2019年10月精神障害者権利主張センター絆ニュース抜粋

ごあいさつ

 ようやく秋の気配かと思うと、また真夏日などと、もう日本に四季はなくなったのかと嘆きたくなる毎日が続いています。

皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

6月には恣意的拘禁作業部会のホンさんをお招きして講演会を開催しましたが、その2つ目の意見では、政府への質問に際して「作業部会は、日本政府に対して彼女の身体的、精神的インテグリティを確保するように要請した。」すなわち強制医療や身体拘束隔離などの手段を使い拷問あるいは虐待行為がないようにと要請しているわけであるが、もちろん時すでにおそしということもあります。日本ではまず強制入院はお決まりの手段として身体拘束点滴、ということになっていると言っても過言ではありません。

障害者権利条約委員会は身体拘束や隔離のみならず強制医療そのものを拷問あるいは虐待に匹敵する行為として禁止しています。

もちろん国際的にも世界精神医学会はその機関誌の編集部としてこの障害者権利条約の強制の廃絶に反対はしていますが、日本の専門職はどう対応していくのか。弁護士会も世界が決めた死刑廃止条約から30年ほどたってようやく日弁連として死刑廃止の立場を公にしましたが、強制の廃絶に至るまでまだまだ時間はかかることでしょう。

私の生きているうちに前号でご紹介したヨーロッパ評議会のような決議が国会あるいは政府から出ることを期待できるかどうか、精神障害者そして障害者の運動の力次第と言えましょうが

 

〜千葉銀行との民事訴訟とその背景にある社会的な問題〜

     K. M (千葉)

 

障害者権利条約委員会ロビーイング報告

山本眞理

 

 

ある会員のメールから

 山本眞理

全国「精神病」車集団の古い会員の牧田美保さんがメールを下さいました。以下です。

「眞理さん、8月24日のSMSですが私は『かれらのこうげきはつかれはてたんだと』と誤読していたのです。それで、『かれら』とは権力が疲れ果てるはずはないしどういう事だろうと思って『かれらとは、わたくしたちを苛め抜いたあれ?』と眞理さんに聴き直したら、特定人物の名前が挙がったのであのようなレスをしたのです。しかし、よく考えてみると『これは、恐ろしいことだ。』と思い直したのです。つまり『かれら』は事情を知らない人世間一般では精神医療進歩派改革派でしょう? 権力が具体的に顔と姿をもって眞理さんの前に日常的に現れて生活を妨害するのではなく(部屋に侵入するとか)、『かれら』として眞理さんを消耗させいらだたせあの手この手を使って『苛め抜く』。

『全国精神病者集団の内ゲバ』なんていうものではないです。この浸潤力に生ー権力を感じるのです。(ほぼ直感です)」

さすが仲間はモノが見える。正鵠を射ている。

1993年に全国精神障害者団体連合会ができた頃、全国「精神病」者集団もそのあおりで、反全精連を明確に組織として発言すべし、という立場、あるいは事務局員の中でも全精連に地域患者会として参加していく部分などなどなど、様々な立場での分裂状況が生じた。私と大野萌子は全国「精神病」者集団は全国「精神病」者集団として反保安処分を掲げて闘い続ける、1983年宇都宮病院事件暴露に対しても精神衛生法改正論議はさせない立場を貫くとして、「反全精連」などという立場は取らないと言い続けてきた。ここで決別宣言を出して離れた地域患者会もあり、全国「精神病」者集団はこの時期に分裂したとも言えよう。この時期全国「精神病」者集団解散を主張した関西の団体のメンバーもあり、彼らはその後全精連からも離れたが、結成当初の全精連に参加していった。

その後わたしたちは全国「精神病」者集団として医療観察法案阻止闘争に集中したが、残念ながらこれに敗北し今年2019年は法施行足掛け14年目となる。

こうした流れの中で精神医療改革派の一部にとっては全国「精神病」者集団の精神保健福祉法撤廃の主張、改正論のテーブルには乗らないという立場こそが、精神医療改革の妨害であり、むしろ参加していくことで改革していく道こそという動きが出てきた。大野萌子もなくなりそしてあとは山本眞理のみ潰せばいい、という方針が出てきたことはある意味当然でもある。

WNUSP(世界精神医療ユーザーサバイバーネットワーク)の参加組織として日本障害フォーラムにオブザーバー参加するという地位を得た全国「精神病」者集団をなんとかしたいという精神医療改革派一部の動きは、全国「精神病」者集団の運営委員の一部の積極的接近とともに今回の全国「精神病」者集団の組織的混乱を招いたと言えよう。

いみじくも桐原氏が「大野萌子が改革派精神科医に積極的に近づき」と大野萌子と全国「精神病」者集団を侮辱した文章を書いているが、これこそ彼らの意識の表れであろう。撤廃そして反対で参加しないことは何も生み出さなかった、敗北し続けているというのが彼らの総括であるらしい。

牧田さんの言う通り、これは全国「精神病」者集団の内ゲバなどというものではなく、精神障害者解放運動対精神保健改革派(まあ全てではないでしょうが、全共闘の次の世代と言っていいかも)の対立と言っていいし、国際的にも存在する、障害者権利条約の勝ち取った地平への憎悪と抵抗の動きの一端といってもいいのかもしれない。決して全国「精神病」者集団旧運営委員個人の人格や思想の問題ではないとだけは言っておく。

しかし彼ら改革派の誤算は障害者権利条約の強制の廃絶でしょうが、どんな勧告を得て、「段階的に着実に」とうそぶいて、神棚の上の御札としていく方針かもしれません。わたしたち絆とWNUSPの今後の闘いが問われていると言えましょう。

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