国連自由を剥奪された誰もが法廷の手続きに持ち込むための権利についての救済と手続きに関する基本原則とガイドライン

2018年11月29日

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17 基本原則とガイドラインの範囲は明白で、逮捕されあるいは犯罪の告発により拘禁されたいかなる人の権利から、裁判官あるいはほかの司法当局の前に迅速に連れて行かれる権利、そして合理的時間内に裁判を受けまたは釈放される権利までである。
○ 17 基本原則とガイドラインの範囲は、逮捕されたもの又は刑事罰のため拘禁を受けている者が即座に裁判官又は他の司法当局の面前に在り、そして合理的な期間内に裁判を受け又は釈放される権利とは異なるものである

以下山本眞理邦訳 2019年5月29日 最終版
英語原文はこちら

国 連                                 A/HRC/30/37

総 会                                  一般:配布
2015 年 7 月 6 日

オリジナル:英語

第 30 回期 議題 3 すべての人権、開発への権利をも含む市民的、 政治的、社会的文化的権利の促進と保護

恣意的拘禁作業部会報告書
国連 自由を剥奪された誰もが法廷の手続きに持ち込むための権利についての 救済と手続きに関する基本原則とガイドライン

訳:山本眞理

要約
 人権理事会は、人権理事会決議 26/16 により、恣意的拘禁作業部会に 2015 年末までに、
法廷が遅滞なくその拘禁の合法性を決定し、そして不法であるとしたらその釈放を命じる ために法廷の手続きに持ち込むことができる、逮捕あるいは拘禁されたすべての人の権利 についての、救済と手続きの基本原則とガイドラインを起草するよう要請し、この報告書 はその要請により提出された。「国連 自由を剥奪された誰もが法廷の手続きに持ち込むた めの権利についての救済と手続きに関する基本原則とガイドライン」は、この報告書に添 付されており、国際法や国際基準そして優れた慣行と認識されるものに基づくもので、国 家に対して、国際法に従って、恣意的な自由の剥奪を避ける義務を果たす指針を示すこと を目指している。

1. 自由を剥奪された誰もが法廷の手続きに持ち込む権利、すなわち遅滞なくその拘禁の合法 性について法廷が決定するために、そして異議申し立てに成功し適切な救済を得るために、法 廷の手続きに持ち込む権利は、各条約体と各特別報告者の報告書や訪問調査、地域の人権メカ ニズム、各加盟国の国内法と国内法廷の審判も含み、国際的地域的人権文書、国際司法裁判所 の審査、国際的人権メカニズム、において広く認知されている。

2. 法廷で拘禁の合法性に異議申し立てするのはそれ自体独立した人権であり、それがなけれ ば人権侵害となる。これは、秘密の拘禁、追放、強制失踪あるいは拷問そして残虐で非人道的 あるいは品位を汚す処遇や刑罰を含む、恣意的逮捕、拘禁から、個人の自由とインテグリティ を保護する目的で作られている司法的救済である。そしてこれはまた被拘禁者の所在の特定と健康状態を確認する手段でもあり、自由の剥奪を命じあるいは実行した当局を特定する一手段
でもある。

3. この司法的救済は民主主義社会における正当性を維持するためには必須のものである。自 由を剥奪されたいかなる状況においても、異議申し立ての成功により釈放される権利を持つこ とを含め、遅滞なくそして例外なく適切な救済と賠償をもたらす、この個人の自由の基本的セ イフガードを有効に行使できることは、国家によって保障されなければならない。多数の国際 的そして地域の人権組織と文書は、法廷手続きに持ち込む権利保障をいかなる環境においても 国家の逃れることのできない離脱不能な義務とする立場を強く主張してきている。恣意的拘禁 作業部会はすべての国家に対し、国内法にこの立場を組み込むことを要請している。実際には、 法廷での手続きに持ち込む権利の有効な行使を確保する、包括的で強固な国内法の枠組みの欠 如が、自由を剥奪された人々の保護に関して格差をもたらしている。

4. この観点から、人権理事会は決議 20/16 において作業部会に、法廷が遅滞なくその拘禁の 合法性を判断でき、そしてもしそれが合法でなければ釈放を命じるための、逮捕や拘禁により 自由を剥奪された誰もの救済と手続きの権利について、基本的原則とガイドライン草案を提示 するよう求めた。作業部会は人権理事会の要請すなわち、加盟国、関連する国連機関、国家間 の組織、条約体、とりわけ人権委員会、他の特別報告者たち、国内人権機関、非政府組織と他 の利害関係者の見解を求めるという要請に緊密にしたがった。2013 年に作業部会は、関連す る法的枠組みにおいてそうした手続きに持ち込む権利の詳細について問うアンケートを関係者 に配布した。

5. 作業部会は法廷で拘禁の合法性と恣意性について異議を申し立てる権利に関する、国際的、 地域的そして国内的な法の枠組みについての報告書を、人権理事会 27 会期に提出した(A/ HRC/27/47)。この報告書で、作業部会は法として受け入れられている一般的な慣行を文章化 し、さらに国際法の要請を適用した最善の慣行を文書化した。加盟国と他の利害関係者は文書 が採択される最終セッションまで作業部会が使える資料を付け加えるため、意見提起を行い続けた。

6. 2014 年 9 月 1 日と 2 日に、作業部会は法廷の手続きに持ち込む権利そして遅滞なく適切 な救済を得る権利の範囲と内容を推敲するために、そして利害関係者が基本的原則とガイドラ インの作成に貢献できるよう、専門家をジュネーブに集め世界規模の協議の場を開いた(附属 書を参照)。この背景資料は理事会に提出した報告書(A/HRC/27/47)を活かしたものである。 この報告書は法廷の手続きへ持ち込む権利の意味ある行使を確保し、国家の実体的・手続き的 義務を定めようとするものであり、そして現在の各義務の実施における国家実行について、い くつかのよき慣行に焦点を当てたものである。

7. 基本原則とガイドラインは、国際的基準と優れた慣行と広く認められているものから引き 出されたものであり、その目的は、国家に対して、法廷における手続きに持ち込む権利につい て定める法律と手続きが則るべき基本原則およびその実効的な行使にとって必要とされる要素 についての指針を提供することである。

8. この基本原則とガイドラインにおいて、「すべての者」「誰でも」あるいは「いかなる人も」という用語は、人種、肌の色、性、財産、出生、年齢、国籍、民族的あるいは社会的出身、言語、宗教、経済的条件、政治的あるいは他の意見、性的指向、あるいはジェンダーアイデンティ ティ、障害あるいは他の地位、そして平等を基礎として人権の享受を傷つけることを目的とし ているかあるいは結果として傷つけるいかなる根拠ともなる他の地位に基づく差別なく、すべ ての人間を意味する。それは少女と少年、兵士、精神障害者そして知的障害者を含む障害者、 レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、そしてインターセックスの人々、 その法的地位と関係なく移民、難民と難民申請者、国内避難民、国家を持たない人、人身売買 されたそしてされそうな危機にある人、犯罪を告発された人あるいは刑が確定した人、そして テロ行為を準備、実行あるいは扇動した人あるいはその容疑がある人、ドラッグユーザー、認 知症のある人、人権擁護者と活動家、高齢者、HIV/AIDS そして他の深刻な伝染病や慢性の病 気とともに生きる人、先住民、セックスワーカー、国籍、民族、文化、宗教そして言語のアイ デンティティに基づくマイノリティを含んでおり、しかしそれに限定されることはない。

9. 自由の剥奪とは自由な同意を欠く。この基本原則とガイドラインの目的のために、「自由 の剥奪」は最初の身柄拘束から逮捕に至るまで、そして未決及び既決の拘禁の期間をカバーし ている。自由の剥奪は、保護のための拘禁という一時的な強制収容、あるいは駅や港、空港で の国際的あるいは乗り換えゾーンにおける一時的強制収容、自宅軟禁、労働リハビリテーショ ン、その在留資格に関わりなく移民、難民や難民申請者、そして国内避難民を含む外国人の認 知されている者と認知されていない者を含むセンターへの抑留、人々が継続的な監視のもとに 置かれ、個人の移動の制限のみではなく、また事実上の自由の剥奪が行われている、集中セン ター、病院、精神科あるいは他の医療施設あるいは他のいかなる施設へ個人が置かれることを も含んでいる。また武力紛争の間そして緊急状況における拘禁、保安上の理由による行政的拘 禁そして国際人道法のもとで民間人の抑留者とみなされる個人の拘禁をも含んでいる。

10. この基本原則とガイドラインにおいて、「恣意的」とみなされる自由の剥奪は以下のケー スである。
⒜ 自由の剥奪を正当化するいかなる法的な根拠も見出すことが明らかに不可能な場合(刑 期満了後も拘禁が続いている場合、あるいは被拘禁者に恩赦が適用できるにもかかわらず拘禁 が続いている場合、あるいは有効な交戦状態の中止のあとにも捕虜として拘禁された人の拘禁 が継続している場合など)
⒝ 国連人権憲章の 7、13、14、18、19、20 そして 21 条で保障されている権利や自由の行 使の結果として自由の剥奪が行われている場合、加盟国が関与している場合は自由権規約の
12、18、18、21、22、26 そして 27 条で保障されている権利や自由の行使の結果として自由 が剥奪されている場合
⒞ 世界人権宣言と当該国が関連する国際法を受け入れている場合には、それらで確立して いる公正な裁判の権利に関する国際的基準に全面的にあるいは部分的に反しており、これによ り自由の剥奪は重大な恣意的な性格を持つ場合
⒟ 難民申請者、移民あるいは難民が、行政的あるいは司法的な審査と救済の可能性なく長 期間の行政的な拘禁を強いられている場合
⒠ 自由の剥奪が、出生、国籍、民族的あるいは社会的出身、言語、宗教、経済状態、政治 的あるいは他の意見、ジェンダー、性的指向、障害あるいは他の地位に基づく差別、そして人 権の平等を無視することを目的としているか、あるいはそうした結果をもたらしかねない差別 に基づくものとして国際法違反を構成する場合

