医療観察法と再犯防止推進
~今、何が起きているのか~
2018年12月2日 医療観察法を廃止しよう!全国集会講演録
石塚伸一 (龍谷大学法学部教授・犯罪学研究センター長)
素人は刑事司法というと、非常に厳密に運用されていると考えがちではあります。しかし石塚さんのお話による、刑罰がどのように運用されていくのかは、その時時の制作的判断、財政的理由、はては医療観察法施設の空床の余裕などなどによって非常に恣意的に運用されていることが暴露されたお話でした。
そして再犯防止というスローガンのもとに無機系の終身刑化、医療観察法の長期化などなどこの流れをどう見ていくのか。ドイツの刑が終わってからの拘禁を認めている保安処分施設の実態は、処遇も自由そして居室も非常に広い、なぜか。将来高齢になって車椅子利用者になったときのため!
犯罪に対して刑罰というのではなく、今犯罪行為をする前に危険だろうということで拘禁するシステムに変わりつつある。精神に障害があって、将来犯罪を犯す危険性のある人、そういう人を再犯者と読んで手厚い保護をする。長期収容や地域でのコントロールという方向に進んでいる。
ウィルヒ・ベックの言う『危険社会』。保険数理的な指標によってリスクを決め、政策の正当化根拠となる時代。(『危険社会 新しい近代への道』U.ベック:著, 東 廉:訳, 伊藤 美登里:訳)『危険社会』という新たな段階の社会のあり方の中で精神障害者がいわば危険人物としてマークされ予防拘禁されていく、逆に言えば危険人物は精神障害者とされ予防拘禁されていくという実態を暴いていく講演だったと考えます
ぜひご一読を
A4版 20ページ
頒価 200円(送料 1部210円、2部250円、3~10部310円)
発行 心神喪失者等医療観察法をなくす会/国立武蔵病院(精神)共生・隔離入院施設問題を考える会/認定NPO大阪精神医療人権センター/心神喪失者等医療観察法(予防拘禁付)を許すなネットワーク
お申し込みは山本まで
nrk38816@nifty.com
医療観察法に批判的関与を継続している精神科医中島直さんの講演録もぜひ
「医療観察法は廃止されるしかない ーー批判的関与の現状と課題ーー」
A4判 28ページ
1冊 300円 (送料 1部210円)