6月 30日 (土曜日)
13:30 ~ 16:30
立教大学池袋キャンパス5号館1階5121教室
説明:昨今、年齢や性別、人種、宗教、障害や性的指向などに関わらずすべての人々の人権が擁護され、それぞれが同じ価値と可能性を持てるようになる「多元的共生社会」を積極的に目指す動きが広まっている一方で、国から不当な仕打ちを受けても声すら上げられず、ひっそりと生きてきた人たちがいます。旧優生保護法下において強制的に不妊手術を受けさせられた人々もその中に含まれます。
2018年1月末、宮城県の被害者が、国家的人権侵害に対する国家責任と損害賠償を求める訴訟を全国で初めて起こし、北海道や東京都の被害者もそれぞれ裁判所に提訴しました。これを受け、超党派の国会議員連盟が発足し、各県・市議会でも、かれらへの支援の輪を広げはじめました。そこで社会福祉研究所では、これまで声を上げることすらできなかった被害者の方々を支え、旧優生保護法の問題点を改めて考えるとともに、今なお残っている優生思想の影響を払拭することを目的に、本講演会・討論会を開催します。
講師
立命館大学教授松原洋子氏
筑波大学第二学類生物学類卒業、東京大学大学院理学系研究科課程前期課程修了、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程後期課程修了。現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。専門は科学史・生命倫理学・科学技術社会論。近現代の生物学・生命科学・医学と関連技術について、特に生殖、病気、障害に関わる争点と社会との関連に注目しながら、研究を進めている。
日本生命倫理学会常任理事、日本学術会議第22期・23期・24期連携会員などの役職も多数務めておられ、優生学関係の著書・論文等も多数著している。
仙台弁護士会所属弁護士新里宏二氏
中央大学法学部法律学科卒業。旧優生保護法下で強制不妊手術を受けさせられた人たちに寄り添い、国家の責任と被害者への損害賠償を求める全国初の訴訟を起こした宮城県内の原告女性を支える弁護団長を務める。また、北海道・東京などでも訴訟が起こされており、全国弁護団の代表も務めている。
指定討論者大橋由香子氏
中央大学法学部法律学科卒業。旧優生保護法下で強制不妊手術を受けさせられた人たちに寄り添い、国家の責任と被害者への損害賠償を求める全国初の訴訟を起こした宮城県内の原告女性を支える弁護団長を務める。また、北海道・東京などでも訴訟が起こされており、全国弁護団の代表も務めている。フリーライター・編集者、非常勤講師。「優生手術に対する謝罪を求める会」メンバー。著書に、「避妊や中絶をめぐるタイムトンネル」『日本のフェミニズム』(北原みのり責任編集、河出書房新社、2017所収)、「人口政策の連続と非連続―リプロダクティブ・ヘルス/ライツの不在」(西山千恵子・柘植あづみ編著『文科省/高校「妊活」教材の嘘』論創社、2017所収)、など。
主催:立教大学社会福祉研究所(r-fukushi@rikkyo.ac.jp, 03-3985-2663)