緊 急 抗 議 声 明 (障害者自立支援法等の一部を改正する法律案関連)

このたび、自民党・公明党提案にかかる障害者自立支援法の一部改訂案につき政権与党が、ほぼ同内容の法案を厚生労働委員会委員長提案として、今国会に提案することが確実視されていると報道されています。

これまで、障害者団体は、障害者の声を反映させるよう求めてきましたが、ここにきて、障害者の声が聞かれることなく、障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の提出が予定されていること自体、強く懸念を表します。
政策プロセスにおいて障害者団体の声を無視した場合、障害者の権利に関する条約第四条第三項に違反します。これでは、批准はありえません。

また、障害者自立支援法等の一部を改正する法律案には、障がい者制度改革推進会議総合福祉法部会の意見書を待たずして国会に出されるものであり、民主党マニフェストにある、障がい者制度改革推進法(案)や障害者自立支援法違憲訴訟との基本合意文書にも背くものになります。

さらに、障害者団体からだされた意見の殆どが反映されておらず、「遅くとも平成25年8月までに障害者自立支援法は廃止される」ことも「施行の終期が平成25年8月までである時限立法である」ことも、一切明記されておりません。

1.精神科救急医療の整備(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正)条項については、精神障害者団体とのヒアリングを重ねるべきところを、精神障害者団体からの主張に基づかずに強行しようとするものです。我が国には、強制入院及び社会的入院が深刻あり、安易に法制化することは絶対に避けなければなりません。

この時期に、こうした法案が出されること自体、許されるものではありません。

よって、直ちに今国会における与党合意に基づく厚労委員会委員長提案を撤回し、自・公提案の一部改訂案については、廃案とするよう強く求めるものです。

2010年5月27日

全国「精神病」者集団



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