病棟転換居住系施設を考える会 ニュース19号

第19号(2014年10月24日)
生活をするのは普通の場所がいい
STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!! NEWS

発行:病棟転換型居住系施設について考える会
「考える会」では,この問題について,多くの地域で学習会を開催していただくことを願っています.数人での小規模の学習会でも,依頼があれば講師を派遣したいと考えています.テキストには『病棟から出て地域で暮らしたい』(やどかり出版)をご活用下さい.(本紙の4ページをご覧下さい)
直前情報

10月29日(水) 生活するなら普通の場所で! 共に考えよう!
精神科病床転換居住系施設 in 埼玉
(会場:埼玉会館小ホール 13時開場 13時30分~16時)

ぜひ、埼玉の集会にご参加ください!!
埼玉県で病棟転換型居住系施設が?

6月26日の日比谷野外音楽堂で3,200人もの人が集まった集会を受け、埼玉県でも6つの団体(埼玉県精神障害者団体連合会 埼玉県精神障害者家族会連合会 埼玉県精神障害者地域生活支援協議会 きょうされん埼玉支部 埼玉県セルプセンター協議会 精神障害者社会福祉事業所運営協議会)が集まって、集会の準備をしてきました。
その準備の最中に、埼玉県内で病棟転換型居住系施設を考えている病院があるという情報が飛び込んできたのです。また周囲の動きを様子見している病院もあるという情報も得ています。
いろいろ調べてみると、病棟転換型居住系施設の動きは精神科病院の経営救済なのだということが、改めて明確になってきました。
そこで、急きょ埼玉県でこの集会を準備している人たちで、埼玉県議会の保健福祉医療委員会に所属する議員の皆さんに、この問題を知っていただき、集会への参加をお願いしているところです。
ある議員さんは、「日本に世界の2割の精神科病棟があることなど全く知らなかったし、病棟を住まいにするということも、その内容を知らなければそれもいいのかなあと思ってしまうところだった」と話してくれました。
実行委員会では、集会終了後の動きも大切にしようと話し合っています。集会アピールを採択し、さらに県に対する要請書を提出し、関係各所との話し合いを行っていきたいと考えています。
10.29埼玉県での集会は、とても大事なタイミングでの集会となりました。500人定員の会場を満員にすることが大切です。「病棟転換型居住系施設を考える会」の長谷川利夫さんも連帯挨拶に駆け付けてくださいます。
埼玉県以外からもぜひご参加ください。一緒に集会を盛り上げていただければと思います。
*情報1
地域医療介護総合確保基金の各都道府県の内示額示される

10月17日には厚生労働省が,地域医療介護総合確保基金の各都道府県の内示額一覧を発表しました.精神科病床転換費用も含まれる可能性のある基金です.以下のURLをクリックすると各県の内示額がわかります.
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061597.html
この基金は国2/3負担なので,都道府県には1/3負担があります.この基金が各都道府県でどのように使われていくのかが今後問題になります.そのあたりも各県で調べていくことが必要です.
情報2は厚生労働省の概算要求についてです.いずれも都道府県の予算措置が必要になりますので,各都道府県での取り組みがとても大切になります.

 

*情報2
厚生労働省精神・障害保健課及び医療観察法医療体制
整備推進室の平成27年度予算概算要求の概要について
(関係部分一部抜粋)

概算要求にも病棟転換関連予算が組み込まれています.

