2020年8月 絆ニュース vol.3 No.4 抜粋

ごあいさつ

猛暑の毎日です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

各地の精神病院そして施設などでコロナの集団発生が続いています。今後こうしたところで、障害者高齢者が犠牲になっていくのではと案じられます。

 密集、密閉、密接の三密を避ける、徹底した手洗い、そして人に飛沫を浴びせないためのマスクといった基本を守ることがコロナの予防には重要です。マスクについては炎天下人通りのないところについてはむしろ熱中症を避けるためにはマスクはしないほうがいいそうですが。

安楽死尊厳死ということ言葉が軽々しく使われていること恐ろしいと思います。

「脳死は人の死か」をめぐり、議論された脳死臨調の発足は1990年。2年間の議論が行われ、基本的に臓器移植に際しては「脳死を人の死」とするという結論の下、脳死臓器移植への道が開かれました。私たちは全国「精神病」者集団として、人の死は法律で定めるものではない、本人の自己決定さえあれば死と決定できるのか、自殺は犯罪ではないか、などなど反論しました。また幅広い社会的議論もされました。しかし今やそうした議論は忘れ去られたのか、あっさりと本人の意志、自己決定という言葉の前に多くの人が口を閉ざしているのではないでしょうか。

いまコロナの時代、様々な形で分断が進められています。

どんな障害を持っていようと、あるいは持っていなくとも、高齢であろうが、幼児であろうが私たちはまず人間だ。ピープル・ファーストの旗を高く掲げ分断を許さずにつながっていくことを、そして21世紀は私たち障害者の作った人権条約とともに明けたということを誇りとして徹底して抵抗し闘っていくことが今求められています。

秋口は夏の疲れで体調をくずす方も多いゆえ、皆様もなにとぞご自愛下さいませ。

2020711 医療観察法廃止全国集会報告

山本眞理

 7月11日に東京で開かれた医療観察法廃止全国集会は、コロナの問題もあり、オンライン開催でということになりました。会場も作り、東京会場40名、Zoom40名、大阪の小会場10名ということで合計90名の参加、不幸中の幸いというか、オンライン開催のおかげで特に関西からは普段の集会では参加なさらない方が多く参加してくださったのはよかったと思います。

医療観察法の体験者の発言は非常にわかりやすく医療観察法の運用の問題点を暴露してしていたと考えます。とりわけ彼は65名の自殺者の一人である彼の友人の自死を体験しています。非常に高い自殺率こそこの体制の問題点であることが暴露されたと考えています。

私は東京会場に参加しましたが、音響が悪くほとんど聞こえていなかったのですが、非常に貴重な発言がなされたと考えます。当日は他に北海道の刑務所の隣に建てられる医療観察法病棟について伊藤哲寛さんから、京都に新設されようとしている医療観察法病棟について京都で取り組みを始めている桐原さんから報告、コロナの影響下での精神病院での集団感染の問題を有我さんから、兵庫の神出病院での患者虐待について高見さんからの報告と多角的な報告がなされました。

当日の資料はまとめて公開される予定となっております。ぜひ多くの方に共有していただきたいと思います。医療観察法を許すな!ネットワークニュースにも報告が寄せられると思います。皆様にもご紹介しますのでぜひお読みください。

ある患者の声

M.O

 初めまして、私は現在、名古屋市守山区大森北2丁目1301東尾張病院3病棟に医療観察法により入院しているものです。率直に申しますとまだこの医療観察法ができて15年ということもあり、それに加え、他の先進国に比べ精神科病院だけが患者の扱い方が、何十年と遅れており、障害者に対し、差別偏見があり、ものすごくひどい扱いを受けております。医療観察法そのものが何度も申し上げますが未完成なのです、、、。どうかこの未完成な医療観察法をきちんと見直し、完成した法律に変える議論を先生方のお力で開いて戴きたいです。現にこの法律ができて間もない頃は、法で決められています、およそ1年6ヶ月が退院の目安で、それにのっとり、ほぼ全員が1年6ヶ月ほどで退院していたと医療観察法に詳しい弁護士から聞いて存じております。ですが現に、私は看護師に差別と偏見の目で見られ挨拶もしてくれずもう2020年5月現在2年3ヶ月が経ちますが、入院して1年8ヶ月経った頃、担当看護師に向かい3回(担当を変われ、担当を変われ、担当を変われ)とドナリ、その直後冷静になり(申し訳御座いませんでした、、、)と周りの看護師にあやまり、自ら自室に戻ったのですが、保護室に2ヶ月ほど軟禁され、階級も回復期から急性期に落とされ、プログラムも初めからやり直しになり、何もかもが1からやり直し、入院当初の状態になり、今やっと回復期で1度目の院内散歩が終わった段階なのです、、、。病状も良好で生活も礼を尽くし真面目にやっているにも関わらずです、、、。他の人々もバラツキはありますが、大体2から4年ほどで退院されているようです。中には10年近くいる方も聞きます。きちんとこの法律を見直し、法のできた当初のおよそ1年6ヶ月でプログラムを終了させ、どうしても時間のかかる人にも満期日を決めていくよう、それから長期にわたる保護室での軟禁をなくすように、議論をしていただけないでしょうか。どうかよろしくお願いいたします。無知無学にて乱筆乱文をどうぞお許しください。この件を国会に提言の程どうぞよろしくお願いいたします。

  • 私は他の患者と何ら関わらず生活していますのに、私を孤立させようと、私がホールに出ると看護師が寄ってきて部屋に戻そうとします。
  • 保護室に居られる、私となんも利害関係はない人も私だけしゃべらせずとても気まずいです
  • 手紙も本当に投函されているかも怪しく、来ても渡してくれているかもわかりません。一度宅急便の袋が開けられた状態で届きました。
  • 知人から電話が来ても、電話があったことすら知らせてもらえないのです。

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