ごあいさつ
秋雨前線で冷たい雨の中、うつうつとしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。皆様いかがお過ごしでしょう。
障害年金受給中だった方から打ち切りの知らせやら、10月から生活保護基準引き下げやら逆風の秋です。精神保健福祉法改悪案もとりあえず廃案となったものの、実態は進行中であり、法案の参考とされた兵庫県、他に広島県、宮城県では退院後の個別支援会議に警察が入っており、さらに4月からは法案に沿った形の施行事業が埼玉で始められ、3月には福岡市でも措置入院退院後の方の個別支援会議に警察の参加があることがわかりました。
一方NHKの報道では三田市事件、寝屋川事件といった障害者監禁事件は、精神障害者や知的障害者の暴力が原因として盛んに地域での専門家による支援体制強化が主張されています。なぜ障害者の暴力だけが問題にされるのかやはり精神疾患や障害が暴力の原因という医学モデル・個人モデルが強調され、したがって専門家による治療や支援の強制が正当化されていくという論理でしょう。暴力は果たして障害者の側の問題だけか、関係性は問われないのか、そしてむしろ家族による暴力の正当化根拠として強調されていないか、暴力の相互のエスカレートはないのか、などの視点はありません。とりわけ9月20日NHKクローズアップ現代では加害者の父親の完全な開き直りの発言が報道され、ひたすら大変な障害者に家族が困っている、というキャンペーンがなされました。
また「反保安処分闘争は誤りであった。むしろ精神医療を治安の道具にしないためにこそ裁判所による保安処分を」という主張も精神科医の中から出てきています(『相模原事件はなぜ起きたのか』井原 裕 批評社)
障害者権利条約を勝ち取った私たちの40年近い闘いがいま正念場を迎えているといっていいでしょう。
次号から三種が取れてページ数増やせると思いますのでよろしくお願いいたします