1.高齢・長期入院精神障害者の地域移行・地域定着の推進
(2) 医療機関における高齢・長期入院精神障害者の地域移行・地域定着の推進(一部地域生活支援事業のメニュー) 5.1億円(0.8億円)
① 精神科病院の職員に向けた研修や、地域の事業所へのスーパーバイザーの派遣、退院して地域生活を送る当事者の体験談を聞くプログラムの実施等、長期入院精神障害者の地域移行方策及び病院の構造改革に係る取組を総合的に実施し、その効果について検証する。【新規】
(補助先)都道府県・指定都市 (補助率)定額
② 入院患者の約半数を占める高齢入院患者を対象に、院内の多職種と地域の関係者がチームとなり、退院に向けた包括的な地域支援プログラムを実施し、一般制度化を目指す。
(補助先)都道府県・指定都市 (補助率)1/2

「……等、長期入院精神障害者の地域移行方策及び病院の構造改革に係る取組を総合的に実施」というところに病棟転換が含まれると厚生労働省の説明がありました.
*情報3
病棟転換型居住系施設は認知症高齢者の受け皿に

福祉ジャーナリストの浅川氏は以下のサイト(ダイヤモンド社のビジネス情報サイトhttp://diamond.jp/articles/print/59417)で精神科病棟転換問題にも触れ,『精神科病床を居住施設に転換し,入院者をそこに移し,さらに空室には認知症高齢者を引き受けようという狙いだ』と指摘し,警鐘を鳴らしています.

 

*情報4
読売新聞 (10月7日) 読売新聞医療サイトに掲載
精神科入院 減らそう(1)医療から福祉へ転換を 伊澤さん
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=106183
精神科入院 減らそう(2)管理が患者の意欲奪う 山本深雪さん
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=106184&from=popin
精神科入院 減らそう(3)病院側も代わりたい 河崎さん
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=106185&from=popin
緊急出版 「病棟転換型居住系施設」問題をめぐって
病棟から出て地域で暮らしたい
精神科の「社会的入院」問題を検証する

A5版 124ページ 定価 1000円 2014年9月 やどかり出版
病棟転換型居住系施設問題は,看過できない社会問題である精神科病院への「社会的入院」を見かけ上解決してしまおうという動きでした.しかし,日本における「社会的入院」には,歴史的な背景の中,根深い問題が横たわっています.本書は,「社会的入院」問題の背景,その本質を伝えつつ,改革への具体的方策を描き出しています.
また,3,200人が集まった日比谷野外音楽堂での緊急集会でのリレートークが掲載されています.この人たちの声を社会に広く伝えたい,そんな思いを込めて本書が出版されました.
全国各地で開催される集会や学習会の資料としてご活用いただければと思います.

目 次
第1部 障害者権利条約からみた「社会的入院」問題
第1章 「病棟転換型居住系施設」問題の背景と危険性  長谷川利夫
第2章 社会的入院問題の背景と改革への視座  藤井克徳
第3章 社会的入院の真の解決に向けて  増田一世

第2部 生活するのは普通の場所がいい
第1章 新たな局面を迎えた精神障害分野  増田一世
第2章 6.26緊急集会リレートーク
目 次
第1部 障害者権利条約からみた「社会的入院」問題
第1章 「病棟転換型居住系施設」問題の背景と危険性  長谷川利夫
第2章 社会的入院問題の背景と改革への視座  藤井克徳
第3章 社会的入院の真の解決に向けて  増田一世

第2部 生活するのは普通の場所がいい
第1章 新たな局面を迎えた精神障害分野  増田一世
第2章 6.26緊急集会リレートーク

 

* 地域での集会・学習会の資料で本書をご利用になる場合には,10冊以上ご注文の場合には2割引き+送料でお分けできます.(50冊以上の場合には2割引き+送料無料)
ご注文は,やどかり出版まで(電話048-680-1891~1892 Fax048-680-1894)

 

病棟転換型居住系施設について考える会
stopbttk@yahoo.co.jp
この『速報』は、複写、転送、転載、大歓迎です。ご自由かつ積極的にご活用ください。
《連絡先》長谷川利夫(杏林大学保健学部作業療法学科)
TEL.042-691-0011(内線4534)〔携帯電話〕090-4616-5521  http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu

以下からPDFファイルダウンロードできます、配布転送はご自由に
6・26『NEWS』№19(20141024)



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