相模原障害者施設殺傷事件被告への死刑判決を避けてください
2020年3月11日
精神障害者権利主張センター・絆
わたしたちは全国の精神障害者団体個人の連合体です。
わたしたちは死刑そのものに反対してまいりました。相模原事件の被害者とりわけ被害者のご遺族の怒りと悲しみは私どもの想像を絶するものと思います。そして被告の意思疎通できない障害者は殺すべきだという主張に基づく大量殺人をわたしたちは決して許してはならないと考えます。
しかしU被告は死刑判決を受け処刑されるべきでしょうか。
一体なぜあのような大量殺人が起きたのか、なぜU被告はそれこそが正義と信じたのか、それをわたしたちは知りたいと思います。そして彼には自分の引き起こしたことと向き合い、なぜなのかを考え抜きそして一生をかけて捉え返していくことを求めたいと思います。それこそがあのような事件を二度と起こさないために必要なことでではないでしょうか。
生きるに値しないとして障害者を抹殺し、さらに生まれてはならないとして、障害者に対して中絶手術や不妊手術を強制してきた、そして今も強制している優生思想そのものを、わたしたち精神障害者は決して認めることはできません。
国家がそして社会が生きていていいものと生きてはいけないものを峻別しするという発想こそが障害者抹殺を生み出しました。そして死刑制度もまた生きていてはならない人を選び国家によって抹殺する制度です。
U被告の障害者は殺すべきだという発想と彼を処刑すべきだという発想は実は同じではないでしょうか。
わたしたちは死刑制度を否定する立場からも彼の死刑判決を認められません。
厳しい判断を迫られる裁判員の皆様にぜひわたしたち精神障害者の思いを聞いていただきたく文章をお送りいたします。
U被告に死刑判決をださないよう伏してお願いいたします。