優生保護法による不妊手術問題での救済法案に関する意見書(案)について

2018年12月26日

関係政党代表各位

優生保護法の問題に関する意見交換会

優生保護法を考える新潟の会準備会

青木  学(新潟市議会議員)

朝倉安都子(女のスペース・にいがた代表)

池田千賀子(前新潟県議会議員)

石附 幸子(新潟市議会議員)

太田 信一(新潟県精神障がい者親の会)

黒田  玲(新潟県人権・同和センター理事長)

近藤 正道(弁護士)

高野 秀男(新潟水俣病共闘会議幹事長)

内藤 織恵

(新潟市精神障害者自助グループココカラ代表)

西澤 真知

(ウイメンズサポートセンターにいがた代表)

野田 尚道(東岸寺住職/村上市)

長谷川 均

(部落解放同盟新潟県連合会執行委員長)

藤野  豊(敬和学園大学教授)

牧野 茂夫(連合新潟会長

:日本労働組合総連合会新潟県連合会会長)

まゆずみただし

(巣立っ子診療所医師/障害児を普通学校へ

全国連絡会世話人)

室橋 春季(新潟県人権・同和センター事務局長)

桑原 行弘(「同和問題」にとりくむ新潟県宗教

教団連帯会議議長)

横山 陽子(新潟ヘルプの会代表)

事務局:新潟県人権・同和センター

室橋春季

〒951-8133 新潟市中央区川岸町2-11-4

高校会館1F

TEL 025-211-4740  FAX 025-211-4739

hum-ngt@mvh.biglobe.or.jp

優生保護法による不妊手術問題での救済法案に関する意見書(案)について

師走の候、皆様に於かれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

さて、皆様のご努力により、通常国会に旧優生保護法による避妊手術を強制された方々への救済法案が提出されると伺っています。与党PTと超党派議連とでの法案一本化され、法案策定作業がすすみ、救済法案に関する基本方針案が示されました。

ただ、いま策定中の救済法案について、私たちは疑問視せざるを得ません。

そもそも、救済法案には下記の2点が盛り込まれた総合的な被害者救済法が制定されるものと期待しておりました。①日本国憲法の下で優生保護法が制定された原因と背景、政府内でも「人権問題ではないか」と指摘されていながらも、1996年(平成8年)まで優生保護法が存在した原因や背景についての検証を含むこと、②二度と優生政策を取り組むことのないように、同じ過ちを繰り返さないための啓発を含むこと。

しかし、基本方針案からすると、準備中の法案は一時金支給法案でしかありません。

そこで、法案の策定に参加している各政党の皆様に、私たちの意見を右記の通り申し述べるものです。

是非、ご考慮いただきますよう、お願い致します。

1.一時金支給法ではなく総合的な犠牲者救済法を策定されたい。

2.総合的な犠牲者救済法には以下の内容を盛り込まれたい。

①検証について

優生保護法が施行されていた期間の証言を発掘し、検証すること抜きに、お詫びや反省は成り立ちません。優生保護法のもとでどの様なことが起っていたかについて行政が明らかにする責務を法律も盛り込むことです。

1996年(平成8年)に優生保護法が廃止されましたが、その頃に30歳の人は52歳です。都道府県や市町村で担当職員であれば、まだ現役職員ですので当時のことについて証言していただくことは可能なはずです。さらに、特に、県内では地域保健推進員が力を発揮したようです。その取り組みに関わっていた保健師や民生委員の方々の中には、22年前まで続いた優生保護法に基づく取り組みについて、よく知る方もいるはずです。被害を受けないまでも当事者やその家族、関係者は今も大勢いるはずです。証言の発掘は不可能なことではないと考えます。

②責任の所在について

お詫びするのであれば、責任の所在を明らかにするすることです。つまり、国が人権問題との認識を国会で明らかにした以降も、優生保護法を放置した事実を盛り込み、その責任の所在を明記する必要があります。なぜ放置したのかを明らかにし、どの様な方々がどの様に関わって取り組まれてきたかを明らかにする作業が重要です。

一時金支給法案の基本方針案では「われわれ」との記載にまとまりそうですが、一時金支給法案にあっても「われわれ」とは、「われわれ」の総体としての執行機関は行政であるとの見解を明らかにし、さらに総合的な救済法の中で責任の所在について明記することを求めます。

③啓発について

啓発活動の推進を明記し、二度と優生政策の過ちを繰り返さないようにすることです。未来に向けての啓発活動は重要です。啓発を総合的な救済法に盛り込むことを求めます。

④地方公共団体の責務について

国が反省し、お詫びして取り組むのであれば、国の指示に従った都道府県と市町村の責務とすることを盛り込まなければなりません。地方公共団体が一定の役割を果たしていたはずです。地方公共団体の責務を総合的な救済法に盛り込むことを求めます。

⑤相談体制の充実について

都道府県だけでなく市町村での相談窓口、弁護士会等による相談体制を保障することが重要です。一時金支給法での申請のあり方との関係でも、丁寧な相談体制を背景にしないと、偏った救済になりかねません。とりあえず、一時金支給法について全国津々浦々で充実した相談体制でのぞむことを盛り込むように求めます。

さらに、総合的な救済法では相談体制の整備が極めて重要ですので、是非盛り込むように求めます。

詳細・連絡先 025-211-4740(新潟県人権・同和センター室橋:休日夜間は室橋の携帯に自動転送)

以 上

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