「再犯の恐れを防止する」と公言してはばかりません。

この国は戦前から狙ってきた保安処分体制構築を、まずは精神障害者を対象にした医療観察法でその突破口を開きました。いまその対象を拡大しながら全面的な保安処分体制を確立しようとしているのです。私たちは医療観察法を精神障害者差別と予防拘禁・保安処分法として反対し、法の成立後も廃止を求める闘いに取り組んできました。この法は廃止しかありません。多くの皆さんのご参加を心から訴えます。

●日時11月19日(日)13:00~16:30

●場所中野商工会館 中野区新井1-9-1 TEL.03-3389-1181

●交通 JR中央線・地下鉄東西線中野駅 北口下車 徒歩7分

●資料代 300円

●集会内容


講演「あらためて予防拘禁法を問う」

内田博文さん(九州大学教授:刑法)

(『ハンセン病検証会議の記録-検証文化の定着を求めて』等、多数。

共謀罪反対・ハンセン病差別問題などに取り組む)

全国各地の仲間からの発言 など

□全国交流会 11月18日(土) 18:00~21:00 中野商工会館

□心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク第3回総会 11月19日(日) 10:00~12:00 中野商工会館

*全国から参加される当事者の仲間の交通費は、ネットワークで最低5000円を負担します。

主催;心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク

東京都板橋区板橋2-44-10-203北部労働者法律センター気付

E-mail:kyodou-owner@egroups.co.jp


心神喪失者等医療観察法適用実態

7月15日に医療観察法施行1年を迎えました。現在収容施設は国立精神・神経センター武蔵野病院(東京)、花巻病院(岩手)、東尾張病院(愛知)、肥前精神医療センター(佐賀)、北陸病院(富山)、久里浜アルコール症センター(神奈川)、小諸高原病院(長野)に作られ、合計154名(8月末)が拘禁されています。建設中のところは国関係で琉球病院(沖縄)、下総精神医療センター(千葉)、榊原病院(三重)、松籟荘(奈良)、賀茂精神医療センター(広島)、菊池病院(熊本)、自治体関係では大阪府立精神医療センターが建築中、県立岡山病院も受け入れを決定しています。しかし当初予定の病床確保には程遠く、すでに破綻状況にあるといえましょう。下記は法務省の調査による申し立て決定状況です。

(略)


窓口からのお知らせ

♪♪ インターネットをお使いのみなさまへ、会員のメーリングリストがあります。

メーリングリストとは登録した方の間で意見交換や情報交換するもので、いっせいに参加者に発信することができます。

参加ご希望の方は

kizunasya-owner@yahoogroups.jp

までお申し込みを

♪♪ 全国「精神病」者集団機関誌絆バックナンバー8号分を定価3200円のところ送料含め特価1800円でお分けします。お申し込みは窓口までよろしくお願いいたします。

♪♪ 障害者権利条約がいよいよ採択されようとしていますが、以下二つのパンフをぜひお読みください。すでにお読みの方も多いとは思いますが、全国「精神病」者集団財政のためにも周囲の方にお勧めいただければ幸いです。

お申し込みは窓口まで

「絆 11号」

WNUSP20004年総会報告 障害者権利条約資料

A4判 48ページ 500円(送料手数料込み600円)

「権利条約に期待するもの 障害者の権利を守るために」

B5版 22ページ 送料含め300円

♪♪ 心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワークでは11月の集会に向けて16ページのイラスト入りの、医療観察法についてのわかりやすいパンフレットを準備中です。

医療観察法廃止のために、各地で活用していただきたいと思います。

お申し込みは全国「精神病」者集団窓口まで


運営委員会からのお知らせとご報告

運営委員会は、なれない電話会議ですが、毎月2回第2、第4木曜日に議論を重ねております。全国「精神病」者集団としての意思決定ができるようになり、精神科病院敷地内施設その他の状況への意見表明や取り組みを重ねています。

1 現在運営委員は10名女性は2名しかいません。後5名女性の運営委員を増やしたいと考えています。運営委員は3つのグループに分けそれぞれから毎月の当番を1名ずつ出し電話会議に参加していただいています。15名集まると電話会議への参加は5ヶ月に1回ということになります。経費の問題もあり、申し訳ないのですが、インターネットのブロードバンドを使用している方に限らせていただきます。スカイプという無料ソフトを使って電話会議を行います。詳しいことがお知りになりたい方は窓口までお問い合わせください。女性の応募を歓迎します。男性でも北海道、中部地方、沖縄の方応募していただければと思います。女性はこの地域以外の方でも歓迎です。

2 10月7日に開かれた「世界死刑廃止デー特別企画 響かせあおう死刑廃止の声」死刑廃止フォーラム90主催の集会の賛同団体となりました。

3 障害種別を越えて障害政策を提案していこうとする障害者政策研究集会実行委員会に参加することとしました。12月9日、10日に政策研の集会があります。

4 精神科病院敷地内施設の反対の厚生労働省交渉に運営委員他全国「精神病」者集団の仲間も参加しました。

5 10月31日に 「出直してよ!『障害者自立支援法』10・31大フォーラム」という集会が東京日比谷野外音楽堂、日比谷公会堂などで開かれます。これに向け各地でも実行委が結成されます。各地の仲間で参加ご希望の方全国「精神病」者集団窓口までお問い合わせください。


(略)