11. 慣習国際法のもとでの恣意的自由の剥奪の定義と範囲に関する、デリバレーション No.9
(A/HRC/22/44,paras.37-75 参照)において、作業部会は恣意的自由の剥奪のすべての形態の 禁止をその不変の法理として再宣言し、そしてそれは法として受容された一般的慣行として、 慣習的な国際法を構成し、絶対的な基準(強行規範)であると論証した。2013 年の年次報告(A/ HRC/27/48)において作業部会は、自由の剥奪において恣意性を禁じるためには、すべての 人の自由の剥奪がいかなる手段であれ、その合法性、必要性、均衡性について厳しい審査が求 められると宣言した。この審査基準は法的手続きのすべての段階に適用される。第 22 回人権 理事会における相互的対話において加盟国はこのデリバレーションの結論に対し一般的な支持 を表明した。この基本原則とガイドラインは国際司法裁判所の判断によって導き出された基準 を採用している。これは 2012 年 7 月 2 1日の判断であり、絶対的基準としての拷問の禁止(強 行規範)を確認した訴追あるいは犯人引き渡し義務に関連した質問についてのものである(ベ ルギー対セネガル)。恣意的拘禁の禁止は国際的実践において広く支持されているものであり、 また諸国家の法的確信に基づくものである。数多くの国際的文書においても普遍的に採用され ており、ほぼすべての国家の国内法においても取り入れられている。すなわち、恣意的拘禁は 国内的また国際的な法廷において正式に非難されている。

12. この基本原則とガイドラインの目的のために、自由の剥奪がそのような法の根拠がなく また法により確立された手続きに従っていないとき、自由の剥奪は「不法」とみなされる。そ れは、国内法に違反している拘禁のみならず、世界人権宣言、国際法の一般原則、慣習国際法、 国際人道法、そして当該国が受け入れている関連する国際人権文書についても同様に、それら に違反している拘禁の双方について当てはまる。またそれには当初は合法であったかもしれな いが、懲役判決の期間すべてを終えている個人が判決の刑期に続いて再拘禁されていたがゆえに、あるいは当初正当化された拘禁についての状況が変化したがゆえに、不法となる場合も含まれる。

13. 自由の剥奪の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち込む手続きの権利行使、 そして遅滞なく適切でアクセシブルな救済を得る権利行使を定めるのに、それぞれの国家は異なったモデルを採用している。特定のモデルを原則とガイドラインは支持していないが、国家は法律と実践においてこの権利保障をすることを奨励されている。

14. 基本原則とガイドラインは、 国家は自由を剥奪された人に提供される手続き的セイフガードの確立および/または強化のための様々な措置を取るべきであるという認識に基づく。

15. 作業部会は、国際連合の人々の決意として述べている「正義と条約その他の国際法の源 泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立」という国連憲章前文を想起す る。国際連合の目的の一つは「国際平和と安全の維持」であり、そして、その目的のために「平 和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措 置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整または解決を 平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること」。さらに、憲章の 2 条 によれば「すべての加盟国は、国際連合がこの憲章に従ってとるいかなる行動についても国際 連合にあらゆる援助を与え」るとある。作業部会は多数の安全保障理事会の決議、決議 2170(2014 年)を含む、加盟国の国際法のもとでのすべての義務に従う決議、とりわけ国際人権法、難民と国際人道法、有効な反テロリズム措置と、人権、基本的自由そして法の支配の尊重は互いに補足し相互に補強することを強調する。

16. 自由を剥奪されたとき特定のグループはより無防備であることを認識し、基本原則とガ イドラインは、女性と少女、子ども、障害者そして、法的地位にかかわらず移民、難民、難民 申請者と国家を持たない人々に対して特別の条項を定めている。

17. 基本原則とガイドラインの範囲は、逮捕された者または刑事罰のため拘禁を受けている 者が即座に裁判官または他の司法当局の門前にあり、そして合理的な期間内に裁判を受け、ま たは釈放される権利とは異なるものである。

18. この原則とガイドラインは決して、人の自由と安全に適用される、現行の国内法そして 規則と国際的あるいは地域的人権条約または規約において提供されているものより、低水準の 保護を提供しているとして解釈されてはならない。

付属書

自由を剥奪された人が法廷の手続きに持ち込むための権利についての救済と手続きに関 する基本原則とガイドライン

Ⅰ. 原則

原則 1 恣意的あるいは不法な自由の剥奪からの自由の権利
1. 誰もが恣意的あるいは不法な自由の剥奪から自由である権利を持っているのであるから、
法廷が拘禁の恣意性と合法性について判断することを求め、法廷での手続きを取る権利と遅滞 なく適切でアクセシブルな救済を得る権利を誰もが保障される。

原則 2 国家およびその他の責任
2. 国内法体制は、適用可能なところでは憲法も含み、可能な限り最高の水準において拘禁の
恣意性と合法性について法廷に異議申し立てできる手続きへの権利と遅滞なく適切でアクセシ ブルな救済を受ける権利を保障しなければならない。自由を剥奪されたすべての状況下にある すべての人のために、適用可能で包括的な一連の手続きが、手続きと合理的配慮の条項を含み、 権利がアクセシブルで有効であることを確保するために規定されなければならない。人的・財 政的資源が司法システムの管理運営に分配されなければならない。国際的組織や特定の状況下 では非政府アクターにも義務が課されているのと同様に、法廷へのこうした手続へ持ち込む権 利は私的関係においてもまた保護されなければならない。

原則 3 適用範囲
3. いかなる状況であろうと、国家により、あるいは国内法によって権限を持った民間のアク
ターによる拘禁も含め、政府当局のいかなるレベルの名によっても、拘禁された個人は誰でも、 自らの自由の剥奪の恣意性と合法性について、その国家の管轄内において法廷で異議申し立て 手続きを取る権利と遅滞なく適切でアクセシブルな救済を受ける権利を持つ。いかなる形態の 拘禁であろうが、拘禁した当局は拘禁に対して有効にコントロールを行い、当局は被拘禁者が 国家の司法権に服する形にしなければならない。拘禁に関与するということは、国家は法廷での手続きの権利を被拘禁者に確保する義務を負わせる。

原則 4 離脱不能性
4. 法廷で拘禁の恣意性と合法性について法廷へ異議申し立ての手続きをする権利と、遅滞な
く適切でアクセシブルな救済を得る権利は、国際法上離脱不能である。

5. いかなる状況下、たとえ戦時、武力紛争あるいは国家の生命と存続が脅かされそしてそれ が正式に宣言されているような公共の危機状態であろうと、この権利に一時停止、実行不能と 宣言されること、制限されること、あるいは廃止されることは、あってはならない。

6. 法廷における手続きを受けるための権利の手続き的要素の中には、適用において実務的な 制約を行う措置についての国際法による審査が、その性格、過酷さ、広がり、そしてとりわけ 危機の状況、そして義務からの離脱の均衡性との一致そして合理性によるものもあるであろう。 しかしそうした措置においても、権力の乱用をもたらしたり、こうした法廷に持ち出す権利の 存在自体を否定したりする効果を有する措置は採用されてはならない。

7. 拘禁に対して法廷で異議申し立てする手続きに持ち込む権利の適用における、そうしたい かなる実践的措置も、そうした措置が、自由の剥奪に関連する国際人道法の規定も含み国際法 における国家の他の義務に従い、非差別である上で、一定の範囲のみそして切迫した状況ゆえ に厳しく期間を限られるときのみに許容される。

原則 5 非差別
8. 拘禁の恣意性と合法性について異議申し立てをするための法廷での手続きに持ち込む権利、そして遅滞なく適切でアクセシブルな救済を求める権利は、人種、肌の色、性別、財産、出生、 年齢、国籍、民族的あるいは社会的出身、言語、宗教、経済状態、政治的あるいは他の意見、 性的指向またはジェンダーアイデンティティ、難民申請あるいは移民の地位、または障害あ いは他の地位に関係なく、すべての人が行使できるものである。

原則 6 審査機関としての法廷
9. 法廷は自由の剥奪の恣意性と合法性を審査しなければならない。法廷は、法律によって確
立されていなければならず、また仮に拘禁が恣意的あるいは不法となったときには、即座に釈 放を命じる権力も含み、完全な権限を認められた性格を持ち、独立し、認知された司法権を行 使できる公正な司法的権威でなければならない。

原則 7 情報提供される権利
10. 自由を剥奪された人は、適切でアクセシブルな手段を通して法における自らの権利と義
務について、情報提供されなければならない。他の手続保障の中でも、このことは、被拘禁者 が理解する言語と方法そして様式とフォーマットにおいて、自由剥奪の正当化理由、自由剥奪 の恣意性と合法性について異議申し立てる司法的手段と、遅滞なく適切でアクセシブルな救済 を得る司法的手段について、情報提供される権利を含んでいる。

原則 8 法廷の手続きに持ち込む時間枠
11. 遅滞なく自由の剥奪の恣意性と合法性について異議申し立てするため、遅滞なく法廷で

の手続きに持ち込む権利と、遅滞なく適切でアクセシブルな救済を得る権利は、状況次第では
あるが、逮捕の瞬間から適用され、被拘禁者の釈放あるいは最終的判決で終わる。釈放後、救 済を要求する権利は、いかなる制限条項によっても無効とされてはならない。

原則 9 法律家による支援と法律扶助利用
12. 自由を剥奪された人は逮捕時に即座にということも含み、拘禁の期間中いかなるときも、
自らの選んだ法律家の法的支援への権利を持たなければならない。逮捕のときにすべての人は 即座にこの権利を告知されなければならない。

