Personal Ombudsman in Tokyo 3月2日、3日

意 思 決 定 の パ ラ ダ イ ム 転 換 と 強 制 医 療 の 廃 絶のために
権 利 条 約 1 2 条 ・ 1 4 条 の 完 全 履 行 の 方 法

3月2 日(土)~3月3日(日)
主催: 特定非営利活動法人 自律支援センターさぽーと

Personal Ombudsman(略して PO)は、スウェーデンで実践されてきた精神障害のある人の自己選択と地域生活を支える方法です。その創始者の一人である Maths Jesperson さん はご自身の経験から、精神障害のただなかにある人は、未知のジャングルにたった一人迷い込 み、猛獣に襲われるかもしれない不安の中いるような状態で、PO はその人と力を合わせてそ こから抜け出す道を見つける役割をするものだと喩えています。PO は対話を何より大切に し、本人の視点から世界を見て一緒に解決の道を見つけていくことによって、成年後見や強制入院のように本人の意思を踏みにじる非人間的な支配と強制を廃絶させる道を拓く手法です。

Personal Ombudsman

Personal Ombudsman は、スウェーデンの精神医療改革で1995年にパイロット事業とし
て始められ、すでに25年近い実践の積み重ねの中で有効性が実証されてきた手法です。PO は、 医療や行政などの機関からの独立性を守り、徹底して本人の意向に従った支援をしていきます。そのためには、なによりも、本人との信頼関係を作ることが重要で、例えば引きこもっている人に手 を届かせ、対話を開き、信頼が得られるまで待つことに耐え、十分な時間をかけて関係性を作り上 げていきます。本人との対話による信頼関係の形成を妨げる「権力性」と「官僚化」を避けるため に、事務所の設置や複雑な手続、文書主義を一切排除して、24時間、365日オープンな状態でクライアントを受け入れる態勢をとっています。クライアントと PO の関係性がしっかりと作られ ていくと、住居や就労などの実生活のこともさることながら、人生のあり方や性や家族の問題など その人の実存にかかわるような根源的な対話が広がっていきます。それは精神障害からの回復と地 域での生活を安定して営んでいくための土台を築く役割を果たすものになります。

Jungle Model は、「狂気(madness)から抜け出す ― それは『普通の人生』に戻ること を意味するのではなく、新たな人生へと進んでいくことを意味する ― 私自身のきびしい経験か ら得たモデルである。・・・ジャングルは危険な場所であり、進むべき道もなく、案内図もなく、 人はそこで野生動物や多くの罠に取り囲まれている。ひとたびそこに立ち入ると、抜け出す道を見 つけることは困難であり、抜け出す道を永遠に失ってしまう危険が常に存在している。逆戻りする 道はなく、他の方向に出口を見つけるしかない。この旅には同伴者がいるとよい。出口を知ってい る専門家ということではない。・・・歩きながら誰かと自分の考えやアイデアを話し合うことはよ いことである。この同伴者はジャングルからその人を引きずり出そうとしてはならない。それは不 可能である。そのかわりに、同伴者自身もジャングルに立ち入り、本人がいる場所、そこが同伴者 にとっては未知の現実であっても、そこに通じる道を作らなければならない。同伴者の主たる任務 は、本人の経験を受容し、それについて対話し(dialogue with it)、本人がいる場所からジャン グルを出る旅を始めることである。」(Maths J. “PO 支援付決定の一方法として”より)

研修の内容

スウェーデンの中でももっとも先進的に PO を行ってきたスコーネ県から、PO の創始者の一人である Maths Jesperson さんと、PO スコーネの CEO の Camilla Bogarve さん、ピアサポー トをはじめとした当事者活動を行っている Rosmari Emanuelsson さんから、(1)PO の入門 編、(2)PO の理論と実践、(3)強制入院をなくしていくための PO の活動、4)成年後見から支援付き決定への転換を図るための PO の活動について、2日間じっくりとお話を聞き、さらに、日本での実践のためにどのようにしていったらよいか、参加者全員と講師陣の間での討論を行いながら進めていきます。英語でお話しいただき、逐次通訳がつきます。

