障害者自立支援法の廃止と障害者総合支援法の撤回を求める声明

障害者自立支援法の廃止と障害者総合支援法の撤回を求める声明

全国「精神病」者集団

2012年7月8日

「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律」(略称 障害者総合支援法)が2012年6月20日参議院で可決し成立し、6月27日に公布された。

障害者総合支援法は、本来廃止すべき障害者自立支援法の「一部」微修正にすぎず、全障害者の期待を裏切るものだ。

小宮山厚労相は「法の目的や名称を含めて変えていくので、事実上、自立支援法の廃止と考える」と強弁しているが、障害者総合支援法が、自立支援法の看板の架け替えにすぎず、その延命と恒久化をねらったものであることは衆目の一致するところである。

国が約束した「基本合意」では、「速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも平成25年8月までに、障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施する。」と明記され、違憲訴訟は司法決着した。これを一方的にくつがえし反故にしようとするのが、今回の自立支援法「改正」であり、障害分野のみの問題ではなく、法治国家として許されざる暴挙といわざるを得ない。

自立支援医療や、家族の収入を理由にしての「応益負担」は、いっさい変えず、障害と負担をむすびつける「応益負担」は厳然として残ったままである。障害を自己責任・家族責任とする自立支援法の発想は依然として固守されているのだ。

障害程度区分についても、3年後を「目途」に「検討」するとした事実上の「棚上げ」となっている。これもまた、現状維持、自立支援法体制の固定化をもくろむ国の姿勢を示すものである。

総合福祉部会55人の構成員がまとめあげた「骨格提言」も当然のごとく無視されている。事務方として法案骨子を基礎として法案の作成を行う義務を負う厚労省は、はじめから「骨格提言」を実現する意思などなく、ひたすら自立支援法の延命のために動いたといえる。

とりわけ、私たち精神障害者が「骨格提言」実現に期待したのは、社会的入院の解消・精神障害者の地域移行であった。「骨格提言」では、障害者が地域で自立した生活を営む基本的権利の保障規定として、自らの意思に基づきどこで誰と住むかを決める権利、どのように暮らしていくかを決める権利、特定の様式での生活を強制されない権利を有し、そのための支援を受ける権利が保障される旨の規定があった。さらには地域移行の法制化や、そのための社会基盤の整備も掲げられていた。

ところが今回の障害者総合支援法には、「権利」という言葉は一言もなく、これらの項目もいっさい無視された。

そもそも、一連の障害者制度改革・国内法整備は、国連障害者権利条約批准実現のため、障害者の権利を保障するための法体系の全面改定であったはずである。障害者の「施策の客体から権利の主体」への大きなパラダイムシフトであったはずである。そのような情勢に反して、それをぬけぬけと無視してみせたのが今回の法「改正」の本質なのだ。

私たちは、あらためて障害者自立支援法の廃止と障害者総合支援法の撤回を求める。

そして、私たちは、いま、もう一度あのスローガンを思い出す必要があるだろう。

「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」



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