13. 十分な資産のない被拘禁者あるいは被拘禁者の代理として法廷の手続きに持ち込む個人 に対しては、法律家による支援は無料でなければならない。そうしたケースでは、自由の剥奪 のすべての段階で有効な法的扶助がすばやく提供されなければならない。これは被拘禁者の法 的扶助制度による法律家利用が妨げられてはならないことも含むが、これに限られてはならな い。

14. 自由を剥奪された人は、この基本原則とガイドラインに従った情報開示を通して得られ るものも含めて、自らのケースについて準備するために、そして選択した法律家との自由な通 信のためにも、十分な時間と設備を与えられなければならない。

15. 法律家は有効にそして独立して、復讐、干渉、脅し、妨害あるいは嫌がらせにおびえる ことなく、その機能を果たせなければならない。当局は法律家と被拘禁者の通信についてプラ イバシーと秘密性を尊重しなければならない。

原則 10 法廷の手続きに持ち込める人
16. 自由の剥奪の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち込むこと、そして遅滞
なく適切でアクセシブルな救済を得る手続きは、すべての人に認められなければならず、それ には被拘禁者、被拘禁者の同意の証明があろうがなかろうが、その法的代理人、家族あるいは 他の利害関係者が含まれる。

17. 法的代理人、家族あるいは他の利害関係者と接触する被拘禁者の権限について、それを 制限することはあってはならない。

原則 11 法廷への被拘禁者の出席
18. 法廷は被拘禁者の現実の出廷を保障しなければならない。とりわけ自由の剥奪の恣意性
と合法性に異議申し立てする最初の聴聞において、そして自由を剥奪された人が法廷への実際 の出席を求めるたびに、出廷は保障されねばならない。

原則 12 法廷での平等
19. 手続きは現実的に公正で有効でなければならない、そして手続きの当事者はケースを完
全に提示するために、平等なアクセスの権利、平等な武器そして法廷で一切差別なく扱われる ことを確保されなければならない。

20. 平等な武器を維持するために、自由を剥奪された誰もが拘禁に関するすべての資料、あるいは国家当局により法廷に出されたすべての資料にアクセスする権利を保障されなければな
らない。同じ手続き上の権利がすべての当事者に提供されるべきという要件は、客観的、合理 的根拠により正当化できる法律の根拠がある区別のみに従い、被拘禁者に対する実際にある不 利あるいは他の非公正さに伴うことはあってはならない。

原則 13 立証責任
21. いかなる拘禁についても、拘禁の法的根拠そして合理性、必要性、均衡性の立証責任は、拘禁について責任のある当局にある。

原則 14 審査基準
22.   自由の剥奪の恣意性と合法についての事実と法的根拠を審査する、法廷の権限については、いかなる制限も押し付けられてはならない。

23. 拘禁の恣意性と合法性に関連するすべての入手可能な証拠について法廷は考慮しなけれ ばならない。すなわち拘禁正当化の根拠、そして、その合理性や他のより低水準の審査基準の みではなく、被拘禁者の個人的条件を考慮する方向で、その必要性と均衡性を考慮しなければ ならない。

24. 自由の剥奪のケースについて恣意的ではなく合法であると決定するためには、法廷は、 拘禁が国内法に定められた根拠と手続きに基づいて行われていること、そして国際的基準に 従っていること、そして国内法および国際法の双方のもとで拘禁が恣意的ではなく合法であっ たし現在もそうである、という確信が持てなければならない。

原則 15 救済と賠償
25. 恣意的あるいは不法に拘禁されたいかなる人も、有効な救済と賠償へのアクセスを保障される。賠償は、償い、損害賠償、名誉回復、謝罪と再発防止の保障をもたらすものでなけれ ばならない。賠償は適切で、有効かつ迅速でなければならない。国家は拘禁が恣意的であった と信じる合理的根拠があるか否か、迅速で有効かつ公正な捜査に着手しなければならない。国 家の管轄下にあるいかなる領域であろうと、あるいは国家の有効な支配下にあるところ、ある いは国家公務員の行為または怠慢の結果であるなら、この義務が適用される。賠償への権利は、 恩赦、免責、制限条項あるいは他の国家の抗弁によって、無効であるとされてはならない。

26. 裁判所が自由の剥奪は恣意的あるいは不法であると決定した場合は、裁判所は拘禁から の条件付きあるいは無条件の釈放を命じなければならない。関係当局は釈放命令を即座に有効 としなければならない。

原則 16 武力紛争、公共の危機、あるいは国家の独立または安全保障を脅かす他の危機状態 においての、法廷の手続きに持ち込む権利の行使
27. 国際人道法のもとで適切に特定された武力紛争の状況あるいは他の公共の危機または国 家の独立あるいは安全保障を脅かす危機状態において、すべての拘禁された人は自由の剥奪の 恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち込む手続きの権利行使、そして遅滞なく適 切でアクセシブルな救済を得る権利行使を保障される。この権利と手続保障に従うことは、国 際人道法の諸規則を補完しまた相互に強め合うこととなる。

28. 国内法の枠組みは、反テロ政策、あるいは緊急事態法制または薬物関連政策のもとで、法定の手続きに持ち込む権利に関しての自由を奪われた人のセイフガードについて、いかなる 制限も許してはならない。

29. 国際人道法のもとで適切に特徴が述べられている武力紛争下、あるいは国家の独立と安 全保障を脅かす公共の危機あるいは他の危機的状況下で人を拘禁する国家は、その有効な支配 下にある人という定義によりそして、それゆえその管轄下にあることにより、自由の剥奪の恣 意性あるいは合法性について異議申し立てをするために法廷の手続きに持ち込む被拘禁者の権 利、そして遅滞なく適切でアクセシブルな救済を受ける権利、これらの権利行使を保障しなけ ればならない。国際的武力紛争の当事国の領域内あるいは占領地域で外国の民間人を抑留した り居住地を割り当てたりする決定の再考、異議申し立て、あるいは定期審査は、審査機関とし ての法廷に関する基本原則 6 を含む、この基本原則とガイドラインに従わなければならない。

30. 戦争捕虜は、以下の場合には自由の剥奪の恣意性と合法性に異議申し立てする法廷での 手続きに持ち込むこと、及び遅滞なく適切でアクセシブルな救済を受ける権利を与えられなけ ればならない。それは被拘禁者が、a)捕虜という地位に異議申し立てをするとき、b)もし重 傷を負っていたり病気であったりして、本国送還や中立国への移送の権利を要求するとき、c) 交戦の中止後も遅滞なく釈放あるいは本国送還されていないと主張するとき、である。

31. 非国際的武力紛争において、行政的拘禁や収容は国家の生命が脅かされる公共の危機が あり、そしてそれが正式に宣言された場合にのみ許される。拘禁の恣意性と合法性に異議申し 立てるため法廷の手続きに持ち込む権利、そして遅滞なく適切でアクセシブルな釈放をされる 権利の手続き要素について、逸脱する結果が生じるとすれば、いかなる場合もこの基本原則と ガイドラインに従わなければならない。それには離脱不能の原則、情報を与えられる権利、審 査機関としての法廷、そして平等な武器と立証責任のガイドラインも含まれる。

32. 武力紛争の間、子どもの自由の剥奪は最終手段のみでなければならない。基本的法的セ イフガードはあらゆる状況で提供されなければならず、それには子どもの自由の剥奪が、子ど もの保護やリハビリテーションのためである場合も含み、軍事的あるいは保安的部門による拘 禁である場合はとりわけセイフガードが提供されなければならない。セイフガードは、法的援 助の権利と自由の剥奪の法廷による適法性についての定期審査の権利を含む。子どもはその自 由の剥奪について当局に認識される権利を持ち、また親族や友人と通信する権利を持つ。

原則 17 法廷の手続きに持ち込む権利へのアクセス保障についての特別の義務
33. 特定の被拘禁者のグループについては、自由の剥奪の恣意性と合法性について異議申し
立てを法廷に持ち込む手続きの権利、そして遅滞なく適切でアクセシブルな救済を得る権利へ の意味あるアクセスを確保するために、国際法のもとで特別な措置の採用が求められる。子ど もに限らず、女性(とりわけ妊娠中や授乳中の女性)、高齢者、独居拘禁中の人あるいは他の 外部交通を絶たれた制限された拘禁中の人、精神障害や知的障害を含む障害者、HIV / AIDS とともに生きる人、そして他の重い伝染性の病気とともに生きる人、あるいはその保菌者、認 知症のある人、ドラッグユーザー、先住民、セックスワーカー、レズビアン、ゲイ、バイセク シャル、トランスジェンダーやインターセックスの人、国籍や民族、文化、宗教あるいは言語のアイデンティティによるマイノリティ、在留資格にかかわらず移民、難民申請者と難民などを含む外国人、国内避難民、国家を持たない人、そして人身売買された人、あるいは人身売買 の危機にある人などが、これに含まれる。

原則 18 子どもへの特別な措置
34. 子どもの自由の剥奪は、最終手段として、そして可能な限り最短期間のみなされ苗kればならない。子どもの自由の剥奪に関連した、いかなる意思決定においても、取られる行動に おいても、子どもの最善の利益の権利は、最優先で最大の考慮をされなければならない。

35. 子どもの拘禁の恣意性と合法性について、異議申し立ての権利行使は最優先でありアク セシブルで、年齢にふさわしく、多くの専門分野にまたがるものとして、有効で、子どもの特 別な法的社会的ニーズに応えるものでなればならない。

36. 子どもの拘禁を監督する当局は、職権を持ってその拘禁の恣意性と合法性の審査を法廷 に求めなければならない。このことは、自由を剥奪されたいかなる子どもも自らの名前で、あ るいはそれが最善の利益であるなら、代理人あるいは適切な機関を通して、こうした手続きに 持ち込む権利を排除するものではない。