会場

【大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター】
東京都港区麻布台1-11-5東京麻布台セミナーハウス

所在地・アクセス | アジア太平洋研究センター | 研究・社会貢献 | 大阪経済法科大学

大阪経済法科大学のWEBサイト。経済学部経済学科・経営学科、法学部法律学科、国際学部国際学科、大学院経済学研究科の3学部4学科1研究科を設置。キャリア形成と就職支援の確かさは、高い就職率や公務員採用試験・資格試験での数々の実績で実証されています。


●東京メトロ日比谷線 神谷町駅下車、1番出口から地上に出て左、道なりにまっすぐ歩いて約5分

講師プロフィール

マッツ・ジェスパーソン(Maths Jesperson)

スウェーデンで80年代から当事者活動を行い、ピアサポートなどを実践し てきた。90年代から PO の試行事業を行い、PO の主導的な立場を担っ てきた。現在は、障害者権利条約12条3項の実践的な方法として、国連 での講演のほか、世界各地で講演している。彼が提唱するジャングル・モ デルは、PO のあり方の一つを説明するモデルになっている。

カミラ・ボガルヴェ(Camilla Bogarve)

PO スコーネの経営責任者、精神科リハビリテーションとリカバリー志向の 援助付き雇用(IPS モデル)を米国の大学で学ぶ。地域ベースの精神障 害者支援と就労の実務経験を積む。PO 以外にもリカバリー、精神科リハ ビリテーション、支援付き雇用、教育支援、ケースマネージメント関連の団 体や事業の専門相談、教育、スーパーバイズも行っている。

ローズマリー・エマニュエルソン(Rosmari Emanuelsson)

食品科学修士で、精神保健上の問題を経験したことがあり、現在は、精神障 害のある人をサポートするプロジェクトに従事している。そのプロジェクトは「パ ワー転換」を求めるもので、親やサービス提供者、スタッフが、すべての関係 者に利益をもたらす新たな役割を引き受けるようにするものである。ウィリア ム・シュッツの集団の対人的相互行為論も彼女の活動のベースになっている

スウェーデン南部のスコーネ県(約35万平方キロ、人口55万人、15市町村からなる)にある PO スコーネは、リカバリー、エンパワーメント、参加、良好な生活条件をサポートすることを目的とする NPO で、22人のスタッフがおり、 うち1名のピアサポーターを含む18名の PO がいる。年間400人をサポートしている。

研修スケジュール

3月2日

3月3日

9:30~10:30

PO とは何か・入門編

PO による強制入院の回避

Café Break

Café Break

10:45~12:00

PO とは何か・入門編

PO と強制入院についての討論

Lunch

Lunch

13:00~14:15

PO の理論と実践

PO による決定支援

Café Break

Café Break

14:30~16:00

PO の理論と実践

PO と成年後見についての討論

●募集人員:50 人

●申込締切:2月15日(下記メールか郵送でお申し込みくださ い)

メール aoffice@giga.ocn.ne.jp
郵 送:〒113-0033 東京都文京区本郷3-18-11-302 東京アドヴォカシー法律事務所

※ 別紙申込書をお使いください。メールの場合は申込書にある必要事項をお書きくだされば結 構です。※ 締切日以前でも定員に達し次第募集を締め切ります。

●受講料:3,000 円(2/15までにお振込みください。)

振込先:三菱東京UFJ銀行 本郷支店 (普通)4659780
特定非営利活動法人 自律支援センターさぽーと 理事 杉浦毅和(スギウ
ラ ヨシカズ)
※申し込みと受講料振込をもって申込み完了といたします。振込手数料は個人でご負担くださ い。
※キャンセルの場合は2/25までにご連絡くだされば返金します。振り込み手数料は個人持ち でおねがいします。ご了承ください。
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