相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームに関する要望書 →厚生労働省

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

精神・障害保健課長 田原克志 様

 

相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームに関する要望書

 

日頃より障害者施策の推進に尽力をくださり、心より敬意を表します。

私たち全国「精神病」者集団は、1974年に結成した精神障害者の個人及び団体で構成される全国組織です。

去る7月26日、相模原市の障害者施設において殺人事件が発生し、8月10日に相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームが厚生労働省に設置されました。当該検討チームには、非公開である上に当事者である精神障害者が入っていません。障害者権利条約前文(o)及び障害者権利条約第4条第3項では、障害者を代表する団体から推薦を受けた障害当事者が合議体・審議会等に構成員として参画することを締約国に求めています。

精神保健福祉法の当事者は、精神障害者です。当事者とは特定の問題の効果の帰属主体のことであり、精神保健福祉法の手続きに基づき入院したり、退院したりする問題の当事者は、精神障害者をおいて他におりません。加えて、精神障害者としての主張をできる――精神障害者という集合アイデンティティを一人称として発言できる――のは、第一に精神障害者の団体であるはずです。貴省におかれましては、当事者である精神障害者の意見を聴く必要性を十分に認識していただきたく思っております。

つきましては、当該検討チームに関する以下の質問にお答えくださいますよう、お願い申し上げます。

 

  1. 当該検討チームは、会議をいつまでに何回程度持ち、どのような対策のビジョンをもって検討する予定であるのか、スケジュールを教えてください。

 

  1. 個人情報を理由として非公開とされているが措置入院の見直しの検討を実施するということは精神障害当事者の生活全般に係る問題であり、国民である精神障害当事者に対して議事を公開する必要があると考えます。個人情報に関わってくる事件の検証が終わり対策を論じる段階になったときには傍聴を受け付け、議事を公開する予定はありますか。

 

  1. 措置入院の見直しの検討を実施するということは精神障害当事者の生活全般に係る問題であり精神障害当事者の意見を聴取して進めなければならないと考えます。精神障害当事者の団体からヒアリングする予定はありますか。

 

2016年8月17日

 

全国「精神病」者集団



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