原則 19 女性と少女への特別な措置
37. 拘禁の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち込む手続きの権利行使、そし
て遅滞なく適切でアクセシブルな救済を得る権利の行使にあたって、女性と少女が、その権限 を確保するためには、アクセスビリティと合理的配慮の提供を考慮した適切で、個々人に適合 した措置が取られなければならない。このことには、平等で公正な正義へのアクセスを確保す るために、自由の剥奪に関連するすべての政策、法律、手続き、プログラムと実践においてジェ ンダー平等の展望を取り入れた積極的な方針を導入することも含まれる。

原則 20 障害者に対する特別な措置
38. 裁判所は、障害者の自由の剥奪の恣意性と合法性を審査する際、機能障害の存在あるい
はあるとみなされた機能障害を根拠にした、とりわけ精神障害あるいは知的障害、またはある とみなされた精神障害あるいは知的障害を根拠とした、非自発的引き渡しや収容を禁止する国 家の義務に従わなければならない。同様に裁判所は、障害の人権モデルに基づいた脱施設化戦 略の計画と履行の国家の義務に従わなければならない。審査は上訴の可能性をも含まなければ ならない。

39. 障害者、身体、精神、知的あるいは感覚の機能障害を含む障害のある人の自由の剥奪は、 国際法も含む法に準拠することが求められ、他の者に保障されているのと同じ実体的手続き的 保障がなされ、人道的処遇と人の固有の尊厳の権利と矛盾することがあってはならない。

40. 障害者は他の者との平等を基礎として処遇される権利があり、そして障害に基づく差別 されない権利がある。いかなる種類の暴力、虐待あるいはひどい処遇からも保護が確保されな ければならない。

41. アクセシブルな方法で、拘禁の恣意性と合法性について異議申し立てする権利行使にあたって、必要のある場合は、障害者は個別的で適切な配慮と支援を要求する権利がある。

原則 21 外国人、法的資格に関わりなく移民、難民申請者、難民及び国家のない人々への特 別な措置

42. いかなる状況で自由を剥奪されていても、外国人、法的資格に関わりなく移民、難民申 請者、難民、そして国家を持たない人々は、拘禁の理由を告げられ、拘禁命令に関する彼らの 権利について告知されなければならない。この権利には拘禁の恣意性と合法性および必要性と 均衡性ついて異議申し立てを法廷の手続きに持ち込む権利、そして遅滞なく適切でアクセシブ ルな救済を得る権利を含む。この権利には、前述した人々の基本的な迅速で有効な法的援助の 提供の要件に従った、彼らの使用言語でかつ彼らが理解できる手段、様式、書式を使う、法的 援助者への権利を含み、そして法廷で使われる言語を理解できないあるいは話せないなら無料 の通訳の援助の権利を含む。

43. 拘禁命令に責任のある機関が、行政であるか他の機関であるかに関わりなく、こうした 外国人は即座の釈放命令やあるいは釈放条件を変えることのできる法的権限のある法廷にアク セスできることを保障されなければない。彼らは、彼らの拘禁がいまだ必要で均衡性があり合 法で、恣意的でないままであることを確保するために、自動的、定期的審査にアクセスできな ければならないが、それ以前に司法的権威の前に即座に連れて行かれなければならない。この ことは彼らの拘禁の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち込む手続きの、彼らの 権利を排除するものではない。

44. 彼らの法的資格に関わりなく、行政による拘禁中の移民のケースごとの審査に先立って その審査からの排除を避けるために、入管の拘禁に関する決定への異議申し立ての手続きは中 止されなければならない。

45. 入管の領域における刑罰や制裁としての自由の剥奪は禁じられる。

46. 付添のいない、あるいは分離された移民または難民申請者、難民及び国籍のない子ども の自由の剥奪は禁止される。両親の移民資格ゆえに子どもを拘禁することは、常に子どもの最 善の利益の原則を侵害し、子どもの権利侵害を構成する。

Ⅱ. ガイドライン

ガイドライン 1  適用範囲
47. 拘禁の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち込む手続きの権利、そして遅滞なく適切でアクセシブルな救済を得る権利は、以下に適用される
⒜ 自由が剥奪されているすべての状況に対して、刑事司法手続きの目的のための拘禁のみ ならず、行政的そして他の分野の法による拘禁状況に対して、軍事的拘禁、保安的拘禁、対テ ロリズム対策のもとでの拘禁、医療的あるいは精神医学的施設への非自発的拘禁、入管による 移民の拘禁、本国送還のための拘禁、恣意的逮捕、自宅軟禁、独居拘禁、浮浪のゆえのあるい は薬物依存のゆえの拘禁、そして教育目的による子どもの拘禁
⒝ 拘禁の場所に関わりなく、あるいは法律で使われている法律用語と関わりなく、いかなる根拠に基づくものであれ、あらゆる形態の自由の剥奪は、司法による有効な監視と監督のもとになければならない。

ガイドライン 2  国内法における規定
48. 厳格な法的要件が根拠となる法と手続きの双方の形式において採用されることが必要である。拘禁の恣意性と合法性に異議申し立てする手続きを確立する法的枠組みは、十分な程度 に精密であり、また明確で曖昧でない言葉で書かれており、現実的にアクセシブルで、関連す る条項の正確な意味とその適用の結果が、状況に対して合理的な程度まで予測可能であること を確保しなければならない。

49. いかなる自由の制限も、国内法によって裏付けられていなければならない。国内法体系 によっては、制限は憲法あるいはコモンローに基づかなければならない。法律は憲法の手続き 規定に従って起草されるべきである。

ガイドライン 3  離脱不能性
50. 国家の生存を脅かす公共の危機事態とそれが正式に宣言されたとき、国家は自由の剥奪の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち込む手続きの権利、そして遅滞なく適切 でアクセシブルな救済を得る権利の、手続き上のいくつかの要素の適用において、事態の急迫 性によって厳しく求められる範囲のみに限り、実務的な制約を調整する措置を取ることもでき よう。それは以下のことを条件とする。
⒜ 裁判所当局の、遅滞なく拘禁の恣意性と合法性を判断する権限および拘禁が不法である ときに直ちに釈放を命じる権限それ自体は縮小されない。
⒝ 関連する当局の釈放命令を即座に有効にする義務は縮小されない。
⒞ そうした措置は緊急事態における必須のものとして、均衡的で非差別なものとして、法 律で規定される。(それには、より制限の少ない措置では同様の目的を果たすのには不十分で あるという事実によることも含まれる)。
⒟ そうした措置は緊急事態の要求する期間のみ、一時的に適用される。そして定期的にこ うした措置の必要性と均衡性について審査するメカニズムを伴う。
⒠ そうした措置は、公正で有効かつ当事者主義手続き確保と一致している。
⒡ さもなければ、そうした措置は国際法と矛盾する。

ガイドライン 4  拘禁の審査のための法廷の特徴と手続きガイドライン
51. 拘禁の恣意性と合法性を審査する法廷は、拘禁を命じた法廷とは別の裁判体でなければならない。

52. そうした法廷の、独立性および公平さは、裁判官の選択と指名に関する手続きや規則で 切り崩されてはならない。

53. 拘禁の審査を引き受けるに当たり、法廷は以下の権限を持つ。
⒜ 申し出を緊急課題としてみなすこと。事案の裁決は、聴聞の準備時間も含み、可能な限 り速やかになされなければならず、証拠が不十分であることを理由として引き伸ばされてはな らない。被拘禁者のあるいはその法的代理人の責任で遅れが出ることは、司法の判断の遅れの 理由とされてはならない。

⒝ 被拘禁者が求めるか否かにかかわらず、被拘禁者の出席を確保すること。
⒞ 拘禁が恣意的あるいは不法とされたなら、即座の釈放を命じること。いかなる法廷の釈 放命令も尊重され、即座に国家当局によって執行されなければならない。
⒟ 法廷は定められた期限までに遅滞なく、拘禁の恣意性と合法性について裁決し、公表す ること。熟考され詳細に述べることに加え、裁判所の裁決はわかりやすく、明確で、精密で、 最終的で十分でなければならず、その内容は被拘禁者が理解できる言語、そして手段、様式書 式でなければならない。異議申し立てが不首尾となるときは、裁判所はその裁決において、拘 禁は例外であり自由こそが原則であるという、原則に照らして、なぜ個人は拘禁され続けなけ ればならないのかの理由を示さなければならない。もし、さらなる個人の自由の制限が考慮さ れるとしたら、国際法の原則にしたがって、考慮されなければならない。
⒠ 自由の剥奪が恣意的であるか不法であること、および/または自由の剥奪の間の処遇が 虐待的であると裁決されたとき、裁判所は拘禁を支配している国家当局に反対する措置を取る こと。

54. 特定の形態の拘禁について、例外的に国家は特別法廷での手続きを法定化することもあ ろう。その法廷については以下。
⒜ 本質的に裁判所の持つ権限、公平さ、そして法的事項を決定するについての司法的独立 の享受すべてを保障する法律によって制定されなければならない。
⒝ その存在を正当化する合理的で客観的な基準があるときにのみ、この法廷は合理的であ り法律上有効とみなされなければならない。その基準とは、特別法廷による特別の保護を必要 とする、特別の法的状況および/または無防備性のある人が存在する場合である。法の前での 平等の権利、そして一切の差別なく法による平等な保護を受ける権利は、差別的対応の違いを 一切作らない。合理的で客観的な基準に基づいての違いは、禁じられた差別となることはない。

55. 軍事法廷は民間人の拘禁の恣意性と合法性を審査する権限は持たない。軍事法廷の判事 及び検察は、独立性と公平さという基本的要件を満たすことはない。

ガイドライン 5  情報提供及び告知される権利
56. 異議申し立ての準備のために適切な時間を与えるため、拘禁の根拠となる事実と法的根拠は、遅滞なく、被拘禁者および/またはその代理人に、開示されなければならない。情報開 示には、拘禁命令の写し、ケースファイルへの閲覧とその写し、加えて、当局が所有するすべ ての資料あるいは、当局が自由の剥奪の理由に関連して入手したすべての資料の開示が含まれ る。

57. およそ人が自由を剥奪されているすべての施設においては、拘禁している当局は、手続 きをいかに始めるか、そして自発的にこれらの権利を撤回した場合の有りうる結果についての 説明も含めて、手続きに持ち込む権利、遅滞なく理由を付され個別的な判断を受け取る権利に ついて、被拘禁者に告知しなければならない。こうした告知は、ジェンダーや文化的に敏感な 方法で提供されなければならず、読み書きのできない人、マイノリティ、障害者、高齢者、先 住民、在留資格と関わりなく、移民、難民、難民申請者、国家を持たない人や子どもたちを含 む外国人、などを含む特定のグループのニーズに対応していなければならない。情報は、前述 の人々が理解できる、アクセシブルな言語、手段、様式あるいは書式で提供されなければなら ず、精神あるいは知的機能障害のある人のために補完的あるいは代替的なコミュニケーション手段も考慮にいれなければならない。子どもの場合は、情報は年齢と成熟度に対して適切な方法で提供されなければならない。

58. 人が実際に情報提供されていることを立証する方法が確立されなければならない。この 方法には、印刷記録、オーディオテープ、ビデオテープあるいは証人などの方法によって、人 が情報提供されていることを記録しておくことも含まれるだろう。

59. 上述の情報は一般公衆に広く公開され、またアクセス可能とされ、地理的に孤立してい るグループ、そして差別の結果として社会的に無視されているグループにもアクセスできるよ うにしなければならない。ラジオ、TV 番組、地域及び地方新聞、インターネットそして他の 手段が活用されなければならない。とりわけ法改定に伴い、またコミュニティに影響のある特 別の事柄についてはこれらを活用しなければならない。

ガイドライン 6  登録と記録保存
60. 登録と適切なケース管理の正確さと完全さを確保するために、そして、刑務所または他の自由を剥奪している場所を含み、国家の強制収容施設や他の拘禁施設に誰が入れられている か国家当局が常に把握していることを確保するために、以下。
⒜ すべての記録は、被拘禁者の性別と年齢に分類された以下の最低限の情報を含んでいな ければならない
ⅰ 当該人の身元
ⅱ 日時、そして自由が剥奪された人のいる場所、さらに自由を剥奪している当局の特定
ⅲ 自由の剥奪を命じた当局とその根拠
ⅳ 自由の剥奪を監督する責任のある当局
ⅴ 自由の剥奪が行われた場所、自由の剥奪をしている場所への入所日時、そして自由の剥 奪されている場所について責任のある当局
ⅵ 被拘禁者の健康状態に関する関連情報
ⅶ 自由を剥奪された被拘禁者が死亡した際には、その状況と死因そして遺体の行方
ⅷ 釈放あるいは他の拘禁場所への移送の日時及び行方、そしてその移送に責任ある当局
⒝ 自由を剥奪された人の登録、および/またはその記録への権限のないアクセスやいかな る情報の書き換えもなされないようにセイフガードとして、周知の手続きが整っていなければ ならない。
⒞ 自由を剥奪された人の登録、および/または記録は、いかなる裁判所あるいは他の権限 ある当局または法によりその目的が定められた権限ある機関の求めに応じて即座に提供されな ければならない。
⒟ 刑期あるいは拘禁命令が終わっているにもかかわらず拘禁が継続していることがわかっ たときには、即座に被拘禁者を釈放する、周知の手続きが整っていなければならない。
⒠ こうした要件に従っていないときには、責任のある国家当局に対して制裁が必要である。

ガイドライン 7  法廷の手続きに持ち込むための時間枠
61. 法廷による聴聞を遅滞なく受ける有効な機会なしには誰も自由を剥奪されないことを確保するために、被拘禁者が、拘禁の恣意性と合法性について最初の異議申し立てをできるまで 長い時間がかかってはならない。当局は、被拘禁者の法廷の手続きに持ち込む権利行使とその ケースについて準備するため、法律家への即座のアクセスを促進すべきである。

62. 状況が変化するものであり、先の拘禁の法的正当化がもはや適用できない可能性があるので、被拘禁者は定期的な拘禁への異議申し立ての権利を持たねばならない。

63. 裁判所が当該状況では拘禁は正当化されると判断したあと、関連する状況の性格に合わ せた適切な時期をおいて、同じ根拠について、拘禁についての手続きを再び取る権利が個人に はある。

64. それぞれの申し出の間の時間は長すぎてはならない。そして拷問や虐待の、あるいはそ の危険がある場合、または外部交通の絶たれた拘禁または被拘禁者の生命、健康あるいは法的 状況が取り返しのつかない被害をうけるという申し立てのあるケースにおいては、一切待ち時 間はあってはならない。

65. 複数回の異議申し立てがあったとしても、当局は、通常の、定期的、司法的あるいは他の、 拘禁継続の必要性と均衡性についての審査の義務を免れない。また、裁判所が自ら自発的に定 期審査する可能性も排除しない。

66. 拘禁の恣意性と合法性について確認した決定が出た場合には、国内法に従いその裁決に 対して異議を申し立てられるよう、迅速に宣告されなければならない。国家によるいかなる異 議申し立ても、法的に定められた制限と状況のうちになされなければならない。

ガイドライン 8  法律家による支援と法律扶助へのアクセス
67. 自由が剥奪されたとき即座に、そして当局によるいかなる尋問にも先立ってまず、法律家へのアクセスが遅滞なく提供されなければならない。そして、その後拘禁期間を通して法律 家へのアクセスが提供されなければならない。このことは自ら選んだ法律家に接触する手段を 被拘禁者に提供することも含む。

68. 自由を剥奪された人あるいはその代理人に対して、法律家の費用が払えないために、法 廷での手続きに持ち込む適切な手段がないという障壁を作らないことを確保するために、逮捕 のあと即、有効な法律扶助が提供されなければならない。

69. 法律家との、面会、文通、電話、そして他の形態のコミュニケーションも含み、秘密交 通権尊重は確保されなければならない。こうしたコミュニケーションが、あてがわれた役人の 目の前でなされるなら、中身を聞かれないようにされなければならない。この秘密が破られた ときは、得られた情報は証拠としては認められてはならない。

70. 違法にあるいは非合理的に法律家へのアクセスが制限されてはならない。法律家へのア クセスが遅らされたり否定されたりした場合、あるいは被拘禁者がタイムリーに法律家の援助 を受ける権利を適切に告知されなかった場合、この基本原則とガイドラインに従った、様々な 救済策が提供されなければならない。

71. 法律家によるサービスが提供できない場合、国際法と国際基準に沿って被拘禁者の権利 を完全に尊重することを保証する状況において、適切で資格のある法的支援の提供者による利用可能なサービスが被拘禁者に対して提供されるよう、あらゆる努力がされなければならない。

ガイドライン 9  法廷の手続きに持ち込むことができる人
72. 家族、介護者あるいは被拘禁者の後見人、拘禁している当局とは別の国家当局、オンブズマンあるいは国内人権機関、非政府組織、雇用者あるいは同僚などを含み、その事案の法的 利害関係のある、より広い個人のグループは法廷の手続きに持ち込むことができる。

73. 手続きが非拘禁者以外の人によって始められたときは、法廷はあらゆる努力を尽くして 被拘禁者の意志と選好を知ろうとしなければならない。そして自分自身で有効に参加できるよ う、被拘禁者に配慮と支援を尽くさなければならない。

74. 法廷の手続きに持ち込むためのインフォーマルで、無料の、簡便な手続きが確保されな ければならない。

ガイドライン 10  法廷への出席
75. 手続きの有効性と公正さを確保するため、そして拷問や虐待といった他の人権侵害からの被拘禁者保護を強化するため、法廷は、被拘禁者が自ら出席することを保障しなければなら ない。特に最初の、拘禁の恣意性と合法性に異議申し立てする聴聞においては出席を保障しな ければならならず、そして自由を剥奪された人が法廷に自ら出席を求めるときは常にそれを保 障しなければならない。このことは以下の措置を履行することで確保されなければならない。
⒜ 自由を剥奪された者は誰でも、犯罪で告発された人だけに限らず、自由の剥奪について、 そして拷問と虐待といった行為も含む拘禁条件について、法廷に異議申し立てするため法廷に 即座に出席する権利を享受しなければならない。
⒝ 法廷は、被拘禁者がその自由の剥奪に関与したいかなる公務員も出席しないところで裁 判官とコミュニケーションできるよう確保しなければならない。
⒞ 本人の要求あるいは法廷の命令による、法廷への被拘禁者の不合理な遅れなしでの出席 確保という義務を果たせなかった、被拘禁者を支配している国家当局は、刑法または行政法の 問題として制裁されなければならない。

ガイドライン 11  武器の平等
76. 当事者主義原則と武器の平等によって導かれる手続きを確保するために、刑事手続であろうがそうでなかろうが、すべての手続きにおいて以下の条件が保障されなければならない。
⒜ 被拘禁者とその法律家は、拘禁に関連する資料あるいは法廷に出された資料に十分で完 全なアクセスができ、また同様にそれらのコピーを入手できる。
⒝ 被拘禁者が、自分のケースファイルに関するいかなる文書にも異議申し立てできること、 それには、検察、保安組織そして入管当局も含まれる当局によって、拘禁を正当化するために 提示されたすべての議論と様々な要素の資料が含まれる。それらの文書及び資料は、拘禁の恣 意性と合法性を立証するのに決定的であろう。

ガイドライン 12  拷問あるいはその他禁止された処遇によって得た証拠の認容
77. 拷問あるいは他の残虐で、非人道的あるいは品位を汚す処遇の結果として作り上げられたいかなる陳述あるいは他の証拠は、いかなる手続きにおいても証拠とされてはならない。拷 問あるいは他の禁止された処遇について告発され他人に対して、陳述が作り上げられあるいはそうした行為があったという証拠として例外的に採用される場合以外は証拠とされてはならな
い。

ガイドライン 13  情報公開
78. 拘禁している当局はすべての関連情報を裁判官、被拘禁者および/またはその弁護士に提供しなければならない。情報公開は無罪を証明する証拠、すなわち告発された人の無罪を確 立する情報のみではなく、他の情報、例えば被拘禁者が拘禁は不法であると主張することを助 ける情報、または拘禁がもはや適用されない理由となる情報などを含む。

79. 手続きに関連する情報公開を止めたり拒否した公務員、あるいは手続きを遅らせたり妨 げたりした公務員は、刑事罰も含む制裁を科されなければならない。

80. 情報公開は裁判所が以下の結論を出したときにのみ制限される。
⒜ 情報公開の制限は法の目的を追求するために必要であるときなされる。例えば国家の安 全保障のため、他の個人の権利あるいは名誉を尊重するため、あるいは公共の秩序、保健ある いは道徳を保護するため、そうした制限が、関連する国際法の基準に従い非差別である限りに おいてなされる。
⒝ 拘禁の根拠となる事実を明白に指摘する情報は、編集された要約を提供するといった、 より制限の少ない方法では同じ結果を得られないときにのみ制限が課せられる。

81. 情報公開のいかなる制限も均衡が取れていなければならない。非公開にすることによっ て、追求される適切な目的を十分に守ることができる程度と、人がケースに対応する権利に、 あるいは拘禁の恣意性と合法性について異議申し立てを追求することに対する否定的なインパ クトとの間のバランスの均衡についての評価が求められる。もしより制限の少ない方法で法の 目的が達成できるのであれば、より厳しい制限方法は拒否されるべきである。

82. もし当局が情報公開を拒み、裁判所が当局に情報公開を強いる権限がないならば、法廷 は被拘禁者の釈放を命じなければならない。

ガイドライン 14  立証責任
83. 国家当局は法廷において以下を立証しなければならない。
⒜ 国際的基準に従って問題となっている拘禁の法的根拠
⒝ 必要性、合理性そして均衡性に従って拘禁が正当化されること
⒞ 個別ケースについて、同じ目的を達成するために、より穏やかな手段が考慮されたこと

84. 立証責任は、保安関連のケースの被告をも含む被拘禁者に、拘禁を支持する証拠を伴っ て詳細にわたり知らされるという方法で、果たされなければならない。

ガイドライン 15  審査基準
85. 恣意性と合法性を審査するとき、法廷は以下の権限を持つ。
⒜ 不適正、非正義、合法性、適法、予測可能性、そして法の適正手続の要素について、ま た合理性、均衡性と必要性という基本原則について、審査し、それらに基づき行動すること。 こうした審査では、年齢、ジェンダーそして周辺化されたグループといった詳細についても考慮される。
⒝ 拘禁がいまだ正当化されるか否か、あるいは拘禁されて個別ケースの状況の変化につい てすべての視点から釈放は正当化されるか否か、を考慮する。この状況の変化については、健 康、家族生活、保護という主張あるいは他の個人の状況を矯正しようとする他の試みも含まれ る。
⒞ 国連非拘禁措置に関する国連最低基準規則(東京ルール)、そして国連女性被拘禁者の 処遇及び女性犯罪者の被拘禁措置に関する規則(バンコクルール)に従って、拘禁に代わる非 拘禁措置を含む、拘禁に代わる措置が考慮されたかどうかについて、考慮し裁決すること。
⒟ 法廷の手続きの開始後になされたいかなる拘禁命令も、そして法廷の裁決に先立ってな されたいかなる拘禁命令も、考慮に入れること。

86. 国際的基準に従った措置か否かの審査にあたっては、拘禁の特定の根拠あるいは拘禁形 態の禁止に従わなければならず、そして当該の拘禁が不適切であることも拘禁の恣意性と不法 性を生み出すのであるから、特定の対象者のニーズといかなる無防備性をも考慮されなければ ならない。

ガイドライン 16  救済と賠償
87. 釈放命令後の拘禁の継続も恣意的と判断されるのだから、釈放の裁判所命令は執行できるようになったら速やかに実行されなければならない。

88. 賠償を得る手続きの告知とともに、拘禁が恣意的あるいは不法とみなした裁決の写しは 当該人に渡されなければならない。当該人は物質的被害への完全な賠償、物質的被害結果の排 除の権利を持ち、また否定されたり、侵害されたりしたすべての権利の回復の権利を持つ。

89. 被拘禁者が死亡しているときは、賠償の権利は制定された手続きにより被拘禁者の相続 人のものとなる。

90. 恣意的あるいは不法に拘禁されたと決定された者は誰でも、そして拘禁した当局がその 被害に対しての責任のあるなしと関わりなく、自由の不法な剥奪の結果として生じたいかなる 被害に対しても、強制的な賠償を受け取る権利が賠償に関する法律によって定められなければ ならない。後に取り下げられた刑事告発された人にも賠償は提供されなければならない。

91. 国家、州、あるいは市町村の公金からの恣意的あるいは不法な拘禁の被害者の物質的損 害に対する賠償は、所得、年金、生活保護そして他の犯罪訴追の結果としての金銭の損出、判 決あるいは裁判所命令を基礎として国家によって占拠あるいは専有された犠牲者のいかなる財 産、保健ケアやリハビリテーション、そして拘禁されていた場所のアクセシブルで合理的な配 慮の欠如への賠償、判決の効力の結果として犠牲者に追わせられた罰金と公判費用、犠牲者の 法的費用、そして他の費用を含まなければならない。

92. 恣意的あるいは不法な拘禁の犠牲者は、国際人権法の重大な侵害そして国際人道法の重 大な侵害の犠牲者のための、救済と賠償の権利の基本原則とガイドラインに従って、また権限 ある国内の当局に対して、以下のことを迅速かつ適切に実現する権利をも持たなければならな い。
⒜ 賠償
⒝ 復権
⒞ 名誉回復
⒟ 再発防止の保障

ガイドライン 17  武力紛争の状況、公共の危機あるいは国家の独立と安全が脅かされる他 の危機状態に際して、法廷の手続きに持ち込む権利の行使
93. テロ行為の準備、任務、扇動に携わったあるいはその容疑のある人が自由を剥奪された ときは、
⒜ 彼らは直ちに彼らに対する告発内容について知らされなければならない。そして合理的 な時間内に可能な限り速やかに、権限があり独立した司法当局の前に連れて行かれなければな らない。
⒝ 彼らは拘禁の恣意性と合法性について司法的判断を受ける権利を有効に享受しなければ ならない。
⒞ 彼らの拘禁を法的に監督する権利の実施は、合理的時間内に、拘禁の決定あるいは拘禁 を維持する決定のために、権限があり独立した司法当局の前に容疑者を連れて行く責任のある 法執行当局の義務を妨げてはならない。そうした人は、告発、自由剥奪の根拠、そして司法手 続きの継続について評価するであろう、司法当局の前に連れて行かれなければならない。
⒟ 彼らに対する手続きの間、容疑者は公正な裁判、法律家へのアクセス、そして、検察側 と同じ条件で無罪の証拠と議論を提示する能力、について必要な保障を得る権利を持たなければならない。これらすべては当事者主義手続きにおいてなされなければならない。

94. 国際武力紛争に関連して民間人が拘禁された場合、以下の条件が確保されなければなら ない。
⒜ 国際武力紛争の一当事国の領土で、抑留あるいは居住地を割り当てられている外国人の 民間人、あるいは占領地区にいる民間人、または抑留あるいは居住地の割当のケースについて の異議申し立てがある場合、「可及的速やかに」あるいは「可能な限りの最小限度の遅れ」で、 抑留そして居住地割当が再考慮されなければならない。この表現の意味はケースバイケースで 決められなければならないが、法廷や行政的審査機関に連れて行くに際してのいかなる遅れも 数日以上であってはならない。そして、それぞれ特定の状況において均衡性がなければならな い。
⒝ 再考慮あるいは異議申し立ての特定の手続きを、拘禁した権力あるいは占領者の権力が 決めるとしても、そうした手続きは常に、独立と公正について必要な保障をできる裁判所ある いは行政的な審査機関によってなされなければならない。そして、その手続きでは基本的手続 的セイフガード保障が含まれ尊重される。
⒞ 民間人の抑留や居住地の指定が後者の手続きに従って維持されている場合、抑留や居住 地指定は、最低年に 2 回、定期的な審査を受けなければならない。そうした審査は、独立と公 正について必要な保障のできる法廷あるいは行政的審査機関によってなされねばならず、そし てその手続きでは基本的手続的セイフガード保障が含まれ尊重される。

95. 戦争捕虜として拘禁されている人の、拘禁の恣意性と合法性に異議申し立てを遅滞なく 法廷の手続きに持ち込む権利および適切でアクセシブルな救済を受ける権利は尊重されなけれ ばならない。それは以下の目的のためである。
⒜ 戦争捕虜のカテゴリーに入るか否かを決定する
⒝ 重傷を負っていたり重病だったりする戦争捕虜は本国送還されるか、あるいは中立国に 移送されることを確保するためのチェックをする。
⒞ 戦争行為の停止のあと、遅滞なく戦争捕虜が釈放され本国送還されることを確保するた めのチェックをする。

96. 非国際的武装紛争に関連する拘禁については、
⒜ 行政的拘禁あるいは抑留は、そうした拘禁の正当化をもたらす公共の危機という例外的 環境の場合のみ許されなければならない。そうしたケースの場合、拘禁をする国家は以下を明らかにしなければならない
ⅰ 危機が義務からの離脱を正当化するほどの水準に達していること
ⅱ 拘禁がなされている国家の法律に、行政的拘禁がその根拠と手続きが制定されているこ と、そしてそれが国際法に従っていること
ⅲ その人の行政的拘禁が、必要であり、均衡性があり、非差別であること、そしてその個 人の示す脅威が行政的拘禁に代わる手段では対応できないこと
⒝ 行政的拘禁を強いられている人は、独立性と公正さ、そして基本的手続き的セイフガー ドを含みそれを尊重した過程について、必要な保障がある法廷の手続きに持ち込む権利がある。 これには拘禁の理由の公開そして法律家を使うことも含め自分を防御する権利も含まれる。
⒞ 行政的拘禁を強いられている人に拘禁を維持し続けるという裁決がでた場合は、独立性 と公正さ、そして基本的手続き的セイフガードを含みそれを尊重した過程について、必要な保 障がある法廷、あるいは行政的審査機関によって、拘禁の必要性について定期的に審査されな ければならない。
⒟ 抑留制度が確立している場合は、それは非国際的武装紛争に適用できる法廷の手続きに 持ち込む権利について完全に従うことを許している、国際人権法と国際人道法に従わなければ ならない。

ガイドライン 18  子どもに対する特別な措置
97. 適切であるなら、ダイバージョンと自由の剥奪に代わるオルタナティブな措置が取られ
るべきであり、最優先されるべきである。自由の剥奪が最終手段となり、そして最小の適切な 期間にのみ適用されるために、法的そして適切な支援の権利が確保されなければならない。

98. 自由を奪われた子どものためには、安全で子どもの特性に敏感な環境が確立されなけれ ばならない。拘禁された子どもは尊厳と尊重を持って、そしていかなる危険性につながる要素 をも考慮した方法で処遇されなければならない。考慮すべきは、とりわけ少女、幼い子ども、 障害のある子ども、法的地位と関わりなく移民、難民と難民申請中の子ども、国籍を持たない 子ども、また人身売買された子どもあるいは人身売買の危機にある子ども、マイノリティの子 ども、少数民族あるいは先住民のグループの子ども、そしてレズビアン、ゲイ、バイセクシャ ル、トランスジェンダーあるいはインターセックスの子どもたちである。

99. 自由を剥奪された人の年齢を確かめる、有効なメカニズムがなければならない。科学的 で、安全で、子ども及びジェンダーに敏感な公正な方法で、子どものいかなる肉体的そして心 理的インテグリティ(不可侵性統一性あるがままでいること)をも侵害する危険を避け、人間 の尊厳を適切に尊重する形で、評価がなされなければならない。評価の結果が出るまでは、個人は、子どもとして取り扱われるといった有利な解釈をされなければならない。評価の結果によってもいまだ不確かである場合、たとえば当該個人が子どもである可能性があるといった場 合には、彼女または彼は子どもとして扱われなければならない。

100. その拘禁の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷の手続きに持ち込み、そして遅 滞なく適切でアクセシブルな救済を得るための、独立した子どもの特性に敏感な、手続きの迅 速で有効なアクセスを確保するために、以下の特別の措置が取られなければならない。
⒜ 自由を剥奪された子どもに関する、そして法廷の手続きに持ち込む彼らの権利に関する、 すべての法制度、政策そして実践は、まず考慮されるべきこととして彼または彼女の最善の利 益を得る権利によって導かれる。
⒝ 通訳も含め、法的あるいは他の適切な支援は、すべての手続きにおいて自由を剥奪され た子どもに無料で提供される。
⒞ いかなる理由であろうと、自由を奪われた子どもは即座に両親または後見人に連絡を取 ることができる。そして彼らとは完全に自由に、そして秘密交通権をもち相談できる。付き添 い可能であるときには、彼または彼女の法律家、そして両親あるいは後見人のいないところで、 こうした子どもを尋問することは禁止される。
⒟ 権利に関する情報は、子どもの年齢と成熟度に合わせ適切な方法で、そして子どもが理 解できる言語、手段、様式あるいは書式で、ジェンダーと文化に敏感な方法で提供されなけれ ばならない。前記情報は、加えて、子どもの両親、後見人あるいは子どもの面倒を見ている人 にも提供されなければならない。
⒠ 自由を奪われた子どもは誰でも自らの名前で、あるいは子どもの最善の利益であるなら、 その代理人あるいは適切な機関を通して不服申し立てできる権利を持つ。子どもは直接あるい は代理人または適切な機関を通して、いかなる手続きにおいても聴聞を許されなければならな い。可能であるならどこでも、子どもは直接聴聞を受ける機会を持つべきである。子どもが代 理人を通して聴聞を受けることを選んだなら、子どもの見方が権限ある機関に正しく伝わるこ と、そして代理人はもっぱら子どもの利益を代理していることに自覚的であることを確保する よう、段階を踏まねばならない。
(f) 虐待防止のため、あるいはそれに対して不服申し立てする、あるいはした子どもへの 脅迫を防止することを目的とした措置を国内法は条項として明記しなければならない。そして 国内法はそうした法律違反をした人に対して制裁を与えなければならない。
⒢ そのように設定することが子どもの最善の利益にならないと考えられるのでない限り、 子どもは両親あるいは法的後見人のいる場所でことがらを決定する権利を持つ。利害相反のあ る場合は、法廷と関連する不服申し立て機関は、両親および/または法的代理人を手続きから 排除する権限を持たねばならず、そして子どもの利益を代理するために一時的な後見人を指名 する権限を持たねばならない。
⒣ それぞれのケースは最初から不必要な遅滞なく迅速に取り扱われなければならない。裁 決は可及的速やかに出されなければならず、異議申し立てがなされてから 2 週間を越してはな らない。
⒤ 司法的あるいは非司法的手続き、そして他の介入に関わる、あるいは関わった子どもの プライバシーと個人情報は、すべての段階で保護されなければならず、こうした保護は法律で 保障されなければならない。このことは一般的に以下を意味する。子どもの写真、子どもあるいは子どもの家族に関する詳細な情報、名前や子どもの家族の住所、そして音声あるいはビデオ記録を含む、子どもの特定に繋がる情報を暴露あるいは間接的に公開することのできる権限をもった当局によって、いかなる情報あるいは個人情報も、入手できるようにしたり、公開す
ることはあってはならない。

ガイドライン 19  女性と少女に対する特別な措置
101. 自由の剥奪の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち込む手続きの権利、そして遅滞なく適切でアクセシブルな救済を得る権利への、平等で公正なアクセスという、すべ ての女性と少女の権利を確保するアクセシビリティと合理的配慮を提供する、適用可能で適切 な措置が取られなければならない。これらの措置は以下のものを含む。
⒜ 自由を剥奪されている女性と少女の、権利と特別の地位と特定されたニーズを守るよう 計画された、すべての政策、法律、手続き、プログラムと実践にジェンダー平等の見方を取り入れた積極的な政策を導入すること。
⒝ 可能であるなら、ジェンダーに特定したニーズと女性の権利についての教育、訓練、ス キルと経験を持った人が、女性の被拘禁者のすべての法的手続きにおいて、法的な援助、アド バイスと法廷での支援を提供できるよう確保する、積極的な段階を踏むこと。

102. 少女と女性を重大な暴力の危険から守る目的で拘禁し続ける行為は(保護的拘禁)、や めなければならない。自由を奪うことなく女性や少女を保護することを確保する代替策がなけ ればならない。

ガイドライン 20  障害者への特別の措置
103. 存在する機能障害、あるいはあるとみなされた機能障害を基礎として、とりわけ精神障害あるいは知的障害、またはあるとみなされた精神障害、あるいは知的障害を基礎として、人 を非自発的収容、あるいは抑留することは禁止されている。障害を基礎としての非自発的収容 や抑留を防止し、救済するために、国家は必要なあらゆる法的、行政的、そして司法的措置を とらなければならない。

104. いかなる手続きであれ、自由を剥奪された障害者の場合、人は他の者との平等を基礎と して国際人権法に従った保障を受ける資格があり、それには障害者に関する国際法の最高の基 準の目的と原則にかなった、人の自由と安全の権利、合理的配慮と人道的処遇も必然的に含ま れる。

105. 具体的で、自由なインフォームドコンセントなしで、自由の剥奪がなされている場合、 いかなる状況における審査の事案に対しても、法律の保障する適正手続を備えたメカニズムが 確立されなければならない。そうした審査には異議申し立ての可能性をも含まれる。

106. 自由を剥奪された場所において、障害者に対してアクセシビリティを確保することと合 理的配慮の提供を確保する措置が取られなければならない、それには以下の保障が含まれる。
⒜ 自由を剥奪された、身体、精神、心理社会的、知的あるいは感覚障害のある人は人道的 にかつ尊重されて処遇されなければならない、そして有効な手続きが機能するように、合理的 配慮の提供によって彼らのニーズが考慮に入れられた方法で処遇されなければならない。
⒝ すべての精神保健ケアサービスも含め、すべての保健と支援サービスは当事者の自由な インフォームドコンセントに基づき提供されなければならない。障害者の法的能力の否定と、 彼らの同意なしの、あるいは代行意思決定者の同意による、彼らの意志に反した施設収容は国

際法に違反した恣意的自由の剥奪となる。あるとみなされた、あるいは実際にある精神的能力
の不足、すなわち、当然にもそれぞれ一人ひとり異なる人の意志決定技量の不足あるいはある とみなされた不足は、法的能力の否定を正当化するものとして使われてはならない。法的能力 とは権利と義務(権利能力)をもち、そしてその権利と義務を行使する能力(行為能力)と理 解される。
⒞ 障害者は、他の拘禁下にある者との平等を基礎として、拘禁している当局が提供する、 物理的環境、情報、連絡、そして他の施設にアクセスできなければならない。したがって、自 由を剥奪された場所で、自由を剥奪された障害者が自立生活を送り、そして日常生活のあらゆ る側面に完全に参加できるために、アクセスへの障害物と障壁を特定して取り除くことも含み、 あらゆる関連した措置が取られなければならない。
⒟ アクセシビリティは、障害者のジェンダーと年齢を考慮に入れなければならず、被拘禁 者の機能障害の種類、法的地位、社会的条件、ジェンダーや年齢に関わりなく平等なアクセス が提供されなければならない。
⒠ 障害者は、通訳とピアサポートメカニズムを含む法的あるいは他の支援を提供されなけ ればならない。そうすることで、精神保健施設あるいはいかなる種類の居住施設でサービスを 受けている個人も、この基本原則とガイドラインの内容も含む、国内法と国際法のもとでの権 利と救済についての情報を提供されなければならない。そして意志に反して拘禁されている人 の代理として様々な組織が動かなければならない。

107. 司法へのアクセスと法の前での平等に認知される実体的権利の行使のために、手続き的 配慮と、アクセシビリティ、そして合理的配慮の提供の確保のために、以下の措置が取られな ければならない。
⒜ 障害者は、拘禁に関連する手続きに関して、そして拘禁それ自体についての法的能力を 行使できる適切な支援について、情報を告知され、その支援へのアクセスを求めに応じ即座に 提供されなければならない。法的能力の行使における支援は、障害者の権利、意志そして選好 を尊重し、決して代行決定に陥ってはならない。
⒝ 精神障害者は無能力宣告をされるというのではなく、必要なら支援と配慮を得て、裁判 に即座に出席する機会を与えられなければならない。
⒞ 障害者は、拘禁されている他の人との平等を基礎として、法律を施行する機関と司法機 関が存在する建物にアクセスできなければならない。司法機関はそのサービスが障害者がアク セス可能な情報とコミュニケーションを含むようにしなければならない。司法機関の施設にお けるコミュニケーションへのアクセスを促進するために、点字での表示や、読みやすくそして わかりやすい、ガイド、読み手、職業手話通訳を含む、その場での人的支援と媒体者などが提 供されるよう、適切な措置が取られなければならない。
⒟ 現在、精神科病院あるいは同じような施設に拘禁されている個人、および/または強制 医療にさらされている個人、あるいは将来、拘禁されたり強制医療にさらされたりする可能性 のある個人、そういう人たちには、差し止めによる救済も含む、有効で即座に釈放を確保する 方法についての情報が提供されなければならない。
⒠ 差し止めによる救済とは、施設に即座に人を釈放することを要求する命令、および/ま たは即座に、いかなる強制医療と他のいかなる組織的対策をも中止する命令である。それは精 神保健施設のドアを解錠し、人に出ていく権利があると告げることを要求する命令、そして行 政当局に対しては、住宅へのアクセス、生活手段、脱施設化と自立生活、そして地域社会に包 摂される権利の促進のための、その他の形式の経済的社会的支援へのアクセスを提供するための公共団体を設置する命令といったものである。そうした援助プログラムは精神保健サービス
の提供あるいは治療が中心であってはならず、医学的診断と介入から自由で、それに代わるも のも含め、無料あるいは入手可能な地域を基盤としたサービスでなければならない。薬へのア クセスと断薬を決めた人のための薬からの離脱における支援も、彼らが利用できるようになっ ていなければならない。
(f) 恣意的あるいは不法な自由の剥奪の場合は、障害者は補償、そして同様に他の形式で の様々な賠償をも提供される。前述の賠償にはまた、アクセシビリティの欠如、合理的配慮の 否定、あるいは自由を剥奪された障害者に影響を与えた保健ケアとリハビリテーションの欠如 による損害も、考慮されなければならない。

ガイドライン 21  その法的地位と関わりなく移民、難民申請者、難民そして国家を持たな い人を含む外国人への特別の措置
108. その法的地位に関わりなく、移民、難民申請者、難民そして国家のない人々に対する、 いかなる自由の制限も最終手段でなければならず、必要で均衡性があり、より制限が少ない代 替手段を考慮しても、法律の目的を果たすのには不十分であるとされたときにのみ、自由の制 限がされなければならない。

109. 領土内におり、あるいは国家の裁判権のもとにあると自認するすべての個人は、法に定 められた法廷への有効で自由なアクセスを保障されなければならない。これには以下の権利を 含む。
⒜ 拘禁の理由、そして拘禁の恣意性と合法性に異議申し立てする権利を含め、拘禁中の人 の権利について、拘禁された人が理解できる言語、手段、様式あるいは書式で、口頭と書面で 告知される権利。これは、被拘禁者が自己負担なく、有資格の通訳や翻訳者を通し情報の提供 を受けることを求めるものであり、拘禁されている場所でポスターや TV モニターを使うこと を含め情報が公示されることも求めるものである。
⒝ 自分で、あるいは代理人を通して、拘禁の必要性、均衡性、恣意性と合法性について異 議申し立てを法廷における手続きに持ち込む権利、そして遅滞なく適切でアクセシブルな救済 を受ける権利。
⒞ 被拘禁者のニーズに対応し、彼らにそうした人にふさわしい施設を提供することも含め、 関連情報を提供したり法的支援を提供したりすることのできるであろう、いかなる利害関係の ある部署・人たちとも連絡を取り、また連絡を取られる権利。これは移民の拘禁施設が人口密 集地の中心から離れて位置する場合には、とりわけ重要である。そうした状況では移動法廷と ビデオ会議が法廷へのアクセシビリティを得るために使われてもよいが、被拘禁者が自分自身 で裁判官の前に現れる権利を妨げられてはならない。

110. すべての移民収容所が監視を受ける権利、そして関連する国連機関、地域あるいは国際 人権機関、国内人権機関、非政府組織による、公開の報告がなされる権利、そして領事館(移 民拘禁施設にいる人の要請という条件があれば)は、拘禁の合法性と恣意性に異議申し立ての 手続きを法的に持ち込む権利の行使と適切な救済を得る権利行使がアクセシブルで有効である ことを確保することが許可されなければならない。

111. 外国人の拘禁に関する決定は、これらの人の身体的精神的健康に与える拘禁の影響につ いても考慮に入れなければならない。身体的精神的安全が拘禁下で保障できないなら、当局は拘禁に代わる代替手段を提供しなければならない。

112. 付き添いがいる場合もいない場合も、18 歳以下の外国人に関するすべての決定と行動は、 彼らの最善の利益が最優先で考慮されるべきという子どもの権利によって導かれなければならない。そして、この基本的原則とガイドラインにおける子どもに対する特別の保護に従わなけ ばならない。

113. 子ども自身あるいは両親の移民の法的地位を理由とした拘禁は、子どもの権利を常に侵 害すること、子どもの最善の利益が最優先に考慮されるべきという子どもの権利に反すること を、国内法の枠組みと移民政策は熟慮しなければならない。

114. 付添のいない外国人の子どもは、自分たちの状況を完全に理解することを確保できるた めに、彼らの法的地位について情報提供されなければならない。子どもに提供される公選弁護 サービスおよび/または後見人は、とりわけ極端な無防備性とケアの必要性について考慮しつ つ、子どもと共に作業を行えるよう適切に訓練されていなければならず、また子どもが理解で きる言語を話さなければならない。外国人の子どもたちは移民のための拘禁センターやシェル ターに入れられてはならないのであり、適切な栄養、質のいい教育や余暇活動、ケア、身体的 心理的医学的ケアと安全へのアクセスといった、彼らの保護のために必要なすべてのサービス が受けられる、拘禁に代わる地域に根ざした非拘禁的な場所に、その子どもたちは置かれなけ ればならない。家族の再統合には特別の注意が払われなければならない。

115. 不法移民のケースについては、司法的審査の範囲は、移民の現在の法的地位の公式な審 査に限られてはならない。そうではなく、拘禁が不要、不均衡、不法あるいは恣意的であると いう決定がなされたなら、釈放の可能性についても審査の中に含まれなければならない。

116. 難民申請者の場合、司法的審査の範囲は、国際法のもとで難民申請の権利はあり、そし てそれは不法でも犯罪行為でもないとされ、拘禁の根拠として使われてはならないということ を認識しなければならない。拘禁の使用期間を含み、国際難民法に従って、不法入国や不法滞 在ゆえに罰せられることから保護されなければならない。

ガイドライン 22  実施措置
117. 国家の生命及び存立を脅かす公共の危機として公に宣言されたときも含み、この基本原
則とガイドラインにある権利と義務が常に法と実践で保障されることを確保するために、法律 的、行政的、司法的そして慣習法の原則の発展を通した他の措置が、この基本原則とガイドラ インを有効にするために採用されなければならない。

118. 前述した措置は、この基本原則とガイドラインと一致しているかの評価のために、現行 の法律上、行政上そしてその他の規定を審査することを含まなければならない。恣意的拘禁の 作業部会の各国訪問は、この原則とガイドラインの履行を支援する目的で、当該国家政府、市 民社会の代表と直接的な対話を行う機会である。

119. これらの保障を適切に実施するために、警察及び刑務所職員も含む司法に係る行政分野 の職員の適切な訓練を促進することを国家は奨励される。この措置はまた、裁判官、裁判所、そして法律関連の公務員に対しても、拘禁に関する市民的政治的権利の国際規約からの国際法
と規則、そして同様に関連する国際的基準をいかに適用するかについての訓練を提供すること をも含む。恣意的拘禁作業部会はこの国家の義務を達成するための支援をいつでも提供する。

120. 自由を剥奪されただれもが、拘禁の恣意性と合法性について異議申し立てを法廷に持ち 込む手続きの権利、そして遅滞なく適切でアクセシブルな救済を得る権利を妨害あるいは制限 するいかなる行為あるいは怠慢をも犯罪とみなす法制度が制定されなければならない。

121. この基本原則とガイドラインが守るべきとした権利の侵害は捜査され、起訴され罰せら れなければならない。

122. この基本原則とガイドラインは、司法分野のアクターとコミュニティ、そして国内人権 機関、国内防止機関、自由を剥奪する場所について、説明責任のある、監視あるいは捜査の権 限がある法廷の監視当局と他の機関あるいは組織を含み、広く配布されなければならない。前 述の配布のためにはアクセシブルな形式もまた考慮されなければならない。国連人権高等弁務 官は謹んで基本原則とガイドラインのさらなる配布宣伝を要請する。

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